中国、比に勧告2023年12月09日 18:16

国立国会図書館デジタルコレクション「美盾十二史 申 与次郎 (美盾十二史)」を加工して作成
 中国とフィリピンの間で起きている海洋紛争に関する中国外交部の声明を要約したものである。

 フィリピンの行動に対する反発: 中国外交部報道官は、フィリピン下院で可決されたとされる決議に反発し、「海洋に関する問題で中国を不当に非難し、事実を歪曲している」と述べている。

 主権の主張: 中国は、東沙諸島、西沙諸島、中沙諸島および南沙諸島を含む南海諸島とその周辺の海域について「争う余地のない主権」を有しており、関連海域に対して主権的権利と管轄権を有していると主張している。

 南海仲裁裁判に対する反論: 中国は、南海仲裁裁判を「国家同意」の原則に背いた越権審理と法をゆがめた裁判であり、「国連海洋法条約」と一般国際法に違反しているとし、その裁決は違法で無効であると主張している。

 防衛施設と行動の正当性: 中国は、南沙諸島において防衛施設を建設し、海域での巡航や科学調査活動、漁業活動を行うことが正当で合法であると主張している。

 領土侵害への抗議: 中国は、フィリピンが中国の南沙諸島の一部である仁愛礁に不法に侵入し、領土を侵害していると主張している。また、フィリピンが軍艦を派遣して不法に領海に侵入しているとも非難している。

 中国の主張と行動への反対: フィリピンが中国の南沙諸島の無人の島礁に頻繁に人員を派遣し、中国の南沙諸島と黄岩島の近隣海空域に軍艦と飛行機を派遣して不法に侵入しているとし、これが中国の主権を著しく侵害していると主張している。

【要点】

2023年12月8日、中国外交部の汪文斌報道官は定例記者会見で、フィリピン下院が可決した「南シナ海問題に関する決議」について、中国の主権を侵害するものであり、南シナ海の平和と安定に脅威を与えるものであると非難した。

汪報道官は、中国は南シナ諸島とその付近の海域に対して争う余地のない主権を有しており、南シナ海仲裁裁判の裁決は違法で無効であると主張した。また、中国が南沙諸島で防衛施設を建設し、中国軍と警察の艦船が巡航し、中国の漁船が生産・操業活動を行うことは、完全に正当で合法であると述べた。

さらに、汪報道官は、フィリピンが仁愛礁に軍艦を派遣して不法に「座礁」させ、頻繁に船を派遣して仁愛礁の近隣海域に不法に侵入し、建築資材を輸送して「座礁」軍艦の補強を図っていることは、中国の主権を深刻に侵害するものであると指摘した。また、フィリピンが鉄線礁など中国の南沙諸島の無人の島礁に頻繁に人員を派遣し、中国の南沙諸島と黄岩島の近隣海空域に軍艦と飛行機を派遣して不法に侵入していることも非難した。

中国は、フィリピンに対し、これらの行為を即刻停止するよう勧告している。

この発表は、中国とフィリピンの間で続く南シナ海をめぐる紛争の緊張を高めるものと言える。

・2023年12月8日、中国外務省の汪文斌報道官は定例記者会見で、フィリピン下院が可決した「南シナ海に関する決議」について、「海洋に関する問題で中国を不当に非難し、事実を歪曲している」と批判し、フィリピンに対し、海洋紛争の「あおり立て」の即刻停止を勧告した。

・汪報道官は、中国が南シナ海諸島とその付近の海域に対して「争う余地のない主権」を有しており、南シナ海仲裁裁判の裁決は「違法で無効」であると強調した。また、中国が南沙諸島で防衛施設を建設し、軍艦や警察の艦船が巡航し、科学調査活動を行うこと、漁船が生産・操業活動を行うことは、完全に正当で合法であると主張した。

・一方、フィリピンが仁愛礁に軍艦を派遣して「座礁」させたことや、鉄線礁など中国の無人の島礁に頻繁に人員を派遣したこと、中国の南沙諸島と黄岩島の近隣海空域に軍艦と飛行機を派遣して不法に侵入したことは、中国の主権を深刻に侵害するものであると指摘した。

