ガザの首を絞める米国等2024年01月29日 22:12

国立国会図書館デジタルコレクション「木木曽六十九駅 東都日本橋・御祭ノ踊時致 (木曽六十九駅)」を加工して作成
 イスラエル・パレスチナ紛争の文脈における国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)の状況を論じたものである。

 UNRWA職員に対する疑惑

 焦点は、UNRWA職員が10月のイスラエル攻撃に関与したという最近の主張であり、ガザのすでに脆弱な状況の緊張をエスカレートさせている。

 資金提供の停止

 最大のドナーである米国を含む10カ国が、この疑惑を受けてUNRWAへの資金提供を停止すると発表したと述べている。

 国連の調査と説明責任

 アントニオ・グテーレス国連事務総長は、テロ行為に関与した国連職員は刑事訴追を含め、責任を問われると強調し、事件の調査を発表した。徹底的かつ責任ある調査の必要性を支持している。

 ガザ地区におけるUNRWAの重要性

 UNRWAは、ガザ地区で最も古く、最大の国連機関の1つとして注目されており、220万人に食料、水、教育、医療などの必要不可欠なサービスを提供している。この機関は、ガザの住民にとって最後の命綱と表現されている。

 金融危機と操業停止の可能性

 UNRWAは長年にわたって財政的に逼迫または危機的な状態にあり、主要なドナー国からの資金提供の停止は、運営上の困難や閉鎖につながる可能性があることを強調している。2月の被援助者への潜在的な影響が指摘されている。

 イスラエルの姿勢と今後の課題

 現在の紛争の後、UNRWAがガザ地区で活動するのを阻止する計画であるというイスラエルの以前の声明に言及している。これは、ガザの人道状況に大きな打撃を与える可能性があり、この地域における国連の役割を抑制するものと見なされている。

 国際社会支援

 国連職員が攻撃に関与したとされる事件を客観的かつ公正に扱うことを求めている。国連パレスチナ難民高等弁務官事務所(UNRWA)が現在、パレスチナ難民にとって唯一の希望であることを強調し、国際社会に対し、UNRWAへの支援を減らすのではなく、増やすよう求めている。

 ソリューション

 パレスチナ問題の包括的で公正かつ永続的な解決のための唯一の実行可能な選択肢として、二国家解決を提唱している。これは、二国家解決の進展が遅々として進まない中で支援を提供するUNRWAの役割を強調している。

 人道的ニーズに関する世界的なコンセンサス

 ガザの住民に対する「集団的懲罰」に反対する国際社会の広範なコンセンサスと、人道的ニーズを保障する必要性が浮き彫りになっている。

 UNRWAへの資金提供停止がもたらす潜在的な結果について懸念を表明し、ガザにおけるUNRWAの重要な役割を強調し、10月の攻撃へのUNRWA職員の関与疑惑に対する継続的な国際的支援と公正な調査を求めている。

