中米はライバルか、パートナーか2023年11月16日 17:27

千代田之大奥 釈迦もふで (千代田の大奥) 国立国会図書館デジタルコレクション
 習近平国家主席が米国で行ったスピーチに関するものである。

 スピーチでは、習近平主席が中米関係についての重要な視点を述べている。主席は、中米関係が大きな船に例えられ、その船をどのように航行させるかについての考えを共有した。具体的には、中米関係がどちらかと言えばライバルなのか、それともパートナーなのかという根本的な問いに答えるべきだと指摘した。

 習主席は、この問いに対する答えが重要であるとし、「もし相手国を最も主要な競争相手、最も重大な地政学的挑戦、そして迫りくる脅威と見なせば、必然的に間違った政策につながり、間違った行動を取り、間違った結果を生むことになる」と述べている。彼はまた、中国が米国との関係においてパートナーであり、友人であることを望んでいるとし、中米関係における基本的な指針は相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィンであると強調した。

 この発言からは、習主席が中米関係において対話と協力を重視し、相互尊重と平和共存を基本原則とする姿勢を示していることが伺える。

【要点】

習近平国家主席は、2023年11月15日、米国で行われた歓迎レセプションで、中米関係について「中国と米国は一体ライバルなのか、それともパートナーなのかという問題」が根本的かつ統括的な問題であると指摘した。

習主席は、中国と米国は両極端の国ではなく、共通の利益を持つパートナーであるべきだと考えている。両国は、経済、貿易、科学技術、文化など、さまざまな分野で協力し合い、世界経済の成長と繁栄に貢献すべきだと考えている。

しかし、近年、米中関係は対立を深めている。中国の経済成長と軍事力拡大を脅威と捉える米国は、中国を抑制する政策を推進している。一方、中国は米国の覇権主義を批判し、対抗姿勢を強めている。

こうした状況下で、習主席は、中米関係を健全な発展軌道に戻すためには、両国が「ライバルではなくパートナー」という認識を共有することが重要であると訴えている。

具体的には、両国は、相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィンの原則に基づいて、対話と協議を重ね、共通の利益を追求していくべきだと考えている。

習主席のスピーチは、米中関係改善に向けた中国の姿勢を明確にしたものといえる。今後、米中両国がどのような対応を取るかが、中米関係の行方を左右するだろう。

・習近平国家主席は、2023年11月15日、米国の友好団体共催の歓迎レセプションに出席し、スピーチを行った。その中で、中米関係の未来について、「中米はライバルか、パートナーか」という根本的な問題に答えを出すべきだと述べた。

・習主席は、中米関係は「巨大な船」であり、その船が暗礁や浅瀬を避け、狂風や大波を乗り越えて、針路を逸れず、失速せず、衝突を起こさないようにするためには、まず「ライバルか、パートナーか」という問題に答えを出すべきだと指摘した。

・習主席は、中国と米国は、政治体制や価値観が異なることは事実であるものの、両国には共通の利益も多く、協力すべき分野も多いと述べた。また、中国は米国を「最も主要な競争相手」ではなく、「パートナーであり、友人」であると強調した。

・習主席のスピーチは、米中関係の改善にもつながることが期待される。しかし、米中両国には、政治体制や価値観の違いなど、克服すべき課題も多く残されている。両国が、習主席のスピーチの精神に基づいて、建設的な対話を進めていくことができれば、中米関係の改善、ひいては米中関係の改善にもつながることが期待される。

・中米関係は、両国にとって重要な関係であり、その未来は両国の利益にかかっている。
・中米関係は、ライバル関係ではなく、パートナー関係であるべきである。
・中米関係を改善するためには、両国が相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィンの原則に基づいて、建設的な対話を進めていくことが重要である。

・両国が、相互尊重、平和共存、協力・ウィンウィンの原則に基づいて、対話と協議を重ね、共通の利益を追求していくことに成功すれば、中米関係は改善に向かう可能性がある。
・一方、両国の対立が深まり、軍事的緊張が高まれば、中米関係はさらに悪化する可能性がある。
・また、両国が、ある程度の競争関係を維持しつつ、協力関係も維持していくという、難しいバランスをとっていく可能性もある。

