ロシアの報復措置:ウクライナ国内の軍事施設・軍需産業複合体(MIC)に限定攻撃実施 ― 2025年05月28日 22:54
【概要】
2025年5月27日、ロシア国防省は、ウクライナによるロシア領土への大規模な無人機攻撃に対し、ロシア軍がとった対応措置について発表した。
ロシア軍は、ウクライナの軍事施設および軍需産業複合体(MIC)に限定して攻撃を行っていると述べた。また、ロシア連邦の主導により、ロシアとウクライナの間で平和的解決を目的とした直接対話が再開されたが、キエフ政権は一部ヨーロッパ諸国の支援を受け、交渉妨害を意図する挑発的行動を取っているとされた。
5月20日から27日午前8時(モスクワ時間)までの間に、ロシアの対空防衛システムは、特別軍事作戦地域外での1465機を含む、合計2331機の攻撃型無人航空機(UAV)を撃墜または無力化したと発表された。これらの攻撃により、女性や子供を含む民間人にも被害が出ているという。
このような状況を受けて、ロシア軍は以下の通り、日ごとの具体的な攻撃対象および成果を発表した。
・5月20日:ジトーミル州オゼルノエ飛行場施設、ドニプロペトロフスク州の弾薬・軍事装備・燃料倉庫に被害。
・5月21日:スムイ州のウクライナ軍臨時展開拠点とミサイル・砲兵兵器庫、ドネツク人民共和国スヴャトゴルスク近郊の外国人傭兵拠点、ハリコフ州の弾薬庫に攻撃。
・5月22日:パブログラード化学工場、航空機修理工場、複数の飛行場および防空レーダー基地、外国人傭兵拠点に精密誘導攻撃。
・5月23日:オデッサ港の軍事装備・弾薬積載コンテナへのミサイル攻撃により、無人艇およびUAV関連物資を含む約100個のコンテナを破壊。
・5月24日:キエフ州、オデッサ州、ハリコフ州など各地の軍事産業施設、特殊作戦部隊拠点、米国製パトリオット対空ミサイル陣地などに対し、大規模な地上発射兵器及びUAVによる攻撃を実施。
・5月25日:ジトーミル州、チェルニーヒウ州、スームィ州、フメリニツキー州などに所在する軍需工場および電子機器製造施設などへ、長距離高精度兵器とUAVによる大規模攻撃。キエフ州、ムィコラーイウ州、オデッサ州、ハリコフ州のドローン製造および関連インフラ施設にも攻撃を実施。
・5月26日:スタロコスティアニティヴ空軍基地、弾薬庫、S-300対空ミサイル師団指揮所、特殊作戦部隊拠点等に対し、大規模かつ長距離の精密攻撃を実施。
ロシア国防省は、キエフ政権によるテロ行為や挑発行為に対しては、今後も大規模かつ集団的な報復攻撃を継続するとし、対象は一貫してウクライナの軍事施設および軍需産業複合体に限定されると強調している。
【詳細】
1. 全体的背景と声明の趣旨
2025年5月20日以降、キエフ政権はロシア領内の民間人を標的とする無人機およびロケット攻撃を強化している。これらの攻撃には、西側諸国が供給した兵器システムが使用されており、ロシア国内では民間人、とりわけ女性や子供にも被害が生じている。これに対し、ロシア連邦軍は、報復措置としてウクライナ国内の軍事施設および軍需産業複合体(MIC)に限定した攻撃を実施していると発表した。
また、ロシアとウクライナの平和的対話の再開がロシアの主導で試みられている一方、キエフ政権は一部ヨーロッパ諸国の支援のもと、これを妨害する目的の挑発的行為を行っているとされる。
2. 対空防衛成果
