「香港は中国の香港であり、香港事情に対する米国の干渉は許されない」 ― 2025年04月26日 20:36
【概要】
2025年4月21日、中国外交部の郭嘉昆報道官は定例記者会見において、米国が中国中央政府の香港駐在機関および香港特別行政区政府の公務員6人に対して制裁を科したことについて言及した。郭報道官は、米国の行為について、「不法かつ一方的に制裁を乱用し、香港に関連する事項および中国の内政に甚だしく干渉したものであり、国際法の原則および国際関係の基本準則に甚だしく違反している」と述べた上で、「中国はこの種の卑劣な行為を強く非難する」と表明した。
さらに郭報道官は、「中華人民共和国反外国制裁法」の関連条項に基づき、中国が香港関連問題において悪質な言動を行ったとされる米国の連邦議会議員、公務員、非政府組織(NGO)の責任者に対して制裁を科す決定を行ったことを明らかにした。そして、米国側に対し「香港は中国の香港であり、香港事情に対する米国の干渉は許されない」と厳正に警告した。あわせて、中国は米国が香港問題に関して行ういかなる誤った行為に対しても断固たる反撃を行い、対等な対抗措置を講じるとの姿勢を表明した。
【詳細】
2025年4月21日、中国外交部の郭嘉昆(かく・かこん)報道官は、定例記者会見において、米国が中国中央政府の香港駐在機関および香港特別行政区政府の公務員6人に対して制裁を科した件について詳細に言及した。郭報道官はまず、今回の米国による制裁措置について、「不法かつ一方的な制裁の乱用」と位置づけた上で、それが「香港に関連する事項および中国の内政に甚だしく干渉するものであり、国際法の原則および国際関係の基本準則に甚だしく違反する行為」であると強く批判した。そして、中国政府としてこのような米国の行為を「卑劣な行為」と断じ、「強く非難する」と明確に表明した。
郭報道官はこれに加えて、中国政府がとる対抗措置についても説明した。具体的には、「中華人民共和国反外国制裁法」に定める関連条項に基づき、米国側の関係者に対して制裁を発動することを決定したとしている。対象となるのは、香港関連問題において「悪質な言動」を行ったとされる米国の連邦議会議員、公務員、および非政府組織(NGO)の責任者であるとした。
さらに郭報道官は、米国側に対して厳正な警告を発した。すなわち、「香港は中国の香港であり、香港の事務に対するいかなる形の干渉も許さない」との立場を明言した上で、今後、米国が香港問題に関していかなる「誤った行為」を行った場合にも、中国側は「断固として反撃し、対等な対抗措置を講じる」意志を有することを強調した。
今回の発言は、中国側が香港問題をめぐる主権問題において一切の妥協を許さない立場を再確認するとともに、米国に対して対抗措置をもって臨む姿勢を改めて明らかにするものである。
【要点】
・2025年4月21日、中国外交部の郭嘉昆報道官は定例記者会見において、米国による制裁措置について発言した。
・米国は、中国中央政府の香港駐在機関および香港特別行政区政府の公務員6人に対して制裁を科した。
・郭報道官は、米国の制裁措置について「不法かつ一方的に制裁を乱用し、香港に関連する事項および中国の内政に甚だしく干渉するものであり、国際法の原則および国際関係の基本準則に甚だしく違反している」と批判した。
・郭報道官は、米国の行為を「卑劣な行為」と断じ、「中国はこれを強く非難する」と明言した。
・中国政府は、「中華人民共和国反外国制裁法」の関連条項に基づき、対抗措置を講じることを決定した。
・制裁対象は、香港関連問題において悪質な言動を行ったとされる米国の連邦議会議員、公務員、および非政府組織(NGO)の責任者である。
・郭報道官は、「香港は中国の香港であり、香港事情に対する米国の干渉は許されない」と厳正に警告した。
・さらに、中国は米国が香港問題に関して行ういかなる誤った行為に対しても、「断固として反撃し、対等な対抗措置を講じる」との方針を示した。
・今回の発言を通じて、中国は香港問題に関する主権の立場を改めて鮮明にし、米国に対して明確な対抗姿勢を表明した。
【桃源寸評】
郭報道官の発言における用語(例:「断固として反撃」「対等な対抗措置」)の意味