・中国とフィリピンの海洋紛争は、南シナ海における領土権と海洋権の帰属をめぐる対立である。2013年には、フィリピンが中国を相手に南シナ海仲裁裁判を申し立てたが、2016年に裁判所は、中国の「九段線」に基づく主張は国際法に違反するとの判断を下した。しかし、中国は裁決を受け入れず、両国の対立は依然として続いており、緊張が高まっている。

・今回の汪報道官の発言は、中国がフィリピンの挑発に屈しない姿勢を示すとともに、南シナ海における主権と権益を守る決意を改めて表明したものとみられる。

・中国は、フィリピンに対し、南シナ海の平和と安定を維持するために、海洋紛争の挑発行為を即刻停止するよう勧告した。

引用・参照・底本

中国とフィリピンの海洋紛争あおり立ての即刻停止をフィリピンに勧告=外交部 CRI 2023.12.08

欧州委員長、デカップリング・チェーン切断意図せず2023年12月09日 18:45

国立国会図書館デジタルコレクション「美盾十二史 丑 (美盾十二史)」を加工して作成
 欧州連合(EU)のミシェル大統領とフォンデアライエン欧州委員長が中国を訪れ、中国との関係についての共同記者会見を行った出来事に関するものである。

 中国訪問の背景: ミシェル大統領とフォンデアライエン委員長は、EUの駐中国代表団として中国を訪れている。これは1年に2回の訪問であり、中欧関係において重要な出来事と位置づけられている。

 関係の重要性: フォンデアライエン委員長は、中国を訪問することが中欧関係において非常に重要であると強調している。そして、今回の訪問がEUと中国の関係において進展を促進する機会であると述べている。

 貿易のバランス: 記者会見でフォンデアライエン委員長は、EUと中国が会談で合意し、特に貿易のバランスを保つことに焦点を当てた。具体的な合意の詳細には触れられていないが、貿易において双方がバランスを重視する姿勢を強調している。

 「デカップリングとチェーン切断」への否定: 重要な点として、EUが中国との「デカップリングとチェーン切断」を意図していないという委員長の発言を強調している。これは、EUが中国との経済的・産業的な結びつきを維持し、相互に協力していく意向を示していることを示唆している。

 EUと中国との関係に焦点を当て、特に経済的な協力や貿易において双方がバランスを重視しているというメッセージを伝えている。

【要点】

欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長は、2023年12月7日に中国を訪問し、習近平国家主席と会談した。この会談で、EUは中国との「デカップリングとチェーン切断」を行う意図はないと表明した。

「デカップリング」とは、経済や技術などの分野で、2つの国や地域が互いに依存し合う関係を解消することである。また、「チェーン切断」とは、サプライチェーン(供給網)を断ち切ることである。

EUは、中国との貿易額が世界最大であり、両国は経済的に深く結びついている。また、中国はEUにとって重要な市場であり、EU企業にとっても中国は重要なビジネスパートナーである。そのため、EUは中国との経済関係を維持し、両国が協力して世界経済の発展に貢献していくことを望んでいる。

今回の会談で、EUと中国は、貿易のバランスを保つことで合意した。また、気候変動対策や人権問題などの分野で協力していくことでも合意した。

EUと中国は、価値観や政治体制の違いなどから、意見が対立することもあるものの、経済的な利益が両国の関係を維持する重要な要素となっている。今回の会談で、EUは中国との経済関係を維持していく姿勢を明確にし、両国の関係の安定化を図った。

今回の会談は、EUと中国の関係の安定化を図る上で、重要な意味を持つものとなった。

・EUは、中国との貿易額が世界最大であり、両国は経済的に深く結びついている。
・中国はEUにとって重要な市場であり、EU企業にとっても中国は重要なビジネスパートナーである。
・EUは、中国との経済関係を維持し、両国が協力して世界経済の発展に貢献していくことを望んでいる。

・欧州連合(EU)のミシェル大統領とフォンデアライエン欧州委員長は、2023年12月7日に中国を訪問し、習近平国家主席と会談した。この会談後の共同記者会見で、フォンデアライエン委員長は、EUは中国との「デカップリングとチェーン切断」を行う意図はないと表明した。

