文学とは2023年11月13日 13:16

つりくらべげいぎとごんさい 国立国会図書館デジタルコレクション
 文学とは (1999-07-13)

 文学とは何か?と自分に問うてみる。いまの私の答えはこう だ。「生きる」それ自身が文学であると。生きていることを 表現することが文学であり、生きる目的や善悪を判断すること、ましてやよく生きることを目指すことでもない。文学は生 きてる過程そのものである。生きてるものが生きることであ る。
 思うにそこを狙った書き手が、私にとっての好みの文学 者である。では誰かのいう牛の涎でいいのか、といわれると、 私は否である。そこに鮮烈な突き抜けた生きようが中心にな くては駄目だ。ではそれは何かといわれれば、森羅万象を書き直すことだ。
 すべてを新たに見ることである。喩えよう。しばらく両眼を閉じた後開いた時に見る光景ともいえる。す べてがきらきらと輝いている。だが文学は抽象的であると見 たら、それは書き手がまだ生きてることを掴んでないからか、 読み手が掴んでないのか、理屈的には両方ともが掴み切れて ないからかだ。
 そこには書き手と読み手の切磋琢磨がある。真剣勝負である。緊張の関係が生じる。そこが文学の楽しみ であり、書き手と読み手のいい関係である。
 では生きてるこ とを掴んでいるとは何を意味するのか。それについては次に 来る真夜中に語るとしよう。
 暫時待たれよ。未だ見ぬ人よ

辻邦生逝く2023年11月13日 13:26

千代田之大奥 園中の雪 (千代田の大奥) 国立国会図書館デジタルコレクション
 辻邦生逝く 1999-7-29 午後零時四十分  (1999-07-31)

 辻邦生の作品で最初に読んだのは『背教者ユリアヌス』であった。訳あって背教者の系譜を調べていた時で、いっきに読み終えた。その雄大な叙事詩的描写に魅せられた。それ以来彼の作品は私の愛読するものとなった。洗練された知的文体を私は好んだ。私が選び伴侶とした文学者の一人であった。
 そのような作品と付き合うということは、自分の人生つまり時をある意味では捧げることである。両者に変節あるいは心衰えることあらば、生の無駄になる。作者の精進している状態の発言である作品は読み手にも甘えを許さない。
 作品を介してそれが作り手と読み手の存在関係である。

 その彼は盛夏に逝った。読み手に独り行くことを教えて、茫邈たる時の砂漠に去った。『背教者ユリアヌス』の終章のように。

  辻邦生 一九九九年七月二九日
         午後零時四十分逝去

 生きよ、そして人生を深く味わうのだ!
 人生を深く味わうには死も思慮せよ!

文学に何を求めるか2023年11月13日 13:37

千代田之大奥 園中の雪 (千代田の大奥) 国立国会図書館デジタルコレクション
 文学に何を求めるか (2000-08-25)

 生き方を、自分の存在の確認を文学に求めて来た。文学一筋という訳ではないが、時間を割いた。露骨な質問を自分に向けてみよう。「文学を読み、得るところがあったか」と……。
 今思うに、文学は、「多くの生き様を提示してくれた」としか、答えようが無い。文学には解を求めるのでなく、むしろそれが問う先を読むべきだと思う。何をどう問うているかで文学としての在り様が決まる。
 換言すれば、どのような文学を読むかで、読む者の生きる過程を露呈することにもなろう。
 手当たり次第に読む時期から徐々に自分の求めるものが見えてくる時期へと移るにつれて、読むものも次第に的が絞られてくる。道ができてくる。この過程で共に切磋琢磨できる文学(書き手)に出逢えたら、読み手にも書き手にも、その邂逅を無上の喜びとすべきである。
 しかし、ここに至っても、文学それ自体が問うことに傾聴することを忘れてはならない。その問うことを読み手はさらに問うのである。
 が、決して結果を求めてはいけないのである。こういったからとて、文学を堅苦しく考えることはあるまい。文学の第一の条件は「おもしろい」ことである。読み始めたら一気にと言うくらいでないと、文学としての内容もたいしたものではない。ひどく難解とか、退屈とかは論外である。おもしろい文学にはリズムがある。
 未だ見ぬ人よ、自分の文学を見つけて欲しい。それはあなたの生涯の伴侶となるであろうから。
 ではまた次に来る真夜中に語るとしよう。