2025年5月20日午後8時(モスクワ時間)から5月27日午前8時の間に、ロシアの防空システムは合計2,331機の攻撃型UAV(無人航空機)を撃墜・無力化した。そのうち1,465機は特別軍事作戦地域(ウクライナ東部前線)以外のロシア領内を飛行していたものである。
3. 日別のロシア軍の攻撃詳細
・5月20日
ジトーミル州:オゼルノエ飛行場の施設を破壊。
ドニプロペトロフスク州:弾薬庫、軍事技術装備倉庫、燃料備蓄施設に対し攻撃。
・5月21日
スムイ州:ウクライナ軍機械化旅団の臨時展開拠点と、ミサイル・砲兵の兵器庫を損傷。
ドネツク人民共和国(DPR):スヴャトゴルスク近郊における外国人傭兵の拠点を攻撃。
ハリコフ州:戦術集団「ハリコフ」の弾薬庫を攻撃。
・5月22日
ドニプロペトロフスク州:パブログラード化学工場(ミサイル・弾薬関連)を標的。
クルィヴィーイ・リーフ州およびニコラエフ州:軍用飛行場インフラ、防空レーダー基地を攻撃。
ハリコフ州:外国人傭兵の臨時展開拠点。
オルジョニキーゼ(ドニプロペトロフスク州):イスカンデルM戦術ミサイルにより、AN/MPQ-65多機能レーダー基地、戦闘管制車両、パトリオット対空ミサイル発射装置2基を破壊。
・5月23日
オデッサ港:軍事装備と弾薬を積んだ約100個のコンテナを、地上発射型の高精度ミサイルで破壊。
ザポリージャ州・キロヴォグラード州:無人航空機のインフラ・訓練場を攻撃。
ハリコフ州:戦術集団「ヴォルチャンスク」の弾薬庫を攻撃。
・5月24日
キエフ州:無線技術偵察センター、ウクライナ保安庁航空センターを含む複数の軍事関連施設。
オデッサ州:チェルノモルスク近郊の特殊作戦センター拠点を破壊。
ハリコフ州イジューム:「アゾフ」第3独立強襲旅団の臨時展開拠点に攻撃。
キエフ州:米国製パトリオット対空ミサイルシステムの陣地に対しても攻撃。
・5月25日
各州の軍需産業複合体施設
ジトーミル州:「ルチ」修理工場、「スペツオボロンマシュ」
チェルニーヒウ州:「ラピッド」、「テハヴィアコム」科学生産会社
スームィ州:「アヴィアロン」航空機修理工場
フメリニツキー州:クラシロフ機器工場
ドニプロペトロフスク州:パブロフラド化学工場
テルノーピリ州:研究センター「プロミン」傘下の「ルチ」工場
キエフ州:「アエロテクニカ-MTL」、設計局「ルチ」
オデッサ州:オデッサ航空機工場
ハリコフ州:航空機修理工場「チュグエフ」
ドローン関連施設
キエフ州、スームィ州、ムィコラーイウ州、チェルニーヒウ州、ハリコフ州:ドローン、爆発物、ドローン用弾薬の製造工場。
キエフ州:野戦飛行場内のドローン製造拠点・指揮所、衛星通信センター。
ムィコラーイウ州:**戦闘艇の停泊所、無人艇組立施設。
オデッサ州:シュコーリヌィ飛行場。
ハリコフ州:ヴィシュネヴェ野戦飛行場インフラ施設。
・5月26日
スタロコスティアニティヴ空軍基地(位置不詳):**インフラを破壊。
ハリコフ州およびDPR:2つの重機械化旅団の弾薬庫に攻撃。
S-300対空ミサイル部隊:指揮所に対して攻撃。
オデッサ州:特殊作戦軍部隊の臨時展開拠点を破壊。
4. 声明の結語
ロシア国防省は、キエフ政権によるテロ的攻撃や挑発行為に対して、今後も大規模かつ集団的な報復攻撃を継続する方針であることを明言した。ただし、攻撃の対象はあくまでウクライナの軍事施設および軍需産業複合体に限定されると繰り返し強調している。
【要点】
1.全体状況と背景