・「デカップリング」とは、経済や技術などの分野で、ある国と別の国が独立していくことを指す。また、「チェーン切断」とは、サプライチェーンの一部を断ち切ることを指す。

・近年、米国は中国との「デカップリング」を進めており、EUもそれに追随するのではないかとの観測が浮上していた。しかし、今回のフォンデアライエン委員長の発言は、EUは中国との「デカップリング」や「チェーン切断」を望んでいないことを示している。

・EUが中国との「デカップリング」や「チェーン切断」を望まない理由は、主に以下の2つと考えられる。

1つ目の理由は、経済的な理由である。EUは中国を最大の貿易相手国としており、中国との貿易はEU経済にとって不可欠である。EUが中国との「デカップリング」や「チェーン切断」を進めた場合、EU経済に大きな打撃を与える可能性がある。

2つ目の理由は、安全保障上の理由です。EUは中国を潜在的な脅威と認識しているが、中国との「デカップリング」や「チェーン切断」は、両国間の対立を深める可能性があり、安全保障上のリスクを高める可能性がある。

・EUは、中国との「デカップリング」や「チェーン切断」を避けながら、中国の台頭に対処していく方針をとっている。そのため、EUは中国との経済協力を維持しつつ、人権や民主主義などの価値観を巡る対立も同時に進めていくことになると考えられる。

・EUと中国は、世界経済の2大勢力であり、両国の関係は、世界経済や国際政治に大きな影響を与える。今回の会談で、EUと中国は、デカップリングやチェーン切断を回避し、両国の関係を維持していく姿勢を明確にした。

・EUと中国は、貿易のバランスを保つことで合意した。また、気候変動やデジタル経済などの分野で、協力を強化していくことで合意した。

・具体的には、EUは中国との間で、貿易、投資、気候変動、人権などの分野で協議を進めていくとしている。また、EUは中国に対して、国際秩序のルールを遵守することや、人権の尊重を強く求めていくとしている。

・なお、EUは、中国の人権問題や香港問題などの懸念を表明している。今後、EUと中国は、これらの問題をどのように解決していくかが、両国の関係を左右する重要なポイントとなるだろう。

【桃源寸評】

「現在、アメリカが試みている二つの主な強制手段は、経済制裁と軍事介入である。しかし、経済制裁が効果をあげるのは、他国が制裁に同調する場合だけなのだが、それもしだいに同調されなくなっている。
 その結果、アメリカは一方的に経済制裁を発動して、自らの経済的な利益と同盟国との関係を損なうか、あるいはそれを発動しないために、アメリカの弱さを露呈したと見なされるしかなくなる。」(『文明の衝突と 21世紀の日本』サミュエル・ハンチントン著 二〇〇〇年一月二三日第一刷発行 訳者 鈴木主税 集英社 65-66頁)

 20年以上前の著作であるが、現実に沿うている。米国は自虐的(西側をも巻き込む遣り方)制裁などを発し続けている。が、欧州連合(EU)などは"同調"しなくなりつつある。
 EUもウクライナ戦争では制裁相手のロシアよりも疲弊しているのが、現実である。
 それに、多元主義または多極主義の新しい世界秩序の胎動がみられる。

引用・参照・底本

EUには中国との「デカップリングとチェーン切断」の意図はない=欧州委員長 CRI 2023.12.08

習近平・EUのミシェルとフォンデアライエン会談2023年12月09日 20:12

国立国会図書館デジタルコレクション「美盾十二史 丑 (美盾十二史)」を加工して作成
 中国の習近平国家主席が、欧州連合(EU)のミシェル大統領とフォンデアライエン欧州委員長との会談に関するものである。

 会談の背景

 中国・欧州連合(EU)首脳会談が、北京の釣魚台国賓館で行われた。ミシェル大統領とフォンデアライエン委員長が、中国を訪れ、両国の関係について話し合うために訪中した。

 過去の対話と成果

 昨年末以降、ミシェル大統領とフォンデアライエン委員長は前後して中国を訪れ、戦略、経済貿易、環境(グリーン)、デジタル分野でのハイレベル対話が行われた。これらの対話が豊かな成果をもたらし、中国・欧州関係が発展しているとされている。