・両国は、互いの核心的利益を尊重し、対立を抑制するための努力を継続できるのか。
・両国は、気候変動、新型コロナウィルス、核拡散など、共通の課題に協力して取り組むことができるのか。
・両国は、国際秩序のルール作りにおいて、協力関係を築くことができるのか。

【桃源寸評】

 悪辣にも<腹に一物手に荷物>の米国に、習近平国家主席の真摯な訴えは、恐らく"その場限り"となろう。

 今、中国画為すべきは、強国に成ることである。米国は"中国と共に"とは考えることはしないだろう。

 両国は<水と油>である。

 が、習近平国家主席のスピーチには心を打たれる。
 
引用・参照・底本

習近平国家主席「『中米はライバルかパートナーか』がまず答えを出すべき問題」 人民網日本語版 2023.11.16

【中米首脳会談】中米各々の成功は互いにとってチャンス 人民網日本語版 2023.11.16

【中米首脳会談】習主席、中米関係と世界の平和・発展で中国の立場を表明 人民網日本語版 2023.11.16

【中米首脳会談】習近平国家主席「中米関係の前途は明るいと確信」 人民網日本語版 2023.11.16

外交部 中米首脳会談の状況と成果について説明 CRI 2023.11.16

習主席「中米両国は人的交流を促進する措置を打ち出す」 CRI 2023.11.16

中米首脳会談 両国首脳 軍ハイレベル対話再開やAI関連の政府間対話の推進などで合意 CRI 2023.11.16

中米首脳会談 習近平主席が中米関係について「5本の柱」を提案 CRI 2023.11.16

中米首脳会談 習近平主席 台湾問題が中米関係の最重要問題と強調 CRI 2023.11.16

習主席「私とバイデン大統領は両国民、世界、歴史に対して重い責任を負っている」 CRI 2023.11.16

<速報>習主席 米友好団体主催の合同歓迎レセプションに出席 CRI 2023.11.16

大勢の友人が一堂に会し習主席の訪問を熱烈歓迎 CRI 2023.11.16

習主席 米友好団体主催の合同歓迎レセプションで演説 CRI 2023.11.16

<中米首脳会談>習主席「大国間競争はこの時代の潮流ではなく、中米両国と世界が直面する問題を解決できない」 CRI 2023.11.16

「人類文明の新たな形態~中国式現代化」の海外バージョン放送 視聴者4億人以上 CRI 2023.11.16

<速報>習主席 米友好団体合同歓迎レセプションで演説へ
2023-11-16 10:46:30 CRI
 
<速報>習主席 米友好団体合同歓迎レセプションで演説へ CRI 2023.11.16

<中米首脳会談>習主席 中米関係と世界の平和・発展で中国の立場を表明 CRI 2023.11.16

<速報>米サンフランシスコ・ファイロリで中米首脳会談終了 両国首脳は別れを告げる CRI 2023.11.16

<速報>習主席とバイデン大統領 散歩しながら語らう CRI 2023.11.16

<速報>習主席 バイデン大統領主催のレセプションに出席へ CRI 2023.11.16

<速報>中米首脳会談が終了 CRI 2023.11.16

中米首脳会談開催地 サンフランシスコのファイロリ CRI 2023.11.16

王毅政治局委員 中米首脳会談の状況について説明 CRI 2023.11.15

中国とAPECとの経済貿易協力はアジア太平洋の発展に貢献 CRI 2023.11.15

米各界 中米首脳会談に期待 CRI 2023.11.15

米政府高官 空港で習主席を出迎え CRI 2023.11.15

米サンフランシスコで習主席の到着を人々が歓迎 CRI 2023.11.15

米サンフランシスコ在住の華人・華僑 習主席の訪問を歓迎 2023.11.15

習近平国家主席 北京を出発し米国訪問へ 2023.11.14

米国側は台湾独立の不支持を具体的な行動で示すべき=外交部 CRI 2023.11.17

米国は経済・貿易・科学技術問題の政治化、道具化、武器化をやめよ=外交部 CRI 2023.11.17

【観察眼】「サンフランシスコ・ビジョン」の実現には中米両国の歩み寄りが必要だ CRI 2023.11.17

