米国、情報戦に負けた ― 2024-01-16 20:38
2024年1月13日に発表された米国の作家であるジョゼフ・エプスタイン氏の発言をまとめたものである。
エプスタイン氏は、アメリカが中国、ロシア、イランとの情報戦で敗北したとの見解を述べている。彼は過去3か月間にわたり、中国、ロシア、イランがネットやボットを駆使して反シオニスト、反ユダヤ、反米のコンテンツでアメリカを攻撃し、国内の政治的分断を広範囲に拡大させたと主張している。
エプスタイン氏は、これまで米国が他国の内政に介入していることが問題視されてきたが、同時にこれに対抗するための十分な対策が講じられていなかったと指摘している。彼は米国の敵が長年にわたり、メディアやソーシャルメディアを通じて自らのストーリーを広め、アメリカの内政に干渉しようとしてきたと述べている。
さらに、エプスタイン氏は、米国政府がこうしたフェイク情報に対して鈍い対応を見せ、冷戦終結以降、米国が昔ながらの軍事戦争に過剰に注力してきたと批判している。軍事費についても触れ、昨年8770億ドルが軍事に投じられた一方で、中国やロシアがメディアや宣伝対策により多額の予算を投じていることを指摘している。
エプスタイン氏は米国が中国、ロシア、イランとの対抗策を検討する前に、米国自体の戦略を見直す必要があるとし、過去15年間にわたり戦火の収束を追求し、危機管理以上の一貫した戦略が存在しなかったと批判している。
【要点】
ジョゼフ・エプスタイン氏は、米国は中国、ロシア、イランに情報戦で敗北したと主張している。その根拠として、以下の3点を挙げている。
中国、ロシア、イランは、ボットを駆使して反シオニスト・反ユダヤ・反米のコンテンツをネットに拡散させ、米国内の政治的分断を拡大させた。
米国の敵は長年にわたり、メディアやSNSを使って、米国の内政に干渉しようと、自らのストーリーを広めてきたが、米政府はいつものように、こうしたフェイク情報に対して鈍い対応を見せてきた。
冷戦終結以降、米国は昔ながらの戦争(=軍事戦争)に過剰なまでに注力してきたが、中国やロシアがメディアや宣伝対策につぎ込む予算は、米政府や議会がかけている予算に比べてはるかに多い。
エプスタイン氏は、米国の対外政策の柱を変更すべきだとも主張している。具体的には、戦火の収束ではなく、戦争の予防に重点を置くべきだとしている。
エプスタイン氏の主張は、米国の情報戦に対する批判として一定の説得力がある。中国、ロシア、イランは、近年、情報戦を重視しており、その能力は向上している。一方、米国は、伝統的な軍事戦争に重点を置いており、情報戦に対する準備が十分とは言えない。
エプスタイン氏の主張には、以下の2点の反論も考えられる。
エプスタイン氏は、米国の敵が行っている情報戦の具体的な内容や効果については、明確に説明していない。
エプスタイン氏は、米国が情報戦に敗北したことを前提に論を展開しているが、米国が情報戦で優位に立つための具体的な方策については、示していない。
エプスタイン氏は、米国の敵が行っている情報戦を過大評価している。
エプスタイン氏は、米国の国内問題を、中国、ロシア、イランの情報戦のせいにする傾向がある。
・エプスタイン氏は、この3カ月間、中国・ロシア・イランがネットを、ボットを駆使して反シオニスト・反ユダヤ・反米のコンテンツで埋め尽くし、米国内の政治的分断を危険なまでに広範囲へ拡大させたと指摘している。
・また、米国の敵は長年にわたり、メディアやSNSを使って、米国の内政に干渉しようと、自らのストーリーを広めてきたと指摘している。しかし、米政府はいつものように、こうしたフェイク情報に対して鈍い対応を見せたと批判している。
・さらに、エプスタイン氏は、冷戦終結以降、米国は昔ながらの戦争(=軍事戦争)に過剰なまでに注力してきたと指摘している。軍事費に昨年つぎ込まれた額は、8770億ドルとなったとし、中国やロシアがメディアや宣伝対策につぎ込む予算は、米政府や議会がかけている予算に比べてはるかに多いと指摘している。
