ガザ地区紛争、戦争犯罪の捜査依頼2023年11月20日 21:14

千代田の大奥 狆のくるひ (千代田の大奥) 国立国会図書館デジタルコレクション
 国際刑事裁判所(ICC)(註)において、ガザ地区での紛争に関連する戦争犯罪の捜査依頼が行われている状況について報じている。

 ICCへの捜査依頼: 南アフリカ共和国など5カ国(南アフリカ共和国、バングラデシュ、ボリビア、コモロ、ジブチ)が、ガザ地区での戦争犯罪の疑惑について捜査を依頼した。これには、イスラエル国防軍(IDF)の無差別攻撃によって増加しているとされるパレスチナの民間人の被害が含まれている。

I CCの立場: ICCは、パレスチナが2015年に加盟国として加わったことから、ガザ地区内での戦争犯罪疑惑に対する調査権限があると主張している。一方で、イスラエルはICCの加盟国ではないため、捜査依頼が実質的な影響を発揮するのは難しい状況である。

 過去の事件への言及: 2014年に発生したイスラエルとハマスの武力紛争についてもICCが調査中であることが触れられている。しかし、まだ結論が出ていないとされている。

 国際的な非難: ICCへの捜査依頼以外にも、国連がイスラエル軍のガザ地区への攻撃と民間人の強制待避を非難し、「集団処罰」「戦争犯罪」にあたる可能性があると指摘している。

 国際刑事裁判所について: ICCは、1998年に採択されたローマ規定に基づいて2003年に設立され、戦争犯罪などを犯した個人を処罰するために存在している。様々な国際的な紛争や犯罪に関与した個人や指導者に対して捜査や起訴を行っている。

(註)
国際刑事裁判所(International Criminal Court, ICC)は、国際的な犯罪に対する司法手続きを行うための常設の国際刑事裁判所である。ICCは2002年に設立され、国際的な刑事司法体系を構築し、個人に対する最も深刻な国際犯罪に対処することを目的としている。ICCの本部はオランダのハーグにある。

ICCが取り扱う主な犯罪は、以下の通り。

1.ジェノサイド(Genocide): 民族や宗教などの特定の集団に対する意図的な殺害や生存条件の悪化など、集団を破壊しようとする行為。

2.人道に対する罪(Crimes Against Humanity): 拷問、奴隷労働、集団的な虐殺、強姦など、一般市民に対する広範で組織的な攻撃。

3.戦争犯罪(War Crimes): 武力紛争中に行われる国際法違反、例えば無差別な攻撃、捕虜の虐待、市民の不当な攻撃など。

4.侵略罪(Crime of Aggression): 国家が他の国を攻撃する行為。

ICCは、加盟国である国家や国際連合安全保障理事会によって提案された事件に対して管轄権を有する。ただし、すべての国が加盟しているわけではなく、また、主要な国の一部はICCの管轄権を受け入れていないため、実際には一部の事件しか扱うことができない。ICCは独立した機関であり、その裁判官は選挙によって任命される。

ICCは国際社会において、国家主権の尊重と国際法の執行を推進する役割を果たしているが、一部の批判もある。その中には、特定の国々がICCの管轄権を受け入れず、また、取り組むべき事案の優先順位をめぐる政治的な問題が含まれる。

引用・参照・底本

「ガザ戦争は戦争犯罪」国際刑事裁判所が動くか…南アフリカ共和国などが捜査依頼 HANKYOREH 2023.11.20

コメント

トラックバック