潮流は西側脱却である2023年09月06日 09:42

日本風俗図絵 第1輯(国立国会図書館デジタルコレクション)
 欧州連合(EU)とG20(註1)サミットにおけるアフリカ連合(AU)(註2)との動向を述べている。

 EUとG20のアフリカ連合(AU)の永続的なメンバーシップ支持

欧州連合(EU)は、ロシアのプーチン大統領と中国の習近平国家主席がG20サミットに参加しないことを受けて、アフリカ連合(AU)のG20への永続的なメンバーシップを支持する意向を持っている。

 アフリカとのパートナーシップ強化

 EUは、アフリカとのパートナーシップを強化し、その歴史的な植民地主義の問題にもかかわらず、その関係を再定義しようとしている。

 ミニ・サミットの開催

 EUはG20サミットの際にAUとの「ミニ・サミット」を開催する予定で、EUの指導者やアフリカの指導者が参加する予定である。EUからはウルズラ・フォン・デア・ライエン(欧州委員会委員長)、チャールズ・ミシェル(欧州評議会議長)、オラフ・ショルツ(ドイツ首相)が参加する予定だ。

 永続的なメンバーシップへの支持

 EUはAUのG20への永続的なメンバーシップを支持し、AUを「招待された国際機関」という現在の地位からG20内でEUと同等の地位に置こうとしている。これにより、アフリカが大陸に影響を及ぼす国際機関の意思決定においてより強力な発言力を持つことを意図している。

 ロシアの関与

 ロシアもAUのG20メンバーシップを支持しており、外相セルゲイ・ラブロフはそれが近く実現し、「積極的な支持」を示している。

 議題

 ニューデリーでの「ミニ・サミット」では、ウクライナの紛争が世界食料安全保障に及ぼす影響、国際金融構造の改革、アフリカへの投資環境の改善、サヘル地域の状況などが議論される予定である。

 ロシアと中国のアフリカとの関係

 ロシアと中国は最近、アフリカとの外交的および経済的な関係を強化している。BRICSサミットでは、エジプトとエチオピアを含む6つの新しい加盟国が2024年から正式に参加することが合意された。また、サンクトペテルブルクでのロシア・アフリカサミットでは、セキュリティ問題、食料安全保障、情報技術、気候変動などを含むさまざまな分野での協力が合意された。

【要点】

欧州連合(EU)は、ニューデリーで開催されるアフリカ連合(AU)の次回首脳会議でG20の常任理事国入りを目指すアフリカ連合(AU)の提案を支持する予定である。 EUは、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領と中国の習近平国家主席がサミットに欠席する「この機会を捉えて」、アフリカとのパートナーシップの再定義に真剣であることを示そうとしていると伝えられている。

EUとAUは、2日間の会合の初日となる9月9日にG20サミットに合わせて「ミニサミット」を開催する予定だ。 会合にはEUのウルズラ・フォン・デア・ライエン、シャルル・ミシェル、オラフ・ショルツの各首脳に加え、AUの南アフリカのシリル・ラマポーザ、エジプトのアブデル・ファッタ・エル・シシ、ナイジェリアのムハマドゥ・ブハリ、コモロのアザリ・アスーマニも出席する。

ミニサミットの主な目的は、G20の常任理事国入りを目指すAUの動きを支持することだ。常任理事国になれば、AUはG20内でEUと同レベルの代表権を獲得し、大陸に影響を与える国際機関の決定においてアフリカに強い発言力を与えることになる。

ロシアもAUがG20のメンバーになることに関心を持っており、セルゲイ・ラブロフ外相はロシアの「積極的な支援」により間もなくそうなると述べた。

ミニサミットで議論される他の問題には、世界の食糧安全保障に対するウクライナ紛争の影響、世界の金融構造の改革、アフリカへの投資条件の改善、サヘル地域の状況などが含まれる。

G20の常任理事国入りを目指すAUの動きを支持するEUの動きは、アフリカとの関係を強化し、アフリカ大陸で増大するロシアと中国の影響力に対抗する手段とみられている。