・断固として反撃(断固反撃)
この表現は、相手側(今回の場合は米国)の行動に対して、一切の妥協や譲歩をせず、強い意志と明確な行動で応じることを意味する。外交用語において「断固」という言葉は、徹底的かつ非妥協的な対応を強調するものであり、単なる抗議や非難を超えた実際の措置(制裁、報復措置など)を伴う意図を示す。
・対等な対抗措置(対等反制措置)
この表現は、相手が講じた行動(例えば制裁措置)に対して、質と量において均衡を保った同程度の報復措置を講じることを意味する。すなわち、一方的に過剰な報復を行うのではなく、相手の行動に見合った形で、同等の制裁や措置を実施するという立場を示している。「対等」とは、国際関係において自国の主権と尊厳を他国と同じく尊重させるため、相手に劣らない行動を取る姿勢を示す語である。
・卑劣な行為
郭報道官は、米国による制裁行動を「卑劣な行為」と表現している。この語は、手段や方法が正義や公正に反し、品位に欠け、道義的に非難されるべきであるという強い否定的評価を含んでいる。外交声明において「卑劣」という表現を用いる場合、相手の行為が国際的な道義や正当性を著しく損なうものであると位置づける意図がある。
・香港は中国の香港である
この表現は、中国政府が香港に対して完全な主権を有していることを再確認し、いかなる外部勢力の干渉も認めないという立場を強調するものである。ここでの「中国の香港」という言い回しは、「一国二制度」の枠組みの下においても、香港が中国国家の不可分の一部であることを明示する意図を持つ。
・誤った行為
ここでいう「誤った行為」とは、米国が中国の主権を侵害し、内政干渉に該当する行動(制裁措置、声明発表、議会決議など9を指している。この語は、相手の行為が国際法上、また道義的にも正当性を欠いているとする立場から用いられている。
これらの用語はいずれも、単なる修辞的表現ではなく、中国政府が米国に対する強硬な姿勢と具体的な行動方針を内外に示すために慎重に選ばれた言葉である。
【寸評 完】
【参考】
☞ 「中華人民共和国反外国制裁法」(以下、「反外国制裁法」と略す)は、2021年6月10日に中国全国人民代表大会常務委員会において可決・施行された中国国内法である。この法律は、外国によるいわゆる「不当な制裁、干渉、差別的措置」から中国の主権、尊厳、安全、発展利益を守ることを目的として制定された。
反外国制裁法の主な内容は以下のとおりである。
・立法目的
外国が中国国民や組織に対して一方的かつ不当な制裁措置を講じた場合、中国が対抗措置をとる法的根拠を提供することで、国家主権と利益を防衛することを目的とする。
・適用対象
中国国民および組織に対して制裁、差別、干渉を行った外国の個人、組織、またはその直接関係者を対象とする。対象には、外国政府関係者だけでなく、民間の団体や個人も含まれる。
・対抗措置の内容
・対象者に対して、ビザ発給拒否、入国禁止、資産凍結、中国国内での取引禁止などの措置を科すことが可能である。また、対象者の家族や関連組織にも制裁を拡大適用することができる。
・責任追及の方法
制裁対象となった者に対して、中国国内において法的責任を追及できると定めている。必要に応じて民事訴訟の提起が可能である。
・政府部門の役割
中国国務院(中央政府)が反外国制裁措置の決定、執行、調整を行う権限を有している。
・その他の規定
いかなる組織や個人も、中国による反外国制裁措置を妨害してはならないことが定められており、違反者には別途責任を問う可能性がある。
本法の背景には、米国や欧州連合(EU)などによる新疆ウイグル自治区、香港問題、台湾問題をめぐる対中制裁への対抗という文脈が存在する。郭嘉昆報道官が今回の米国に対する制裁決定においてこの法律を根拠としたのは、中国の主権と香港問題に関する内政権限を強調するとともに、外国による干渉に対して国内法に基づく反撃措置を制度的に裏付けるためである。
【参考はブログ作成者が付記】
【引用・参照・底本】
中国が香港関連問題で言動悪質な米国の関係者を制裁 人民網日本語版 2025.04.22
