米国が異なる戦略的課題や国際関係において同時に戦う能力についての議論を提起している。

　米国の多重課題戦略への疑問

　米国が同時にイスラエル支援、ウクライナ支援、台湾防衛のような異なる国際課題に対処できるかに疑問を投げかけている。これらの課題は、異なる地域で異なる政治的・地政学的状況を反映しており、同時に取り組むことが難しいと指摘している。

　イスラエルとサウジアラビアの関係正常化に対する批判

　米国政府がイスラエルとサウジアラビアの国交正常化を支持する一方で、パレスチナ問題や中東の安全保障に関する懸念を取り上げている。イスラエルのパレスチナ政策に対する批判や、サウジアラビアとの関係正常化が中東全体の紛争を拡大させている可能性についての懸念を示している。

　中東の現状

　中東における現在の状況を論じている。中東では依然として複雑な地政学的状況が続いており、異なる国や派閥間の対立が続いている。また、中国やロシアなど他の大国も中東で影響力を拡大し、米国の対抗勢力となっている。

　米国の外交政策の挑戦

　米国が中東における外交政策に関して、イラク戦争後から現在にかけての歩みを検討している。米国の中東政策はしばしば複雑で、その影響が予測困難な状況を生み出していると指摘している。

　中東での地域間対立の影響

　中東での地域間対立が、国際関係全体に影響を与える可能性があることを強調している。例えば、中東の紛争がエネルギー供給や難民問題に影響を及ぼし、国際的な危機を引き起こす可能性があることが指摘されている。

　国際政治、地政学、外交政策に関する複雑な問題に焦点を当てており、米国の外交政策や中東における地政学的状況についての検討を提供している。また、米国が異なる課題に同時に対処する能力についての懸念を表明している。

【要点】

米国が中東、ウクライナ、台湾の3つの戦場で同時に戦う能力があるかどうかが問われている。アイヴォ・ダールダー元NATO大使は、米国は「歩きながらガムを噛むことができる」と主張しているが、著者はこれに同意しない。

イスラエル支援とウクライナ支援は、いずれも米国の外交・安全保障にとって重要な課題である。しかし、中東におけるパレスチナ紛争の存在は、米国の中東政策の大きな障害となっている。米国がイスラエルを無条件に支持することで、パレスチナの不満を高め、中東の不安定化を招いているという指摘がある。

また、米国はウクライナ戦争への対応に追われ、中東への関与を後退させている。その結果、中東で中国・ロシアの影響力が拡大し、米国の立場が弱体化している。

このような状況を招いた理由として、米国の中東政策の過ちが挙げられる。米国はイラク戦争以降、中東からの脱出とアジア太平洋における中国との対決という二つの柱を対外政策の軸として据えてきた。しかし、この政策は中東の不安定化を招き、中国の台頭を許す結果となった。

米国は、3つの戦線を同時に戦うことは困難であり、中東政策の見直しが必要であると指摘している。具体的には、パレスチナ紛争の解決に向けた積極的な外交努力や、中東における中国・ロシアの影響力拡大への対抗策の検討などが挙げられる。

米国の中東政策が道を失っていると指摘している。イラク戦争後、米国は中東から撤退しようとしてきたが、その結果、中東は不安定化し、イスラム主義勢力やイランの影響力が拡大した。また、サウジアラビアとイスラエルの国交正常化交渉は、パレスチナの疎外と怒りを招き、中東全体に紛争を広げるリスクを高めている。

ウクライナ戦争は、米国にとって大きな負担となっている。米国はウクライナに武器や資金を提供しており、ロシアとの経済制裁にも加わっている。これらの措置は、米国の経済と軍事力を消耗させている。

台湾防衛は、米国にとって長期的な課題である。中国が台湾を武力で併合する可能性は依然として存在しており、米国は台湾への軍事支援を強化している。しかし、台湾防衛は、米国の軍事力を過度に消耗させるリスクがある。

著者は、米国は3つの戦場で同時に戦う能力を持っていないと結論付けている。米国は、中東、ウクライナ、台湾のいずれかの戦場で戦力を集中させなければ、いずれかの戦いで敗北する可能性が高いと指摘している。