AUのG20常任理事国入りを支持するEUの動きは、アフリカとの関係を深めるというEUの決意の表れとみられている。EUはアフリカ最大の貿易相手国であり、両大陸は平和、安全保障、持続可能な開発を促進するという共通の利益を持っている。

ニューデリーでのミニサミットは、EUとAUにとって協力を強化し、大陸が直面する課題に協力して取り組む重要な機会となる。

ニューデリーでのミニサミットは、EUがアフリカに新たな焦点を当てていることを示す最新の兆候である。EUは3月、貿易と投資の促進、良好な統治の促進、移民の根本原因への対処を目的としたアフリカに対する新たな戦略を発表した。EUはテロや過激主義の脅威に対抗するため、アフリカ諸国との安全保障協力の強化にも取り組んでいる。

アフリカへの関与を目指すEUの取り組みは、さまざまな反応を示す可能性が高い。 一部のアフリカ諸国はEUがアフリカ大陸に再び注力することを歓迎するかもしれないが、他の国々はEUの動機に警戒しているかもしれない。しかし、EUのG20常任理事国獲得への立候補を支持するというEUの決定は、アフリカとEUの関係の将来に大きな影響を与える可能性が高い重要な進展である。

【桃源寸評】

 西側は常に<口に蜜あり腹に剣あり>であると、気を付けるべきだ。相手との同等性というより、支配・傀儡作り・利用・自益・他国との争いのツール等が主たる動機である。

 故に第二次世界大戦後、多くの植民地が独立を宣言し、新興国家として独立を取り戻しましたが、これらの国々が依然として経済的に、政治的に、文化的に、あるいは外交的に旧植民地支配国に依存している状況である。つまり、新興国家は形式的には独立しているものの、依然として外部の支配や影響を受けている。
 これらの頸木を外すには特にヨーロッパとは間隔を置く必要がある。最近のガボン・ニジェールでのようなクーデターが、或る意味では国民を念頭に置いた場合には、必要とされる場合もあるだろう。

 しかし、西側は狡猾である、彼の手此の手で執拗に攻めてくる。
 兎に角、一旦国内に引き入れたら、根が生えてしまい、自国の養分を吸い取られることになる。甘言につられることの無きよう注意すべきである。
 <用心は勇気の大半なり>である。

 時代はG7(1975年)→G20(1999年)→BRICS(2001年)へと潮流を遷移させている。つまり、西側を取り除く流れである。

 西側は妖怪<子泣き爺>のようである。

(註1)
G20(Group of Twenty)の主唱国は、当初設立された際にカナダとアメリカ合衆国によって提唱された。彼らはG20のアイデアを最初に提案し、その後の発展と拡大に貢献した。カナダとアメリカ合衆国は、G20が国際経済政策の協調と協力を促進する重要な役割を果たしている。G20は、1999年に設立され、以来、世界経済の主要なプレイヤーが協力し、経済政策に関する対話と合意形成を行うためのフォーラムとして成長した。

G20は、世界の主要な経済大国および新興国が参加する国際経済フォーラムである
。G20は、世界経済の安定性と持続可能な成長を促進し、国際経済政策の協調を推進するために設立された。

メンバーシップ: G20のメンバーは、世界経済の主要なプレイヤーである20の国と地域で構成されている。これには、米国、中国、ロシア、日本、ドイツ、イギリス、フランス、カナダ、イタリア、ブラジル、オーストラリア、インド、韓国、トルコ、サウジアラビア、南アフリカ、アルゼンチン、メキシコ、インドネシア、EU(欧州連合)が含まれている。

役割と目的: G20は、世界経済の課題に対処し、経済政策の調整と国際金融制度の改革を通じて世界の経済的な安定性を維持することを目的としている。主な焦点は、金融危機の予防、貿易、投資、気候変動、貧困削減、インフラ整備などの経済問題である。