 習近平主席の発言

 習主席は両氏の訪中を歓迎し、その成果に言及した。
 中国と欧州が戦略的、経済的、文化的に連携することで、双方の利益と人々の期待に合致する良好な勢いが現れていると強調した。

 世界の状況と責任

 習主席は現在の国際情勢に言及し、中国と欧州が多極化を推進し、グローバル化を支持し、多様性を提唱する大きな力として位置づけられるべきだと指摘した。
 中国と欧州は世界の平和、安定、繁栄に関わる責任を担っており、共に安定性や発展、グローバルガバナンスにおいてリーダーシップを発揮する必要があると述べた。

 中国・EU包括的戦略的パートナーシップ

 今年は中国・EU包括的戦略的パートナーシップ樹立20周年であり、習主席は新たなスタート地点として、歴史的経験を総括し、知恵と責任を示す必要があると強調した。
 互恵協力のパートナーとして、双方は対話と協力を強化し、世界的な挑戦に共同で対応し、世界の安定と繁栄に寄与する必要があると述べた。

【要点】

会談の開催場所と出席者: 会談は北京の釣魚台国賓館で行われ、中国の習近平国家主席、EUのミシェル大統領、フォンデアライエン欧州委員長が出席した。

訪中の経緯: EUのミシェル大統領とフォンデアライエン欧州委員長は、第24回中国・EU首脳会談のために訪中した。

歓迎の意: 習近平国家主席は、両氏の訪中に対して歓迎の意を表明した。

過去の対話と成果: 両氏は昨年末以降、前後して訪中し、中国と欧州の戦略、経済貿易、グリーン、デジタル分野のハイレベル対話が行われ、成果が上がったと述べられている。

中国・欧州関係の発展と重要性: 習主席は、中国・欧州関係の発展について言及し、「中国と欧州は、多極化を推進する力、グローバル化を支持する市場、多様性を提唱する文明として、その関係は世界の平和、安定、繁栄に関わる」と指摘した。

世界的な責任: 両者は、世界が大きな変革の時期にあることを強調し、中国と欧州が共に世界に安定性を提供し、発展に推進力を提供し、グローバルガバナンスにリーダーシップとサポートを提供する責任があるとの考えを示した。

包括的戦略的パートナーシップの20周年: 今年は中国・EU包括的戦略的パートナーシップ樹立20周年に当たり、習主席は新たな出発点に立ち、歴史的経験を踏まえつつ、包括的戦略的パートナーシップの正しい位置づけを強調した。

共同対応と協力: 双方は互恵協力のパートナーとして、対話と協力を強化し、双方の人々に幸福をもたらすために共同で世界的な挑戦に対処し、世界の安定と繁栄を促進する必要性を強調した。

引用・参照・底本

習主席 EUのミシェル大統領、フォンデアライエン欧州委員長と会談 CRI 2023.12.07

EUには中国との「デカップリングとチェーン切断」の意図はない=欧州委員長 CRI 2023.12.08

「デカップリング」は馬鹿げている2023年12月09日 20:32

国立国会図書館デジタルコレクション「美盾十二史 戌 犬田小文吾 (美盾十二史)」を加工して作成
 2023年12月にオーストリアのウォルフガング・シュッセル元首相が中国・広州を訪れ、中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)の記者に対して行ったインタビューに関するものである。

 中国を理解する国際会議への出席

 シュッセル氏は、「中国を理解する」国際会議に参加し、その際に中国・広州を訪れた。

 会議では素晴らしい議論やオープンで透明性のある議論が行われたと述べ、中国に対する誤解を解消するためにはコンタクトと意思疎通が重要であるとの見解を示した。

 中国の発展に対する見解

 中国の現代化の進展について、シュッセル氏は二つの方向に注目している。一つは国内市場の発展であり、特に全国統一大市場の構築に焦点を当てている。もう一つは、中国が質の高い発展を追求し、高品質の製品を生み出していることである。

 将来の最も重要な資源は若い世代であり、中国が成功を収めるチャンスは大きいとの見方を示した。

 「デカップリング」に対する見解

 シュッセル氏は、「デカップリング」に対して否定的な見解を示している。一部の国がとっている制裁や一国主義、中国との「デカップリング」および「デリスキング」のアプローチについて、「デカップリング」はばかげており、それが起こると貧しくなる可能性があると述べている。また、「デカップリング」は非常にマイナスの影響を生むだろうし、実際には発生しないだろうとの考え方を示している。