外交部 米サンフランシスコAPECのCEOサミットについて説明 CRI 2023.11.17

中米首脳のサンフランシスコ会談 「実現できたことの意義大きい」と日本の学識者 CRI 2023.11.17

習主席のAPEC CEOサミットでの書面演説 国際社会が積極的に評価 CRI 2023.11.18

CGTNが特集番組「太平洋を越えて:中米に問われる道」を放送 CRI 2023.11.18

【CRI時評】中米国民は友好の物語をどう書いていくか CRI 2023.11.18

【CRI時評】「サンフランシスコビジョン」を実現するには CRI 2023.11.18

麻生太郎元首相、<口叩きの手足らず>か2023年11月16日 18:31

千代田の大奥 御能楽屋 (千代田の大奥) 国立国会図書館デジタルコレクション
 在日本中国大使館の報道官が、日本の政府要人である麻生太郎元首相(自民党副総裁)が台湾問題に関連して行った発言についてコメントしたものである。

 麻生太郎の発言内容: 麻生太郎元首相は、オーストラリアを訪問した際に、台湾問題について発言した。その中で、中国の武力による台湾の現状改変を防ぐために、日本、アメリカ、オーストラリアが結束すべきだと公に表明した。

 中国大使館報道官のコメント: 在日本中国大使館の報道官は、この発言に対して記者の質問に答え、否定的なスタンスを示した。

 不満と反対の表明: 中国大使館報道官は、日本自民党の政府要人が台湾問題で挑発的であり、中国の内政に干渉しているとし、「中日間の4つの基本文書」(註)に背いていると主張した。

 台湾の地位に関する立場: 中国は、「台湾海峡の現状」について、海峡両岸が共に「一つの中国」に属し、台湾は中国の領土の一部であり、中国の国家主権と領土的一体性が分断されていないとの立場を強調している。

 現状改変の試み: 中国の政府は、台湾の現状改変を試みているのは中国ではなく、「台湾独立」を支持する分裂分子と外部の干渉勢力だと主張している。

 主権と安全保障の重要性: 中国は、自国の主権と安全保障上の利益を断固として守る姿勢を表明している。

 このコメントから分かるように、日本政府要人の台湾関連発言に対する中国の反応を伝えており、中国は強い言葉でその立場を表明している。

【要点】

中国は、台湾問題を中国の内政問題と捉えており、台湾の独立を容認していない。そのため、台湾問題に関する日本の政府要人の発言は、中国の内政干渉であると捉え、強く反発している。

中国は、台湾問題は中国の核心的利益であり、台湾の独立を容認しないという姿勢を堅持している。今後も、台湾問題に関する日本の政府要人の発言に対して、強く反発していくと考えられる。

 この報道によると、麻生太郎元首相は、オーストラリアを訪問した際に、台湾問題について、中国の武力による現状改変を防ぐために日米豪が結束するべきだと公に表明した。この発言に対し、中国大使館は、強く反発している。

・中国の武力による現状改変を防ぐという発言は、中国の内政干渉であり、中日間の4つの基本文書の精神に背いている。
・台湾海峡の現状は、海峡両岸が共に一つの中国に属し、台湾地区が中国の領土の一部であるということである。
・現状改変を試みているのは、中国側ではなく、「台湾独立」分裂分子と外部の干渉勢力である。
・中国は、台湾問題は中国の核心的利益であり、台湾の独立を容認しないという姿勢を堅持している。今後も、台湾問題に関する日本の政府要人の発言に対して、強く反発していくと考えられる。

・中国政府は、日本政府に対して、台湾問題に関する発言を慎重に行うよう、厳重に申し入れを行う。
・中国政府は、台湾問題に関する軍事演習や軍備増強を実施することで、日本に牽制を行う。
・日本政府は、中国の反発を抑えるために、台湾問題に関する発言を慎重に行う必要があるだろう。

・台湾問題は完全に中国の内政問題であり、中国政府と人民は主権を断固として守る。
・現状改変を試みているのは中国側ではなく、「台湾独立」分裂分子と外部の干渉勢力に他ならない。
・日本政府要人のこの発言は、中国の内政に干渉し、中日間の4つの基本文書の精神に深刻に背いている。