首脳会議: G20は年次首脳会議を開催し、各国の首脳が集まって議論を行います。これらの会議では、世界経済の状況についての対話や合意形成が行われる。また、特定の問題に焦点を当てたサミットやワーキンググループも設立されることがある。

決議と合意: G20は共同声明や合意文書を採択し、異なる国々の経済政策の調整を試みる。これらの合意は、世界経済に対する影響力を持つため、国際的な経済政策の方向性を示す重要な文書となる。

国際機関との連携: G20は国際通貨基金(IMF)、世界銀行、国際労働機関(ILO)などの国際機関と協力し、国際経済政策の調整や改革を推進する。

主要な課題: G20は様々な課題に取り組んでおり、金融危機、貿易摩擦の解決、気候変動対策、貧困削減、国際安全保障など、多岐にわたる問題に焦点を当てている。

G20は国際的な経済協力の重要なプラットフォームであり、世界経済の安定性と成長に寄与することを目指している。各国の経済政策の協調と連携が、グローバルな課題に対処するために不可欠な要素となっている。

(註2)
アフリカ連合(African Union、AU)は、アフリカ大陸の国々が協力し、共同で取り組むための国際的な組織である。

設立と前身: アフリカ連合は、2001年に設立されたが、その前身は1963年に設立されたアフリカ統一機構(Organization of African Unity、OAU)である。OAUはアフリカ諸国が植民地支配(註3)から独立した後、アフリカの団結と共同行動を促進するために設立された。その後、OAUはAUに進化し、より包括的な目標と役割を持つようになった。

本部: アフリカ連合の本部はエチオピアの首都、アディスアベバにある。ここにはAU委員会と呼ばれる組織が置かれ、AUの日常的な活動と政策決定が行われる。

メンバーシップ: アフリカ連合には現在、55のアフリカ諸国が加盟している。これにより、アフリカ大陸のほぼすべての国が組織に参加しており、アフリカ全体の代表性を持つ国際的な組織となっている。

目標と役割: アフリカ連合の主な目標は、アフリカ諸国の経済的、政治的、社会的な発展を促進し、アフリカ全体の平和と安定性を維持することである。AUは紛争の解決、民主的なガバナンスの促進、人権の保護、貧困削減、経済統合など、幅広い分野で活動している。

組織と機関: アフリカ連合には、AU委員会、平和と安全保障評議会、経済社会文化評議会、パートナーシップと協力評議会などの重要な組織と機関が存在する。これらの組織は、異なる分野での政策策定と実施に貢献している。

国際的な役割: アフリカ連合は、アフリカ諸国の代表として国際舞台で発言力を持ち、国際的な問題に関与している。また、紛争の仲裁、平和維持活動、国際連合との協力など、国際的な平和と安全保障にも取り組んでいる。

アフリカ連合は、アフリカ大陸全体の発展と安定性のために重要な役割を果たしており、アフリカ諸国の協力と連帯を促進するための重要な組織として存在している。

(註3)
新植民地(Neo-colonialism)は、歴史的な植民地主義の形態であり、かつての植民地支配が形態を変えて続いている現象を指す。

植民地主義の背景: 新植民地主義は、かつての植民地主義の時代に遡る。植民地主義は、ヨーロッパ列強(イギリス、フランス、スペイン、ポルトガルなど)が、19世紀から20世紀初頭にかけて、アフリカ、アジア、アメリカなどの地域を支配し、資源や労働力を搾取した。

独立と新植民地主義の出現: 第二次世界大戦後、多くの植民地が独立を宣言し、新興国家として独立を取り戻した。しかし、新植民地主義の概念は、これらの国々が依然として経済的に、政治的に、文化的に、あるいは外交的に旧植民地支配国に依存していると主張する。つまり、新興国家は形式的には独立しているものの、依然として外部の支配や影響を受けているという見方である。

