ジェノサイドに対する沈黙2024年05月05日 19:32

国立国会図書館デジタルコレクション「秀ノ山雷五郎横綱土俵入之図」を加工して作成
 米国におけるイスラエルの行動やその批判に焦点を当てている。米国の機関やメディアがイスラエルの行動を支持し、その批判を抑圧しようとしていると主張している。

 まず、コロンビア大学の学生がイスラエルによるパレスチナ人の虐殺を非難し、大学がイスラエルからの撤退を求める抗議行動を展開していることが述べられている。これに対して、メディアや権力者からは1月6日の議会襲撃との類似性を指摘し、抗議者の逮捕を求める声が上がったとのことである。

 さらに、議論はイスラエルとの関連でさらに広がり、民主党の議員や共和党の議員から、抗議者や批評者に対する警察や司法の介入を求める声があがったことが報じられている。このような行動は、イスラエルの暴力を止めるための手段としては不十分であり、むしろ抑圧されていると主張されている。

 米国政府やメディアが国際法や市民の命、学生の自由な発言、さらには自らの再選までをも犠牲にしてイスラエルを支援していると指摘されている。これに対する米国の大衆の意識は、一部の調査ではガザでの虐殺を止めることを望んでいると示されているにもかかわらず、政府やメディアの姿勢は変わらないと述べられている。

【視点】

エリザベス・ヴォス(Elizabeth Vos)による記事「ジェノサイドに対する沈黙の徹底」は、アメリカはガザにおけるイスラエルの行動を守ることを、民間人の死傷者や反対意見を止めることよりも優先していると論じている。

学生の抗議行動と警察の取り締まり:ガザでの暴力に対する大学キャンパスでの抗議行動と、それに続く警察の介入によるガザ地区の閉鎖について述べている。こうした弾圧は、ベトナム戦争の抗議行動の弾圧になぞらえられる。

メディアの描写:主流メディアがガザの苦しみから目をそらしながら、抗議行動を危険なものとして描写していると批判している。彼らは、抗議者たちが危険だと感じているようなコメントは、イスラエルが使うレトリックを反映していると主張している。

イスラエルに対する米国の支援:アメリカがイスラエルを国際訴追から守っていることと、反ユダヤ主義のレッテルを貼ることで、キャンパスでのイスラエル批判を制限しかねない下院法案を可決したことを強調している。

米国はイスラエルの行動に対する反対を積極的に沈黙させ、人権や言論の自由よりも自国の利益を優先していると結論付けている。

イスラエルとガザの状況は複雑で、双方が民間人に対する暴力で非難されている。

反ユダヤ主義の定義は議論の余地があり、IHRA(註)の定義はイスラエルへの批判を抑圧していると主張する者もいる。

・米国はイスラエルを優先する:著者は、米国政府は、民間人の犠牲者を食い止めることよりも、ガザでのイスラエルの行動継続能力を守ることを優先していると主張している。

・学生による抗議活動の対象:ガザでの暴力に対する大学の抗議行動は、1月6日の連邦議会議事堂暴動と比較され、正当性を失わせている。これらの抗議行動に対する警察の取り締まりが説明されている。

・メディアはパレスチナ人の苦しみを軽視している。ガザ地区の莫大な人的犠牲よりも、アメリカのシオニストの感情に焦点をあてたメディアを批判している。

・立法は批判を抑圧する:イスラエル批判と反ユダヤ主義を混同し、キャンパスやソーシャルメディアでの言論の自由を制限する可能性のある法案が言及されている。

・行動喚起:著者は、アメリカ国民が、アメリカが暴力に加担していることに気づき、殺害の停止を求めていることを示唆して締めくくっている。

・学生の抗議行動と警察の取り締まり:ガザでの暴力とそれに続く警察による逮捕に対する大学キャンパスでの抗議行動について述べている。

・メディアの描写:抗議行動を1月6日の連邦議会議事堂暴動になぞらえ、パレスチナ人の苦しみから目をそらし、米国のシオニストの不快感に焦点を当てているメディアを批判している。

・イスラエルに対する米国の支援:イスラエル首相を国際刑事裁判所(ICC)の告発から守っているアメリカと、イスラエル批判と反ユダヤ主義を混同することを狙った下院法案を強調している。

・反対意見を沈黙させる:これらの行動がイスラエルへの批判を沈黙させ、キャンパスでの言論の自由を制限していると主張する。

・アメリカ国民は、アメリカ政府の優先事項はイスラエルを守ることであり、暴力を止めることではないことを認識すべきだと述べて締めくくっている。

【註】
IHRA(国際ホロコースト記念連盟)は、ホロコーストを継続的に記憶し、その理解を深め、同様の悲劇を防ぐために活動する国際的な組織である。IHRAは、1998年にスウェーデンで設立された。その目的は、ホロコーストの犠牲者を追悼し、その歴史的な意義を認識することである。また、ホロコーストの記憶を保持し、教育を通じて次世代に伝えることも重要な活動の一つである。IHRAは、ホロコーストの否定や歪曲に対抗し、人権と対ユダヤ主義の原則を促進することを使命としている。

(註はブログ作成者が参考の為に付記した。)


引用・参照・底本

Enforcing Silence on Genocide Consortium News 2024.05.04

https://consortiumnews.com/2024/05/04/enforcing-silence-on-genocide/?eType=EmailBlastContent&eId=4a2448f5-0408-488c-a480-e91c5732bb08

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