韓国政府と医療界の対立2024年03月06日 19:17

国立国会図書館デジタルコレクション「しらぬひ譚・白縫譚」を加工して作成
 韓国政府と医療界の間での対立が深まっており、政府は医療現場に戻らない専攻医に対する免許停止手続きに本格的に取り組み始めた。政府は、7,000人以上の専攻医に対して免許停止などの行政処分を検討しており、これに反発して一部の専任医や教授が集団行動に参加している。

 保健福祉部のパク・ミンス第2次官は、中央災害安全対策本部のブリーフィングで、政府が現場を点検し、違反事項に対処する計画であると述べ、7,000人以上の専攻医の免許停止手続きに突入すると発表した。政府は既に、医療現場に戻らない専攻医の多くに業務開始命令不履行確認書を送付しており、福祉部は各病院での現場調査を行った後、行政処分を開始した。

 しかし、政府の制裁にもかかわらず、専攻医の集団行動には大きな変化が見られない。むしろ、専任医や医学部の教授の一部が再契約に応じずに病院を去る動きもある。全国の医療機関での専任医の再契約率は低く、政府と医療関係者の対立が教授や専任医にも波及している。

 一方で、各大学は医学部の増員を申請しており、申請規模は昨年とほぼ同水準である。しかし、一部の大学では増員の意思決定に関する対立が生じている。慶北大学医学部のクォン・テファン学部長が大学本部の増員方針を批判していることから、大学内部でも対立が予想される。

【視点】

韓国政府と医療界の対立、免許停止手続き突入で破局へ?
7千人の専攻医に免許停止の可能性

韓国政府は、医療現場に戻っていない7千人あまりの専攻医(インターン、レジデント)に対して、免許停止などの行政処分手続きを開始した。これは、医療現場の混乱を招き、深刻な影響を与える可能性がある。

政府の強硬姿勢

パク・ミンス保健福祉部第2次官は、「法と原則に則って対応する」と表明し、7千人あまりの免許停止処分手続きに突入することを明らかにた。すでに、業務開始命令に従わなかった7854人の専攻医について、所属病院から業務開始命令不履行確認書を受け取っている。

専攻医の反発と拡大する対立

政府の強硬姿勢に対し、専攻医側は反発を強めている。一部の専任医(フェロー)や医学部の教授も再契約に応じずに病院を去るなど、対立は拡大している。

専任医の再契約率は30%

福祉部と各病院によると、全国の医療機関の専任医の平均再契約率は1日現在で30%ほど。例年だと70~80%であることを考えると、深刻な状況である。

教授も辞任

慶北大学医学部のある教授は、「政府は脅迫ばかりしている」と述べ、教授職を辞任するなど、政府への批判も高まっている。

医学部増員も難航

政府は、医療現場の逼迫を解消するために医学部増員を進めているが、大学側との対立もあり、難航している。

医療崩壊の懸念

政府と医療界の対立が長期化すれば、医療崩壊の懸念も高まる。両者の対立が早期に解決されることを期待するばかりである。

今後の見通し

今後、政府は免許停止処分を実際に実行するのか、専攻医側はどのような行動を取るのか、注目される。また、大学側の対応も医療界全体に大きな影響を与えそうである。

・政府、免許停止手続きを開始

韓国政府は、医療現場に戻っていない7千人あまりの専攻医(インターン、レジデント)に対して、免許停止などの行政処分の手続きを開始した。政府は、4日の中央災害安全対策本部のブリーフィングで、法と原則に基づいて対応していくと表明。すでに7854人について、所属病院から業務開始命令不履行確認書を受け取っている。

・免許停止の影響

免許停止処分は最大1年となり、専門医資格の取得が1年以上遅れる可能性がある。政府は「少なくとも3カ月間の免許停止処分」を警告していたが、専攻医側の行動に変化は見られない。

・専任医や教授も行動に参加

政府の強硬姿勢に反発し、一部の専任医(フェロー)や医学部の教授も再契約に応じずに病院を去っている。全国の医療機関の専任医の平均再契約率は1日現在で30%ほど。2月末に病院と1年単位で契約を交わす専任医の再契約率は例年だと70~80%であるが、その半分にも満たない水準である。

・大学医学部の増員申請

一方、各大学の医学部増員申請は、昨年と同水準の2千人強となった。しかし、慶北大学医学部のクォン・テファン学部長が大学本部の増員の意思を公に批判していることから、大学内部での対立も予想される。

・政府と医療界の対立は、今後さらに深刻化する可能性がある。

・政府は、7千人あまりの専攻医に対して免許停止などの行政処分の手続きを開始した。

・免許停止処分は最大1年となり、専門医資格の取得が1年以上遅れる可能性がある。

・政府の強硬姿勢に反発し、一部の専任医や教授も病院を去っている。

・各大学の医学部増員申請は、昨年と同水準の2千人強だが、大学内部での対立も予想される。

・政府と医療界の対立は、今後さらに深刻化する可能性がある。医療現場への影響も懸念される。

・政府の強硬姿勢:免許停止処分は「不可逆的」

パク・ミンス保健福祉部第2次官は、4日の中央災害安全対策本部のブリーフィングで、「政府は現場を点検し、違反事項に対して法と原則に則って対応する計画」だとし、「7千人あまりの免許停止処分の手続きに突入する」と表明した。

政府はすでに、医療現場を離れた8945人の専攻医のうちの7854人について、所属病院から業務開始命令不履行確認書を受け取っている。福祉部は4日から各病院の現場調査を実施して未復帰を確認したうえで、行政処分を開始した。

パク次官は、「今回の免許停止処分は不可逆的」と強調し、「本日(4日)、現場確認を実施して不在が確認されれば、直ちに明日(5日)から予告(免許停止の事前通知)が可能だ」と述べている。

・専攻医の抵抗:再契約率は30%、教授も辞任

政府の制裁が現実化したにもかかわらず、専攻医の集団行動には大きな変化がない。むしろ専任医(フェロー)や医学部の教授の一部が再契約に応じずに病院を去ってもいる。

福祉部と各病院の説明によると、全国の医療機関の専任医の平均再契約率は1日現在で30%ほど。2月末に病院と1年単位で契約を交わす専任医の再契約率は例年だと70~80%であるが、その半分にも満たない水準である。

また、慶北大学医学部のある教授は公開の場で「政府は脅迫ばかりしている」と述べ、教授職を辞すると表明している。政府と専攻医の駆け引きが専任医や教授にまで拡大しつつある。

・医学部増員:大学内部でも対立

この日で締め切られた各大学の医学部増員申請の規模は、昨年と同水準の2千人強。教育部のパク・ソンミン企画調整室長兼報道官は「昨年とほぼ同規模の増員が申請されると予測する」と述べている。

しかし、慶北大学医学部のクォン・テファン学部長が大学本部の増員の意思を公に批判していることから、大学内部での大学本部と医学部との対立も予想される。

・今後の見通し

政府と医療界の対立は、医療現場の混乱や医師不足を招き、国民の健康に深刻な影響を与える可能性がある。

今後、政府は強硬姿勢を貫き、免許停止処分を実行するのか、それとも医療界との妥協点を見つけるのか、注目される。

引用・参照・底本 

専攻医7千人免許停止手続き突入…破局へと突き進む韓国政府と医療界の対立 HANKYOREH 2024.03.05

街頭に出た医師ら「政府が2千人増員を貫けば、さらに離脱」=韓国 HANKYOREH 2024.03.04

コメント

トラックバック