戰爭挑發者の目的2022年10月18日 20:48

仏蘭西英吉利西三兵大調練之図
 『ヒトラー總統の對米宣戰布告の大演説 一千年の歴史を作らん』 ヒトラー 〔述〕

  「戰爭の責任はル—ズヴエルトにあり!」 
  ヒトラー總統の對米宣戰布告大演説 
  (一九四一年十二月十一日獨逸國會に於て)

 (55-58頁)
 戰爭挑發者の目的          2022.10.18

 余は、この大統領と稱する男の余に對する、人身攻撃的な侮辱的言辭や無禮千萬な仕打ちを、當時取るに足らざる事として看過せんとした。彼が余を呼ぶにギヤングの語を以てしたことは、この言葉が、ヨーロツパで出來たものでなく、又左樣な實體がヨーロツパには存在しないで、寧ろ合衆國で生まれたものであるだけに余は一向平氣である。然しこれは別としても、余はルーズヴエルト氏から總じて侮辱されるわけはないと思ふ。何故なれば余は彼を以て、嘗てのウツドロウ・ウイルソンと同樣、精神病者だと見做すからである。
 この男がそのユダヤ人の一味と共に年來同一の手段を用ひて日本に對しても戰つてゐることが我々にはよく分つてゐる。余は此處でそれらの手段について語るには及ぶまい。此處でも同一の方法・が用ひられるに至つた。この男は最初に先づ戰爭を嗾しかける、それからその原因を捏造し、勝手な主張を持も出し、それから嫌惡すべき遣り方でキリスト教的僞善の雲の中へ身を隠し、かくて徐々ながら、確實に人類を戰爭へ引き込むのであるが、古くからのフリーメ ーソンの加盟員として、その際自己の行爲の誠實を證せんがために、神を證人に呼ぶことを忘れないのである。
 余は信ずる、今や遂に一の國家が、この史上に、たゞ一度しか見られない眞理と權利とに對する破廉恥な非行に對して、むしろ此の男の方で望んで居り、從つてそれに關して今更彼が驚くに當らないところの、かの抗議の一步を決然と踏み出したことを、諸君の總べてか一種の救濟だと感じられたであらうといふことを。
 日本國政府が幾年にも亘る此の男との商議の後、遂に、最早これ以上かくも侮辱的な遣り方で嘲弄されることを我慢出來ずとして起つたことは、我々すべてを、即ちドイッ國民と否全世界の再余の正しき人々のすべてが、定めし深い滿足を以て眺めたことであらう。ルーズヴエルトの背後にある勢力が如何なる ものであるかは、我々の知悉するところである。それはかの永遠のユダヤ人であつて、この永遠のユダヤ入たるや、我々總ての者がソヴエ卜•ロシアに於いて戦慄を以て旦つ經驗せざるを得なかつたところの事態を、我々に對しても執行すべき時機到來せりと北叟笑んでゐるのである。このユダヤ人の地上に於ける樂園なるものを我々は今や實地に識ることが出來た。數百萬人のドイツ軍將兵は、この國際的ユダヤ人が人命と財貨とのすべてを破壊し晝した一國の實情を、各自の眼で以て確めることが出來たのだ。かういふことは恐らく合衆國大統領などの知りたいとも思はぬところであらう。それはたゞ彼の精神の狭隘さを證明するだけのものである。
 だが然し、國家を一つ一つ潰して行くといふことだけが彼の全闘爭の目的だといふことは我々の知るところである。随つて我々がよしんば日本と同盟を結んでゐなくとも、この事がユダヤ人共と彼等のフランクリン・ルーズヴエルトの意圖するところだといふことに就いては、我々は明瞭に知つてゐた筈である。ところで今日のドイツ國は嘗てのドイツ國とは何等共通のものをもつてゐない。随つて我々は、この戰爭挑發者が數年來達成せんと企てゝゐたことを、今度は我々の側からも行ふであらう。我々が日本の同盟國だからといふだけではなくて、むしろ獨伊兩國の現下の指導部が、この歷史的時期に於いて諸國民の興廢が恐らくは永久に亘つて決せられるであらうといふ事を、理解するに足る洞察と能力とを有してゐるからである。この別世界が我々に對して企てゝゐることは、我々には明瞭である。彼等は嘗つての民主主義的ドイツを飢餓に陷れた。彼等は現在の國民社會主義的ドイツを殲滅したいと思つゐる。若しルーズヴエルト氏やチヤーチル氏が、やがて新しい社會秩序を樹立する積りだと言明するならば、それは禿頭の理髮屋がインチキでない毛生え藥を客にすゝめるやうなものてある。 (哄笑)

引用・参照・底本

『ヒトラー總統の對米宣戰布告の大演説 一千年の歴史を作らん』 ヒトラー 〔述〕日獨旬刊社出版局 昭和十六年十二月三十日發行

(国立国会図書館デジタルコレクション)