見よ!この國際法違反の數々2022年10月17日 10:05

伊予の湯
  『ヒトラー總統の對米宣戰布告の大演説 一千年の歴史を作らん』 ヒトラー 〔述〕

  「戰爭の責任はル—ズヴエルトにあり!」 
  ヒトラー總統の對米宣戰布告大演説 
  (一九四一年十二月十一日獨逸國會に於て)

 (50-55頁)
 見よ!この國際法違反の數々     2022.10.17

 一九四〇年アメリカ合衆國大統領はフランス金貨の保證を指令した。これは外面はドイツがこれに手を延べるのを阻止するが目的であると言つてゐるが、事實は然らずして、これをアメリカ驅逐艦を以てカサブランカからアメリカへ輸送する爲である。
 一九四〇年九月には、ルーズヴ工ル卜は更に戰爭に接近して來た。まづ彼は、米艦隊に屬する五十隻の驅逐艦を英艦隊に讓渡した。何れ後世に於て明らかとなるであらうが、その代償として彼は北米及び中米にある英領土の軍華基地を受けとることになつてゐる。即ちこの點については獨逸に對する憎惡を有してゐても、亦尚崩壊の時期にある英國を出來るだけ確實に、そして危險なく繼承出來ると云ふ見解が働いてゐるのである。
 英國はアメリカからの補給品を最早や現金で支拂ふ能力がない為に、彼は米國民に對し武器貸與法を壓しつけた。かくて大統領は武器貸與法によつて援助する諸國の支配權を持たうとした。それはこれら諸國の防衝がアメリカに對して生存上重要であるとルーズヴェルトに思はれたからである。その後獨逸が彼の繼續してゐた計晝を何ら剌激しなかつたのにこの人物は一九四一年三月再び第一步を進めたのである。
 一九三九年十二月十九日には既に、アメリカの巡洋艦はドイツ汽船コロンブスを安全地帶内に於て英軍艦にそれとなく押しつけたのである。これによつて同船は沈没せざるを得なかつた。同日米軍はドイツ汽船「アラウカ」の拿捕に協力した。一月二十七日に米巡洋艦「トレントン」はドイツ汽船「アラウカ」、「ラ・プラタ」及び「ワンゴニ」の移動を敵軍に通告して國際法を侵犯した。一九四〇年六月二十七日に米國諸港に於けろ外國商船の自由通過を制限して國際法に完全違反する擧に出たのである。一九四〇年十一月にドイツ汽船「フリギア」「イダルワルト」及び「ライン」は米海軍に追跡された結果英海軍の手に落ちない爲に自沈するに至つた。四月十三日には西亞にある英軍部隊に物資を補給のため米國船に對し紅海通過解放の擧に出た。三月には凡てのドイツ船舶が米當局によつて押收された。かくの如くしてドイツに屬する船舶が最も不當な方法によつて取扱れたのであつて、カナダの拘禁所より脱出した二名のドイツの士官を同樣に國際法の決定に反して捕縛しこれを英當局に引き渡した程である。
 四月にはルーズヴエルトが快速梃二十隻を英國に譲渡し、それと共に引續き英國軍艦の修理がアメリカ諸港で行はれてゐる。
 越えて五月十二日には英國援助のために航行中のノルウエー汽船が國際法に背犯して武裝及び修理が行はれた。更に六月四日にはアメリカの部隊輸送船がグリーンランドに到着した。六月九日になるとルーズヴエルト大統領の命令に 基きアメリカ軍艦某號がグリーンランド近海で獨逸潜水艦一隻を爆破を以て撃破したといふ英側情報が齎らされた。
 七月十四日には再び國際法を無視して、合衆國に於ける獨逸資産の凍結が行はれてゐる。六月十七日に及んでルーズヴエルトは獨逸領事の引揚及び領事館の閉鎖を要求した。更にルーズヴエルト大統領は獨逸通信社『トランス・オツエアン』社、獨逸情報、閲覧所及び獨逸國有鐵道支局の閉鎖を要求した。更に七月六日より七日に至る間ルーズヴエルト大統領の命令に基きアメリカ軍隊に依る獨逸側の戰闘区城内にある氷島の占領が遂行された。
 かくしてルーズヴエルト大統領は、先づ獨逸を遂に戰爭に導き、次いで獨逸の潜水艦宛も一九一五 ― 一九一六年に於けるが如く完膚なきまでにのし得るものと高をくくつてゐるのである。
 これと時を同じうして、彼はソヴエー卜聯邦に援助の約束を與へた。七月十日には突如としてノツクス海軍長官が、合衆國は枢軸艦艇に對する發砲命令を受けてゐる旨を發表した。九月四日には、合衆國駆逐艦「グリ—ア」號は、同艦の受けてゐた命令に從ひ、大西洋上でイギリスの飛行隊と協力して、ドイツ潜水艦隊に對抗して行動した 。 
 五日後、一隻のドイツ潜水艦は、合衆國の駆逐艦が、イギリス護送船團中に護送船として加はつてゐることを確信した。最後に九月十一日に至るや、ルーズヴエルトはかの演説を行ひ、これにより枢軸船艦のすべてに對する發砲命令を確認し、且つ新たに發令した。九月二十九日には合衆國哨戒艦隊がグリーンランド東方に於いて、ドイツ潜水艦一隻に爆雷攻撃を加へた。十月十七日には英國向け護送船團の護衛に任じて航行中であつた合衆國駆逐艦「カーニイ號」が、又もやドイツ潜水鑑一隻に爆雷攻撃を加へ、また最後に十一月六日には合衆國海軍は國際法に違反してドイツ汽船「オーデンヴアルト」號を拿捕し、之を米國の某港に曳航してその乘組員を拘禁に附した。

引用・参照・底本

『ヒトラー總統の對米宣戰布告の大演説 一千年の歴史を作らん』 ヒトラー 〔述〕日獨旬刊社出版局 昭和十六年十二月三十日發行

(国立国会図書館デジタルコレクション)