インドネシア:BRICSの正式なメンバーとなったことを歓迎2025年01月07日 18:14

Microsoft Designerで作成
【概要】
 
 インドネシアは2025年1月7日(火)、BRICSの正式なメンバーとなったことを歓迎すると発表した。このニュースは1月6日(月)にブラジルから発表されたものである。BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国によって2009年に設立され、現在は南アフリカ、イラン、アラブ首長国連邦(UAE)などを含む10カ国のグループとなっている。

 ブラジル外務省は声明の中で、東南アジアで最も人口の多いインドネシアが「グローバルガバナンスの制度改革を志向し、グローバルサウス内での協力に積極的に貢献する意思を他のメンバーと共有している」と述べた。また、2023年にヨハネスブルグで開催されたサミットにおいてインドネシアの加盟申請が承認されたことを明らかにした。

 インドネシア外務省は声明を発表し、この決定を歓迎すると述べた。同声明では、「この成果は、グローバルな課題に対するインドネシアの積極的な役割と、より包括的かつ公正な国際構造を創出するための多国間協力を強化するというコミットメントを示している」と強調している。

 BRICSは2010年に南アフリカが加わった後、2024年にはイラン、エジプト、エチオピア、アラブ首長国連邦を含む拡大が行われた。インドネシアは声明の中で、BRICSへの加盟を「平等、相互尊重、持続可能な発展の原則に基づいて、他の発展途上国との協力を強化する戦略的な一歩」と位置づけた。また、「2024年の議長国であったロシアによる支援とリーダーシップに感謝するとともに、ブラジルにも感謝を表明する」と述べている。

 2025年にBRICSの議長国を務めるブラジルは、「グローバルサウス」諸国間の協力を強化し、多国間機関の改革を目指すことを目標としている。特に、加盟国間の貿易を円滑化するための「支払い手段の開発」に重点を置いているとされる。

 2024年11月にロシアのカザンで開催された前回のBRICSサミットでは、ドル以外の通貨での取引拡大や現地通貨の強化が議論された。この動きに対し、アメリカ合衆国の次期大統領ドナルド・トランプ氏は「ドルを損ねる行為に対して100%の関税を課す」と警告している。

 2025年のBRICSサミットは、7月にブラジルのリオデジャネイロで開催される予定である。
 
【詳細】

 インドネシアがBRICSの正式メンバーとなったことは、2025年1月6日、ブラジルが公式に発表したものである。BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカから成る新興国連合)は、世界の新興経済国を代表する国際的な枠組みとして2009年に設立された。南アフリカが2010年に加盟し、さらに2024年にはイラン、エジプト、エチオピア、アラブ首長国連邦(UAE)が加わり、現在では10カ国に拡大している。インドネシアの加盟は、BRICSがさらに影響力を広げ、グローバルサウスの声を反映するプラットフォームとしての地位を強化する動きである。

 加盟の背景

 ブラジル外務省によれば、インドネシアの加盟は2023年に南アフリカのヨハネスブルグで開催されたBRICSサミットで承認されていた。この決定は、インドネシアが「グローバルガバナンスの改革に貢献し、グローバルサウス内での協力を深化させる」という意欲を示していたことに基づくものである。また、加盟に際しては2024年の議長国ロシアがその手続きの円滑化を支援したことが、インドネシア外務省の声明でも触れられている。

 インドネシアは、BRICS加盟を「持続可能な発展、平等、相互尊重の原則に基づき、他の新興国との協力を強化する戦略的なステップ」と評価している。また、インドネシアの声明では、この加盟が「より包括的かつ公正な国際構造の構築に向けた多国間協力を強化するコミットメント」を示すものと位置づけられている。

 BRICSの目的と役割

 BRICSは、グローバルサウスに属する国々の経済的・政治的利益を代表し、国際秩序において先進国主導のシステムに対抗するための重要なプラットフォームである。加盟国は、それぞれの経済的影響力を結集することで、国際機関(例:国際通貨基金や世界銀行)の改革を目指し、より公平な国際ガバナンスを求めている。