中国、東南アジア5か国と共同軍事演習2023年11月13日 17:03

千代田乃大奥 おさゞれ石 (千代田の大奥) 国立国会図書館デジタルコレクション
 中国が南シナ海での緊張が高まる中、東南アジアの5か国との共同軍事演習を開催する計画について述べている。

 中国と東南アジアの5か国の共同軍事演習:中国はカンボジア、ラオス、マレーシア、タイ、ベトナムの5か国とともに、南シナ海の平和と安定の維持に貢献するための共同軍事演習を開催することを発表した。この演習は「Aman Youyi-2023(平和と友情-2023)」と呼ばれている。

 演習のテーマと目的:演習のテーマは共同テロ対策と海上安全保障の軍事行動で、陸上部と海上部に分かれ、テロ対策や海賊対策の共同訓練、共同指揮演習、実際の軍事演習を行う。演習の目的は、都市部でのテロ対策と海上でのテロ対策および海賊対策の運用能力を向上させ、軍事的な信頼と実用的な協力を深め、地域の平和と安定を共同で守ることである。

 参加国:中国の軍事部隊は中国人民解放軍南部戦区から主に参加し、他の国の軍隊も陸地部隊と水上艦艇から派遣される。

 東南アジアの共通の課題:南シナ海は世界でも最も海賊の多い地域の一つであり、海賊行為はこの地域のすべての国にとって共通の脅威である。そのため、演習は主にテロ対策と海賊対策に焦点を当てている。

 フィリピンと南シナ海における緊張:フィリピンは中国の南シナ海の島々と岩礁に対する中国への反復的な挑発行為を行っており、この演習が行われる背後にはこのような緊張が存在していると指摘されている。

 東南アジアの共同の利益:一部の演習参加国は南シナ海で海洋紛争を抱えているが、友情と協力を損なわずに地域の平和と安定を共同で守る方法を選択したと評価されている。

 米国の影響と南シナ海の不確実性:米国はフィリピンなどを刺激し、南シナ海の行動規範(Code of Conduct, COC)の交渉において積極的な役割を果たしておらず、地域に不確実性をもたらしていると指摘されている。

 東南アジアの他の国々の協力:東南アジアの他の国々は、フィリピンを説得し、東南アジア諸国連合(ASEAN)の共通の利益を守ることの重要性を認識しており、外部の干渉を拒絶すべきだと考えている。

 この演習は、南シナ海における地域の平和と安定の維持を目指しており、関係国の協力と相互理解を深めるために行われている。南シナ海の地域情勢は複雑で、様々な国が関与しており、安定と平和の確保は地域全体の共通の関心事である。

【要点】

中国は11月に東南アジア5カ国との合同軍事演習を計画している。「Aman Youyi-2023」(平和と友好-2023)と名付けられたこの演習は、テロ対策と海賊対策作戦に焦点を当てる。参加国はカンボジア、ラオス、マレーシア、タイ、ベトナム。

中国国防部(国防部)は、この演習の目的は、市街地でのテロ対策、海上テロ対策、海賊対策における参加者の作戦能力を強化することにあると述べている。演習はまた、軍の相互信頼と実際的な協力を深め、地域の平和と安定を共同で守る。

今回の演習は、南シナ海で緊張が高まる中で行われた。フィリピンは、南シナ海の中国の島嶼や岩礁をめぐって、中国に対して挑発を繰り返している。「アマン・ヨウイ2023」演習に参加している国の中には、南シナ海で海洋紛争を抱えている国もある。

