無人航空機(UAV)とロボット犬が互いに花火を発射2025年01月28日 11:08

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【概要】

 中国のソーシャルメディアで話題となっている短い動画には、無人航空機(UAV)とロボット犬が互いに花火を発射し合う「銃撃戦」の様子が映されている。UAVは地上約2メートル(6.5フィート)の高さでホバリングし、着陸装置に取り付けられた花火をロボット犬に向けて発射する。ロボット犬も花火で応戦し、両者は常に移動しながら、攻撃を避けようとしているようだ。

 動画の出所やUAVとロボット犬がどのように操作されていたかは不明であり、どちらが最終的に勝ったのかも明らかではない。南華早報(South China Morning Post)によれば、動画の情報源は不明で、UAVはDJIのTシリーズ農業用モデルに似ており、ロボット犬は杭州のロボット開発企業Unitree Roboticsが製造したGoシリーズに見えるという。

 ドローンはウクライナ紛争において現代の戦場で重要な役割を果たしているが、地上ロボットはまだそれほど普及していない。とはいえ、いくつかの軍隊はすでにこれらのシステムのテストを行っていたり、実際に運用を開始していたりする。例えば、2022年8月のロシアの軍事博覧会では、Intellect Machine社がM-81ロボット犬システムのプロトタイプを公開し、ロケットランチャーを搭載していた。

 インド陸軍は、先月、AIを搭載した四足歩行ロボット「MULES(Multi-Utility Legged Equipment)」の最初のロットを公開した。このロボットは高度なサーマルカメラとセンサーを搭載しており、監視や戦闘任務に適しており、さらに小型武器を装備することも可能である。

 また、10月には、米陸軍中央司令部の広報担当者が、サウジアラビアでの訓練において、AR-15/M16型ライフルを回転式タレットに搭載したAI対応のロボット犬を少なくとも1体展開したことを確認した。米国防総省は、その四足型無人地上車両(Quadrupedal-Unmanned Ground Vehicle、Q-UGV)の写真も公開した。

 中国人民解放軍は、2024年5月にカンボジアとの共同訓練「ゴールデンドラゴン2024」で、攻撃用ライフルを装備し、自ら経路を計画して障害物を回避する能力を持つ遠隔操作型の犬型ロボットを含む複数の軍事ロボットを公開している。

【詳細】
 
 中国のソーシャルメディアで話題となった動画は、無人航空機(UAV)とロボット犬が互いに花火を発射し合うシーンを捉えたもので、両者は空中および地上で激しく移動しながら戦う様子が映し出されている。UAVはおそらく農業用のモデルであり、着陸装置に取り付けられた花火をロボット犬に向けて発射している。ロボット犬も同様に花火を用いて反撃しており、両者は絶えず位置を変えながら、攻撃を避けようとする動きが見受けられる。しかし、最終的にどちらが勝者となったのかは動画からは確認できない。

 この動画については、詳細な情報が不足しており、UAVとロボット犬がどのように操作されていたのかについても不明である。南華早報(South China Morning Post)の報道によると、UAVはDJI(大疆创新)のTシリーズ農業用ドローンに似ており、ロボット犬はUnitree Robotics(ユニツリー・ロボティクス)が製造したGoシリーズに見えるという。これらの情報から、両者は軍事的な用途だけでなく、商業的な用途にも関連する技術である可能性がある。

 ドローン技術は、ウクライナ紛争において重要な役割を果たしており、特に偵察、攻撃、補給など多様な任務に活用されている。UAVはその高い機動性と長距離の作戦能力を生かして、現代の戦場では欠かせない存在となっている。しかし、ロボット犬のような地上ロボットは、ドローンほど広く普及しているわけではなく、まだ実験段階や限られた範囲で使用されていることが多い。