・ロシアは、ウクライナからの大規模無人機攻撃に対応し、ウクライナの軍事施設および軍需産業複合体(MIC)のみを攻撃対象として報復している。
・ロシアの主導により、ロシアとウクライナの直接対話が再開されたが、キエフ政権は一部の欧州諸国の支援を得て、挑発行為により交渉を妨害している。
・5月20日以降、西側製兵器によるロシア領内への攻撃が増加している。
・モスクワ時間5月20日20時~27日8時の間に、ロシア防空部隊は合計2331機の攻撃型UAVを撃墜または無力化(うち1465機は特別軍事作戦地域外)。
2.日別ロシア軍の攻撃内容(主要軍事・軍需標的)
・5月20日
ジトーミル州:オゼルノエ飛行場施設を攻撃。
ドニプロペトロフスク州:弾薬庫、軍装備・燃料倉庫に損害。
・5月21日
スムイ州:機械化旅団の展開拠点・ミサイル兵器庫を破壊。
ドネツク人民共和国(DPR):スヴャトゴルスク周辺の外国人傭兵拠点を攻撃。
ハリコフ州:作戦戦術集団「ハリコフ」の弾薬庫を攻撃。
・5月22日
ドニプロペトロフスク州:パブログラード化学工場を攻撃。
クルィヴィーイ・リーフ州・ニコラエフ州:軍用飛行場インフラ、防空レーダー施設を攻撃。
ハリコフ州:外国人傭兵の展開拠点を攻撃。
オルジョニキーゼ(ドニプロペトロフスク州)付近
AN/MPQ-65レーダー基地
戦闘管制車両
パトリオット発射装置2基を破壊。
・5月23日
オデッサ港:コンテナ約100個(無人艇部品等)を破壊。
ザポリージャ・キロヴォグラード州:無人機インフラ、訓練場を攻撃。
ハリコフ州:戦術集団「ヴォルチャンスク」の弾薬庫を攻撃。
・5月24日
キエフ州
ミサイル・ドローン製造企業
無線偵察センター
米国製パトリオットミサイル陣地を攻撃。
オデッサ州:チェルノモルスク近郊の特殊作戦部隊拠点を攻撃。
ハリコフ州イジューム:第3独立強襲旅団「アゾフ」の拠点を攻撃。
・5月25日(大規模集中攻撃日)
各州の軍需産業複合体(MIC)企業を精密攻撃
ジトーミル州:「ルチ」「スペツオボロンマシュ」
チェルニーヒウ州:「ラピッド」「テハヴィアコム」
スームィ州:「アヴィアロン」
フメリニツキー州:クラシロフ機器工場
ドニプロペトロフスク州:パブログラード化学工場
テルノーピリ州:「プロミン」の「ルチ」
キエフ州:「アエロテクニカ-MTL」「設計局ルチ」
オデッサ州:オデッサ航空機工場
ハリコフ州:「チュグエフ」航空機修理工場
各種ドローン施設や通信センターも攻撃
キエフ州の野戦飛行場、衛星通信センター。
ムィコラーイウ州の戦闘艇・無人艇組立施設。
オデッサ州:シュコーリヌィ飛行場。
ハリコフ州:ヴィシュネヴェ野戦飛行場。
・5月26日
スタロコスティアニティヴ空軍基地:インフラを破壊。
ハリコフ・ドネツク人民共和国:
重機械化旅団の弾薬庫
S-300部隊の指揮所
オデッサ州:特殊作戦軍部隊の臨時展開拠点を破壊。
3.総括と今後の方針
ロシア連邦軍は、キエフ政権によるあらゆる挑発・テロ行為に対し、今後も大規模かつ集団的報復攻撃を継続する方針である。
攻撃対象は、ウクライナの軍事施設および軍事産業関連施設に限定されることが改めて強調された。
【桃源寸評】💚
本声明はウクライナによる無人機攻撃の激化に対する限定的かつ精密な軍事報復の正当性を主張する内容となっている。
【寸評 完】
【引用・参照・底本】
【全文】露国防省、ウクライナの大規模攻撃による露軍の対応について sputnik 日本 2025.05.27