・麻生太郎元首相がオーストラリアを訪問した際、中国の武力による現状改変を防ぐために日米豪が結束するべきだと公に表明したこと。
・台湾海峡の現状とは、海峡両岸が共に一つの中国に属し、台湾地区が中国の領土の一部であり、中国の国家主権と領土的一体性が分断されたことはないということ。
・現状改変を試みているのは中国側ではなく、「台湾独立」分裂分子と外部の干渉勢力に他ならないということ。

【桃源寸評】

 此の政治屋、“口も軽いが頭も軽い”ようだ。此の男の性格は一部の米国政治屋に酷似する。

 唯々揉め事を起こすだけである。 

(註)
「中日間の4つの基本文書」とは、中華人民共和国(中国)と日本の間で締結された4つの主要な国際的文書のことを指す。これらの文書は、中日関係の基本原則や共同の立場を確立し、外交的なルールや協力の枠組みを構築するために締結された。以下は、これらの4つの基本文書の概要である。

1.中日平和友好条約(1978年)

締結年: 1978年
内容: この条約は、中日関係の基本的な原則を確立し、平和と友好の促進を目的としている。両国は互いに国の主権を尊重し、相互に平和的な共存を図ることを合意した。

2.中日平和友好条約に基づく中日共同声明(1998年)

締結年: 1998年
内容: この共同声明は、中日平和友好条約に基づき、双方が友好関係を深化させ、相互の発展と安定に貢献することを再確認している。経済、文化、科学技術分野での協力が強調されている。

3.中日平和友好協力に関する共同宣言(2008年)

締結年: 2008年
内容: この宣言は、両国が相互に信頼を深め、協力を強化し、平和な関係を維持することを目指している。経済、文化、環境などの分野での協力が強化され、両国の友好関係のさらなる発展が期待されている。

4.中日戦略的互恵関係に関する共同声明(2018年)

締結年: 2018年
内容: この共同声明では、中日関係を「戦略的互恵関係」に引き上げ、相互尊重、共同発展、戦略的な協力を推進することが宣言されている。経済、安全保障、人文交流などの分野での協力が重視され、双方の利益を考慮した包括的な協力が進められることが期待されている。

これらの文書は、中日関係において基本的な原則や共同の立場を定め、双方が協力し合いながら平和な関係を維持していくための指針となっている。
 
引用・参照・底本

習近平国家主席「『中米はライバルかパートナーか』がまず答えを出すべき問題」 人民網日本語版 2023.11.16

第30回APEC首脳会議の意義2023年11月16日 20:39

千代田の大奥 御能楽屋 (千代田の大奥) 国立国会図書館デジタルコレクション
 11月15日に米国サンフランシスコで正式に開幕した第30回APEC首脳会議の意義について論じている。APEC(アジア太平洋経済協力)は、アジア太平洋地域で最もレベルが高く、最も影響力のある経済協力メカニズムとして強調されており、21の経済圏のリーダーが参加している。

 世界経済が新たな発展の機会を模索している時に、対話、安定、繁栄を期待し、会議に対する世界的な期待を強調している。アジア太平洋地域における協力と発展は、世界の未来と運命にとって極めて重要であると考えられている。

 APEC首脳会議に先立つブリーフィングでは、「地経学的分断化」という概念に触れ、保護主義やサプライチェーンの安定を乱す行動など、「大国間競争」から生じる経済的リスクに焦点が当てられた。米国が主導するインド太平洋繁栄のための経済枠組み(IPEF)(註)への懸念を指摘し、それが分断につながり、APECの協力に影響を与えるのではないかと疑問を呈している。

 米国の過去の「デカップリング」の実践と「中国を凌駕する」という戦略的思考が懸念を呼び起こし、目に見える損害をもたらしたと示唆している。中国と米国の経済構造は高度に補完的であると見なされ、その協力は互恵的でウィンウィンと見なされている。しかし、主に米国内の政治的要因に起因する逆流の混乱が、この協力の可能性を最大限に発揮することを妨げている。

 混乱にもかかわらず、マイクロソフト、シティグループ、エクソンモービルなどの大手多国籍企業の幹部が、特に中国との関係を強化するためにAPECの会場に出席し、協力を強く望んでいることを指摘している。米国の政治学者ジョセフ・ナイ氏の発言を引用し、中国と米国は互いを必要としており、切り離すことはできないと述べている。

