イスラエル支援をめぐるアメリカ政府内の反対意見2024年05月14日 18:14

国立国会図書館デジタルコレクション「小柳常吉,荒馬吉五郎」を加工して作成
 ハリソン・マン少佐がアメリカ陸軍国防情報局(DIA)を辞任したことで、ガザ紛争のさなかのイスラエル支援をめぐるアメリカ政府内の反対意見に大きな注目が集まっている。4月16日にDIA内で最初に回覧され、後にLinkedInで公に共有されたマンの辞表は、「何万人もの無辜のパレスチナ人の殺害と飢餓」を助長したと彼が主張するイスラエルに対する米国の「ほとんど無条件の支援」に対する彼の深い反対を強調している。

 マンの手紙は、彼の倫理的・道徳的苦悩を表現し、彼の決断を促したガザの「恐ろしく悲痛な」映像を指摘している。彼は、ユダヤ系の遺産と、家族から教え込まれた道徳的義務に言及し、民族浄化と「命令に従うだけ」という言い訳を拒否する原則へのコミットメントを強調している。マンの辞任は、これらの原則を守ろうとする良心の呵責の行為として組み立てられている。

 この辞任は、バイデン大統領のイスラエルとガザに対する政策に抗議する3人の国務省高官と教育省職員の辞任を含む、米国政府内のより広範な反対意見の波の一部である。最も過激な抗議行動は、ワシントンD.C.のイスラエル大使館前で焼身自殺した現役のアメリカ空軍士官アーロン・ブッシュネルによるもので、この紛争におけるアメリカの政策に対する強烈で悲劇的な形の反対を浮き彫りにした。

 マン氏の辞表の公開は、彼の見解に賛同する政府内の他の人々を励ますことを目的としており、彼らが反対しているのは孤独でも無力でもないことを示唆している。彼の行動は、イスラエル・パレスチナ紛争に関連する米国の外交政策に対する反対運動の高まりを浮き彫りにしている。

【視点】

メジャー・ハリソン・マン(Maj. Harrison Mann)の辞任は、アメリカ政府のイスラエル支援に対する強い反対の声を上げたもので、その内容は大きな関心を集めている。彼は国防情報局(DIA)で勤務していたが、米国の「無条件の」イスラエル支援に抗議するために辞職した。以下に詳細な背景と彼の主張を説明している。

背景と辞任の理由

・無条件のイスラエル支援

マンは彼の辞任理由として、米国がイスラエル政府をほぼ無条件に支援していることを挙げている。彼によれば、この支援はパレスチナ人に対する暴力行為や飢餓を助長し、その結果、多くの無実のパレスチナ人が命を落としている。

彼は、DIAが単に政策を情報提供するだけでなく、政策を促進し、時には直接実行する役割を果たしていると述べている。

・個人的な葛藤と道徳的立場

マンは、自身のユダヤ人のルーツを持つことから、特に「民族浄化」に対する責任を強く感じていると述べている。彼の祖父はドイツ製品を決して購入しなかったほど、この問題に対して強い倫理的スタンスを持っていた。彼は、自分がその原則に背いたことに悩まされており、そのために辞任を決意したと述べている。

・公然たる反対の意義

マンは辞任を発表した際、内部的には多くの支持を受けたと述べている。彼は同僚たちに対し、ガザに対するイスラエルの軍事作戦を支持することに対して反対する声を上げることの重要性を強調している。彼は辞任が他の職員にとっても声を上げるきっかけとなることを願っている。

他の抗議行動

マンの辞任は、アメリカ政府内での一連の抗議行動の一環です。以下はその例である。

・国務省と教育省の職員

3名の国務省職員と1名の教育省職員が同様にイスラエル支援に抗議して辞職している。

・極端な抗議行動

最も過激な抗議行動として、アメリカ空軍の現役兵士アーロン・ブッシュネルがワシントンD.C.のイスラエル大使館前で自らに火を放ち、後に死亡した。

まとめ

マジャー・ハリソン・マンの辞任は、アメリカの政策に対する内部からの強い反対の声を象徴している。彼の辞任理由は、米国のイスラエル支援がガザでの暴力と人道的危機を助長しているという倫理的な懸念に基づいている。彼の行動は他の官僚たちにも影響を与え、彼らに対しても自身の立場を再考し、声を上げる勇気を与えている。

引用・参照・底本

US Army Officer Resigns Over ‘Unqualified’ Support for Israeli Slaughter in Gaza ANTIWAR.com 2024.05.13

https://news.antiwar.com/2024/05/13/us-army-officer-resigns-over-unqualified-support-for-israeli-slaughter-in-gaza/

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