このコラムには、米国が中東、ウクライナ、台湾の3つの戦場で同時に戦う能力があるかどうかを検討する上で重要な洞察が含まれている。米国は、中東政策の見直しとウクライナ戦争への対応の強化を図る必要があるだろう。また、台湾防衛においては、中国との軍事衝突を回避するための外交努力を強化する必要があるだろう。

・米国が中東、ウクライナ、台湾の3つの戦線で同時に戦えるのか、という問題について論じている。

・コラムによると、米国は中東でイスラエルとサウジアラビアの関係正常化を推進してきたが、これは米国の友好国ポートフォリオを台無しにしているという批判がある。また、パレスチナ紛争から目をそらしてきた米国の戦略上の過ちが、再び中東全体に紛争を広げていると指摘している。

・ウクライナ戦争では、米国はウクライナへの軍事・経済支援を積極的に行っている。しかし、この戦争が長期化する可能性があり、米国の財政や軍事力を圧迫する可能性がある。

・台湾については、中国による武力統一の脅威が高まっている。米国は台湾防衛のために軍事力を配備しているが、中国との軍事衝突に発展する可能性もある。

・これらのことから、米国が3つの戦線で同時に戦えるかどうかは、大きな疑問である。米国は軍事力においては世界最大の強国だが、財政や人的資源には限りがある。また、3つの戦争が同時に勃発した場合、米国はどの戦争を優先するのかという難しい判断を迫られることになる。

・コラムでは、このような状況を招いた理由として、米国の対外政策の失敗を指摘している。イラク戦争以降、米国は中東からの撤退とアジア太平洋へのシフトを図ってきたが、その結果、中東での影響力を低下させ、中国の台頭を許してしまった。

・今後、米国が3つの戦線で同時に戦えるかどうかは、米国の対外政策の見直しが不可欠である。中東、ウクライナ、台湾のいずれの戦争も、米国にとって重要な戦争である。米国は、これらの戦争を戦略的にバランスを取りながら、長期的な視野に立って対処していく必要がある。

・これらの問題を解決するためには、米国の単独行動ではなく、国際社会の協力が不可欠である。米国は、国際社会と協力しながら、3つの戦線で戦えるような体制を構築していく必要がある。

・中東では、パレスチナ紛争の解決を図り、中東諸国の不満を解消する。
ウクライナ戦争では、ロシアの侵攻を阻止し、ウクライナの独立を維持する。
・台湾では、中国による武力統一の可能性を抑止する。

・米国はイスラエル支援、ウクライナ支援、台湾防衛という3つの戦線を同時に戦うことは困難である。
・米国の中東政策の過ちが、3つの戦線の同時戦略を困難にしている。
・米国は、中東政策の見直しが必要である。

【桃源寸評】

　"米国は軍事力においては世界最大の強国"、と云う"世界最大の"は単なる接頭辞に過ぎない。米国は第二次世界大戦後、正規軍と対峙したことは無い。非正規軍或は非対象軍、しかも其れこそ＜月と鼈＞ほどの相手としか戦っていない。
　其れでも、結果はスッポンに敗走を余儀無くされているのだ。アフガニスタンを見るがよい。

　正規軍同士の戦争など真面に見られたものではない。其処でこの卑劣国家、米国の採用した戦術が代理戦争である。

　ウクライナではご存じの通りである。ゼレンスキ―大統領は米国の傀儡となり、虚言をばら撒いている。彼は演じているのである。斯様な悲惨な戦いを続けていること自体が、既に虚威であり、無意味なのであるが、米国の"覇権"の意地に振り回されている。

　米国は確実に衰えを見せている、武器弾薬庫が空になつつある。武器弾薬を売り捌き儲けることも儘ならぬのである。
　
　つまり、日・韓は自前の持ち分(弾薬・武器・食糧)の範囲内での代理戦争を、台湾有事の場合は遂行しなければならない。米国からの補給は当てにならぬのである。