 APECは、世界人口の40%近く、世界の貿易量のほぼ半分を占めていることが強調されている。冷戦のメンタリティと「ゼロサムゲーム」アプローチを推進する一部の米国政治家を批判している。米国の政策決定者による明晰なアプローチを求め、APEC会議が米国にとって中米関係の健全かつ安定的な発展を促進し、アジア太平洋地域の平和、安定、繁栄に貢献する機会となることへの期待を表明している。
 
【要点】

カリフォルニア州サンフランシスコで開催される第30回APEC首脳会議について論じている。アジア太平洋地域、特に世界の2大経済大国である中国と米国の間の協力と発展の重要性を強調している。米国が追求する「デカップリング」戦略は、いずれの国にとっても、世界全体にとっても最善の利益にはならないと主張している。米国が中国と中途半端に対峙し、より安定的で生産的な関係に向けて努力することを求めている。

来たるAPEC首脳会議はアジア太平洋地域の協力と発展にとって重要な機会であると主張している。しかし、「地経学的な分断」の可能性や、米国の政策が中米関係に及ぼす悪影響についても懸念を表明している。

協力を強化し、双方にメリットのある結果を達成したいというビジネス界の願望を強調している。また、世界経済にとってのアジア太平洋地域の重要性と、米国が明晰さを保ち、「冷戦時代のゼロサムゲーム」を助長することを避ける必要性を強調している。

米国が中国と中途半端に対峙し、アジア太平洋地域の平和、安定、繁栄に必要な貢献をするよう呼びかけて締めくくっている。

米国と中国が協力してアジア太平洋地域の協力と発展を促進するよう呼びかけている。これこそが、地域と世界の豊かで安定した未来を確保するための最良の方法であると主張している。

・APECは、アジア太平洋地域における最高レベル、最も広範で、最も影響力のある経済協力メカニズムである。
・米国と中国を合わせると、世界のGDPの40%以上を占めている。
・中国と米国の経済構造は高度に補完的であり、両国の経済・貿易協力は互恵的である。
・米国が追求する「デカップリング」戦略は、いずれの国にとっても、世界全体にとっても最善の利益にはならない。
・米国は中国と中途半端に対峙し、より安定的で生産的な関係に向けて努力すべきである。

・APECは、対話と協力のための重要な機会である。
・世界経済は、地経学的な分断やサプライチェーンの混乱などの課題に直面している。
・中国と米国は世界の2大経済大国であり、両国の経済関係は世界経済の安定にとって極めて重要である。
・米国は中国との「デカップリング」政策は両国にとって有害であり、追求すべきではない。
・米国はAPECを中国との関係改善の契機とすべきだ。

(註)
「インド太平洋繁栄のための経済枠組み」(Indo-Pacific Economic Framework for Prosperity、略称:IPEF)は、アメリカが提唱する経済的な枠組みの一つである。2022年5月に米国が主導して立ち上げた経済協力枠組みである。以下は、IPEFに関する一般的な情報である。

提唱者と目的

IPEFはアメリカが提唱した枠組みであり、インド太平洋地域における繁栄と安定を促進することがその主な目的である。このアプローチは、地域の安全保障や経済的なつながりを強化し、民主主義と法の支配を重視する価値観に基づいている。

対象地域

IPEFは主にインド太平洋地域に焦点を当てており、アジア太平洋地域とインド洋地域を包括している。この広範な地域において経済的な連携や発展を促進することが狙いとされている。

要素と原則

IPEFは、オープンかつ包摂的な経済を奨励し、透明性や持続可能な開発の原則に基づく経済的な協力を推進する。また、民主主義、法の支配、市場経済などの価値観も強調されている。

協力領域

IPEFは複数の分野にわたる協力を視野に入れている。これにはデジタル経済、インフラ整備、気候変動対策、安全保障、および人道支援などが含まれる。地域全体での連携を強化し、成長と発展を促進するために様々な側面での連携が求められている。

反応と議論

IPEFに対する反応は様々であり、地域内の国々や利害関係者が異なる意見を持っている。特に、中国との経済的な関係や影響力争いにおいて、IPEFの提唱は注目を集めている。一部ではアメリカの影響力拡大の一環と見なされており、議論の的となっている。

