米国で中国人学生がハラスメントや差別2024年06月27日 09:35

_887a3fb3-e6ca-4479-869e-f84fc6ddbb8f
【概要】

 中国人学生に対する米国の扱いを批判し、彼らが直面している嫌がらせや差別を強調している。ニコラス・バーンズ米国大使は、中国人学生の大多数は問題を経験していないと主張しているが、カート・キャンベル国務副長官は、大学が中国人学生の機密技術へのアクセスを制限していることを認めたことは、より深い懸念を示唆している。

 ガーディアン紙やワシントン・ポスト紙など、さまざまなメディアの報道が、尋問や不当な強制送還などの虐待の主張を裏付けている。これらの行動は中国を敵視する米国の広範な戦略を反映しており、中国人学生を歓迎するという公式声明と矛盾し、二国間関係の改善に不可欠な人的交流を損なうと主張している。

【詳細】

 アメリカで中国人学生が直面しているハラスメントや差別について批判している。具体的には、アメリカの当局によって中国人学生が不当な取り調べ、コンピュータの押収、携帯電話の検索を受けていることが挙げられている。このような出来事は、中国のメディアだけでなく、The Guardian、AFP、The Washington Postといった外国メディアでも報じられており、国際的な関心を呼んでいる。

 米国大使のニコラス・バーンズは、2023年には約10万5千件の学生ビザが中国人に発給され、そのうち99%以上が問題なく入国していると主張している。 

 しかし、米国国務副長官のカート・キャンベルは、米国の大学が安全保障上の懸念から中国人学生の技術へのアクセスを制限していることを認めている。キャンベルはまた、人文科学や社会科学を学ぶためにより多くの中国人学生が米国に来ることを期待していると述べている。

 この矛盾する発言に対して、事実を重視すべきだと述べている。実際に中国人学生が米国に入国する際には、アメリカの税関や国境警備局によって「小さな黒い部屋」で取り調べを受けることがあり、コンピュータや携帯電話が押収され、心理的なプレッシャーを感じている。また、学業中にも差別的な扱いや監視、審査、さらには起訴に直面することがある。

 バーンズ大使は、米国のビザ発給と入国管理が中国人学生を「問題なく」扱っていることを示すデータを挙げているが、実際には多くの学生が不当に扱われている。例えば、ウクライナ危機についてSNSで議論しただけで「ワグナー・グループとの共謀」の疑いをかけられる事例や、取り調べや追放の理由が全く不明な「ブラックボックス操作」が多くある。

 このような状況は、米国が中国を競争相手として見なす戦略的な認識の問題に根ざしており、中国人学生に対する敵対的な行動を引き起こしている。これは、米国が中国人学生を歓迎すると主張しながら、一方でさまざまな障害を設けるという矛盾した行動を反映している。

 サンフランシスコでの米中首脳会談で合意されたように、米中間の人的交流を促進することは、両国の理解を深め、つながりを強化するために重要である。しかし、留学プログラムや研究協力を政治化することは、これらの交流に重大な悪影響を与える。米国の行動は、国際的な評判を損なう恐れがあり、実際の問題を解決するためには真摯な対応が求められている。

【要点】

 1.背景と主張

 ・米国で中国人学生がハラスメントや差別を受けている。
 ・ニコラス・バーンズ米国大使は大多数の学生が問題なく入国していると
 ・カート・キャンベル米国国務副長官は技術へのアクセス制限を認める。

 2.具体的な問題

 ・米国入国時に取り調べを受け、コンピュータや携帯電話が押収される。
 ・学業中にも差別、監視、起訴に直面。

 3.矛盾する発言

 ・バーンズ大使は99%以上が問題なく入国していると述べるが、実際には多くの学生が不当に扱われている。
 ・例として、SNSでの議論が原因で「ワグナー・グループとの共謀」の疑いをかけられるケースがある。

 4.国際的な報道

 ・The Guardian、AFP、The Washington Postなどの外国メディアもハラスメントの報告を行っている。

 5.中国の見解

 ・米国の行動は、中国を競争相手として見る戦略的な認識の問題に根ざしている。
 ・矛盾した行動が中国人学生への敵対的な行動を引き起こしている。

 6.人的交流の重要性

 ・サンフランシスコでの米中首脳会談で、人的交流の促進が合意されている。
 ・留学プログラムや研究協力の政治化は交流に悪影響を与える。

 7.米国の評判への影響

 ・米国の行動は国際的な評判を損なう恐れがある。
 ・問題解決には真摯な対応が求められている。

【引用・参照・底本】

US can't shirk blame for hindering people-to-people exchanges with China: Global Times editorial GT 2024.06.27
https://www.globaltimes.cn/page/202406/1314908.shtml

