イスラエル:アイルランドにある大使館を閉鎖2024年12月16日 22:15

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【概要】

 イスラエルはアイルランドにある大使館を閉鎖することを発表した。この決定は、アイルランド政府の「極端な」政策に起因しているとされる。特に、パレスチナ人に対する虐殺を行ったとの非難が含まれており、これが理由の一つとして挙げられている。イスラエル外務省は、アイルランド政府がイスラエルに対して行った反ユダヤ的な言動と行動について「否定的な描写と二重基準」を指摘し、アイルランドはイスラエルとの関係において「すべての赤線を越えた」と述べた。

 アイルランドのサイモン・ハリス首相は、イスラエルの決定に対して「非常に失望している」と表明した。彼は、意見が異なっていても、コミュニケーションを保つことが重要だと強調し、アイルランドは決して反イスラエルではなく、「平和、国際法、そして人権を支持している」と述べた。

 アイルランド政府は、ガザでの即時停戦を求める声を一貫して上げており、2024年5月にはパレスチナ国家を正式に認める決定を下した。このことが、イスラエル政府を激怒させた。また、アイルランド政府は、南アフリカによって国際司法裁判所に提出されたジェノサイドに関する訴訟を支持した。

 イスラエルはジェノサイドの非難を「ばかげている」として否定しており、ガザでの民間人の死に関してはハマスが責任を負うべきだと主張している。イスラエル国防軍(IDF)は、ハマスがパレスチナの民間人を人間の盾として利用しているとし、その軍事作戦はハマスの脅威を排除するまで続けると発表している。また、イスラエルは国際刑事裁判所(ICC)が発行した、ネタニヤフ首相を含む高官に対する逮捕状を無視している。
 
【詳細】

 イスラエルは2024年12月にアイルランドにある大使館を閉鎖する決定を下した。この決定は、アイルランド政府が取った「極端な反イスラエル政策」に基づいており、特にガザにおけるイスラエルの軍事行動に対する批判が強く影響している。アイルランド政府は、イスラエルによるパレスチナ人への虐殺の疑いを支持する立場を取っており、この点が西エルサレムの怒りを買った。イスラエル外務省は、アイルランド政府がイスラエルに対して行った行動を「ユダヤ国家の非正当化と悪魔化」に繋がるものとし、その背景には二重基準があると非難した。また、アイルランド政府が発した反イスラエル的な言動を「反ユダヤ的なレトリック」としても問題視している。

 イスラエルの外務大臣ギデオン・サールは、「アイルランドはすべての赤線を越えた」と述べ、アイルランドとの外交関係の断絶を示唆している。イスラエルは今後、他国との二国間関係に資源を投じ、各国がイスラエルに対してどのような態度を取るかも考慮していく方針を示した。

 一方、アイルランドのサイモン・ハリス首相はイスラエルの決定に「深い失望」を表明し、対話を続ける重要性を強調した。首相は、アイルランドが「平和、国際法、人権を支持する国」であるとし、自国が反イスラエルではないことを強調した。アイルランド政府は、イスラエルの行動に対する批判的な立場を取っており、ガザでの停戦を求める姿勢を続けている。さらに、アイルランドは2024年5月にパレスチナを独立した国家として正式に認めた。この決定はイスラエル側にとって非常に不快であり、両国の関係をさらに悪化させた。

 加えて、アイルランド政府は、南アフリカが国際司法裁判所に提出した、イスラエルのガザでの軍事行動がジェノサイドに該当するとの訴訟を支持している。アイルランド政府は、イスラエルによるガザでの軍事行動が「パレスチナ人民への集団的報復」であり、44,000人以上のパレスチナ人が死亡し、何百万人もの民間人が避難を余儀なくされたことを指摘している。

 これに対して、イスラエルはジェノサイドの非難を完全に否定しており、ガザでの民間人の死に関しては、ハマスが責任を負うべきだと主張している。イスラエルは、ハマスがパレスチナの民間人を「人間の盾」として利用しているとし、そのために多くの民間人が犠牲になっていると指摘している。イスラエル国防軍(IDF)は、ガザでの作戦は「ハマスの脅威を排除するまで続ける」と宣言しており、軍事作戦が続く中で民間人の死者が増加していることについても弁明している。

 また、イスラエルは、国際刑事裁判所(ICC)から発行されたネタニヤフ首相を含む高官に対する逮捕状にも反発しており、その決定を無視する立場を取っている。イスラエルは、ICCの決定が政治的な動機によるものであり、司法的な正当性を欠いていると主張している。  

【要点】 
 
 ・イスラエルの大使館閉鎖: イスラエルはアイルランドにある大使館を閉鎖する決定を発表した。
 ・理由: アイルランド政府の「極端な反イスラエル政策」に起因。特にガザでの虐殺非難が関係。
 ・イスラエル外務省の声明: アイルランド政府の行動を「ユダヤ国家の非正当化と悪魔化」「反ユダヤ的なレトリック」として非難。
 ・ギデオン・サール外務大臣の発言: アイルランドは「すべての赤線を越えた」とし、今後は他国との関係を優先する方針を示した。
 ・アイルランド首相の反応: サイモン・ハリス首相は「深い失望」を表明し、対話の重要性を強調。アイルランドは「平和、国際法、人権を支持する国」であると主張。
 ・アイルランド政府の立場: ガザでの即時停戦を求め、2024年5月にパレスチナ国家を正式に認定。
 ・アイルランドのジェノサイド訴訟支持: 南アフリカが国際司法裁判所に提出したジェノサイドに関する訴訟を支持。
 ・イスラエルの立場: ジェノサイド非難を否定し、ガザでの民間人死者はハマスに責任があると主張。
 ・IDFの見解: ハマスが民間人を「人間の盾」として利用しており、軍事作戦はハマスの脅威を排除するまで続く。
 ・国際刑事裁判所(ICC)への反発: イスラエルは、ネタニヤフ首相を含む高官に対する逮捕状を無視し、ICCの決定が政治的動機によるものと批判。

【引用・参照・底本】

Israel shuts down embassy in EU country RT 2024.12.16
https://www.rt.com/news/609405-israel-shuts-down-embassy-ireland/

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