総じて、IPEFはインド太平洋地域におけるアメリカの経済的な影響力と連携を強化するための枠組みであり、経済発展や安全保障に焦点を当てた包括的なアプローチを提供することが期待されている。

・IPEFは、貿易、サプライチェーン、クリーンエネルギー、公正な経済の4つの柱で構成されている。

・貿易:関税削減や非関税障壁の撤廃など、自由貿易の促進を図る。
・サプライチェーン:サプライチェーンの強靭化とレジリエンスを高めるために、サプライチェーンマネジメントの強化や、サプライチェーンに関する情報共有の促進などを図る。
・クリーンエネルギー:脱炭素化に向けた協力を強化し、クリーンエネルギーの普及を促進する。
・公正な経済:労働者の権利保護や、汚職防止などの取り組みを強化し、包摂的な経済成長を促進する。
・2022年11月現在、参加国はオーストラリア、ブルネイ、フィジー、インド、インドネシア、日本、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、韓国、シンガポール、タイ、米国、ベトナムの14か国である。

IPEFは、米国が主導する経済圏構想として、中国の「一帯一路」に対抗するものとして注目されている。しかし、IPEFは、自由貿易の促進やサプライチェーンの強靭化など、幅広い分野で協力を強化することを目的としており、中国を排除する意図はないとされている。

引用・参照・底本

The scene outside the APEC venue speaks volumes: Global Times editorial GT 2023.11.15

中米首脳会談内容2023年11月16日 22:22

千代田の大奥 山里のお茶や (千代田の大奥) 国立国会図書館デジタルコレクション
 サンフランシスコで行われた中米首脳会談の内容である。

 会議概要:中国の習近平(Xi Jinping)国家主席と米国のジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は、サンフランシスコのフィロリ邸で首脳会談を行った。両首脳は、中米関係に関する戦略的、包括的、方向性的な問題や、主要な世界的課題について議論した。

 協定・協力:双方は、人工知能(AI)、麻薬取締り、軍事通信、海洋安全保障など、さまざまな分野で協力を強化することで合意した。計画には、AIに関する政府間対話、麻薬取締協力作業部会の設立、軍と軍のハイレベルなコミュニケーションの再開などが含まれる。

 取引所の拡大:来年早々に増便し、教育、留学生、青少年、文化、スポーツ、ビジネスなどの分野での交流を拡大することで合意した。

 会議時間:サミットは、開会の挨拶、セッション、ワーキングランチなど、約2時間にわたって行われた。

 習近平の視点:習近平国家主席は、グローバルな課題に対処するために、中国と米国の団結と協力の重要性を強調した。また、相互尊重、平和共存、ウィンウィンの協力を通じて、違いを乗り越える必要性を強調した。習近平国家主席は、中国の発展は独自の論理に従っており、中国は米国を追い越したり、米国に取って代わったりしようとはしていないと述べた。

 台湾問題:台湾問題は依然としてデリケートな問題であり、習主席は米国に対し、「台湾独立」を支持しないという立場を具体的に実行に移すよう促した。

 テクノロジーと制裁:習主席は、米国の輸出管理措置、投資審査、一方的な制裁について、中国の正当な利益を損なうものとして懸念を表明した。中国は、米国が一方的な制裁を解除し、中国企業に公正、公正、無差別の環境を提供することを望んでいる。

 気候危機:両首脳は、気候危機への対処の重要性を強調し、「2020年代における中米気候行動強化作業部会」の立ち上げを発表した。

 専門家の視点:専門家らは、今回の首脳会談は前回のバリでの会合のトーンを引き継ぐものと示唆し、米国が正当かつ責任ある態度をとることの重要性を強調した。両国の期待は一致しており、関係の安定化と限られた分野での協力の模索に重点が置かれている。

 今後の展望:マルチチャネル、マルチレベルのコミュニケーションを維持することは、二国間関係のガードレールを構築する上で重要であると考えられている。今回の首脳会談は、バイデン氏が任期中に中国の指導者と直接会談する最後の機会になるかもしれない。