http://j.people.com.cn/n3/2025/0422/c94474-20305364.html
2025年4月21日、中国外交部の郭嘉昆報道官は定例記者会見において、米国が中国中央政府の香港駐在機関および香港特別行政区政府の公務員6人に対して制裁を科したことについて言及した。郭報道官は、米国の行為について、「不法かつ一方的に制裁を乱用し、香港に関連する事項および中国の内政に甚だしく干渉したものであり、国際法の原則および国際関係の基本準則に甚だしく違反している」と述べた上で、「中国はこの種の卑劣な行為を強く非難する」と表明した。
さらに郭報道官は、「中華人民共和国反外国制裁法」の関連条項に基づき、中国が香港関連問題において悪質な言動を行ったとされる米国の連邦議会議員、公務員、非政府組織(NGO)の責任者に対して制裁を科す決定を行ったことを明らかにした。そして、米国側に対し「香港は中国の香港であり、香港事情に対する米国の干渉は許されない」と厳正に警告した。あわせて、中国は米国が香港問題に関して行ういかなる誤った行為に対しても断固たる反撃を行い、対等な対抗措置を講じるとの姿勢を表明した。
【詳細】
2025年4月21日、中国外交部の郭嘉昆(かく・かこん)報道官は、定例記者会見において、米国が中国中央政府の香港駐在機関および香港特別行政区政府の公務員6人に対して制裁を科した件について詳細に言及した。郭報道官はまず、今回の米国による制裁措置について、「不法かつ一方的な制裁の乱用」と位置づけた上で、それが「香港に関連する事項および中国の内政に甚だしく干渉するものであり、国際法の原則および国際関係の基本準則に甚だしく違反する行為」であると強く批判した。そして、中国政府としてこのような米国の行為を「卑劣な行為」と断じ、「強く非難する」と明確に表明した。
郭報道官はこれに加えて、中国政府がとる対抗措置についても説明した。具体的には、「中華人民共和国反外国制裁法」に定める関連条項に基づき、米国側の関係者に対して制裁を発動することを決定したとしている。対象となるのは、香港関連問題において「悪質な言動」を行ったとされる米国の連邦議会議員、公務員、および非政府組織(NGO)の責任者であるとした。
さらに郭報道官は、米国側に対して厳正な警告を発した。すなわち、「香港は中国の香港であり、香港の事務に対するいかなる形の干渉も許さない」との立場を明言した上で、今後、米国が香港問題に関していかなる「誤った行為」を行った場合にも、中国側は「断固として反撃し、対等な対抗措置を講じる」意志を有することを強調した。
今回の発言は、中国側が香港問題をめぐる主権問題において一切の妥協を許さない立場を再確認するとともに、米国に対して対抗措置をもって臨む姿勢を改めて明らかにするものである。
【要点】
・2025年4月21日、中国外交部の郭嘉昆報道官は定例記者会見において、米国による制裁措置について発言した。
・米国は、中国中央政府の香港駐在機関および香港特別行政区政府の公務員6人に対して制裁を科した。
・郭報道官は、米国の制裁措置について「不法かつ一方的に制裁を乱用し、香港に関連する事項および中国の内政に甚だしく干渉するものであり、国際法の原則および国際関係の基本準則に甚だしく違反している」と批判した。
・郭報道官は、米国の行為を「卑劣な行為」と断じ、「中国はこれを強く非難する」と明言した。
・中国政府は、「中華人民共和国反外国制裁法」の関連条項に基づき、対抗措置を講じることを決定した。
・制裁対象は、香港関連問題において悪質な言動を行ったとされる米国の連邦議会議員、公務員、および非政府組織(NGO)の責任者である。
・郭報道官は、「香港は中国の香港であり、香港事情に対する米国の干渉は許されない」と厳正に警告した。
・さらに、中国は米国が香港問題に関して行ういかなる誤った行為に対しても、「断固として反撃し、対等な対抗措置を講じる」との方針を示した。
・今回の発言を通じて、中国は香港問題に関する主権の立場を改めて鮮明にし、米国に対して明確な対抗姿勢を表明した。
【桃源寸評】
郭報道官の発言における用語(例:「断固として反撃」「対等な対抗措置」)の意味
・断固として反撃(断固反撃)