経済的依存: 新植民地主義では、新興国が外国の企業や国際金融機関によって経済的に依存しているという点が強調される。これは、外国企業による資源の採掘や農業の支配、国際金融制度における債務問題など、経済的な支配と依存の形態を指している。

政治的影響: 新植民地主義は、政治的な圧力や外交的な干渉を通じて、新興国家の政策やリーダーシップに影響を及ぼすことを含む。外国の政府や国際機関が新興国の内政に介入し、自国の利益を追求することがある。

文化的依存: 文化的な新植民地主義は、外国の文化や価値観が新興国で広まり、現地の文化やアイデンティティに影響を与える現象を指す。これは、国際メディアや大手企業が新興国での文化的な影響力を持つことに関連している。

新植民地主義は、国際的な不平等や経済的な依存関係を強調し、自己決定権や独立を持つ国々が依然として外部の圧力にさらされているという問題を提起する。この概念は、発展途上国の政治、経済、文化に関する議論で頻繁に取り上げられる。

引用・参照・底本

「EU plans to take advantage of Xi, Putin absence at G20 summit – Bloomberg」 RT 2023.09.05

インドは、植民地主義を打破する2023年09月06日 13:00

日本風俗図絵 第1輯(国立国会図書館デジタルコレクション)
 インドがG20サミットを通じて植民地主義に立ち向かうという目標に焦点を当てている。記事の筆者であるM. K. Bhadrakumarは、退役したインドの外交官で、ロシア、韓国、スリランカ、西ドイツ、パキスタン、アフガニスタン、ウズベキスタンで勤務し、最終的にはトルコのインド大使として引退した。

 ロシアのプーチン大統領がデリーで行われるG20サミットに出席しないことについて言及し、これは現在のロシアとインドの関係のペースを反映したものではないと主張している。プーチン大統領とインドのモディ首相の会話からは、両国間の友好的なトーンがうかがえ、モスクワとニューデリーからの報告書がそれを裏付けている。

 BRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)という経済グループの重要性を強調し、BRICSサミットでのモディ首相の発言を引用している。モディ首相はBRICSの拡大を支持し、それが多極的な世界秩序における多くの国々の信頼を強化し、他の20世紀に設立された国際機関の改革の手本となる可能性があると述べた。また、BRICSは国際連合安全保障理事会の改革を支持し、発展途上国の代表権を拡大することを明言した。

 G20サミットがG7+(先進国)とBRICS+(新興国)を代表する組織に変化し、インドがグローバルサウスを中心に据えた特異な状況で行われることを指摘している。インドの外交大臣であるS Jaishankarは、グローバルサウスの役割について強調し、国際システムが依然としてグローバルノースに支配されていると述べた。そして、グローバルサウスの人々を取り残さないようにする必要があると強調した。

 西洋諸国のG20サミットでの困難さを指摘し、ニジェールで進行中の危機に焦点を当てている。フランスのマクロン大統領は、ニジェールに対する外部の軍事介入を支持し、フランス軍が国を去ることはないと明言している。そして、アメリカが介入を主導する可能性に触れている。

 インドがニジェールに注目すべきだと主張し、グローバリゼーションの不満を都会的な視点で捉えることなく、植民地主義の残虐さを理解し、実用的な決定を下すべきだと指摘している。そして、BRICSが取り組んでいるように、グローバルサウスの根本的な問題、すなわち植民地主義と新植民地主義の歴史に対処する必要があると主張している。

 フランスとアメリカによるニジェールへの介入が幸福な結末を迎えることはないと警告し、アフリカが次の成長エリアとして有望な兆候を示している重要な時期に、グローバルサウスを紛争の道に引きずり込む可能性があると述べている。モディ首相にとって、バイデン大統領とマクロン大統領が平和の時代であることを説得する機会であると指摘している。

【要点】

デリーで予定されているG20サミットに対するインドのアプローチについて論じている。 著者は、インドにはサミットを利用してグローバル・ノースの支配に挑戦し、グローバル・サウスの利益を促進する機会があると主張する。