 中国とオーストリアの将来の協力について

 シュッセル氏は、中国とオーストリアが今後ますます協力を強化することに自信を示している。具体的な協力分野として、「まずグリーン・環境保護技術分野であり、次に観光業、特にウインタースポーツになる」と述べ、これらの分野での協力が期待されるとしている。

【要点】

オーストリア元首相のウォルフガング・シュッセル氏は、2023年12月に中国・広州を訪れ、中央広播電視総台(チャイナ・メディア・グループ/CMG)記者の独占インタビューに応じた。

インタビューの中で、シュッセル氏は、中国との「デカップリング」は非常にマイナスの影響を生むだろうとの見解を示した。

シュッセル氏は、中国は世界の主要経済大国であり、中国との貿易や経済協力は世界にとって重要であると指摘した。また、中国は世界で最も多くの人口を抱える国であり、中国との協力は人々の生活を豊かにするためにも重要であると述べた。

シュッセル氏は、中国に対する誤解を解消するためには、コンタクトと意思疎通を重ねることが重要であると強調した。また、今回の「中国を理解する」国際会議は、中国に対する理解を深める良い機会であったと述べた。

シュッセル氏は、中国の現代化の道について、中国は国内市場の発展と質の高い発展を追求していると分析した。また、中国の若い世代は将来の最も重要な資源であり、中国が成功するチャンスは大きいと見ていると述べた。

シュッセル氏は、一部の国がとっている制裁、一国主義および中国との「デカップリング」と「デリスキング」のやり方について、これらのやり方はばかげているとして批判した。また、「デカップリング」は非常にマイナスの影響を生むだろうと述べた。

シュッセル氏は、中国とオーストリアが今後さらに協力を強化することに自信を示した。協力分野としては、グリーン・環境保護技術分野と観光業、特にウインタースポーツを挙げた。

シュッセル氏のインタビューは、中国との「デカップリング」が国際社会に与える影響について、重要な示唆を与えるものと言える。シュッセル氏は、中国との「デカップリング」は非常にマイナスの影響を生むだろうと警告し、中国との協力を強化することが重要であると訴えた。

シュッセル氏のインタビューを受けて、中国は、中国とオーストリア、そして世界各国との協力を強化していく姿勢を鮮明にしている。

・2023年12月、オーストリアのウォルフガング・シュッセル元首相が中国を訪れ、中国との「デカップリング」について懸念を表明した。シュッセル氏は、中国との「デカップリング」は、両国にとっても世界にとってもマイナスの影響を生むだろうと主張した。

・シュッセル氏は、中国との「デカップリング」は、経済、貿易、投資、科学技術、文化など、さまざまな分野で悪影響を及ぼすだろうと指摘した。経済面では、中国市場へのアクセスが制限され、両国の経済成長が鈍化する恐れがある。貿易面では、両国間の貿易量が減少し、世界経済の回復が阻害される恐れがある。投資面では、中国への投資が減少し、両国の経済発展が遅れる恐れがある。科学技術面では、共同研究や技術交流が難しくなり、両国のイノベーションが停滞する恐れがある。文化面では、相互理解が深まらず、両国間の友好関係が損なわれる恐れがある。

・シュッセル氏は、中国に対する誤解を解消するためには、コンタクトと意思疎通を重ねることが重要であると強調した。また、中国の現代化の道は、国内市場の発展と質の高い発展の二つの方向に向かっていると分析した。

・シュッセル氏は、中国とオーストリアが今後さらに協力を強化することに自信を示した。特に、グリーン・環境保護技術分野や観光業、特にウインタースポーツ分野での協力が期待されると述べた。

・シュッセル氏の「デカップリング」に対する懸念は、近年、中国と一部の国々の間に拡大している対立を背景にしたものと考えられる。アメリカや一部のヨーロッパ諸国は、中国の経済的台頭や人権問題などを理由に、中国に対する制裁や「デカップリング」を進めている。しかし、シュッセル氏は、そのような動きは両国にとっても世界にとってもマイナスの影響を生むと警鐘を鳴らしている。