ジュリアン・アサンジの事件2024年06月27日 10:42

_67a335e1-7eb8-4e63-a3b3-ac8d05d25975.jpg
【桃源閑話】

 第七章 アメリカ帝國主義、領土擴張
 
 (176-181頁)
 一 アメリカ人の正義人道   2022.04.04

 アメリカ人は、「正義」とか「人道」とか「平和」とか、「親善」とか、實に善い言葉を使ふ。かかる善言、美詞を使用する國民であるから――定めし立派な國民であらうと思はれるけれど、實際、彼等の言勣に直接觸れて見ると幻滅の悲哀感を味ふ。
 著者はアメリカに留學し、アメリカの大學で、學生生活を經驗したが、その間、米國人に對し幾多の疑問を懐いた。それに就て二、三の懐出を語らう。
 一九二二年の五月頃、初夏の晩のことであつた。私の學んでゐた〇〇〇〇大學の近くでリンチがあるといふので下宿のおかみさんまで騒いでゐる。出て見ると大變な人集りだ。街の暴徒が、黑人青年の首に繩をかけストリートを引摺つて行くのだ。見物人は彌次馬になつて、ワイワイ騒ぎながらついて行く、やがて街はづれの橋まで來た。橋の下は川ではなく、鐡道線路が通つてゐる。
 この橋の上でリンチ(私刑)がはじまつた。暴徒の親方みたいな私刑執行人が、引摺つて來た黑人青年に『手前奴が、自人の娘を犯した罪によつて只今私刑にするから覺悟しろ』と怒鳴つた。黑人青年は、息絶えだえに、悲痛な聲で、『私はそんたことをしない、私は無實だ、助けて呉れ』と泣いてゐる。     ’
 折柄一人の老紳士が現はれた、『私の娘のために、こんなごとになつては大變だ。どうかこの黑人を助けてやつて呉れ』と親方に頼んだ。
 『馬鹿野郎!助けるものか、死刑にするのだ。愚圖々々いふと手前も一緒に私刑だぞ!』
 老紳士はあきれてゐる。人から見られるのを恥しさうに、こそこそ人込みの中に逃げ込んだ。問題の白人娘の父観だつたのである。
 橋の下の線路から『もう好いよ、早くやつちまへ』といふ。哀れ黑人青年は、首を繩で締められたまま、橋の上から振り落された。時計の振子のやうに、橋の中間に振られてゐたが、遂にがつくりと絶命した。
 この殺人私刑を、平氣で見物してゐる街の人達、中には若い女も相當あつたし、私刑執行の暴徒の中には、大學生も加つてゐたといふことだ。
 私は、その晩、容易に眠れなかつた。何といふ無茶なことをする國民であらう。これが、正義、人道、博愛、親善、平等、自由を口にする一等國民の行爲であらうか。それとも、これが、アメリカの眞實の姿なのであらうか――。
 事件は斯うである。死刑の行はれた橋下の線路側で、白人娘が黑人青年に犯された。娘は泣いて家に歸る、その父親は、カンカンに怒つて警祭に届ける。讐察は活動を闘始する。新聞はヂャンヂャン書く、忽ち街中の評判となり、『黑人は生意氣だ』『やつけろ」といふ憤りが輿諭とにつた。
 一人の黑人青年が嫌疑者として逮捕された、裁判を數囘開いて調べたが、犯人と斷定がつかない。確證もあがらない。裁判所も困つて、街の刑務所に入れて置いた。
 裁判の埒の明かぬに業をにやした街の兄い連、暴徒となつて刑番所を襲つた。黑人の入つてゐる獨房に鍵がかかつて開かぬので、近所のアセチリン瓦斯タンクからホースで、瓦斯を引いて、遂に鍵を焼切つて、中から引張り出し、首に繩をかけて街中を引摺り廻した揚句が、この惨虐なるリンチである。
 果して犯人であるか、否かも不明であるが、市民の激昂、與論の赴くところ、全く理性を忘れ、何をしでかすか解らないところにアメリカ人特有の性格がある。
 しかしこの事件は、それで濟んだのではない。私刑は法律の許さぬ行爲である。そこで一應兄い連、親方連五、六人私刑執行の嫌疑者として検擧した。裁判の結果、陪審員は『無罪』を主張する。證據か不十分とか、何とかで有耶無耶に終つて了つた。これでは正義、人道が泣くではないか。
 私の留學してゐる頃、アメリカの各大學では猛烈な軍事教練が行はれてゐた。演習ともなれば、何處から持ち出すのか野砲までガラガラ引出し、歩騎砲工堂々行進する有樣には我ながら感心した。
 當時日本では、大學の軍事教練に對し、『學園の自由』を叫んで、反對した學生も多かつた。軍國主義と稱せられる日本の大學生は、軍教に反對し、自由主義、民主主義を標榜するアメリカの大學の軍事教練は斯くも大規模に行はれるものかと驚いたのである。
 アメリカは自由を尊ぶ國であることは認めるが、その自由は、白人市民の自由が原則であるらしい。私は大學に入つた當時、下宿屋を探したが、新聞の廣告を頼りに行つて見ると、先づ主婦が出て來て、ヂロヂロと上から下まで見上げ見下し、さて『お國はどちらですか』と訊く。なかなか一軒や二軒では決らない。時に非常に不愉快を覺へる。自由でも、平等でも、決してないのである。
 その頃から、私はアメリカ人の正義、人道、自由に對し次のやうに考へてゐた。
 『アメリカ人の正義は、アメリカ人の權利を主張する言葉であり、アメリカ人の人道は、アメリカ人の生くる道のために説く言葉である。また、自由とは、アメリカ人の生くる道、その權利を保有するために必要なる自由である。』……と
 街の映畫館に行つても、同じ米國市民でありながら黒人の座席は仕切つてある。黑人は、その座席が滿員となつたら入場出來ない。黑人に自由はなく、アメリカの廣大なる天地も、黑人に取つては、甚だ肩身のせまい思ひがするであらう。
 そこで、我々は、米國人の説く、正義、人道、博愛、平等、自由も、それはアメリカ人のためのものであつて、額面通り、こちらにも通用すると思つたら、それこそ大變な誤算を生ずるといふことを十分肚に入れてかからねばならぬ。