まず、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がサミットに出席しないことを指摘する。これは、ウクライナで進行中の戦争により、ロシアと西側諸国との関係が緊張したためである。しかし、これはロシアとインドの関係が困難であることを意味するものではないと著者は主張する。プーチン大統領とインドのナレンドラ・モディ首相が最近会談し、両国の二国間経済関係に焦点が当てられたと指摘した。

次に、8月下旬にヨハネスブルグで開催されたBRICS首脳会議に目を向ける。サミットでインドは、アルゼンチン、インドネシア、エジプトを含むBRICSの拡大を支持した。インドがより包括的な世界秩序の構築に取り組んでいることを示すものであり、これは重要な進展であると主張する。

国連安全保障理事会改革の問題について論じる。インドが安全保障理事会がグローバル・サウスをより代表するものとなるよう、安全保障理事会の改革を長年求めてきたと指摘する。BRICS諸国が安全保障理事会改革へのコミットメントを再確認したため、BRICS首脳会議は正しい方向への一歩だったと主張する。

来たるG20サミットに目を向けます。インドはグローバル・サウスの利益を促進するためにサミットを活用すべきだと主張している。インドがグローバル・サウスへの軍事介入の停止を呼びかけ、国連安全保障理事会などの世界機関の改革を支援することでこれを実現できると示唆している。

インドにはG20サミットを利用してグローバル・ノースの支配に挑戦し、グローバル・サウスの利益を促進するまたとない機会があると主張している。インドはこの機会を捉えて世界に真の変化をもたらすべきだと主張する。

加えて、インドは気候変動問題を議論するためにG20サミットを利用する可能性が高いことも付け加えておきたい。インドは気候変動に対して最も脆弱な国の一つであり、温室効果ガス排出削減に向けた野心的な取り組みを他国に求める可能性が高い。

ニジェールの現状を考えるとタイムリーでもある。インドがG20サミットをどのように利用して議題を進めるかを見るのは興味深いことだろう。

今後のG20サミットに対するインドのアプローチについての良い概要を提供している。インドがサミットを利用してグローバル・サウスの利益を促進し、グローバル・ノースの支配に挑戦することにコミットしていることは明らかである。インドがサミットでどうなるか、そして世界に真の変化をもたらすことができるかどうかを見るのは興味深いことになるだろう。

【桃源寸評】

 バイデンとマクロン両大統領が平和を訴えれば好きことであるが、どうやら実態はフランスのニジェールでの居座りであり、米国の軍事介入の恐れがある。

 Bhadrakumar氏の趣旨は真っ当であり、インドが植民地主義を排しグローバル・サウスの利益を促進すること、国際機関の改革なども御尤である。
 
 しかし、G20其の物が政治的対立化が目立ち、形骸化し、"掻き回す"西側により、結果的に衰退するのではないかと、考える。

 対立を乗り越え協調を訴えるBRICSへと向かうのではないか。

 BRICSが新植民地主義をも乗り越える、との展望を持ちたい。
 
引用・参照・底本

「India aims to take the best shot at defeating colonialism with the G20 summit」 RT 2023.09.05

中国とオーストラリア2023年09月06日 16:19

日本風俗図絵 第1輯(国立国会図書館デジタルコレクション)
 中国とオーストラリアの関係に焦点を当てている。

 中国とオーストラリアの関係が安定的で健全な発展を見せていると指摘し、経済および貿易関係が窓口としての役割を果たしていることを強調している。

 オーストラリアの産業、政府、学術界、メディアからなる代表団が中国を訪問し、高レベルのダイアローグを行う予定であり、これが2020年初以来のものであることから、双方の関与を増やし、関係を安定化させる一歩であるとされている。

 オーストラリアは中国に対して誤った政策を採用し、西側諸国の反中国運動に最も忠実な協力者として位置づけられた結果、関係が困難な経験をした。しかし、現在のオーストラリア政府は中国との関係改善を模索しており、高レベルのダイアローグの再開を共同で推進しようとしている。