・シュッセル氏の見方は、中国とオーストリアだけでなく、世界全体にとっても重要な示唆を与えるものと言えるでだろう。今後、中国と欧米諸国の関係がどのように展開していくのか、注目される。

引用・参照・底本

オーストリア元首相 中国との「デカップリング」は非常にマイナスの影響を生む CRI 2023.12.09

英米のチャゴス諸島問題2023年12月09日 21:21

国立国会図書館デジタルコレクション「美盾十二史 酉 宿祢太郎 (美盾十二史)」を加工して作成
 チャゴス諸島問題(註)に関する米国と英国の行動や声明に対する批判的な視点を表明している。

 米英共同記者会見

 アントニー・ブリンケン米国務長官とデービッド・キャメロン英国外相は共同記者会見で、ディエゴ・ガルシアにある米英インド洋空軍基地について話し合った。

 キャメロン首相は、英国がチャゴス諸島、特にディエゴ・ガルシア島をモーリシャスに返還する計画を放棄するかどうかについては明確な回答をしなかった。

 ブリンケン氏は、米国は英領インド洋領土に対する英国の主権を認めていると述べた。

 チャゴス諸島をめぐる論争

 「認識する」という言葉の使用を批判し、それが闇、不正義、皮肉を暗示していることを示唆している。

 チャゴス諸島は、国連決議と国際司法裁判所の決定に従い、モーリシャスが領有権を主張している。国際社会は概ねモーリシャスの主張を支持している。
 英国は2019年の国連決議で6カ月以内に移譲するよう指示されていたにもかかわらず、モーリシャスへの主権移譲を遅らせている。