一部の専門家は、フィリピンが南シナ海に関する行動規範(COC)の交渉で積極的な役割を果たしておらず、それが地域に不確実性をもたらしていると指摘している。彼らはまた、米国は、域外の国として、COCの調印や南シナ海の平和を望んでいないと述べている。

他の専門家は、他のASEAN加盟国がASEANの共通の利益を守るためにフィリピンを説得することが重要だと述べている。彼らはまた、米国のような外部勢力の干渉は拒絶されなければならないと述べている。

一部の専門家は、この演習は、フィリピンが中国に対する挑発行為を扇動したと非難されている米国にもメッセージを送ることになると指摘している。専門家らは、今回の演習は、ASEAN諸国が外部勢力の干渉を受けずに平和的に紛争を解決することにコミットしていることを示していると述べている。

・この演習には、カンボジア、ラオス、マレーシア、タイ、ベトナムの軍隊が参加する。
・演習は、テロ対策と海賊対策に焦点を当てる。
・今回の演習は、南シナ海で緊張が高まる中で行われた。
・一部の観測筋は、この演習を、中国が地域の他の国々との関係を強化し、米国の影響力に対抗するための手段であると見ている。

引用・参照・底本

China to hold military drills with SE Asian countries amid tensions in South China Sea GT 2023.11.12

中・米首脳会談、<茶腹も一時>2023年11月13日 18:21

千代田乃大奥 おさゞれ石 (千代田の大奥) 国立国会図書館デジタルコレクション
 近日中に予定されている中国とアメリカの大統領会談についての報道と分析を提供している。

 サミットの高い期待:この会談は、中国とアメリカの大統領が30回目のAPEC経済指導者会議の枠内で会うという、世界的にも非常に注目されている外交イベントであると述べている。両国の経済大国としての役割から、世界の平和、発展、共同の未来にとって重要であるとされている。

 経済と貿易の協議:会談の前に、中国とアメリカの間で新たな経済と貿易の協議が行われ、一部のポジティブな兆候が報告されている。特に、両国は「切り離し(decoupling)」に反対し、コミュニケーションを強化する必要性について合意した。

 期待と慎重な楽観:専門家たちは、中国の習近平国家主席とアメリカのジョー・バイデン大統領の会談について慎重な楽観的な意見を持っており、この対面会談が両国の戦略的意図をより現実的に理解させ、対立が制御不能な紛争に発展しないようにする助けになると考えている。また、アメリカが2024年の選挙サイクルに入ると不確実性が高まるため、会談は短期的に両国関係を安定化させる役割を果たす可能性がある。

 議題:中国外務省によれば、会談では中国とアメリカの関係や世界の平和と発展に関連する重要な戦略的、包括的な問題について深く議論する予定である。中国側は台湾問題についても懸念しており、アメリカ側がより客観的な視点と判断を持つのを助けることを期待している。

 一致点と課題:経済と貿易の協議での「切り離し」に対する一致意見は、中米のビジネスコミュニティにポジティブな信号を送ったとされている。ただし、中国側の主要な懸念事項、例えば中国企業への制裁や懲罰関税の取り消しには進展がなかったとも報告されている。

 会談の成果:会談で具体的な成果が期待されており、人々の交流、気候変動、軍事間の対話などの分野でポジティブな結果が期待されている。

 アメリカの見解:アメリカの大統領会談については、大きな発表は期待されていないとされており、対立は解決されないだろうという見方がある。代わりに、アメリカは競争を管理し、紛争のリスクを防ぎ、コミュニケーションの経路を確保することに焦点を当てているとされている。

 その他の議題:台湾問題、戦略的意図の評価、軍事対話の再開、人々の交流、気候変動などが議論される可能性があるとされている。

 期待される結果:サミットからの重要な成果として、中米の関係のさらなる強化と、2024年にアメリカが選挙シーズンに入る際に、突発的な問題に迅速に対処できる能力が強化される可能性があるとされている。