　既に米国は＜刀折れ矢尽きる＞状態であるが、勿論、核は使えない。

　故に、台湾有事などに対し、軽挙妄動を慎むことである。更に、大いなる変数となる背後の北朝鮮を忘れたり、侮っては墓穴を掘る。

　米国の駒になる事を止めるべきである。

　此の儘では、日韓の未来は真っ暗である。

引用・参照・底本

［コラム］米国は３つの戦線で同時に戦えるのか ハンギョレ 2023.10.24

　イスラエルとパレスチナのガザ地区を巡る現在の紛争に焦点を当てており、その紛争の背後にある様々な要因や利害関係について述べている。

　世界各地で「戦争ドミノ」が発展しており、中東においても激化していることを指摘している。具体的には、ロシア・ウクライナ戦争、アフリカ諸国のクーデター、中国の領土紛争に触れている。そして、この文脈で、ガザ地区とイスラエルの現在の紛争に焦点を当てている。

　戦争が利益を得ようとする人々によって引き起こされることが多いと主張している。イスラエルと米国が「全面戦争」と「長期戦」を追求しているとし、資源の独占や世界の覇権秩序の再編を意図している可能性を指摘している。

　イスラエルとパレスチナのガザ地区がある東地中海沿岸には膨大な天然ガス埋蔵量があり、イスラエルの発電に重要な役割を果たしている。この天然ガスの資源を巡る争いが、紛争の要因の一つであると述べられている。

　英国がバルフォア宣言を通じてユダヤ国家の建設を支持し、イスラエルが1948年に建国された経緯が触れられており、これが現在の紛争の原因の一つとされている。

　米国がイスラエルに兵器支援を提供し、国際社会がガザ地区に対する人道支援を求める国連安保理決議案を否決したことに言及している。また、米国が中東でのプロジェクトに関与し、天然ガス資源の独占と物流統制に利益があると指摘している。

　紛争の解決にはイスラエルの違法な占領を終了し、パレスチナ独立国家の建設が不可欠であると主張している。

　中東における複雑な政治、経済、地理的要因が絡み合った紛争の一端を説明し、その背後にある潜在的な利害関係や戦略的要因に焦点を当てている。

【要点】

イスラエルとパレスチナのガザ地区における現在の紛争に焦点を当てており、その紛争の背後にある様々な要因や動機を分析している。

戦争と利益：多くの戦争が利益を求める者によって引き起こされてきたと主張している。イスラエルと米国が長期の戦争を追求している背後に、資源の独占と新しい世界秩序の再構築への意図があると指摘している。特に、東地中海沿岸にある天然ガス埋蔵地がその重要な要因であり、この資源を巡る独占権を巡って紛争が発生していると主張している。

ガザ地区のガス田：ガザ地区沿岸にあるガス田である「ガザマリン」には、パレスチナをエネルギー独立国にするほどの埋蔵量があると述べている。しかし、イスラエルはパレスチナのガス田へのアクセスを制限し、ガザ地区沿岸の封鎖を強化している。また、イスラエルは米国の支援を受けて、天然ガスの供給ルートを構築しており、これは欧州連合(EU)にとっても重要な資源供給源となっている。

米国の関与：米国が中東地域においてイスラエルと天然ガス資源に関する利害を持つ国として重要な役割を果たしていることが強調されている。また、米国は中東と欧州を結ぶ経済回廊のプロジェクトを進め、イスラエルの地理的位置がそのプロジェクトにとって危険要因となる可能性があることが指摘されている。

歴史的背景：現在のイスラエルとパレスチナの紛争の原因について、イギリスとイスラエルの歴史的な役割に触れている。バルフォア宣言に言及し、パレスチナ領土の占拠と入植地の建設について言及して、イスラエルとパレスチナの現在の状況の歴史的背景を説明している。

紛争の解決への提案：紛争の解決への第一歩として、イスラエルが占拠を止め、パレスチナの独立国家建設を支持する必要性を強調している。そして、世界市民が平和を求めるためにパレスチナからの抵抗が強まることを希望している。

イスラエルとパレスチナの紛争における複雑な要因と背後にある動機に焦点を当て、その解決に向けた提案を提示している。

【桃源寸評】

　淵源は「三枚舌外交」にありか。其の一は、フサイン・マクマホン書簡である。其の二は一九一七年のバルフォア宣言である。そして第三が一九一六年のサイクス・ピコ協定である。
(参照:『ロシアとシリア ウクライナ侵攻の論理』青山弘之 著 岩波書店 2022年7月28日 第1刷発行)