【要点】

UNRWAの職員がイスラエル攻撃に関与したという疑惑の後、UNRWAを取り巻く状況について論じている。それは次のように主張している。

疑惑は深刻であり、調査に値するが、この調査がUNRWAの閉鎖につながるべきではない。

UNRWAは、ガザに200万人のパレスチナ人がおり、その資金提供を停止すれば、人道危機を引き起こすことになる。

ガザ地区のUNRWAを阻止するイスラエルの潜在的な将来の動きは、この地域にさらなる害を及ぼすだろう。

こうした主張にもかかわらず、国際社会は、現在、パレスチナ難民のための代替案が存在しないUNRWAを支援すべきである。

「二国家解決」が和平への唯一の実行可能な道であり、UNRWAはそれまでパレスチナ難民の支援に重要な役割を果たしている。

UNRWAの重要性:ガザ地区の何百万人もの人々に食料、水、教育、医療などの必要不可欠なサービスを提供する上で、UNRWAが果たす重要な役割を強調している。

資金面での懸念:主要ドナーによる資金提供の停止により、UNRWAは閉鎖される危険にさらされ、人道状況はさらに悪化する。

イスラエルの立場:ガザ地区のUNRWAを阻止するイスラエルの潜在的な将来の動きを批判し、有害であると述べている。

支援の呼びかけ:国際社会に対し、疑惑にもかかわらずUNRWAへの支援を継続するよう促している。

二国家解決:本紛争に対する唯一の長期的解決としての「二国家解決」の重要性を改めて強調している。

・UNRWAは、ガザ地区の220万人のパレスチナ人にとって重要なライフラインであり、食料、水、教育、医療を提供している。

・米国を含むいくつかのドナー国は、国連職員に対する調査を理由に資金提供を停止している。

・UNRWAの現在の資金は2月まで続かず、閉鎖につながる可能性がある。

・イスラエルは以前、ガザ地区におけるUNRWAの活動を制限する計画を表明していた。

・UNRWAへの支援を減らすことに反対し、恒久的な平和のための二国家解決の重要性を強調している。

・国連職員に対する調査は、政治化することなく、公正かつ客観的に行われるべきである。

・少数の人々の行動を理由にガザの全住民を罰することは容認できない。

・現在、パレスチナ難民にとってUNRWAに代わるものはない。

・国際社会は、UNRWAと二国家解決を支援する共通の責任を負っている。

・概してパレスチナ寄りの立場をとっているが、UNRWA内部での説明責任を強く求めている。

・ガザの主要な人道支援組織であるUNRWAは、イスラエルへの攻撃に職員が関与したという疑惑の後、資金削減に直面している。

・これは、すでに悲惨な状況にある220万人のパレスチナ人に対する重要な援助を脅かすものである。

・国際社会は、疑惑を客観的に調査し、UNRWAの重要な役割を支持すべきである。

・「二国家解決」が和平への唯一の実行可能な道であり、UNRWAはそれまでの間、パレスチナ難民の支援に重要な役割を果たしている。

・UNRWAの重要な役割:この社説は、ガザ地区の何百万人ものパレスチナ人に食料、水、教育、医療を提供する上でのUNRWAの重要な役割を強調している。同報告書は、資金削減が「深刻な二次的人道的惨事」につながる可能性があると警告している。

・観性と公平性:疑惑の深刻さを認めつつも、論説は政治化や誇張を避け、公正で客観的な調査を強く求めている。

・長期的和平への唯一の実行可能な道として「二国家解決」を強調し、それまでのパレスチナ難民支援におけるUNRWAの役割を強調している。

・責任の共有:国際社会に対し、UNRWAの権威と地位を支持し、それを共通の責任として認識するよう呼びかけている。

・ガザ地区のUNRWAを閉鎖せよというイスラエルの過去の呼びかけを批判し、地域における国連の役割をさらに制限すると主張している。

・同報告書は、バイデン政権下での米国の姿勢の変化を指摘し、UNRWAに代わる実行可能な選択肢がないことを認識している。

・同報告書は、疑惑の調査を、パレスチナ難民支援というより広範な問題から切り離すことの重要性を強調している。

【桃源寸評】

 日本も米国などに合わせて、UNRWへの資金拠出を停止した。
 しかし、国際社会は普段から、米国(西側)の二枚舌の"人道主義"等に耳に当たっている。やはり眉唾物なのだ。〈犬の歯は白く輝いているが、その歯はクソをも食べる〉類なのだ。

 上川外相なども、アイマン・サファディ・ヨルダン副首相兼外務・移民大臣と「ガザ地区における人道状況の改善や事態の早期沈静化に向けて、両国が引き続き連携して取り組んでいくことを確認」したのではないのか。(外務省HP)

 が、米国に連れて早々と停止を決め込む。

 人道とはいったい何なのだ。単なる従わない他国を責めたてる、政治上の駆け引きの、或いは外交の辞令に過ぎないのか。

 西側に人権や人道を語る資格は既に無い。 

引用・参照・底本 

UNRWA cannot come to a standstill in Gaza because of this: Global Times editorial GT 2024.01.29

国連難民救済機関職員テロ関与疑惑 日本も資金拠出停止 中日 2024.01.29

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