引用・参照・底本

『アメリカの實力』棟尾松治 著 朝日新聞記者 昭和十六年二月五日發行 青年書房
(国立国会図書館デジタルコレクション)

【閑話 完】

【概要】

 ジュリアン・アサンジの事件の最近の進展は、彼のアメリカとの法廷闘争の複雑で論争の多い性質を浮き彫りにしている。ウィキリークスの創始者であるアサンジは、アメリカ軍の機密文書や外交文書を暴露したことで悪名を馳せた。何年にもわたる法廷闘争の後、彼は今、自由人としてオーストラリアに戻ったが、それは重罪の罪を認めた後だった。

 アサンジの事件は、言論の自由、人権、内部告発者の処遇について重大な問題を提起している。批評家たちは、アメリカ政府によるアサンジの執拗な追及は、他国がアサンジの権威に挑戦し、不都合な真実を明らかにするのを阻止するための明確なメッセージだと主張している。釈放されたにもかかわらず、司法取引は、政府の不正行為を暴露した人々が直面する深刻な結果を強調している。

 また、この訴訟は、言論の自由と人権に対する米国のアプローチにおける二重基準の認識を強調している。米国はこれらの価値観を世界的に推進しているが、自国の利益が脅かされると、それを抑圧していると非難されてきた。アサンジの訴追の物語は、国家安全保障と透明性の間のより広範な緊張関係と、政府が自国の利益を守るためにどこまでやるのかを物語っている。

 アサンジの試練は、長期にわたる投獄と法廷闘争によって特徴づけられ、内部告発の潜在的な個人的コストを強く思い起こさせる役割を果たしている。また、国家安全保障と国民の知る権利のバランスをめぐる議論を巻き起こし続けており、米国が世界の舞台で信奉する価値観の完全性に疑問を投げかけている。

