「大祖国戦争勝利80周年」を記念する「戦勝記念日」軍事パレードの第二回予行演習2025年05月04日 23:22

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【概要】

 2025年5月3日(土)の現地時間、ロシア・モスクワにおいて、「大祖国戦争勝利80周年」を記念する「戦勝記念日」軍事パレードの第二回予行演習が実施された。この行事において、中国人民解放軍の儀仗隊が再び登場し、モスクワの街頭にて軍歌を高らかに歌唱し、注目を集めた。

 中国の国営メディア「環球時報(Global Times)」の報道によれば、この予行演習において、人民解放軍の儀仗隊は特別に「遊撃隊の歌(Song of the Guerrilla)」を演奏したとされる。この楽曲は、日中戦争期にあたる「中国人民の抗日戦争」の時期に生まれたものであり、抗日ゲリラの精神を象徴する歴史的な軍歌である。

 行進の最中には、現地に集まった中国人留学生らが「正義は勝つ!平和は勝つ!人民は勝つ!」というスローガンを声高に唱えた。

 また、環球時報は一部の中国人留学生が、1945年8月10日付の『新華日報』の特別号を掲げていたことも報じている。この特別号には、ポツダム宣言を受諾した日本が無条件降伏を表明したことにより、世界反ファシズム戦争が勝利を迎えた瞬間が記録されている。日本政府はその5日後の8月15日、正式に無条件降伏を発表した。

【詳細】

 2025年5月3日、ロシア・モスクワにて開催予定の「戦勝記念日」軍事パレードに向けた第二回予行演習が実施された。この軍事パレードは、1945年の「大祖国戦争」(ロシアにおけるナチス・ドイツとの戦争)における勝利から80周年を記念するものであり、ロシア国内においては極めて重要な歴史的記念行事である。

 この予行演習において、中国人民解放軍(PLA)の儀仗隊は正式に招待され、モスクワ市内での行進に参加した。儀仗隊は中国の軍事儀礼を体現する部隊であり、外国での国家行事や記念式典などにおいて国家を代表する役割を担っている。今回の行進では、彼らが中国の抗日戦争期に由来する「遊撃隊の歌(游击队之歌)」を披露した。この楽曲は、1930年代後半から1940年代にかけて中国国内で展開された抗日武装闘争において、八路軍や新四軍などのゲリラ部隊を鼓舞する目的で広く歌われたものであり、中国の抗日運動を象徴する軍歌の一つである。

 この軍歌をロシアの首都モスクワ、すなわち旧ソ連時代にナチス・ドイツと戦った記念日行事において演奏することは、第二次世界大戦における中国とソ連の共闘関係、または広義の「世界反ファシズム戦争」の連帯的意義を強調するものであると位置づけられる。

 また、行進中には現地に集まった中国人留学生が「正義は勝つ!平和は勝つ!人民は勝つ!」というスローガンを唱えたとされる。このフレーズは、中国国内で戦争やファシズムへの抵抗、また国際平和の価値を強調する際に用いられることがあり、今回のような国際的な記念行事の場においても、それに即した文脈で発せられたものと考えられる。

 さらに、一部の中国人留学生は、1945年8月10日付の『新華日報』特別号を掲げていた。この号外は、当時の中国共産党の報道機関によって発行されたものであり、ポツダム宣言を受諾した日本が連合国に対し無条件降伏の意向を示したことを速報する内容が記されている。1945年8月10日は、日本政府が連合国に対して降伏の意向を初めて公式に伝達した日であり、その5日後の8月15日には、昭和天皇による終戦の詔書(玉音放送)を通じて、日本が正式に無条件降伏を表明した。

 このような史料を携える行為は、当該戦争における中国の被害と貢献、ならびに勝利の歴史的意義を象徴的に示すものであり、戦勝記念日という国際的な文脈の中で提示された。
 
【要点】

 日時と場所

 ・2025年5月3日、ロシア・モスクワにて「戦勝記念日」軍事パレードの第二回予行演習が実施された。

 ・このパレードは「大祖国戦争勝利80周年」を記念するものである。

 中国人民解放軍儀仗隊の参加

 ・中国人民解放軍(PLA)の儀仗隊が、モスクワ市内での行進に参加。

 ・儀仗隊は中国の軍事儀礼を担当する部隊で、国家行事や記念式典で代表的な役割を果たす。

 演奏された楽曲「遊撃隊の歌」

 ・中国の抗日戦争時期に由来する「遊撃隊の歌」が演奏された。

 ・この楽曲は、中国人民の抗日運動を象徴する軍歌であり、ゲリラ部隊を鼓舞する目的で広まった。

 中国人留学生のスローガン

 ・行進中、現地に集まった中国人留学生が「正義は勝つ!平和は勝つ!人民は勝つ!」と叫んだ。

 ・このスローガンは、中国国内でファシズムへの抵抗や平和の重要性を強調するために使われることが多い。

 掲示された歴史的新聞「新華日報」特別号

 ・一部の中国人留学生が、1945年8月10日付の『新華日報』特別号を掲げた。

 ・この号外は、ポツダム宣言を受諾した日本が無条件降伏を表明したことを報じている。

 特別号の意義

 ・1945年8月10日の号外は、日本が無条件降伏を受け入れたことを告げるもので、第二次世界大戦の終結を示す重要な史料である。

 ・その5日後、8月15日には日本が正式に無条件降伏を発表した。

 記念行事の意味

 ・中国とソ連の共闘や、世界反ファシズム戦争における中国の貢献を強調する意義を持つ行事であった。

引用・参照・底本】

PLA Honor Guard sings anti-Japanese aggression song in Red Square as Chinese students hold historic newspaper on Japan's surrender GT 2025.05.04
https://www.globaltimes.cn/page/202505/1333316.shtml

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