新型戦艦「トランプ級」を建造する計画を発表 ― 2025-12-24 18:56
【概要】
トランプ米大統領は、自身の名を冠した新型戦艦「トランプ級」を建造する計画を発表し、米海軍の艦船建造能力と将来像に注目が集まっている。計画では、第二次世界大戦以来最大級となる大型水上戦闘艦を建造し、かつてない火力と射程を持たせるとしている。一方で、米海軍の造船計画は近年、納期遅延や予算超過が常態化しており、新戦艦計画が成功するかどうかには多くの課題が存在する。
【詳細】
トランプ級戦艦は、全長最大約880フィート、排水量3万~4万トンとされ、第二次世界大戦期の戦艦に匹敵する規模である。米海軍の資料では「史上最も致死性の高い軍艦」とされ、従来艦の約80倍の射程を持つ打撃能力を備えると説明されている。艦には核搭載可能な極超音速巡航ミサイルを発射する12基の発射セル、トマホーク巡航ミサイルや迎撃ミサイルを搭載できる128基の垂直発射セルが搭載される予定である。さらに、レールガン、5インチ砲、レーザー兵器なども含まれ、トランプ大統領は第二次大戦期の戦艦の100倍の威力を持つと述べている。
しかし、建造面では深刻な障害が指摘されている。設計や建造の具体的なスケジュールは示されておらず、海軍長官ジョン・フェランは、現在の造船計画が大幅な遅延と予算超過に陥っていると証言している。実際、コンステレーション級フリゲート計画は中止され、最新空母ジョン・F・ケネディも引き渡しが約2年遅れている。
また、米国の造船所は既存の建造・整備作業で手一杯であり、トランプ級のような大型艦を建造するためには、閉鎖された造船所の再稼働や新設が必要とされる。これに加え、造船や電気、センサー分野の熟練労働者を大量に確保・育成する必要があるが、賃金面などから人材確保は困難であると指摘されている。
コスト面でも課題は大きい。アーレイ・バーク級駆逐艦が1隻約20億ドルであるのに対し、トランプ級は最大で150億ドルに達する可能性があると報じられている。さらに、ズムウォルト級駆逐艦や沿海域戦闘艦など、過去の野心的な計画が縮小や早期退役に至った例もあり、計画を最後まで遂行できるか疑問視されている。
運用面では、レールガンのように一度中止された技術を再び実用化する必要があるほか、650~850人と見込まれる乗員を確保・運用するための体制も課題である。加えて、現代の海戦環境において、大型艦が中国の弾道ミサイルや無人機、機雷などの脅威にどこまで耐えられるかという根本的な疑問も提示されている。
一方で、第二次世界大戦やアポロ計画を引き合いに出し、米国には大規模国家プロジェクトを成し遂げた前例があると指摘する声もある。ただし今回は同盟国の協力が不可欠とされ、韓国の造船企業が米国造船所に投資するなど、協力の兆しも見られている。
【要点】
・トランプ級戦艦は、第二次世界大戦以来最大級で、極めて強力な火力を持つと構想されている。
・一方で、米海軍の造船計画は遅延と予算超過が常態化しており、建造能力と管理体制に課題がある。
・造船所の不足、人材確保、莫大な建造費、未成熟な兵器技術が大きな障害である。
・大型艦が現代のミサイルや無人機中心の戦場に適応できるかについて疑問が提示されている。
・成功には国内改革だけでなく、同盟国との協力が重要とされている。
【引用・参照・底本】
Trump’s new battleship plan could transform the US Navy – or sink it CNN 2025.12.22
https://edition.cnn.com/2025/12/23/us/trump-new-battleships-analysis-intl-hnk-ml
トランプ米大統領は、自身の名を冠した新型戦艦「トランプ級」を建造する計画を発表し、米海軍の艦船建造能力と将来像に注目が集まっている。計画では、第二次世界大戦以来最大級となる大型水上戦闘艦を建造し、かつてない火力と射程を持たせるとしている。一方で、米海軍の造船計画は近年、納期遅延や予算超過が常態化しており、新戦艦計画が成功するかどうかには多くの課題が存在する。
【詳細】
トランプ級戦艦は、全長最大約880フィート、排水量3万~4万トンとされ、第二次世界大戦期の戦艦に匹敵する規模である。米海軍の資料では「史上最も致死性の高い軍艦」とされ、従来艦の約80倍の射程を持つ打撃能力を備えると説明されている。艦には核搭載可能な極超音速巡航ミサイルを発射する12基の発射セル、トマホーク巡航ミサイルや迎撃ミサイルを搭載できる128基の垂直発射セルが搭載される予定である。さらに、レールガン、5インチ砲、レーザー兵器なども含まれ、トランプ大統領は第二次大戦期の戦艦の100倍の威力を持つと述べている。
しかし、建造面では深刻な障害が指摘されている。設計や建造の具体的なスケジュールは示されておらず、海軍長官ジョン・フェランは、現在の造船計画が大幅な遅延と予算超過に陥っていると証言している。実際、コンステレーション級フリゲート計画は中止され、最新空母ジョン・F・ケネディも引き渡しが約2年遅れている。
また、米国の造船所は既存の建造・整備作業で手一杯であり、トランプ級のような大型艦を建造するためには、閉鎖された造船所の再稼働や新設が必要とされる。これに加え、造船や電気、センサー分野の熟練労働者を大量に確保・育成する必要があるが、賃金面などから人材確保は困難であると指摘されている。
コスト面でも課題は大きい。アーレイ・バーク級駆逐艦が1隻約20億ドルであるのに対し、トランプ級は最大で150億ドルに達する可能性があると報じられている。さらに、ズムウォルト級駆逐艦や沿海域戦闘艦など、過去の野心的な計画が縮小や早期退役に至った例もあり、計画を最後まで遂行できるか疑問視されている。
運用面では、レールガンのように一度中止された技術を再び実用化する必要があるほか、650~850人と見込まれる乗員を確保・運用するための体制も課題である。加えて、現代の海戦環境において、大型艦が中国の弾道ミサイルや無人機、機雷などの脅威にどこまで耐えられるかという根本的な疑問も提示されている。
一方で、第二次世界大戦やアポロ計画を引き合いに出し、米国には大規模国家プロジェクトを成し遂げた前例があると指摘する声もある。ただし今回は同盟国の協力が不可欠とされ、韓国の造船企業が米国造船所に投資するなど、協力の兆しも見られている。
【要点】
・トランプ級戦艦は、第二次世界大戦以来最大級で、極めて強力な火力を持つと構想されている。
・一方で、米海軍の造船計画は遅延と予算超過が常態化しており、建造能力と管理体制に課題がある。
・造船所の不足、人材確保、莫大な建造費、未成熟な兵器技術が大きな障害である。
・大型艦が現代のミサイルや無人機中心の戦場に適応できるかについて疑問が提示されている。
・成功には国内改革だけでなく、同盟国との協力が重要とされている。
【引用・参照・底本】
Trump’s new battleship plan could transform the US Navy – or sink it CNN 2025.12.22
https://edition.cnn.com/2025/12/23/us/trump-new-battleships-analysis-intl-hnk-ml