引用・参照・底本

［寄稿］イスラエル-パレスチナ戦争で利益を得る者が真の「戦犯」 ハンギョレ 2023.10.24

　歴史の「もしも」のシナリオを提供し、それを通じてパレスチナ問題に対する新たな視点を提案している。著者は架空の歴史を通じて、パレスチナの歴史と現在の状況を見直し、異なる視点を提供している。

　仮想の歴史: 朝鮮半島に「モシモ人」と呼ばれる民族が存在し、彼らが朝鮮半島にイスラエルを建国する過程についての架空の歴史を描いている。この仮想の歴史は、実際のイスラエルとパレスチナの歴史に対する新しい視点を提供するために使用されている。

　民族紛争と人権侵害: 文中で、モシモ人と韓人の対立が描かれ、モシモ人の入植と占領による韓人の苦境が語られている。これは、実際のパレスチナ問題における占拠と人権侵害との類似性を強調している。

　ジェノサイドへの言及: ジェノサイド(集団虐殺)の可能性について言及し、パレスチナの歴史における悲劇的な出来事との類似性を強調する。著者は、パレスチナの歴史は1948年の建国宣言や人種隔離政策の開始時にすでに始まっていたと主張している。

　視点の重要性: 著者は、西欧メディアの報道や帝国主義的な視点に対して疑念を表明し、パレスチナ問題において東アジアに住む一般の人々の視点を重要視する。彼らは、パレスチナの一般市民、特に壁に閉じ込められた人々に対する虐殺を非難し、人道的視点から問題に取り組む必要があると主張している。

　この文章は、歴史の「もしも」のアプローチを使用して、パレスチナ問題に新たな視点を提供し、読者に対話を呼びかけることを意図している。著者は、パレスチナ問題に対するより広範な理解と共感を醸成するために、読者に考えさせることを目指している。

【要点】

この文章は架空の歴史を通じて、パレスチナ問題を考えるための隠喩的なアプローチを提供しています。架空の歴史では、朝鮮半島にイスラエルが建国され、モシモ人と韓民族との間で緊張や紛争が発生している。この仮想の歴史に基づいて、パレスチナ問題についての新たな視点を提供し、読者に考えさせる試みと言える。

歴史的な対照: この文章は歴史的事実と仮想の歴史を結びつけて、読者に新しい視点を提供している。イスラエルとパレスチナの紛争に対する理解を深めるため、読者は現実の出来事と架空の出来事を比較できる。

民族浄化と差別: 架空の歴史では、モシモ人と韓民族の間での民族浄化や人種差別が描かれており、これはパレスチナ問題における人権侵害や紛争の一部を反映している。この架空の歴史を通じて、パレスチナ問題における人権侵害や差別について考えさせられる。

複雑さと不平等: 架空の歴史で描かれる出来事は、パレスチナ問題の複雑さと不平等を示唆している。大国や権力者が状況を操作し、無辜の人々が影響を受けることを強調している。

視点の多様性: この文章は、西洋中心の視点から抜け出し、東アジアに住む一般の人々の視点を強調している。これは、パレスチナ問題に対する新たな視点を提供し、異なる文化やコンテクストからの理解を促す試みとなっている。

総じて、この文章は架空の歴史を通じて、読者にパレスチナ問題について新しい視点を提供し、歴史的な出来事を通じて現実の紛争や人権侵害について考えさせる試みと言える。

引用・参照・底本

もしも朝鮮半島にイスラエルが建国されていたなら ハンギョレ 2023.10.23

　韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領がサウジアラビアを国賓訪問し、両国間での大規模な防衛産業協力に関する話し合いが進行中であることを報じている。

　韓国とサウジアラビアは、対空防衛システムや火力兵器を含むさまざまな分野で大規模な防衛協力プログラムについて話し合っている。この協力は、長期的かつ体系的なものであり、単なる1回限りの協力ではないとされている。

　具体的な契約の規模や金額は明らかにされていないが、報道によれば、かなり大きな契約であり、サウジアラビアの国防力強化に寄与するものと考えられている。

　この訪問の成果として、韓国とサウジアラビアはエネルギーや電力、インフラ分野に関する了解覚書および契約を締結し、156億ドルに相当する投資を誘致した。

　サウジアラビアは、イエメンのシーア派武装組織フーシ派からの攻撃に対抗するためにミサイル迎撃システムを必要としており、韓国の中距離地対空ミサイル「天弓2」に関心を示している。

