選挙公報に関する国会質問主意書・答弁2023年01月13日 17:22

雅邦集
第189回国会
質問本文情報

平成二十七年五月十四日提出
質問第二三〇号

選管ホームページに選挙公報を継続して掲載することに関する質問主意書
                  提出者  初鹿明博
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選管ホームページに選挙公報を継続して掲載することに関する質問主意書

 二〇一一年、当時の片山総務大臣が「ホームページに選挙公報として掲載することは法的には可能だと思います」という国会答弁をしましたことが契機となり、総務省が、全国の選管に対して、選管ホームページに選挙公報をウェブ掲載することを認める通知を出しました。
 この通知を受けて、選挙公報のウェブ掲載が全国で始まり、選挙期間中、有権者は選挙公報を選管のホームページ上で見ることが出来るようになり、利便性が高まりました。
 しかしながら、ほとんどの自治体の選管は選挙が終わると選挙公報をホームページに掲載することをやめてしまっていて、各議員が選挙時にどのような公約を掲げていたのか、そして、その公約を履行しているかどうかを、有権者が任期の途中で確認することが出来なくなっています。
 このような対応がされている理由は、総務省が「掲載期間は投票日当日までとすることが適当である」と通知に記載していることによるのです。
 ウェブ掲載を投票日当日までとする理由として、公職選挙法第百七十条において、選挙公報は、選挙の期日前二日までに配布することとされている一方で、選挙公報の選挙管理委員会ホームページへの掲載については、同法第六条の規定に基づき、有権者に対する啓発、周知活動の一環として行うものであることから、掲載する期日について特段の制限はないが、選挙運動用ポスターについては同法第百七十八条の二の規定において「選挙の期日後速やかに撤去しなければならない」とされており、選挙公報についても選挙運動用ポスターに準じた取り扱いとすることが望ましいからとしています。
 しかし、上述した通り、選挙公報は各候補者の公約が記されており、後日、それが履行されているかどうかを確認するための数少ない材料となるものであるので、顔写真しかないポスターと同列に扱うべきものではないと考えます。
 また、各選管が選挙が実施されるごとに発行している「過去の選挙の記録」という冊子には、「過去の選挙結果のデータの一つ」という位置付けで、選挙公報が掲載されていることが多い実情があります。
 冊子で行われていることがホームページ上ではダメだという合理的な理由はございません。
 つきましては、各議員が公約を実現出来ているかどうか確認できるように、少なくとも次の選挙までの間、選管のホームページで掲載し続けることが基本となるように、選挙公報のウェブ掲載を投票日当日までとすることが適当だとする通知を見直すべきだと考えますが、ご所見を伺います。
 右質問する。

答弁本文情報

平成二十七年五月二十二日受領
答弁第二三〇号

  内閣衆質一八九第二三〇号
  平成二十七年五月二十二日
                 内閣総理大臣 安倍晋三

     衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員初鹿明博君提出選管ホームページに選挙公報を継続して掲載することに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

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衆議院議員初鹿明博君提出選管ホームページに選挙公報を継続して掲載することに関する質問に対する答弁書

 選挙公報の選挙管理委員会のホームページへの掲載については、選挙公報が掲載順序をくじで定める等全ての候補者等に対して平等公正な取扱いとすることを確保する仕組みの下に発行されるものであることに鑑み、当該ホームページにアクセスした時には選挙公報がページ単位で、又は全体を一括した形で画面に表示される設定とする等、候補者等を平等に取り扱い、選挙の公正を害さない形式で行われるものであれば、有権者に対する啓発、周知活動の一環として行うことは可能であると解され、また、その場合の掲載期間については、選挙運動用ポスターの取扱いに準じて投票日当日までとすることが適当であると解されたことから、「選挙公報の選挙管理委員会ホームページへの掲載に関する質疑応答集について」(平成二十四年三月二十九日付け総行選第八号総務省自治行政局選挙部選挙課長通知)により、その旨を各都道府県選挙管理委員会に通知するとともに、各市区町村選挙管理委員会への周知を依頼したところである。
 一方、特定の選挙の啓発、周知活動の一環として行うものではなく、御指摘のように過去の選挙に関する記録として、投票日の翌日以降、選挙公報を選挙管理委員会の記録用のホームページに掲載することについては、次回以降の選挙に係る選挙公報と混同されたり、選挙の公正を害するおそれのない形式で行われるものである限り、差し支えないものと考える。

質問本文情報

平成二十七年六月一日提出
質問第二五〇号

各選挙管理委員会及び総務省のホームページに選挙公報を投票日の翌日以降も継続掲載することに関する質問主意書
提出者  本村賢太郎
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各選挙管理委員会及び総務省のホームページに選挙公報を投票日の翌日以降も継続掲載することに関する質問主意書


 平成二十七年五月十四日提出質問第二三〇号「衆議院議員初鹿明博君提出選管ホームページに選挙公報を継続して掲載することに関する質問に対する答弁書」の中で、「過去の選挙に関する記録として、投票日の翌日以降、選挙公報を選挙管理委員会の記録用のホームページに掲載することについて(中略)差し支えないものと考える。」とある。選挙に関する記録を、国民に、法律で認められる方法を用いて広く伝えていくことは重要だと考える。
 したがって、次の事項について質問する。