首脳会談では、様々な問題が取り上げられ、両首脳は、相違点を認めつつ、相互理解の必要性を認めつつ、協力へのコミットメントを表明した。中米関係の安定化と改善の可能性について、慎重ながらも楽観的な見方を示唆している。

【要点】

中国と米国のサンフランシスコ首脳会談が終了し、AIに関する協力の強化と軍事通信の再開に合意"。

中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は水曜日、サンフランシスコでジョー・バイデン米大統領と首脳会談を行った。両首脳は、米中関係、気候危機、台湾問題など、幅広い問題について議論し

中米関係については、双方が様々な分野で対話と協力を強化していくことで一致した。これには、人工知能に関する政府間対話の確立、中米麻薬取締協力作業部会の設立、ハイレベルな軍間通信の再開などが含まれる。

気候危機に関し、両首脳は、この問題への取組を加速することの重要性を強調した。両首脳は、両国の気候特使間の最近の前向きな議論を歓迎し、具体的な気候変動対策を加速するための新たな作業部会の立ち上げを発表した。

台湾問題については、習主席は、台湾問題が中米関係において最も重要かつ微妙な問題であることに変わりはないと強調した。「台湾独立」を支持しない姿勢を具体的に実行するよう米国に促した。

今回の首脳会談は、中米関係改善に向けた前向きな一歩と見られている。一部の専門家は、両国が期待を一致させ始めており、将来的にさらなる協力の可能性があると考えている。

・中国の習近平国家主席と米国のジョー・バイデン大統領は、2023年11月15日(水)にサンフランシスコで首脳会談を行いました。
・両首脳は、米中関係、地球規模の課題、気候変動など、さまざまな問題について議論しました。
・両首脳は、人工知能(AI)、麻薬取締り、軍間通信、教育など様々な分野での対話と協力を促進・強化していくことで一致した。
・また、来年早々に増便し、留学生、青少年、文化、スポーツ、ビジネスなど他の分野での交流を拡大することで合意しました。
・習近平国家主席は、相互尊重、平和共存、ウィンウィン協力の重要性を強調し、中米関係の5本柱を固めるために協力すべきだと述べた。
・バイデン氏は、協議は「順調に進んでいる」とし、「真の進展」があったと述べた。
・また、両首脳は、中国と米国が気候危機への取り組みを加速させることの重要性を強調した。
・一部の専門家は、今回の首脳会談で中米関係に対する中国の立場がさらに明確になり、米国側が根本的に正しく責任ある態度をとることへの期待を表明したとみている。

・両首脳は、様々な分野における対話と協力を促進・強化するために連携していくことで一致しました。
・中国と米国は、AIに関する政府間対話の設立と、麻薬撲滅協力を行うための作業部会の設置に合意した。
・また、両国はハイレベルな軍間通信を再開し、中国と米国間の航空便を増便することで合意した。
・習近平国家主席は、中米関係における相互尊重、平和共存、ウィンウィン協力の重要性を強調した。
・バイデン大統領は、協議は「順調に進んでいる」とし、「真の進展」があったと述べた。

・中国人民大学(北京)の貂大明(Diao Daming)准教授は、今回の首脳会談はバリ島で設定されたトーンの延長線上にあると述べた。また、米国が理解を調整し、責任ある視点を採用することができれば、両国の関係はさらに安定するだろうと付け加えた。
・クリストファー・ニューポート大学の孫泰毅助教授(政治学)は、二国間関係のガードレールを構築するために、マルチチャネルとマルチレベルのコミュニケーションを維持することが、必要な最も重要な手段になる可能性があると述べた。

引用・参照・底本

China-US San Francisco summit concludes, agreeing on enhancing cooperation on AI and resuming military communication GT 2023.11.16

中国の景気回復2023年11月16日 22:40

千代田の大奥 山里のお茶や (千代田の大奥) 国立国会図書館デジタルコレクション
 10月の中国の景気回復について論じ、予想を上回った小売売上高と鉱工業生産高のデータを強調している。世界的な需要の低迷、地政学的な緊張、不動産セクターの減速などの課題にもかかわらず、中国経済は力強い回復の勢いを維持していると報告されている。