https://sputniknews.jp/20250527/20037399.html
2025年5月27日、ロシア国防省は、ウクライナによるロシア領土への大規模な無人機攻撃に対し、ロシア軍がとった対応措置について発表した。
ロシア軍は、ウクライナの軍事施設および軍需産業複合体(MIC)に限定して攻撃を行っていると述べた。また、ロシア連邦の主導により、ロシアとウクライナの間で平和的解決を目的とした直接対話が再開されたが、キエフ政権は一部ヨーロッパ諸国の支援を受け、交渉妨害を意図する挑発的行動を取っているとされた。
5月20日から27日午前8時(モスクワ時間)までの間に、ロシアの対空防衛システムは、特別軍事作戦地域外での1465機を含む、合計2331機の攻撃型無人航空機(UAV)を撃墜または無力化したと発表された。これらの攻撃により、女性や子供を含む民間人にも被害が出ているという。
このような状況を受けて、ロシア軍は以下の通り、日ごとの具体的な攻撃対象および成果を発表した。
・5月20日:ジトーミル州オゼルノエ飛行場施設、ドニプロペトロフスク州の弾薬・軍事装備・燃料倉庫に被害。
・5月21日:スムイ州のウクライナ軍臨時展開拠点とミサイル・砲兵兵器庫、ドネツク人民共和国スヴャトゴルスク近郊の外国人傭兵拠点、ハリコフ州の弾薬庫に攻撃。
・5月22日:パブログラード化学工場、航空機修理工場、複数の飛行場および防空レーダー基地、外国人傭兵拠点に精密誘導攻撃。
・5月23日:オデッサ港の軍事装備・弾薬積載コンテナへのミサイル攻撃により、無人艇およびUAV関連物資を含む約100個のコンテナを破壊。
・5月24日:キエフ州、オデッサ州、ハリコフ州など各地の軍事産業施設、特殊作戦部隊拠点、米国製パトリオット対空ミサイル陣地などに対し、大規模な地上発射兵器及びUAVによる攻撃を実施。
・5月25日:ジトーミル州、チェルニーヒウ州、スームィ州、フメリニツキー州などに所在する軍需工場および電子機器製造施設などへ、長距離高精度兵器とUAVによる大規模攻撃。キエフ州、ムィコラーイウ州、オデッサ州、ハリコフ州のドローン製造および関連インフラ施設にも攻撃を実施。
・5月26日:スタロコスティアニティヴ空軍基地、弾薬庫、S-300対空ミサイル師団指揮所、特殊作戦部隊拠点等に対し、大規模かつ長距離の精密攻撃を実施。
ロシア国防省は、キエフ政権によるテロ行為や挑発行為に対しては、今後も大規模かつ集団的な報復攻撃を継続するとし、対象は一貫してウクライナの軍事施設および軍需産業複合体に限定されると強調している。
【詳細】
1. 全体的背景と声明の趣旨
2025年5月20日以降、キエフ政権はロシア領内の民間人を標的とする無人機およびロケット攻撃を強化している。これらの攻撃には、西側諸国が供給した兵器システムが使用されており、ロシア国内では民間人、とりわけ女性や子供にも被害が生じている。これに対し、ロシア連邦軍は、報復措置としてウクライナ国内の軍事施設および軍需産業複合体(MIC)に限定した攻撃を実施していると発表した。
また、ロシアとウクライナの平和的対話の再開がロシアの主導で試みられている一方、キエフ政権は一部ヨーロッパ諸国の支援のもと、これを妨害する目的の挑発的行為を行っているとされる。
2. 対空防衛成果
2025年5月20日午後8時(モスクワ時間)から5月27日午前8時の間に、ロシアの防空システムは合計2,331機の攻撃型UAV(無人航空機)を撃墜・無力化した。そのうち1,465機は特別軍事作戦地域(ウクライナ東部前線)以外のロシア領内を飛行していたものである。