　両国首脳は国際政治・経済の力学関係についても協力し、イスラエル・パレスチナの武力衝突に対する共感を示した。共同声明には、他の地域問題に対する協力の意志も含まれる予定である。

　大統領は韓国とサウジアラビアが未来の分野での協力を強調し、科学技術のパートナーシップを強化することを話し合った。

　この訪問を通じて、韓国とサウジアラビアの間で防衛産業協力や多くの他の分野での協力が進展しており、両国の関係が強化されていることが示されている。

【要点】

韓国の尹錫悦大統領は、2023年10月22日から23日にかけてサウジアラビアを国賓訪問した。この訪問の成果として、エネルギー、電力、インフラ分野の了解覚書および契約締結で誘致した156億ドルに加え、両国の協力を防衛産業分野に拡大したことが挙げられる。

大統領室は、対空防衛システム、火力兵器など様々な分野における大規模な防衛協力についての話し合いが大詰めの段階で進められていると発表した。キム・テヒョ国家安保室第1次長は、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子と尹大統領の首脳会談後に行われたブリーフィングで、「1回限りの協力ではなく、長期的かつ体系的な防衛協力プログラムについて話し合っている」と述べた。

サウジは、イエメンのシーア派武装組織フーシ派から武装ドローンなどの攻撃を受けており、ミサイル迎撃システムを必要としている。尹大統領は、韓国の優秀な防衛産業技術が用いられた兵器システムがサウジの国防力強化に役立つよう協力していきたいと述べた。

ただし、大統領室の高官は、議論中の兵器システムや契約規模については、サウジと周辺国の安保状況を考慮し、正確には明らかにできないと述べた。

今回のサウジ訪問を機に、計156億ドル規模の契約と51件の了解覚書が結ばれる予定である。

韓国の尹錫悦大統領がサウジアラビアを国賓訪問した際、両国は対空防衛システムや火力兵器など様々な分野における大規模な防衛協力に関する話し合いを最終段階にまで進めたと発表した。

この協力は、サウジアラビアがイエメンのシーア派武装組織フーシ派からの攻撃を受けていることを背景に、サウジアラビアの国防力強化を目的としたものと考えられる。韓国は、天弓2などの防衛兵器の輸出を拡大する機会と捉えている。

また、両国はイスラエル・パレスチナ武力衝突やウクライナ問題、北朝鮮の核・ミサイル問題など、国際情勢に関する協力についても意見交換した。

今回の尹大統領のサウジ訪問は、韓国とサウジアラビアの関係を強化する上で重要な成果となった。

今後、韓国とサウジアラビアは、防衛協力に関する具体的な内容を詰めていくことになる。また、両国は、エネルギーやインフラなど、他の分野でも協力を深めていくものと見られる。

特に、防衛協力の拡大は、韓国にとって大きな意味を持つ。韓国はこれまで、対米従属的な安全保障政策をとってきたが、近年は中東や東南アジアなどへの防衛協力を拡大する姿勢を見せている。今回のサウジとの防衛協力は、その一環として位置づけられる。

今回の訪問を機に、韓国とサウジはエネルギー、電力、インフラ分野の協力に加えて、防衛産業分野でも協力を拡大していく。両国の経済関係はさらに深まり、中東地域における韓国のプレゼンスも向上すると考えられる。

今後、両国は具体的な契約内容を詰め、正式に合意する見通しだ。

具体的には、以下の点が成果として挙げられる。

・両国間の貿易・投資関係の強化
・防衛協力の拡大
・国際情勢に関する協力の強化

・対空防衛システム、火力兵器など様々な分野における大規模な防衛協力に関する話し合いが最終段階に達した。
・エネルギー、電力、インフラ分野の了解覚書および契約締結で156億ドルを誘致した。
・イスラエル・パレスチナ問題やウクライナ問題、北朝鮮問題などに対する協力の意志を確認した。

引用・参照・底本

韓国、サウジへの武器輸出を論議…「対空防衛システムなど大規模な協力」 ハンギョレ 2023.10.24