【詳細】

 背景

 ジュリアン・アサンジは2006年にWikiLeaksを創設した。WikiLeaksは、政府や企業の機密情報を公開することで知られている。特に、2010年にアメリカの軍事および外交文書を大量にリークしたことで注目を浴びた。この情報公開には、イラク戦争やアフガニスタン戦争中の米軍の行動に関する文書が含まれており、アメリカ政府にとって大きな打撃となった。

 法的闘争

 アサンジはアメリカ政府から18件の罪状で告発された。その中には、1917年制定のスパイ法(Espionage Act)違反が含まれている。この法律は、国家の安全保障に関わる情報を不正に取り扱ったり公開したりすることを禁じている。アサンジはイギリスで逮捕され、約7年間、ロンドンのエクアドル大使館に亡命していたが、2019年にイギリス警察に逮捕された。

 最近の展開

 2024年、アサンジはついにアメリカでの法的闘争に一区切りをつけるために罪を認めた。これにより、アサンジはオーストラリアに戻ることが許され、自由の身となった。しかし、この自由は罪を認めることと引き換えに得たものである。

 議論と批判

 アサンジの事件は、いくつかの重要な議論を引き起こしている。

 言論の自由と報道の自由

 アメリカはしばしば言論の自由と報道の自由を擁護する国として知られているが、アサンジの扱いはこれらの価値観と矛盾すると批判されている。WikiLeaksによる情報公開は、政府の透明性と市民の知る権利を強調するものであったが、アメリカ政府は国家安全保障の名の下にこれを弾圧した。

 二重基準

 アメリカは他国の人権侵害を批判することが多いが、自国に対する批判や不都合な情報の公開には厳しい態度を取る。これは、アメリカが自国の利益に基づいて自由や人権の概念を曲げているという批判につながる。

 告発者(ホイッスルブロワー)の保護

 アサンジのような人物が厳しく処罰されることは、他の潜在的な告発者に対する抑止力となる。これにより、政府の不正行為を暴露することがより困難になる可能性がある。

 結論

 ジュリアン・アサンジの事件は、現代における国家安全保障、言論の自由、報道の自由、そして告発者の保護という複雑な問題を浮き彫りにしている。アサンジの罪状認否と釈放は、これらの問題に対する新たな議論の火種となり続けるだろう。この事件は、情報公開と政府の透明性を巡るグローバルな対話を促進するものであり、その影響は今後も長く続くと考えられる。

【要点】

 ジュリアン・アサンジ事件の概要

 1.WikiLeaks創設

 ・2006年にジュリアン・アサンジがWikiLeaksを創設
 ・政府や企業の機密情報を公開

 2.2010年の大規模リーク

 ・アメリカの軍事および外交文書を大量にリーク
 ・イラク戦争やアフガニスタン戦争中の米軍の行動を暴露

 3.法的告発

 ・アメリカ政府から18件の罪状で告発
 ・1917年制定のスパイ法(Espionage Act)違反を含む

 4.イギリスでの亡命と逮捕

 ・ロンドンのエクアドル大使館に約7年間亡命
 ・2019年にイギリス警察に逮捕

 5.2024年の罪状認否と釈放

 ・アメリカでの法的闘争に一区切りをつけるために罪を認める
 ・オーストラリアに戻り、自由の身となる

 6.議論と批判

 ・言論の自由と報道の自由

  アサンジの扱いがアメリカの言論の自由の価値観と矛盾

 ・二重基準
 
  アメリカの自由や人権に対する二重基準の批判

 ・告発者の保護:

  厳しい処罰が他の告発者への抑止力となる

 7.結論

 ・国家安全保障、言論の自由、報道の自由、告発者の保護に関する複雑な問題を浮き彫り
 ・情報公開と政府の透明性を巡るグローバルな対話を促進

【引用・参照・底本】

This is the 'freedom' the US advocates: People who tell the truth have to plead guilty GT 2024.06.26
https://www.globaltimes.cn/page/202406/1314874.shtml

中国自動車メーカーの欧州進出2024年06月27日 12:18

_5f43cf25-9a43-4463-bb11-f43265bca011
【概要】

 電気自動車(EV)分野での中国とポーランドの最近の協力は、EUが中国のEVに対する関税を引き上げることを決定したにもかかわらず、中国と欧州連合(EU)間の投資協力を強化することの重要性と可能性を浮き彫りにしている。この動きは、自由貿易の原則に反する保護貿易主義の一形態と見なされている。しかし、中国の自動車メーカーが関税障壁を回避するためにEUに現地生産拠点を設立する動機付けになる可能性がある。

