カナダに対し、中国商務省が発表した措置2024年09月04日 20:26

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【概要】

 中国商務省(MOFCOM)は、カナダが中国製品、特に電動車(EV)、鉄鋼、アルミニウムに対して追加の重い関税を課す決定をしたことに対抗して、以下の措置を発表した。

 1.WTOでの紛争解決手続きの開始: 中国はカナダの追加関税に対してWTOでの紛争解決手続きを開始する計画である。これは中国の産業の権益を保護するためである。

 2.反差別調査の開始: 中国は、カナダが中国製EV、鉄鋼、アルミニウムに追加関税を課したことに対して、反差別調査を開始する。この調査は中国の「外国貿易法」第7条および第36条に基づいて行われる。

 ・第7条: 他国が中国に対して差別的な貿易制限措置を取る場合、中国は反措置を取ることができると規定している。
 ・第36条: 外国貿易を担当する国家評議会の機関は、関連する事項の調査を実施することができるとしている。

 3.カナダ産カノーラ種子への反ダンピング調査: 中国は、カナダから輸入されるカノーラ種子に対して反ダンピング調査を開始する。これは中国国内の産業を保護するためである。2023年のカナダからのカノーラ種子輸出額は34.7億ドルで、前年比170%増加したが、中国の産業が不公平な競争により損害を受けているとされている。

 4.カナダ産化学製品への反ダンピング調査: 中国は、カナダからの関連化学製品に対しても反ダンピング調査を行う計画である。

 中国の措置は、カナダの政治的動機に基づく不公平な関税政策に対抗するものであり、WTOの枠組みに則っているとされている。

【詳細】

 中国商務省(MOFCOM)が発表した措置の詳細について、以下の通りである。

 1. WTOでの紛争解決手続きの開始

 中国は、カナダが中国製電動車(EV)、鉄鋼、アルミニウムに対して追加の重い関税を課したことに対して、世界貿易機関(WTO)での紛争解決手続きを開始する意向を示した。これは、カナダの関税措置がWTOの規定に違反していると主張し、中国の産業の権益を守るための措置である。WTOでの手続きは、国際貿易のルールに基づいて紛争を解決するための公式なプロセスである。

 2. 反差別調査の開始

 中国は、カナダの追加関税が中国製品に対して差別的であると見なし、反差別調査を開始することを決定した。この調査は、中国の「外国貿易法」に基づいて行われる。

 ・第7条: この条項は、他国が中国に対して差別的な貿易制限を課す場合、中国が反措置を取る権利を認めている。
 ・第36条: 外国貿易に関する問題について調査を行う権限を持つ国家評議会の機関が、調査を実施できることを規定している。

 この調査の結果に応じて、さらに追加の対抗措置を取る可能性がある。

 3. カナダ産カノーラ種子への反ダンピング調査

 中国はカナダから輸入されるカノーラ種子に対して反ダンピング調査を開始することも発表した。2023年にカナダからのカノーラ種子の輸出額は34.7億ドルに達し、前年比170%の増加を示したが、価格が下落しているにもかかわらず、競争が不公平であるとされ、中国の国内産業が損害を受けているとされている。反ダンピング調査は、不公平な価格設定(ダンピング)が中国の国内産業に対する損害をもたらしているかどうかを調べるものである。

 4. カナダ産化学製品への反ダンピング調査

 中国は、カナダから輸入される化学製品に対しても反ダンピング調査を行う計画を発表した。これは、中国国内の企業の権益を守るための措置である。

 中国の立場と批判

 中国は、カナダの関税措置が政治的動機に基づき、WTOの枠組みを超えていると批判している。中国の対応は、WTOのルールに則り、業界からの要求や懸念に応じたものであり、正当な手続きを経て行われているとしている。一方で、中国の措置がカナダの行動に対する反撃であり、国際貿易の安定性に悪影響を及ぼす可能性があるとも指摘されている。

 これらの措置により、カナダとの貿易関係がさらに緊張する可能性があり、国際貿易のダイナミクスに影響を与えることが予想される。

【要点】

 中国の商務省(MOFCOM)が発表した措置の詳細である。

 1.WTOでの紛争解決手続きの開始

 ・カナダの中国製電動車(EV)、鉄鋼、アルミニウムに対する追加関税に対抗。
 ・WTOの規定に違反しているとの主張。
 ・中国の産業権益を守るための措置。

 2.反差別調査の開始

 ・カナダの追加関税が差別的であるとの主張。
 ・中国の「外国貿易法」第7条および第36条に基づく調査。
 ・調査結果に応じてさらなる対抗措置の可能性。

 3.カナダ産カノーラ種子への反ダンピング調査

 ・2023年にカナダからのカノーラ種子輸出額は34.7億ドル、前年比170%増。
 ・不公平な価格設定(ダンピング)が中国の国内産業に損害をもたらしているとされる。
 
 4.カナダ産化学製品への反ダンピング調査

 ・中国国内の企業権益を守るための調査。
 ・不公平な価格設定が中国の産業に影響を与えているとされる。

 5.中国の立場と批判

 ・カナダの関税措置は政治的動機に基づくと批判。
 ・中国の対応はWTOのルールに則っており、業界の要求に応じた措置。 

【引用・参照・底本】

Beijing takes measures against Ottawa’s ‘reckless’ trade actions GT 2024.09.04
https://www.globaltimes.cn/page/202409/1319191.shtml

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