「南シナ海で問題を引き起こす軍事活動は我々がコントロールしている」2025年01月20日 21:28

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【概要】

 中国軍は南シナ海において、1月19日から20日にかけて海空合同の戦闘準備パトロールを実施した。この活動は、中国人民解放軍(PLA)南部戦区の声明によって報告されたものであり、地域の平和と安定の維持を目的とするものである。声明は、フィリピン海軍が南シナ海で実施した実弾訓練や、米国との合同海上演習に対する反応として発表されたものである。

 「南シナ海で問題を引き起こすような軍事活動は、我々のコントロール下にある」とPLAの声明には記されている。これは、フィリピン海軍が黄岩島近辺で実施した挑発的な演習、および米国との合同演習に直接向けられたものであり、中国の主権侵害を企図する国々に対する威嚇の役割を果たしている、と中国軍事専門家のZhang Junsheは述べている。この声明は、地域で行われている挑発行動をPLAが監視していることを示しており、中国は一切の挑発に対して断固とした対応を取る用意があることを示している。

 フィリピン海軍は、金曜日に黄岩島近くで「主権巡視」と称して実施した実弾訓練を行った。これには、BRPアントニオ・ルナ号を含むフリゲート艦およびBRPラモン・アルカラス号、BRPアンドレス・ボニファシオ号といった巡視艦が参加したと、Naval Newsが報じている。フィリピン海軍は、自国の独自演習が「運用能力を維持し向上させることを目的としている」と声明を出している。

 フィリピンの行動は、挑発の度合いを一層強めているとZhangは述べる。中国は以前から、フィリピンが黄岩島周辺で挑発行動を行って中国の領土主権を侵害することを許さないと繰り返し主張してきた。また、フィリピンが海軍部隊を派遣したことは、今後も海上警備艦だけでなく、軍事部隊も展開する可能性があることを示しているとZhangは指摘する。

 フィリピン軍は、金曜日と土曜日に米国との「海上協力活動」を実施した。これが2023年から開始された合同活動の5回目であり、両国の海上協力と連携を強化することを目的としていると、フィリピンの武装部隊が述べている。

 この動きは、中国とフィリピンが南シナ海での海上対話と実務協力を強化し、主権争いを適切に管理することに合意した第10回双務協議機構(BCM)に続いて行われた。中国の陳暁東副外相とフィリピンのラザロ外務次官が会合を共同議長を務めた。

 フィリピン外相のエンリケ・マナロは、南シナ海での行動規範に関するASEANと中国の協議が進行中であると述べたが、ASEANと中国はその進展を見据えて、法的拘束力を持つような問題を解決する必要があると語っている。

 これらの一連の行動は、フィリピンが挑発的な動きをした後に、改めて道徳的高みを築こうとする姿勢を示している。しかし、実際にはフィリピン自身が対話を妨げる役割を果たしていると、中国南シナ海研究センターの陳香苗所長は指摘する。

 フィリピンの一連の行動は、南シナ海の緊張を冷静にするどころか、むしろその対立を激化させている。Zhangは、フィリピンが黄岩島に近づき、挑発行動を展開するならば、中国からの断固とした対応に直面することになると述べている。中国は、フィリピンが挑発行動をやめ、対話と交渉を通じて紛争を管理することを期待している。

【詳細】

 中国軍は南シナ海において、1月19日から20日にかけて海空合同の戦闘準備パトロールを実施した。このパトロールは、地域の平和と安定を維持するための一環であり、中国人民解放軍(PLA)南部戦区の声明により報告されたものである。この声明は、フィリピン海軍が実施した実弾訓練や、米国との合同海上演習に対する反応として発表されたものである。

 南シナ海での緊張の高まり

 今回の中国の行動は、フィリピン海軍が黄岩島周辺で実施した一連の挑発的な活動に対する明確な反応だといえる。フィリピン海軍は、金曜日に「主権巡視」と称して実施した実弾訓練を行い、BRPアントニオ・ルナ号を含む巡視艦を動員して、実際に軍事的なプレゼンスを強化した。これに対して、中国軍は「南シナ海で問題を引き起こす軍事活動は、我々がコントロールしている」と声明を発表し、フィリピンの挑発行動に対して明確な警告を発した。