 オーストラリア内で、中国がオーストラリアに対して「経済的な強制」キャンペーンを展開しているとの主張があるが、これは完全に根拠のない誤った主張であるとしている。また、オーストラリアが5G機器の提供を禁止したり、中国製品に対する反ダンピングおよび反補助金調査を行った結果、中国側が報復的に対応したと述べている。

 中国とオーストラリアの関係を改善し、経済および貿易関係を強化するための機会であるとして、オーストラリア側に対話の機会を最大限に活用し、双方の経済および貿易関係を適切に進展させるよう呼びかけている。

 中国とオーストラリアの関係についての中国の立場を示すものであり、特にオーストラリア側に対して、経済および貿易関係の改善と誤解の解消に向けた協力を促している。

【要点】

中国とオーストラリアの間で予定されているハイレベル対話に関するものだ。オーストラリア側に対し、中国に対する「経済的強制」の虚偽の告発をしないよう警告し、中国企業にとって公正で透明なビジネス環境を構築するよう求めている。

オーストラリア側が中国の「経済的強制」について虚偽の主張をし、中国に「貿易制限」を縮小するよう圧力をかけていると批判している。オーストラリア側は闇雲に中国に圧力をかけるのではなく、中国企業にとって公正で透明なビジネス環境を構築すべきだと考えている。

経済的強制の申し立てには根拠がなく、両国間の経済関係を損なう行動を最初にとったのはオーストラリアだと主張している。また、中国はオーストラリアとの貿易と投資の拡大を望んでいるが、その障壁を打ち破るボールはオーストラリア側にあると指摘している。

今回の対話は両国にとって誤解を解消し、相互信頼を深める機会であると結んでいる。オーストラリア側がこの機会を捉え、二国間の経済・貿易関係を正しい軌道に導くことを期待している。

中国とオーストラリアの関係に関する中国政府の見解を反映している。オーストラリア政府のこれまでの行動を批判し、オーストラリア側に関係に対してより建設的なアプローチを取るよう求めている。

・中国とオーストラリアのハイレベル対話は木曜日に開催される予定だ。
・中国とオーストラリアのハイレベル対話は、両国関係の改善に役立つ可能性のある重要なイベントである。
・オーストラリア代表団はクレイグ・エマーソン元貿易相とジュリー・ビショップ元外相が率いる。
・オーストラリア側は中国と途中で会談し、摩擦や紛争を平等な立場で対話を通じて適切に処理すべきだ。
・オーストラリア側は中国企業に安定、公正、透明なビジネス環境を提供すべきである。
・中国のいわゆる経済的強制の主張は全く根拠がなく虚偽である。
・中国とオーストラリアの経済関係を損なう「第一弾」を放ったのはオーストラリアだと主張する。
・オーストラリアは、両国間の経済関係を損なう行動を最初にとった。
・中国はオーストラリアとの貿易と投資の拡大を望んでいるが、その障壁を打ち破るボールはオーストラリア側にある。
・今回の対話は両国にとって誤解を解消し、相互信頼を深める機会となる。

【桃源寸評】

 西側は何れの国も<奥歯に物が挟まったよう>であるのは、つまり、米国の顔色を窺っているからではないか。

 民主主義・自由といいながらも、政治・経済の面では米国に服従するのでは齟齬をきたしている。

 米国の対立観念は余りにも覇権を意識し過ぎる。其の上危険でもある。もっと平和裏に国際社会を纏められないものか、同じ星、地球にに住む者として。

引用・参照・底本

「GT Voice: Beware coercion scam threat to China-Australia dialogue」 GT 2023.09.04

シリアでの呆れる米国の二枚舌2023年09月06日 16:50

日本風俗図絵 第1輯(国立国会図書館デジタルコレクション)
 シリアにおけるアメリカの政策と行動について述べている。

 アメリカがシリアにおいてバシャール・アサド大統領を転覆させようとした歴史的背景を紹介している。過去にはアメリカがシリア内戦における反体制派に資金や武器を提供し、アサド政権を転覆しようとしましたが、これはロシアの支援によって阻止されたと述べている。