 それでも、いくつかの国では地上ロボットを軍事利用に向けた実証実験を行っている。例えば、ロシアは2022年8月の「ロシア陸軍技術展覧会」において、ロケットランチャーを装備したM-81型ロボット犬のプロトタイプを公開しており、このロボットは戦闘能力を持つことが示唆されている。

 インドでは、2024年1月にAI搭載の四足歩行ロボット「MULES」を発表した。このロボットは、監視活動や戦闘任務に対応できるだけでなく、非常に高性能なサーマルカメラやセンサーを備えており、さらには小型武器を搭載することも可能である。これにより、地上部隊における支援役割を果たすだけでなく、戦闘においても活用できる能力を持っている。

 アメリカ合衆国では、2023年10月に米陸軍中央司令部がサウジアラビアで行われた訓練において、AR-15/M16型ライフルを搭載したAI対応のロボット犬「Q-UGV」を少なくとも1体展開したことが報告された。このロボット犬は、ドローンのように遠隔操作される可能性が高く、戦闘環境における新しい戦術的選択肢を提供するものとして注目されている。

 また、中国人民解放軍(PLA)は、2024年5月にカンボジアで行った「ゴールデンドラゴン2024」共同演習において、ロボット犬を含む数種類の軍事ロボットを展示した。これらのロボットは、攻撃用ライフルを装備し、自己学習によって経路を計画し、障害物を回避する能力を持っている。この技術は、未来の戦場での自律的な作戦実行を可能にするもので、戦闘力の向上とともに兵士の安全性の向上にも寄与することが期待されている。

 このように、UAVやロボット犬は現代の戦闘において重要な役割を果たしつつあり、今後、技術の進展とともにさらに多くの軍事的応用が期待される。 

【要点】
 
 1.動画の内容

 ・無人航空機(UAV)とロボット犬が互いに花火を発射し合う「銃撃戦」を繰り広げている。
 ・UAVは地上約2メートルでホバリングし、花火をロボット犬に向けて発射。
 ・ロボット犬も花火で反撃し、両者は常に移動しながら攻撃を避けようとする。
 ・最終的にどちらが勝ったのかは不明。
 ・動画の出所や操作方法については不明であり、UAVはDJIのTシリーズ農業用ドローンに似ており、ロボット犬はUnitree RoboticsのGoシリーズに見える。

 2.ドローン技術の戦争での役割

 ・ウクライナ紛争でドローンは偵察、攻撃、補給など多様な任務に使用され、現代戦では欠かせない存在となっている。
 ・ドローンは高い機動性と長距離の作戦能力を活かして、戦場で重要な役割を果たしている。

 3.ロボット犬の軍事利用

 ・ロボット犬はまだ広く普及していないが、いくつかの国でテストや実証実験が行われている。
 ・ロシア: 2022年のロシア陸軍技術展覧会で、ロケットランチャーを搭載したM-81型ロボット犬のプロトタイプを公開。
 ・インド: 2024年1月にAI搭載の四足歩行ロボット「MULES」を発表。サーマルカメラとセンサーを搭載し、監視や戦闘任務に対応。小型武器も装備可能。
 ・アメリカ: 2023年10月、AI対応のロボット犬「Q-UGV」をサウジアラビアでの訓練において展開。AR-15/M16型ライフルを搭載。

 4.中国のロボット犬の展示

 ・2024年5月、人民解放軍がカンボジアでの共同訓練「ゴールデンドラゴン2024」において、攻撃用ライフルを装備したロボット犬を含む複数の軍事ロボットを公開。
 ・これらのロボット犬は、自己学習により経路を計画し、障害物を回避する能力を持つ。

 5.技術の進展と軍事的応用:

 ・UAVとロボット犬は、戦場における自律的な作戦実行を可能にし、兵士の安全性を高めるとともに、戦闘力の向上にも寄与することが期待されている。

【引用・参照・底本】

WATCH robo-dog and drone fight (VIDEO) RT 2025.01.27
https://www.rt.com/news/611726-china-drone-robodog-fireworks-battle/

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