 歴史的背景

 チャゴス諸島はアフリカにおける最後のイギリス植民地であり、植民地主義の象徴と考えられていた。

 英国の占領には、先住民族チャゴス人に対する違法かつ非人道的な行為が含まれていた。

 1965年に英国はチャゴス諸島を強制的に獲得し、1966年には軍事基地として最大の島ディエゴ・ガルシア島を米国に「贈与」した。

 人道的悲劇

 ディエゴ・ガルシアでの移送は人道的悲劇をもたらし、人為的飢餓やその他の措置により2,000人以上の先住民が強制移住させられた。

 米軍基地と地政学的重要性

 ディエゴ・ガルシアはインド洋の「不沈空母」と評される重要な米軍基地となった。

 同基地はアフガニスタンとイラクでの米軍作戦で重要な役割を果たし、「インド太平洋戦略」とも関連している。

 英米関係と帝国主義的慣行

 チャゴス諸島に関する英国の決定は米国の態度次第であると示唆し、両国関係の複雑さを浮き彫りにしている。

 両国は人権、国際規範、道徳、国際法を踏みにじったとして非難されている。

 21世紀価値同盟

 米国と英国が片足を21世紀に置き、もう片足を19世紀に置いていると批判し、両国の行動が時代遅れの帝国主義的慣行を反映していることを示唆している。

 米国と英国の「価値観同盟」は、公平性や正義よりも自己の利益を優先するものとして描かれており、発展途上国はそのような慣行に異議を唱えている。

【要点】

英国と米国は、チャゴス諸島がモーリシャスに属しているという法的裁定と国際的コンセンサスにもかかわらず、チャゴス諸島をモーリシャスに返還することを拒否している。

英国は1960年代に先住民族のチャゴス人を強制的に家から追い出し、最大の島であるディエゴガルシア島に米軍基地を建設した。

米国は、同基地が「インド太平洋戦略」を含む軍事作戦に不可欠だと主張している。

チャゴス人の帰国権を否定しながら、人権や国際法について語る英国と米国を偽善だと非難している。

英国と米国が時代遅れの植民地慣行に固執し、発展途上国の要求を無視していると批判している。

チャゴス諸島紛争における英国と米国の行動を批判している。強い言葉で彼らの偽善を非難し、島々をモーリシャスに返還するよう促している。

・チャゴス諸島は、国連決議と国際的コンセンサスによると、英国ではなくモーリシャスに属している。

・英国は200年以上にわたって島々を不法に占領し、先住民族のチャゴス人に対して残虐行為を行ってきた。

・1965年、イギリスはディエゴガルシア島に米軍基地を建設するため、チャゴス人を強制退去させた。

・米国と英国は、戦略的重要性と中国に利益をもたらすという根拠のない主張を理由に、島の返還を拒否している。

・英国と米国が人権や国際法よりも自己利益を優先していると主張し、偽善を批判している。

・英国と米国がチャゴス諸島を不法に占領し、チャゴス国民の帰国権を否定していると主張している。これは、人権と国際法を擁護するという彼らの主張の偽善を暴露している。

・この論争は、時代遅れの植民地主義的慣行に根ざした米英間の「価値観に基づく同盟」の本質を暴露している。

・英国と米国がチャゴス諸島をモーリシャスに返還し、チャゴスの人々に対して犯された不正義を認めるよう求めている。また、21世紀になっても続く植民地支配に警鐘を鳴らしている。

・チャゴス諸島は、国際法とコンセンサスに従ってモーリシャスに属している。

・英国は島々の返還を遅らせており、交渉を後退させる可能性が高い。

・イギリスの行動は、戦略的に重要なディエゴ・ガルシア軍事基地の支配を維持したいという願望に動機づけられている。

・米国は、軍事作戦における基地の重要性から、英国の立場を支持している。

・この状況は、国際法と人権を擁護する一方で、チャゴス人の帰国権を否定する英国と米国の偽善を浮き彫りにしている。

・英国と米国は時代遅れの植民地主義の慣習にしがみつき、国際社会の要求を無視している。

・英国によるチャゴス人の強制退去は違法で非人道的だった。
・英国と米国は、島々の返還を拒否することで国際法に違反している。
・ディエゴガルシア島の米軍基地は、新植民地主義の象徴だ。
・イギリスとアメリカは、モーリシャスをいじめるために軍事力を使っている。
・チャゴス人は法の裁きを受け、祖国に帰る権利を享受するに値する。

・チャゴス諸島紛争に関する中国政府の立場を反映している。
・強い言葉遣いと、英国と米国に対する厳しい批判が使われている。
・人権、植民地主義、国際法の問題に関心のある世界中の聴衆にアピールする。

・国連決議と国際裁判所の判決。
・強制退去と人権侵害の歴史的証拠。
・占領継続の正当な正当性の欠如。

・ディエゴガルシアの「重要な」米英インド洋空軍基地
・「汚らわしく恥ずべき」政治的取引
・「アフリカ最後の植民地」
・「植民地主義の最後の『抵抗』」
・「重大な人道的悲劇」
「不沈空母」
・「戦略的に重要で秘密裏にアメリカ国外の米軍施設」
・「新旧アングロサクソン帝国」
・「帝国主義的実践」
・「途上国の目覚め」
・「公正と正義」

(註)
チャゴス諸島問題は、イギリスとモーリシャス(モーリシャス共和国)の間で争われている領土問題である。チャゴス諸島は、インド洋に位置する一群の島々であり、その中で最大の島はディエゴ・ガルシア島である。この諸島はかつてイギリスの植民地であり、イギリスが領有していた。

問題の発端は、1965年にイギリスがチャゴス諸島を獲得し、翌1966年にディエゴ・ガルシア島をアメリカ合衆国に提供したことにある。これにより、アメリカはディエゴ・ガルシア島に軍事基地を建設し、重要な戦略拠点として使用している。

モーリシャスは、独立に際してチャゴス諸島の主権を主張し、国際法や国際社会の一致した見解に基づいて、モーリシャスの領土として返還されるべきだと主張している。特に、2019年に国際司法裁判所(ICJ)と国際連合の決議によって、チャゴス諸島はモーリシャスに返還されるべきであるとの判断がくだされた。しかし、イギリスはこれに応じず、モーリシャスに対する主権の返還を遅滞させている。

この問題は領土問題だけでなく、歴史的な植民地主義の影響、人権侵害、国際法の尊重など、複雑で多岐にわたる要素を含んでいる。国際的な注目を集めており、各国の立場や主張が交錯している。

(註はブログ作成者が参考の為に付記した。)

引用・参照・底本

Moves of UK and US over Chagos expose true nature of ‘values-based alliance’: Global Times editorial GT 2023.12.09