一 選挙公報の各選挙管理委員会のホームページへの掲載は、選挙期間中及び投票日当日までは可能と解された後、総務省より各都道府県選挙管理委員会に対して、「選挙公報の選挙管理委員会ホームページへの掲載に関する質疑応答集について」(平成二十四年三月二十九日付け総行選第八号総務省自治行政局選挙部選挙課長通知)にて周知され、同時に各市区町村選挙管理委員会への周知が依頼された。今回政府が示した、投票日の翌日以降も選挙公報については過去の選挙に関する記録として、各選挙管理委員会のホームページに掲載することが可能であることについても、改めて各選挙管理委員会に通知が必要であると考える。政府の見解を問いたい。

二 総務省ホームページにおいても、各選挙管理委員会と同様に、投票日以降も継続して選挙公報の掲載をすることが適当だと考える。政府の見解を問いたい。
 右質問する。

答弁本文情報

平成二十七年六月九日受領
答弁第二五〇号

  内閣衆質一八九第二五〇号
  平成二十七年六月九日
内閣総理大臣臨時代理
国務大臣 麻生太郎

      衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員本村賢太郎君提出各選挙管理委員会及び総務省のホームページに選挙公報を投票日の翌日以降も継続掲載することに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

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衆議院議員本村賢太郎君提出各選挙管理委員会及び総務省のホームページに選挙公報を投票日の翌日以降も継続掲載することに関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、平成二十七年五月二十二日に「選挙公報の選挙管理委員会ホームページへの掲載について」(総務省自治行政局選挙部選挙課事務連絡)を発出し、都道府県及び市区町村の選挙管理委員会に周知しているところである。

二について

 各選挙の啓発、周知活動の一環として行われる選挙公報のホームページへの掲載は、国政選挙については全国統一的に、地方選挙については当該選挙を管理する選挙管理委員会の判断により、それぞれ、当該選挙における選挙公報の発行主体である都道府県又は市区町村の選挙管理委員会のホームページにおいて行われているところである。したがって、過去の選挙の記録としての選挙公報のホームページへの掲載についても、当該選挙管理委員会のホームページにおいて行われることが適当であると考えており、総務省のホームページへの掲載は考えていない。

質問本文情報

平成二十七年九月七日提出
質問第四〇九号

無投票選挙における選挙公報の取り扱いに関する質問主意書
                 提出者  本村賢太郎
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無投票選挙における選挙公報の取り扱いに関する質問主意書

 二〇一五年四月に行われた第十八回統一地方選挙に於いて、無投票での当選者数は総務省の記録が残る第三回統一地方選挙(一九五五年)以降で最も高くなり、市議選で三.五八%(二百九十五選挙区)、四十一の道府県議選で三十三.四%(三百二十一選挙区)が無投票当選となったとの新聞報道がされている。
 この無投票当選における選挙公報の取り扱いについては、公職選挙法第百七十一条により、「第百条第一項から第四項までの規定に該当し投票を行うことを必要としなくなったとき又は天災その他避けることのできない事故その他特別の事情があるときは、選挙公報発行の手続は、中止する」と定められており、この条文に基づいて、選挙公報の発行手続きが中止されている。
 しかしながら、選挙公報が発行されないことにより、無投票で当選した議員たちが選挙時にどのような公約を掲げようとしていたのか、そして、その公約を履行しているかどうか等を有権者が確認することが困難になっている。これは民主主義の根幹である選挙において、有権者の知る権利と有権者に思いを伝えたいと考えて選挙公報を製作した立候補者の両者を蔑ろにしていると考えられる。
 公職選挙法第百七十一条により選挙公報の発行手続きが中止されることは承知しているが、一方で、無投票選挙において候補者が選挙管理委員会に提出した選挙公報の原文の取り扱いについては公職選挙法上に明記されていない。
 現状に於いては無投票選挙において候補者が選挙管理委員会に提出した選挙公報の原文について市民がその写しを行政文書公開により請求すること及びそうして得た選挙公報を市民が独自にウェブサイト等に掲載することは総務省の見解としても可能であり、又、前例もある。
 これらを踏まえ、以下質問する。

一 無投票選挙において立候補者が選挙管理委員会に提出した選挙公報の原文について、現在のような市民の自主性に委ねた受身の立場ではなく、有権者に対する行政機関の説明義務として、又、過去の選挙に関わる参考データとして積極的に各選挙管理委員会のウェブサイトに掲載することが望ましいと考えるが、政府の見解は。
 右質問する。

答弁本文情報

平成二十七年九月十五日受領
答弁第四〇九号

                内閣衆質一八九第四〇九号
                平成二十七年九月十五日
                内閣総理大臣 安倍晋三

     衆議院議長 大島理森 殿

衆議院議員本村賢太郎君提出無投票選挙における選挙公報の取り扱いに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

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衆議院議員本村賢太郎君提出無投票選挙における選挙公報の取り扱いに関する質問に対する答弁書

一について

 選挙公報は、候補者等の政見等を選挙人に周知し、当該選挙公報が発行される選挙において選挙人が投票するに当たっての判断の材料を提供するために発行されるものであって、選挙が無投票となった場合には、公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第百六十七条第一項又は第二項の規定に基づき発行される衆議院議員、参議院議員又は都道府県知事の選挙の選挙公報は、同法第百七十一条の規定により、その発行の手続を中止するものとされている。また、その他の選挙において同法第百七十二条の二の規定により選挙公報を発行する場合も、同法第百七十一条を含む同法の関係規定に準じて、条例で定めるところにより発行するものとされている。

 選挙が無投票となった場合に、候補者等が提出した選挙公報の掲載文を選挙管理委員会のホームページに掲載することについては、右に述べた選挙公報の発行の目的に照らせば、その必要があるとは考えていない。

引用・参照・底本

衆議院HP