自滅を導く西側政治家2024年03月15日 22:05

国立国会図書館デジタルコレクション「譬論草をしへ早引」を加工して作成
 定期的なビザチェックを受けずに公的な目的で入国する中国人に制限を課すことについて英国が検討していることを論じている。この動きは、与党保守党内の強い反中国感情を反映していると見られており、リシ・スナク首相はこれに立ち向かわなければならない。2024年の総選挙を控えたこの政策転換のタイミングは、保守党が中国に対してよりタカ派的な姿勢を取り、米国とより緊密に連携する戦略の可能性を示唆している。

 提案された措置には、外交規則または同様の規則に基づいて英国に入国する個人の数を制限し、公的または国家が後援する活動に厳格な事前チェックを課すことが含まれる。こうした議論は継続中だが、中国と英国の相互信頼と協力を育む上で極めて重要な人的交流が妨げられる可能性があると、中国のオブザーバーは指摘している。

 批評家は、中国の国家安全保障上の脅威に対する英国のアプローチが不十分であると主張しており、一部の当局者は、外交活動を制限することは中国との関係をさらに緊張させる可能性があると警告している。デービッド・キャメロン外相の指名などの機会にもかかわらず、保守党政権は、英国の政策立案者の一部に根強い反中国感情のために、二国間関係の改善に苦戦している。

 さらに、英国は国際問題で米国と足並みをそろえる傾向にあるため、特に協力的なアプローチを追求してきた他の欧州諸国と比較して、中国との関係を強化する機会を逃している。総選挙の世論調査で保守党が労働党に後れを取っているため、英国の外交政策、特に対中姿勢の再評価を求める声が高まっている。

【視点】

中国国民が定期的なビザチェックを受けずに公務で入国することに対する制限の可能性に関する英国内の議論を強調している。こうした議論は、保守党内の反中感情の高まりを背景に行われており、2024年の総選挙が近づくにつれ、英中関係に影響を与える可能性がある。

現在も議論が続いている政策変更案は、外交官など、特に中国からの外交官に対する国境規制を強化することを目的としている。この動きは、「中国のスパイ活動の脅威」をめぐるこれまでのレトリックと一致しており、英国における中国の活動に対する監視の目が厳しくなるという広範な傾向を反映している。

しかし、二国間関係への悪影響が懸念される。中国外務省の汪文斌報道官は、両国間の信頼と協力を育むための人的交流の重要性を強調した。一部のアナリストは、このような措置は中国との関係をさらに緊張させ、緊張を煽るリスクがあると警告している。

また、英国政府の対中姿勢には批判もあり、二国間関係改善のチャンスを捉える決意や大胆さに欠けるとの指摘もある。2023年にデービッド・キャメロンを外務大臣に指名する機会を逃したことを例に挙げている。

批評家はまた、英国が国際問題で米国と足並みを揃える傾向があり、それには代償が伴う可能性があると指摘している。他の欧州諸国が中国との関係を調整し、一方的なビザなしステータスを付与している一方で、英国は米国の政策と密接に連携しているため、そのような機会を逃しているようだ。

英国の対中姿勢は国内政治、特に保守党内の動向に左右されており、特に総選挙を控え、世論調査で同党が劣勢に立たされていることを考えると、外交政策の再評価が必要かもしれないと示唆している。

引用・参照・底本 

UK’s ‘China hawks’ ruin efforts to reset ties as it weighs curbs on Chinese official visas GT 2024.03.14

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