3. 日別のロシア軍の攻撃詳細
・5月20日
ジトーミル州:オゼルノエ飛行場の施設を破壊。
ドニプロペトロフスク州:弾薬庫、軍事技術装備倉庫、燃料備蓄施設に対し攻撃。
・5月21日
スムイ州:ウクライナ軍機械化旅団の臨時展開拠点と、ミサイル・砲兵の兵器庫を損傷。
ドネツク人民共和国(DPR):スヴャトゴルスク近郊における外国人傭兵の拠点を攻撃。
ハリコフ州:戦術集団「ハリコフ」の弾薬庫を攻撃。
・5月22日
ドニプロペトロフスク州:パブログラード化学工場(ミサイル・弾薬関連)を標的。
クルィヴィーイ・リーフ州およびニコラエフ州:軍用飛行場インフラ、防空レーダー基地を攻撃。
ハリコフ州:外国人傭兵の臨時展開拠点。
オルジョニキーゼ(ドニプロペトロフスク州):イスカンデルM戦術ミサイルにより、AN/MPQ-65多機能レーダー基地、戦闘管制車両、パトリオット対空ミサイル発射装置2基を破壊。
・5月23日
オデッサ港:軍事装備と弾薬を積んだ約100個のコンテナを、地上発射型の高精度ミサイルで破壊。
ザポリージャ州・キロヴォグラード州:無人航空機のインフラ・訓練場を攻撃。
ハリコフ州:戦術集団「ヴォルチャンスク」の弾薬庫を攻撃。
・5月24日
キエフ州:無線技術偵察センター、ウクライナ保安庁航空センターを含む複数の軍事関連施設。
オデッサ州:チェルノモルスク近郊の特殊作戦センター拠点を破壊。
ハリコフ州イジューム:「アゾフ」第3独立強襲旅団の臨時展開拠点に攻撃。
キエフ州:米国製パトリオット対空ミサイルシステムの陣地に対しても攻撃。
・5月25日
各州の軍需産業複合体施設
ジトーミル州:「ルチ」修理工場、「スペツオボロンマシュ」
チェルニーヒウ州:「ラピッド」、「テハヴィアコム」科学生産会社
スームィ州:「アヴィアロン」航空機修理工場
フメリニツキー州:クラシロフ機器工場
ドニプロペトロフスク州:パブロフラド化学工場
テルノーピリ州:研究センター「プロミン」傘下の「ルチ」工場
キエフ州:「アエロテクニカ-MTL」、設計局「ルチ」
オデッサ州:オデッサ航空機工場
ハリコフ州:航空機修理工場「チュグエフ」
ドローン関連施設
キエフ州、スームィ州、ムィコラーイウ州、チェルニーヒウ州、ハリコフ州:ドローン、爆発物、ドローン用弾薬の製造工場。
キエフ州:野戦飛行場内のドローン製造拠点・指揮所、衛星通信センター。
ムィコラーイウ州:**戦闘艇の停泊所、無人艇組立施設。
オデッサ州:シュコーリヌィ飛行場。
ハリコフ州:ヴィシュネヴェ野戦飛行場インフラ施設。
・5月26日
スタロコスティアニティヴ空軍基地(位置不詳):**インフラを破壊。
ハリコフ州およびDPR:2つの重機械化旅団の弾薬庫に攻撃。
S-300対空ミサイル部隊:指揮所に対して攻撃。
オデッサ州:特殊作戦軍部隊の臨時展開拠点を破壊。
4. 声明の結語
ロシア国防省は、キエフ政権によるテロ的攻撃や挑発行為に対して、今後も大規模かつ集団的な報復攻撃を継続する方針であることを明言した。ただし、攻撃の対象はあくまでウクライナの軍事施設および軍需産業複合体に限定されると繰り返し強調している。
【要点】
1.全体状況と背景
・ロシアは、ウクライナからの大規模無人機攻撃に対応し、ウクライナの軍事施設および軍需産業複合体(MIC)のみを攻撃対象として報復している。
