EU:中国EV輸入に対する関税投票2024年09月30日 17:30

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【概要】

 EUが10月4日に予定している中国からの電気自動車(EV)輸入に対する関税の投票は、当初9月25日に予定されていたが、両国間での交渉が続く中でわずかに延期された。報道によれば、EUは最大45%の関税を課すことを検討しており、投票により新たな関税が11月から5年間適用される可能性がある。ただし、15の加盟国が全体人口の65%を代表して反対しない限り、新たな関税は現行の10%に追加されることになる。

 中国とEUの間では、両国の技術チームが価格の柔軟な約束に関する解決策を模索しており、最終決定前に合意に達することを目指している。中国の商務省は、中国が対話と協議を通じて問題を解決するための「最大限の誠意」を示しているとし、関税の一方的な実施がEUと中国双方に損失をもたらす可能性があると警告している。

【詳細】

 EUは、10月4日に中国製電気自動車(EV)に対する新たな関税を導入するかどうかの投票を予定している。この関税は最大45%に達する可能性があり、中国からのEV輸入を大幅に制限することを目的としている。当初の投票日は9月25日とされていたが、直前の交渉や協議により若干延期された。報道によると、EU内での最終決定はまだ調整中であり、投票日が変更される可能性もあるとのことである。

 EUが検討している新たな関税は、現在の10%の関税に加えられるもので、35%から45%の範囲で新たに適用される可能性がある。この措置は、2024年11月から5年間適用される見通しであるが、EU加盟国のうち15カ国以上が全体の人口の65%を代表して反対する場合、関税導入が阻止される可能性もある。

 この問題に関しては、EU加盟国間でも意見が分かれており、保護主義的な政策を支持する国と、それが経済的利益に悪影響を及ぼす可能性を懸念する国とが対立している。特に、関税が中国との長年にわたる協力的な貿易関係を損なうリスクが指摘されている。

 中国とEUは、貿易紛争を対話と協議を通じて解決しようとする努力を続けている。特に、中国の商務大臣であるWang Wentaoと欧州委員会のエグゼクティブ副委員長兼貿易担当コミッショナーであるヴァルディス・ドンブロフスキスとの間で行われた協議では、両国の技術チームが価格の柔軟な約束に関する解決策を模索していると報告されている。これにより、最終的な関税導入前に合意に達する可能性がある。

 中国の商務省の報道官であるHe Yongqianは、双方が「包括的、深遠で建設的な」協議を行ったとし、中国が誠意を持って問題解決に取り組んでいると強調した。また、He Yongqianは、中国が関税の一方的な導入に反対し、これがEUのEV産業やグリーン産業に損害を与え、EU内部の市場発展や消費者の利益にも悪影響を及ぼす可能性があると指摘している。

 さらに、中国は、この関税措置が中国製品の輸出に影響を与える可能性がある一方で、EUのグリーン変革を阻害し、双方にとって互恵的な経済・貿易関係を損なう危険性があるとしている。中国側は、正当な企業利益を守るための強い決意を示しており、問題の適切な解決に向けて引き続き努力するとしている。
 
【要点】

 ・EUは中国製電気自動車(EV)に対する最大45%の関税導入を10月4日に投票予定。
 ・当初の投票日は9月25日だったが、協議のため延期された。
 ・新たな関税は、現行の10%に加えて35%から45%に設定される可能性があり、2024年11月から5年間適用される見通し。
 ・EU加盟国の15カ国以上が全体人口の65%を代表して反対しない限り、関税が導入される。
 ・EU内では、保護主義的な政策を支持する国と、それが経済利益を損なうと懸念する国の間で意見が分かれている。
 ・中国とEUは貿易紛争を対話と協議を通じて解決しようとし、価格の柔軟な約束に関する解決策を模索中。
 ・中国商務省は、関税導入が双方に損失をもたらし、EUのEV産業やグリーン変革に悪影響を及ぼすと警告。
 ・中国は合法的な企業利益を守る強い決意を示し、引き続き協議を通じた解決を目指している。

【引用・参照・底本】

EU urged to adopt open, cooperative approach amid dialogue, as bloc reportedly plans Oct 4 vote on Chinese EV tariffs GT 2024.09.29
https://www.globaltimes.cn/page/202409/1320575.shtml

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