 吉利汽車がElectroMobility Polandと共同で電気自動車を開発し、2年以内に量産を開始する予定であることは、この方向への重要な一歩である。このパートナーシップは、EVやグリーン開発を含むさまざまな分野で中国とポーランドの戦略的協力を強化するための共同行動計画(2024-27)に沿ったものである。比亜迪(BYD)や奇瑞汽車(Chery)など他の中国自動車メーカーもポーランド、ハンガリー、スペインなどの欧州諸国に投資しており、欧州に新たな経済成長と雇用機会を提供している。

 貿易摩擦がもたらす課題にもかかわらず、中国とEU間の投資協力強化の傾向は拡大し続けている。海外に工場を設立することで、中国のEVメーカーは現地のサプライチェーンに統合し、市場での存在感を高めることができる。この戦略は、中国ブランドを促進するだけでなく、関係者全員にとってより大きなコラボレーションの機会と市場拡大を促進する。

 EV分野における中国とEU諸国の協力は、この急成長する分野における共通の利益と成長機会を強調している。また、技術革新、インフラ開発、金融サービスなど、他の経済分野にも投資協力を拡大する可能性を強調している。中国とEUの投資協力の深化は、さまざまな分野にプラスの影響を与える可能性があり、協力的な取り組みと中国とEUの投資に関する包括的協定に関する協議の再開が必要である。

【詳細】

 中国とポーランド間の電気自動車(EV)分野での協力が、EU(欧州連合)の対中EV関税引き上げにもかかわらず進展していることを強調している。この協力は、中国とEU間の投資協力の重要性と可能性を示しており、特に新しい経済成長と雇用機会を生み出すことが期待されている。

 中国とポーランドのEV協力の背景

 中国とポーランドは、EV分野での協力を含む包括的な戦略的パートナーシップを強化するための共同行動計画(2024-2027年)を策定した。この計画には、EV、グリーン開発、物流などの分野での双方向の投資の成長を支援することが盛り込まれている。具体的な例として、中国の自動車メーカーである吉利(Geely)が、ポーランドの国営企業であるElectroMobility Polandと共同で電気自動車を開発することが挙げられている。この車両は2年後に量産される予定である。

 EUの関税引き上げと中国自動車メーカーの戦略

 EUが中国製EVに対して関税を引き上げたことは貿易保護主義の一環と見なされているが、これに対抗するために中国の自動車メーカーは欧州内に現地生産拠点を設立する動きを強めている。現地生産を行うことで、関税障壁を克服し、欧州のサプライチェーンに統合することができ、市場へのアクセスを拡大することが可能である。

 中国の自動車メーカーの欧州進出

 吉利(Geely)、比亜迪(BYD)、奇瑞(Chery)などの中国の自動車メーカーは、すでにポーランド、ハンガリー、スペインなどの欧州諸国で投資計画を実施している。これらの投資プロジェクトは、中国の自動車メーカーにとって欧州市場への新たなエントリーポイントを提供するだけでなく、欧州に新たな経済成長と雇用機会を生み出している。

 中国とEUの投資協力の展望

 中国とEU間の投資協力が深化し拡大する中で、この協力関係が科学技術の革新、インフラ開発、金融サービスなどの他の経済分野にも影響を及ぼす可能性がある。特に、中国の自動車メーカーが欧州市場にスムーズにアクセスできるようになることで、欧州企業も中国への投資を拡大しやすくなる。

 貿易環境と協力の重要性

 現在、中国とEUはより公平で平等な貿易環境を求めて交渉を続けているが、貿易紛争があっても両者の投資協力の新しいトレンドを推進することは可能である。中国のEVが欧州市場で驚きや警戒心を引き起こすのは自然な反応であるが、これは中国の対外投資が貿易成長に比べて遅れていることも一因である。

 したがって、中国の自動車メーカーが欧州に投資し、現地の産業エコシステムに統合することで、ブランドの国際的な認知度を高め、さらなる協力機会と市場拡大を促進することができる。これは、中国とEUの投資協力がより多くの分野に拡大し、両者にとって利益をもたらす可能性を秘めている。