・ロシアの主導により、ロシアとウクライナの直接対話が再開されたが、キエフ政権は一部の欧州諸国の支援を得て、挑発行為により交渉を妨害している。
・5月20日以降、西側製兵器によるロシア領内への攻撃が増加している。
・モスクワ時間5月20日20時~27日8時の間に、ロシア防空部隊は合計2331機の攻撃型UAVを撃墜または無力化(うち1465機は特別軍事作戦地域外)。
2.日別ロシア軍の攻撃内容(主要軍事・軍需標的)
・5月20日
ジトーミル州:オゼルノエ飛行場施設を攻撃。
ドニプロペトロフスク州:弾薬庫、軍装備・燃料倉庫に損害。
・5月21日
スムイ州:機械化旅団の展開拠点・ミサイル兵器庫を破壊。
ドネツク人民共和国(DPR):スヴャトゴルスク周辺の外国人傭兵拠点を攻撃。
ハリコフ州:作戦戦術集団「ハリコフ」の弾薬庫を攻撃。
・5月22日
ドニプロペトロフスク州:パブログラード化学工場を攻撃。
クルィヴィーイ・リーフ州・ニコラエフ州:軍用飛行場インフラ、防空レーダー施設を攻撃。
ハリコフ州:外国人傭兵の展開拠点を攻撃。
オルジョニキーゼ(ドニプロペトロフスク州)付近
AN/MPQ-65レーダー基地
戦闘管制車両
パトリオット発射装置2基を破壊。
・5月23日
オデッサ港:コンテナ約100個(無人艇部品等)を破壊。
ザポリージャ・キロヴォグラード州:無人機インフラ、訓練場を攻撃。
ハリコフ州:戦術集団「ヴォルチャンスク」の弾薬庫を攻撃。
・5月24日
キエフ州
ミサイル・ドローン製造企業
無線偵察センター
米国製パトリオットミサイル陣地を攻撃。
オデッサ州:チェルノモルスク近郊の特殊作戦部隊拠点を攻撃。
ハリコフ州イジューム:第3独立強襲旅団「アゾフ」の拠点を攻撃。
・5月25日(大規模集中攻撃日)
各州の軍需産業複合体(MIC)企業を精密攻撃
ジトーミル州:「ルチ」「スペツオボロンマシュ」
チェルニーヒウ州:「ラピッド」「テハヴィアコム」
スームィ州:「アヴィアロン」
フメリニツキー州:クラシロフ機器工場
ドニプロペトロフスク州:パブログラード化学工場
テルノーピリ州:「プロミン」の「ルチ」
キエフ州:「アエロテクニカ-MTL」「設計局ルチ」
オデッサ州:オデッサ航空機工場
ハリコフ州:「チュグエフ」航空機修理工場
各種ドローン施設や通信センターも攻撃
キエフ州の野戦飛行場、衛星通信センター。
ムィコラーイウ州の戦闘艇・無人艇組立施設。
オデッサ州:シュコーリヌィ飛行場。
ハリコフ州:ヴィシュネヴェ野戦飛行場。
・5月26日
スタロコスティアニティヴ空軍基地:インフラを破壊。
ハリコフ・ドネツク人民共和国:
重機械化旅団の弾薬庫
S-300部隊の指揮所
オデッサ州:特殊作戦軍部隊の臨時展開拠点を破壊。
3.総括と今後の方針
ロシア連邦軍は、キエフ政権によるあらゆる挑発・テロ行為に対し、今後も大規模かつ集団的報復攻撃を継続する方針である。
攻撃対象は、ウクライナの軍事施設および軍事産業関連施設に限定されることが改めて強調された。
【桃源寸評】💚
本声明はウクライナによる無人機攻撃の激化に対する限定的かつ精密な軍事報復の正当性を主張する内容となっている。
【寸評 完】
【引用・参照・底本】
【全文】露国防省、ウクライナの大規模攻撃による露軍の対応について sputnik 日本 2025.05.27
https://sputniknews.jp/20250527/20037399.html