 中国の専門家によれば、フィリピンの行動は「挑発の度合いを一層強めている」とのことだ。中国は何度も繰り返し、フィリピンが黄岩島周辺で挑発行動を行って中国の領土主権を侵害することを許さないと主張してきた。今回のような軍事的展開は、明らかに中国の主権を脅かすものと見なされており、PLAはこれに対して毅然とした対応を示す構えだ。

 フィリピンの挑発行動

 さらに、フィリピン軍は米国との「海上協力活動」を実施し、海上連携を強化する一方で、黄岩島周辺での挑発行動を増加させている。フィリピン海軍はBRPアントニオ・ルナ号を中心に実弾訓練を行い、これを「主権巡視」と位置付けて、自国の領海での強力なプレゼンスをアピールした。この動きは、中国の領有権を挑発し、地域での緊張を高めるものとされている。

 中国側の見解と対応

 中国はこのような動きを明確にけん制しており、「南シナ海で問題を引き起こす軍事活動は、我々のコントロール下にある」として、地域での挑発行動に対して断固とした対応をする姿勢を示している。中国の軍事専門家は、フィリピンが黄岩島周辺で軍事行動を展開すれば、今後もその動きに対して、強い反応を示すことになると指摘している。

 フィリピンの行動に対する中国の警告

 中国の専門家であるZhang Junshe氏は、フィリピンの一連の行動が「挑発の度合いを一層強めている」として、その背景にある意図について詳述している。フィリピンが一方的に海軍部隊を派遣し、黄岩島周辺で挑発的な行動を取ることは、中国にとっては主権侵害に他ならず、強い反発を招くと警告している。また、フィリピンは近い将来、軍事的プレゼンスをさらに増強する可能性があると見ており、それに対して中国は引き続き断固とした対応を取ると強調している。

 南シナ海における中国とフィリピンの動向

 中国とフィリピンは、南シナ海における主権問題について、定期的に対話を行っている。最新の例としては、双方が「南シナ海双務協議機構(BCM)」の会議を開催し、対話を深める動きが見られる。しかし、フィリピンの実際の行動が、協議を妨げる形となっており、中国側はこれを「言葉と行動が一致しない」と批判している。

 結論

 中国は、フィリピンの一連の挑発行動に対して、「南シナ海で問題を引き起こす軍事活動は我々がコントロールしている」として、断固とした対応を示すことを明確にしている。このように、南シナ海での中国とフィリピンの対立は一層激化しており、今後も両国の間での対話と緊張緩和が求められる局面となっている。

【要点】
 
 ・中国軍は1月19日から20日にかけて、南シナ海において海空合同の戦闘準備パトロールを実施した。
 ・このパトロールは、地域の平和と安定を維持するために、中国人民解放軍(PLA)南部戦区が発表した声明による。
フィリピン海軍は、黄岩島周辺で実弾訓練を行い、その活動が中国の領土主権を挑発するものとされた。
 ・中国側は「南シナ海で問題を引き起こす軍事活動は我々がコントロールしている」として、フィリピンの挑発行動に強い警告を発した。
 ・中国の専門家は、フィリピンが軍事的プレゼンスを増強し、挑発的な行動を取ることに対して、今後も断固とした対応を取ると強調している。
 ・フィリピン軍は米国との「海上協力活動」を行い、海上連携を強化する一方で、黄岩島周辺で挑発行動を増加させている。
 ・中国とフィリピンは、南シナ海における主権問題について定期的に対話を行っているが、フィリピンの実際の行動が協議を妨げる形となっている。
 ・中国側は、フィリピンの挑発行動に対して「言葉と行動が一致しない」と批判しており、双方の対話を促進することが求められている。

【引用・参照・底本】

Chinese military conducts sea-air combat readiness patrols in South China Sea, 'directly targeting the Philippines' provocative moves' GT 2025.01.20
https://www.globaltimes.cn/page/202501/1327169.shtml

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