【要点】

 中国とポーランドのEV協力

 ・共同行動計画: 2024-2027年の間、中国とポーランドは包括的な戦略的パートナーシップを強化するための計画を策定。
 ・具体的なプロジェクト: 吉利(Geely)とポーランドの国営企業ElectroMobility Polandが共同で電気自動車を開発し、2年後に量産予定。

 EUの関税引き上げと中国の戦略

 ・関税引き上げ: EUは中国製EVに対して関税を引き上げ、これが貿易保護主義の一環と見なされている。
 ・中国メーカーの対応: 中国の自動車メーカーは欧州内に生産拠点を設立することで関税障壁を克服し、市場へのアクセスを拡大しようとしている。

 中国の自動車メーカーの欧州進出

 ・主要メーカー: 吉利(Geely)、比亜迪(BYD)、奇瑞(Chery)など。
 ・投資先: ポーランド、ハンガリー、スペインなどで投資計画を実施。
 ・効果: 中国メーカーにとっての新たな市場エントリーポイントの提供と、欧州に新たな経済成長と雇用機会の創出。

 中国とEUの投資協力の展望

 ・拡大の可能性: 投資協力は科学技術の革新、インフラ開発、金融サービスなどの他の経済分野にも影響を及ぼす可能性がある。
 ・相互利益: 中国の自動車メーカーが欧州市場にアクセスしやすくなることで、欧州企業も中国への投資を拡大しやすくなる。

 貿易環境と協力の重要性

 ・公平な貿易環境の追求: 中国とEUはより公平で平等な貿易環境を求めて交渉を続けている。
 ・新たなトレンドの推進: 貿易紛争があっても、両者の投資協力の新しいトレンドを推進することは可能。
 ・ブランドの国際的認知度: 中国の自動車メーカーが現地の産業エコシステムに統合し、国際的な認知度を高めることで、さらなる協力機会と市場拡大を促進。

【引用・参照・底本】

GT Voice: China-Poland EV cooperation calls for EU to rethink tariffs GT 2024.06.26
https://www.globaltimes.cn/page/202406/1314905.shtml

ソロモン諸島と中国2024年06月27日 14:32

_c70e370c-bc1f-464e-8664-c351c34b7c75
【概要】

 ソロモン諸島のジェレミア・マネレ首相が7月上旬に中国を訪問する予定であり、両国関係の強化に向けた重要な一歩となる。今回の訪問は、マネレ氏にとって初の海外ツアーの一環であり、オーストラリアと日本にも立ち寄る。

 中国のアナリストは、マネレ氏の訪中が、両国間の既存の関係を高めることを目的とした訪問のハイライトになると予想している。ソロモン諸島と中国は、国交樹立以来、経済・貿易、社会、政治、法執行など、様々な分野で協力を大きく進展させてきた。

 華東師範大学オーストラリア研究センターのChen Hong所長は、農業、漁業、インフラ、ソフトウェアの改善、観光開発におけるさらなる協力の可能性を強調した。この協力は、貧困、限られた経済水準、未発達なインフラなどの課題に直面しているソロモン諸島にとって特に重要である。

 西側メディアはマネレ氏の親中姿勢に注目し、二国間協力を軍事的な側面を持つものとして描こうとしているが、中国のアナリストは、このパートナーシップが互恵的であると強調している。Chen氏によると、マネレ氏の「一つの中国」原則へのコミットメントと、中国の投資と援助に対する評価は、同氏の戦略的先見性を反映している。

 ソロモン諸島は2019年にマネレ氏の前任者であるマナセ・ソガバレ氏の下で中国と外交関係を樹立し、ソガバレ氏は2022年に中国と安全保障協定を締結した。この展開は、米国とオーストラリアを含む太平洋の同盟国に懸念を引き起こした。

 マネレ氏の訪中は、訪豪に続き、訪日に先立って行われるもので、ソロモン諸島の対外関係に対する包摂的なアプローチを示すものであり、両国間の協力関係を一層深化・強化することが期待される。

【詳細】

 ソロモン諸島のジェレマイア・マネレ首相は、初の海外訪問の一環として7月初旬に中国を訪問する予定である。この訪問は、両国間の関係をさらに強化する重要なステップとされている。マネレ首相の訪問には、オーストラリアと日本への訪問も含まれており、中国訪問はそのハイライトと見なされている。