この表現は、相手側(今回の場合は米国)の行動に対して、一切の妥協や譲歩をせず、強い意志と明確な行動で応じることを意味する。外交用語において「断固」という言葉は、徹底的かつ非妥協的な対応を強調するものであり、単なる抗議や非難を超えた実際の措置(制裁、報復措置など)を伴う意図を示す。
・対等な対抗措置(対等反制措置)
この表現は、相手が講じた行動(例えば制裁措置)に対して、質と量において均衡を保った同程度の報復措置を講じることを意味する。すなわち、一方的に過剰な報復を行うのではなく、相手の行動に見合った形で、同等の制裁や措置を実施するという立場を示している。「対等」とは、国際関係において自国の主権と尊厳を他国と同じく尊重させるため、相手に劣らない行動を取る姿勢を示す語である。
・卑劣な行為
郭報道官は、米国による制裁行動を「卑劣な行為」と表現している。この語は、手段や方法が正義や公正に反し、品位に欠け、道義的に非難されるべきであるという強い否定的評価を含んでいる。外交声明において「卑劣」という表現を用いる場合、相手の行為が国際的な道義や正当性を著しく損なうものであると位置づける意図がある。
・香港は中国の香港である
この表現は、中国政府が香港に対して完全な主権を有していることを再確認し、いかなる外部勢力の干渉も認めないという立場を強調するものである。ここでの「中国の香港」という言い回しは、「一国二制度」の枠組みの下においても、香港が中国国家の不可分の一部であることを明示する意図を持つ。
・誤った行為
ここでいう「誤った行為」とは、米国が中国の主権を侵害し、内政干渉に該当する行動(制裁措置、声明発表、議会決議など9を指している。この語は、相手の行為が国際法上、また道義的にも正当性を欠いているとする立場から用いられている。
これらの用語はいずれも、単なる修辞的表現ではなく、中国政府が米国に対する強硬な姿勢と具体的な行動方針を内外に示すために慎重に選ばれた言葉である。
【寸評 完】
【参考】
☞ 「中華人民共和国反外国制裁法」(以下、「反外国制裁法」と略す)は、2021年6月10日に中国全国人民代表大会常務委員会において可決・施行された中国国内法である。この法律は、外国によるいわゆる「不当な制裁、干渉、差別的措置」から中国の主権、尊厳、安全、発展利益を守ることを目的として制定された。
反外国制裁法の主な内容は以下のとおりである。
・立法目的
外国が中国国民や組織に対して一方的かつ不当な制裁措置を講じた場合、中国が対抗措置をとる法的根拠を提供することで、国家主権と利益を防衛することを目的とする。
・適用対象
中国国民および組織に対して制裁、差別、干渉を行った外国の個人、組織、またはその直接関係者を対象とする。対象には、外国政府関係者だけでなく、民間の団体や個人も含まれる。
・対抗措置の内容
・対象者に対して、ビザ発給拒否、入国禁止、資産凍結、中国国内での取引禁止などの措置を科すことが可能である。また、対象者の家族や関連組織にも制裁を拡大適用することができる。
・責任追及の方法
制裁対象となった者に対して、中国国内において法的責任を追及できると定めている。必要に応じて民事訴訟の提起が可能である。
・政府部門の役割
中国国務院(中央政府)が反外国制裁措置の決定、執行、調整を行う権限を有している。
・その他の規定
いかなる組織や個人も、中国による反外国制裁措置を妨害してはならないことが定められており、違反者には別途責任を問う可能性がある。
本法の背景には、米国や欧州連合(EU)などによる新疆ウイグル自治区、香港問題、台湾問題をめぐる対中制裁への対抗という文脈が存在する。郭嘉昆報道官が今回の米国に対する制裁決定においてこの法律を根拠としたのは、中国の主権と香港問題に関する内政権限を強調するとともに、外国による干渉に対して国内法に基づく反撃措置を制度的に裏付けるためである。
【参考はブログ作成者が付記】
【引用・参照・底本】
中国が香港関連問題で言動悪質な米国の関係者を制裁 人民網日本語版 2025.04.22
http://j.people.com.cn/n3/2025/0422/c94474-20305364.html