 中国とアメリカの重要な外交イベントである大統領会談に対する期待と慎重な楽観的見方を提供しており、これらの国際的な議題が両国の関係と世界の安定にどのように影響するかについて議論している。

【要点】

米中首脳会談への期待は高まっており、専門家は慎重ながらも楽観的な見方をしている。

中国の習近平(Xi Jinping)国家主席と米国のジョー・バイデン(Joe Biden)大統領の会談は、二国間関係を安定させ、対立が制御不能な紛争に発展するのを防ぐのに役立つと期待されている。両首脳は、台湾問題、戦略的意図、軍事コミュニケーションチャンネルの再開など、さまざまな問題について議論する見通しだ。人的交流の活発化や気候変動の進展など、前向きな成果が期待されている。

・中国の習近平国家主席と米国のジョー・バイデン大統領の会談は、世界の平和と発展にとって極めて重要であり、非常に期待されている。
・双方とも会談について慎重ながらも楽観的な見方をしているが、依然として多くの意見の相違がある。
・台湾問題は、中国が「地域の不安定化の主な要因」であるという米国の主張と同様に、主要な議題となる可能性が高い。
・また、両国は昨年遮断された軍の通信チャンネルを再開する可能性についても議論する見通しだ。
・この会議が、人的交流の活発化や気候変動に関する協力など、何らかの前向きな成果につながることが期待されている。

・首脳会談は1年ぶりの両首脳の対面会談となる。
・デカップリングに反対するコンセンサスがあり、両者間のコミュニケーションを強化する必要がある。
・台湾問題は、中国側の関心事の一つになるとみられる。
・首脳会談が両国関係のより現実的な姿につながることが期待されている。
・首脳会談は大きな発表にはつながらないとみられるが、両国関係を管理する上で重要なステップと見られている。

・首脳会談は1年ぶりの両首脳の対面会談となる。
・デカップリングに反対するコンセンサスがあり、両者間のコミュニケーションを強化する必要がある。
・台湾問題は、中国側の関心事の一つになるとみられる。
・首脳会談が両国関係のより現実的な姿につながることが期待されている。
・首脳会談は大きな発表にはつながらないとみられるが、両国関係を管理する上で重要なステップと見られている。

【桃源寸評】

 ジョージ・ケナン(George F. Kennan)、彼は1947年に "X論文"、正式なタイトルは「The Sources of Soviet Conduct」(ソ連行動の源泉) としても知られる、外交の封じ込め(The Sources of Soviet Conduct)」を執筆し、その中で「封じ込め政策(Containment Policy)」の理論的基盤を提唱した。

 要は、アメリカはソ連の影響力を拡大させないように努力すべきだと主張しているのだ。

 しかし、53年アイゼンハワー政権が成立すると、封じ込め政策では手緩いと許りに軍事行動を取ることを含む「巻返し政策」に出た。

 共産主義政権の崩壊により、1991年初めに冷戦、つまり、国際政治的な対立と緊張の時代が終わったかに見えた。

 しかし、西側陣営は資本主義、民主主義を支持するという建前を崩さず、要は他の存在を容れずは今も続いている。

 冷戦時代はいずれかの陣営が屈服するまで続くという、因果な話なのである。

 時代によって目先は多少変化するも、第二次世界大戦後の僅かな期間を除いて、X論文、巻返し政策が其の後の米国の通奏低音となる政策なのである。

 決して止むことのない米国(西側)の執拗な"攻撃"なのである。

 中国よ、両首脳の会談、単なる象徴的なぐらいとの期待で丁度よい。
 米国は決して手を緩めない。

 緩めたとしても、米国の時間稼ぎ、目先の利を稼ぐ為である。

 まぁ、<茶腹も一時>か。

引用・参照・底本

China-US high-stakes summit highly anticipated GT 2023.11.12