・その上で、米国は、自らの政策を中国・ロシア・イランに対抗して設定する前に、柱となる戦略を変更するべきだと主張している。米国の対外政策はこの15年、戦火を収束させることを追求し、その予防には向かわなかったと指摘し、危機管理以上の一貫した戦略は、まったく存在しなかったと批判している。
・米国内の政治的分断を、中国・ロシア・イランの情報戦のせいだとする点
・米国の情報戦の能力が劣っていることを認める点
・米国の対外政策の柱となる戦略の変更を主張する点
・エプスタイン氏の主張は、米国の情報戦の敗北を認めたものとして、大きな注目を集めた。しかし、エプスタイン氏の主張は、以下のような点から、必ずしも正しいとは言えない。
・米国内の政治的分断は、中国・ロシア・イランの情報戦だけが原因ではない
・米国の情報戦の能力は、必ずしも劣っているわけではない
・米国の対外政策の柱となる戦略の変更は、容易ではない
・米国内の政治的分断は、近年、深刻化の一途をたどっている。この背景には、経済格差の拡大、社会の多様化、メディアの偏向など、さまざまな要因が考えられる。
・中国・ロシア・イランの情報戦も、この政治的分断を悪化させる要因の一つではあるが、唯一の原因ではない。
・また、米国の情報戦の能力は、必ずしも劣っているわけではない。米国は、冷戦時代から、情報戦において世界をリードしてきた。近年では、サイバー戦やソーシャルメディアを活用した情報戦にも力を入れている。
・しかし、中国やロシアも、情報戦において大きな力を蓄えている。中国は、世界最大のソーシャルメディアである「微信(WeChat)」を活用した情報戦に力を入れている。
・ロシアは、ウクライナ侵攻において、フェイクニュースやプロパガンダを駆使して、国際世論を操作しようとした。
・米国の対外政策の柱となる戦略の変更は、容易ではない。米国は、世界最大の軍事力を有する大国であり、その影響力は世界中に広がっている。しかし、近年、中国やロシアの台頭によって、米国の国際的地位は相対的に低下している。
・米国が、中国やロシアに対抗するためには、対外政策の柱となる戦略を、新たな脅威に即したものに変更する必要があると指摘されている。
引用・参照・底本
情報戦に負けたアメリカ ParsToday 2024.01.13
エプスタイン氏は、アメリカが中国、ロシア、イランとの情報戦で敗北したとの見解を述べている。彼は過去3か月間にわたり、中国、ロシア、イランがネットやボットを駆使して反シオニスト、反ユダヤ、反米のコンテンツでアメリカを攻撃し、国内の政治的分断を広範囲に拡大させたと主張している。
エプスタイン氏は、これまで米国が他国の内政に介入していることが問題視されてきたが、同時にこれに対抗するための十分な対策が講じられていなかったと指摘している。彼は米国の敵が長年にわたり、メディアやソーシャルメディアを通じて自らのストーリーを広め、アメリカの内政に干渉しようとしてきたと述べている。
さらに、エプスタイン氏は、米国政府がこうしたフェイク情報に対して鈍い対応を見せ、冷戦終結以降、米国が昔ながらの軍事戦争に過剰に注力してきたと批判している。軍事費についても触れ、昨年8770億ドルが軍事に投じられた一方で、中国やロシアがメディアや宣伝対策により多額の予算を投じていることを指摘している。
エプスタイン氏は米国が中国、ロシア、イランとの対抗策を検討する前に、米国自体の戦略を見直す必要があるとし、過去15年間にわたり戦火の収束を追求し、危機管理以上の一貫した戦略が存在しなかったと批判している。
【要点】
ジョゼフ・エプスタイン氏は、米国は中国、ロシア、イランに情報戦で敗北したと主張している。その根拠として、以下の3点を挙げている。
中国、ロシア、イランは、ボットを駆使して反シオニスト・反ユダヤ・反米のコンテンツをネットに拡散させ、米国内の政治的分断を拡大させた。
米国の敵は長年にわたり、メディアやSNSを使って、米国の内政に干渉しようと、自らのストーリーを広めてきたが、米政府はいつものように、こうしたフェイク情報に対して鈍い対応を見せてきた。
冷戦終結以降、米国は昔ながらの戦争(=軍事戦争)に過剰なまでに注力してきたが、中国やロシアがメディアや宣伝対策につぎ込む予算は、米政府や議会がかけている予算に比べてはるかに多い。