 背景と目的

 マネレ首相の中国訪問は、両国の既存の関係を新たな高みに引き上げることを目的としている。ソロモン諸島と中国は、2019年に外交関係を樹立して以来、経済・貿易、社会、政治、法執行などの分野で大きな進展を遂げてきた。今回の訪問は、これらの成果を基盤にさらに協力を深化させる機会となる。

 具体的な協力分野

 中国のオーストラリア研究センターの所長は、以下のような分野での協力の可能性を指摘している。

 ・農業:ソロモン諸島の農業生産性向上を目指す。
 ・漁業:水産業の発展と持続可能な漁業管理。
 ・インフラストラクチャー:道路、港湾、通信などの基盤整備。
 ・ソフトウェアの改善:行政サービスや教育のデジタル化。
 ・観光開発:観光資源の開発とプロモーション。

 これらの協力は、貧困、経済水準の制約、インフラの未整備といったソロモン諸島が直面する課題の解決を目指している。

 西側諸国からの反応と中国の立場

 西側メディアは、マネレ首相の親中姿勢に注目し、両国間の協力を軍事的なものとして歪めて報道することがある。しかし、Chen所長は、このような見方は植民地時代や帝国主義の考えに基づくものであり、ソロモン諸島と中国の互恵的な協力を損なうことを意図していると指摘している。

 過去の外交関係

 ソロモン諸島は、前任のマナセ・ソガバレ首相の時代に2019年に中国と外交関係を樹立し、2022年には安全保障協定を締結しました。この動きは、アメリカやオーストラリアなどの太平洋地域の同盟国を懸念させた。

 今回の訪問の意義

 マネレ首相の中国訪問は、オーストラリア訪問に続くものであり、7月16日から18日には日本で他の太平洋諸国のリーダーとの会議に参加する予定である。この訪問は、ソロモン諸島の包摂的な外交アプローチを示し、両国間の協力関係をさらに深め、強化することが期待されている。

【要点】

 訪問の概要

 ・ジェレマイア・マネレ首相が初の海外訪問の一環として7月初旬に中国を訪問。
 ・訪問先は中国、オーストラリア、日本。
 
 訪問の目的

 ・中国との関係をさらに強化すること。
 ・双方の協力分野を拡大し、既存の関係を深化させる。

 協力分野

 ・農業:生産性向上を目指す。
 ・漁業:持続可能な漁業管理と水産業の発展。
 ・インフラ:道路、港湾、通信の基盤整備。
 ・ソフトウェア改善:行政サービスと教育のデジタル化。
 ・観光開発:観光資源の開発とプロモーション。

 背景と課題

 ・ソロモン諸島は貧困、経済水準の制約、インフラ未整備に直面。
 ・中国との協力を通じて、地域の経済発展と生活水準の向上を図る。

 西側諸国の反応

 ・西側メディアは、両国間の協力を軍事的なものとして誇張する傾向。
 ・中国の協力を歪める報道が多く、ソロモン諸島と中国の関係を妨げようとする。

 過去の外交関係

 ・2019年、ソガバレ前首相が中国と外交関係を樹立。
 ・2022年に安全保障協定を締結、これによりアメリカやオーストラリアの懸念を引き起こした。

 今後の展望

 ・マネレ首相の訪問は、太平洋諸国との協力を深化させる一環。
 ・包摂的な外交アプローチを示し、両国間の関係を強化することが期待されている。

【引用・参照・底本】

Solomon Islands' PM to visit China, to elevate ties to new heights GT 2024.06.25
https://www.globaltimes.cn/page/202406/1314823.shtml

WZ-7高高度偵察ドローン2024年06月27日 15:55

_3a9151bd-0f05-4bec-bf8a-692c685f21d2
【概要】

 米国が主導する日韓韓3カ国の軍事演習の中で、中国の偵察活動が活発化していることに対する日本の懸念について論じる。

 中国近海で行われた演習は、北朝鮮に対する武力の誇示であり、中国に対抗するための戦略的な動きと見られている。

 日本近海でWZ-7偵察ドローンや中国人民解放軍海軍の諜報艦艇などの中国軍資産が目撃されたことを報じている。この演習は、現在進行中の地域の緊張と関係国の戦略的姿勢を浮き彫りにしている。