 10月の経済指標

中国の工業生産高は前年比4.6%増となり、市場予想の4.3%を上回った。10月の小売売上高は前年同月比7.6%増と、市場予想の7%を上回った。

 景気回復の要因

 景気回復は財政・金融刺激策と、今後数カ月間の政策の最優先事項をまとめたトーンセッティング会合の開催によるものだとしている。アナリストは、中国のGDP成長率が第4四半期に5%以上に達する可能性があると予測している。

 国内消費の伸び

 このデータは、8日間の「ゴールデンウィーク」期間中の旅行ブームや自動車購入の持続的な増加などのイベントに後押しされた国内消費の顕著な改善を強調している。オブザーバーは、国内消費と鉱工業生産のデータが中国経済のファンダメンタルズの回復力を示していることを強調している。

 世界経済の重要性

 中国の景気回復は、世界経済の成長に大きく貢献し、世界経済の成長にとって前向きなシグナルと見なされている。中国経済の見通しに関する悲観的な見方に反論し、中国経済が世界経済の成長の先導役であり続けることを示唆している。

 見通しと政策措置

 中国のオブザーバーは、第4四半期のGDP成長率が5%から5.5%の範囲に回復すると予測している。国際通貨基金(IMF)は、2023年の中国経済の成長率予測を5.4%に引き上げた。1兆元の特別国債の発行を含む、現在および将来の潜在的な景気刺激策に言及している。

 課題と今後の政策見通し

 1-10カ月間の固定資産投資は前年同期比2.9%増と、市場予想をわずかに下回った。不動産市場の減速、世界的な需要の不確実性、地政学的な対立、市場の変動などが課題となっている。中国当局はマクロ規制の取り組みを継続し、回復を安定させるためにさらなる政策措置を実施する可能性があると予想される。

 今後の経済イベント

 中国は12月に中央経済工作会議を開催し、経済状況と来年の計画を検討する予定である。オブザーバーは、政策当局者が期待の安定化、成長の促進、将来の政策における新たな成長ポイントの特定に注力すると予想している。

【要点】

中国経済は回復の兆しを見せており、10月の小売売上高と鉱工業データは予想を上回っている。これは、政府が実施した多くの財政・金融刺激策によるものである。中国経済は第4四半期も引き続き回復し、2023年の年間GDP成長率目標である約5%を達成すると予想されている。中国の成長は、今年の世界経済の成長にも貢献すると予想される。

・中国の10月の工業生産高は前年同月比4.6%増と、市場予想の4.3%増を上回った。
・10月の小売売上高は、前年同月比7.6%増と、予想の7%増を上回った。
・好調な経済指標は、中国が2023年の年間GDP成長率目標である約5%の達成に向けて順調に進んでいることを示している。
・10月の力強い成長は、9月下旬から10月上旬の「ゴールデンウィーク」期間中の旅行ブーム、自動車購入の持続的な急増、多数の財政・金融刺激策の実施など、多くの要因に起因している。
・中国のオブザーバーは、第4四半期のGDP成長率は、第3四半期の4.9%から5%から5.5%の範囲に回復する可能性があると予測している。
・中国の経済パフォーマンスは、2023年も引き続き世界経済にプラスの力を与えると予想される。

・中国経済は順調に回復しており、10月の小売売上高と鉱工業生産高は予想を上回った。
・力強いデータは、経済が2023年の年間GDP成長率目標である約5%の達成に向けて順調に進んでいることを示している。
・中国経済は、今年も引き続き世界経済の成長の牽引役となることが期待される。

・10月の小売売上高は、予想の7%増に対し、7.6%増となった。
・10月の鉱工業生産高は4.6%増と、市場予想の4.3%増を上回った。
・堅調な経済指標は、一連の財政・金融刺激策、今後数カ月の政策の最優先事項をまとめた会合の開催、広範な景気回復など、多くの要因によるものである。
・中国は2023年の年間GDP成長率目標を達成すると予想されており、最良の場合、最大5.5%に達する可能性がある。
・また、中国経済は、「中国経済の倦怠感」を誇大宣伝する悲観的な見方にもかかわらず、今年も世界経済の成長の先導役としての役割を担い続けると予想されている。

引用・参照・底本

China's economic recovery gains pace in Oct with forecast-beating retail sales, industrial output data GT 2023.11.15