エプスタイン氏は、米国の対外政策の柱を変更すべきだとも主張している。具体的には、戦火の収束ではなく、戦争の予防に重点を置くべきだとしている。
エプスタイン氏の主張は、米国の情報戦に対する批判として一定の説得力がある。中国、ロシア、イランは、近年、情報戦を重視しており、その能力は向上している。一方、米国は、伝統的な軍事戦争に重点を置いており、情報戦に対する準備が十分とは言えない。
エプスタイン氏の主張には、以下の2点の反論も考えられる。
エプスタイン氏は、米国の敵が行っている情報戦の具体的な内容や効果については、明確に説明していない。
エプスタイン氏は、米国が情報戦に敗北したことを前提に論を展開しているが、米国が情報戦で優位に立つための具体的な方策については、示していない。
エプスタイン氏は、米国の敵が行っている情報戦を過大評価している。
エプスタイン氏は、米国の国内問題を、中国、ロシア、イランの情報戦のせいにする傾向がある。
・エプスタイン氏は、この3カ月間、中国・ロシア・イランがネットを、ボットを駆使して反シオニスト・反ユダヤ・反米のコンテンツで埋め尽くし、米国内の政治的分断を危険なまでに広範囲へ拡大させたと指摘している。
・また、米国の敵は長年にわたり、メディアやSNSを使って、米国の内政に干渉しようと、自らのストーリーを広めてきたと指摘している。しかし、米政府はいつものように、こうしたフェイク情報に対して鈍い対応を見せたと批判している。
・さらに、エプスタイン氏は、冷戦終結以降、米国は昔ながらの戦争(=軍事戦争)に過剰なまでに注力してきたと指摘している。軍事費に昨年つぎ込まれた額は、8770億ドルとなったとし、中国やロシアがメディアや宣伝対策につぎ込む予算は、米政府や議会がかけている予算に比べてはるかに多いと指摘している。
・その上で、米国は、自らの政策を中国・ロシア・イランに対抗して設定する前に、柱となる戦略を変更するべきだと主張している。米国の対外政策はこの15年、戦火を収束させることを追求し、その予防には向かわなかったと指摘し、危機管理以上の一貫した戦略は、まったく存在しなかったと批判している。
・米国内の政治的分断を、中国・ロシア・イランの情報戦のせいだとする点
・米国の情報戦の能力が劣っていることを認める点
・米国の対外政策の柱となる戦略の変更を主張する点
・エプスタイン氏の主張は、米国の情報戦の敗北を認めたものとして、大きな注目を集めた。しかし、エプスタイン氏の主張は、以下のような点から、必ずしも正しいとは言えない。
・米国内の政治的分断は、中国・ロシア・イランの情報戦だけが原因ではない
・米国の情報戦の能力は、必ずしも劣っているわけではない
・米国の対外政策の柱となる戦略の変更は、容易ではない
・米国内の政治的分断は、近年、深刻化の一途をたどっている。この背景には、経済格差の拡大、社会の多様化、メディアの偏向など、さまざまな要因が考えられる。
・中国・ロシア・イランの情報戦も、この政治的分断を悪化させる要因の一つではあるが、唯一の原因ではない。
・また、米国の情報戦の能力は、必ずしも劣っているわけではない。米国は、冷戦時代から、情報戦において世界をリードしてきた。近年では、サイバー戦やソーシャルメディアを活用した情報戦にも力を入れている。
・しかし、中国やロシアも、情報戦において大きな力を蓄えている。中国は、世界最大のソーシャルメディアである「微信(WeChat)」を活用した情報戦に力を入れている。
・ロシアは、ウクライナ侵攻において、フェイクニュースやプロパガンダを駆使して、国際世論を操作しようとした。
・米国の対外政策の柱となる戦略の変更は、容易ではない。米国は、世界最大の軍事力を有する大国であり、その影響力は世界中に広がっている。しかし、近年、中国やロシアの台頭によって、米国の国際的地位は相対的に低下している。
・米国が、中国やロシアに対抗するためには、対外政策の柱となる戦略を、新たな脅威に即したものに変更する必要があると指摘されている。
引用・参照・底本
情報戦に負けたアメリカ ParsToday 2024.01.13