 2025年の議長国であるブラジルの目標は、特に「グローバルサウス」諸国間の協力を深化させ、国際貿易における新しい支払い手段を開発することである。この取り組みには、ドル依存を減らし、加盟国間の貿易を円滑化するための非ドル取引やローカル通貨の強化が含まれる。

 最近の動向

 2024年11月にロシアのカザンで開催された前回のBRICSサミットでは、ドル以外の通貨での取引を拡大し、地域通貨を強化する議論が行われた。この動きに対し、アメリカの次期大統領ドナルド・トランプ氏は「ドルの地位を損ねる行為に対して100%の関税を課す」と警告を発しており、BRICSとアメリカとの緊張が高まっている。

 さらに、BRICSは国際的な影響力を高めるため、貿易や投資の分野での協力を促進するとともに、インフラ開発や環境問題への対応も視野に入れている。これらの取り組みは、BRICS加盟国が相互利益を追求しながら、発展途上国全体の利益を促進することを目的としている。

 次回サミット

 2025年7月にはブラジルのリオデジャネイロで次回のBRICSサミットが開催される予定であり、この場で具体的な経済協力や新たな政策が議論される見込みである。ブラジルのルラ大統領は、BRICSが「南半球における協力の中心的存在」としての役割を果たし続けることを目指している。

 今回のインドネシアの加盟は、BRICSがさらなる多様性を取り入れ、グローバルサウスの利益を代表する役割を強化する重要な一歩であるといえる。
  
【要点】 

 1.インドネシアのBRICS加盟発表

 ・2025年1月6日、ブラジルがインドネシアの正式加盟を発表。
 ・加盟は2023年のヨハネスブルグサミットで承認済み。

 2.BRICSの概要と目的

 ・BRICSは2009年にブラジル、ロシア、インド、中国によって設立され、2010年に南アフリカが加盟。
 ・2024年にイラン、エジプト、エチオピア、UAEが加入し、現在10カ国体制。
 ・新興国の連携を強化し、国際機関の改革を目指す。

 3.インドネシアの声明

 ・加盟は「持続可能な発展、平等、相互尊重に基づく協力を強化する戦略的ステップ」と評価。
 ・「より包括的で公正な国際構造の構築」を目指す。
 ・ロシアとブラジルに加盟支援への感謝を表明。

 4.ブラジルの目標

 ・2025年議長国として「グローバルサウス」諸国の連携強化を推進。
 ・非ドル取引や地域通貨の活用を拡大するための「支払い手段の開発」を重視。

 5.最近の動向

 ・2024年11月、ロシア・カザンでのサミットでドル依存削減と地域通貨の強化を議論。
 ・アメリカの次期大統領トランプ氏は、ドルの地位低下に対し関税措置を警告。

 6.次回サミット

 ・2025年7月、ブラジル・リオデジャネイロで開催予定。
 ・貿易、投資、国際協力の具体的な政策が議論される見込み。

 7.ンドネシア加盟の意義

 ・BRICSの多様性を高め、新興国の連携を強化。
 ・グローバルサウスの声を国際社会に反映するための重要な一歩。

【引用・参照・底本】

Indonesia welcomes new BRICS membership as bloc expands FRANCE24 2025.01.07
https://www.france24.com/en/asia-pacific/20250107-indonesia-welcomes-new-brics-membership-as-bloc-expands?utm_medium=email&utm_campaign=newsletter&utm_source=f24-nl-quot-en&utm_email_send_date=%2020250107&utm_email_recipient=263407&utm_email_link=contenus&_ope=eyJndWlkIjoiYWU3N2I1MjkzZWQ3MzhmMjFlZjM2YzdkNjFmNTNiNWEifQ%3D%3D

コメント

トラックバック