 中国の軍事専門家は、これらの行動を米国とその同盟国による挑発と見なし、そのような行動は地域の平和と安定を乱し、中国の警戒と準備が必要であると主張している。

【詳細】

 米国主導の三国間軍事演習が行われている中で、日本が中国の偵察活動の増加に対して懸念を表明していることについて詳述している。

 中国の偵察活動

 1.WZ-7高高度偵察ドローン

 ・日本の防衛省は、火曜日に中国人民解放軍(PLA)のWZ-7偵察ドローンが東シナ海上空を飛行したと報告した。

 2.PLA海軍の情報収集艦:

 ・日本の防衛省は、PLA海軍の情報収集艦が先週末に対馬海峡を経て日本海に入り、その後津軽海峡を通過して西太平洋に出たと報告した。
 ・別のPLA海軍の情報収集艦もフィリピン海から宮子海峡を経て東シナ海に入ったとされている。

 米国主導の三国間軍事演習

 1.演習の概要

 ・米国の原子力空母「セオドア・ルーズベルト」が韓国に到着し、日本と韓国との三国間演習に参加した。
 ・この演習は北朝鮮に対する示威行動として行われており、北朝鮮は最近ロシアとの安全保障協定に合意した。

 2.地域的な影響

 ・米国はこれまで日本や韓国と個別に演習を行っていたが、今回は三国が共同で演習を行うことになった。
 ・中国の軍事専門家、Fu Qianshao氏は、米国がこの演習を通じて朝鮮半島の緊張を高め、ロシアの極東地域に圧力をかけ、中国を戦略的に包囲しようとしていると指摘している。

 中国の対応と視点

 1.警戒と準備

 ・中国は、これらの演習の意図や使用される兵器・戦力を把握するために監視を続ける必要がある。
 ・演習が中国の近隣で行われているため、中国は対応の準備を整えておく必要がある。

 2.地域の平和と安定への影響

 ・中国の専門家たちは、米国とその同盟国によるこのような軍事行動が地域の平和と安定を著しく損なうと批判している。

 このように、中国と日本、米国、韓国の間での軍事的緊張が高まっている状況を詳細に伝えている。各国の軍事行動とそれに対する反応が、地域の安全保障環境に大きな影響を与えていることが強調されている。

【要点】

 中国の偵察活動

 1.WZ-7高高度偵察ドローン

 ・日本の防衛省によると、火曜日に中国人民解放軍(PLA)のWZ-7偵察ドローンが東シナ海上空を飛行。

 2.PLA海軍の情報収集艦

 ・PLA海軍の情報収集艦が、対馬海峡を経て日本海に入り、津軽海峡を通過して西太平洋に出たと報告。
 ・別のPLA海軍の情報収集艦がフィリピン海から宮古海峡を経て東シナ海に入った。

 米国主導の三国間軍事演習

 1.演習の概要

 ・米国の原子力空母「セオドア・ルーズベルト」が韓国に到着し、日本と韓国との三国間演習に参加。
 ・この演習は北朝鮮に対する示威行動であり、北朝鮮は最近ロシアとの安全保障協定に合意。

 2.地域的な影響

 ・米国はこれまで日本や韓国と個別に演習を行っていたが、今回は三国が共同で演習を実施。
 ・中国の軍事専門家は、米国が朝鮮半島の緊張を高め、ロシアの極東地域に圧力をかけ、中国を戦略的に包囲しようとしていると指摘。

 中国の対応と視点

 1.警戒と準備

 ・中国は、演習の意図や使用される兵器・戦力を把握するために監視を続ける必要がある。
 ・演習が中国の近隣で行われているため、中国は対応の準備を整える必要がある。

 2.地域の平和と安定への影響

 ・中国の専門家は、米国とその同盟国によるこのような軍事行動が地域の平和と安定を著しく損なうと批判。

 中国と日本、米国、韓国の間での軍事的緊張が高まっている状況を伝え、各国の軍事行動とそれに対する反応が地域の安全保障環境に大きな影響を与えていることを強調している。

【引用・参照・底本】

Japan hypes Chinese 'recon activities' amid US-led trilateral drills GT 2024.06.26
https://www.globaltimes.cn/page/202406/1314901.shtml