 最近、シリアが中東の隣国との関係を正常化しようとしており、サウジアラビアなどの国々との基本的な結びつきを取り戻そうとしている。この時点で、アメリカが再びシリアに焦点を当てていることが強調されている。

 2023年8月17日に、バイデン政権はシリア北部で活動している「シリアの武装反対派団体」に対する制裁を発表した。これにはクルド人や「シリアの反乱軍」と以前に知られていた過激派グループが含まれている。

 アメリカ政府がシリアにおいて「人権侵害」を非難する一方で、かつては同じ武装勢力を支援していたことについての矛盾を指摘している。アメリカ政府はシリアの石油資源に関心を寄せ、その地域をコントロールできないアサド政権を非難している。

 アメリカの共和党議員がシリアを訪れ、シリア内戦の当事者である「白いヘルメット」のメンバーや「反体制派」と会ったことが述べられている。この訪問は、アメリカ政府がシリアにおける政策について再評価しようとしている兆候として捉えられている。

 アメリカ政府がシリアにおける中東諸国との結束を妨げるために新たなプロキシを必要としており、制裁措置の解除などの交渉が行われる可能性を示唆している。また、シリアが再びアメリカの関心を引いていることは、ロシアの同盟国との中東における結束へのアメリカ政府の懸念を示唆していると述べている。

 アメリカのシリア政策とその矛盾についての意見を提示している。

【要点】

米国がシリアの混乱を維持するためにどのように自らの原則を裏切っているのかについて論じている。米国は自国のお得意のテロリストたちに汚い仕事をさせるための鞭として制裁を利用しており、シリアが近隣諸国との関係正常化を阻止するために同じ戦術を現在も利用していると主張する。また、一部のグループをテロリストに指定し、他のグループの活動には目をつぶっている米国の偽善を批判している。

米国がバシャール・アル・アサド政権打倒を目指してシリア反政府勢力をどのように支援してきたかについて論じることから始まる。これらのグループは実際には民主主義に興味はなく、代わりに国の資源を略奪したいという願望によって動機付けられていると主張する。米国がこれらの集団が人権侵害で告発されているにもかかわらず、訓練と装備を提供していることも指摘している。

米国が最近、シリアの反政府勢力2つ、スレイマン・シャー旅団とハムザ師団をどのように制裁したかについて論じている。米国が長年にわたってこれらのグループを支援していることを考えると、これらの制裁は偽善的であると主張する。米国は人権侵害で告発されている他のシリア反政府勢力を制裁していないことも指摘している。

共和党議員のグループが最近シリアをどのように訪問したかについて論じている。今回の訪問は明らかに米国によるシリアの内政干渉の試みであったと主張する。また、議員らがシリア反政府勢力のフロントであると非難されているホワイト・ヘルメットのメンバーと会ったことも指摘している。

米国はシリアの混乱を維持することだけに興味があると主張して締めくくられている。米国は中東、特にロシアの同盟国間の統一の可能性を懸念していると主張する。米国のシリア介入は地域に危険な結果をもたらす可能性があると警告している。

シリア紛争への対応における米国の偽善についてのものである。米国がシリアに興味があるのは石油のためだけであり、国内の混乱を維持するためにはテロ集団を支援し、シリアの主権を侵害することもいとわない、と主張する。

まず、米国はシリアのバシャール・アル・アサド大統領を打倒するために数十億ドルを費やしたが、失敗に終わったと指摘する。次に、米国は最近2つのシリア反体制派組織を制裁したが、これらの組織は実際にはトルコによって支配されていると指摘する。米国はシリアにおける軍事駐留の継続を正当化するためにこれらのグループを制裁しているだけだと主張する。

共和党議員のグループによる最近のシリア訪問について論じる。議員らの訪問は米国が中東、特にロシアの同盟国間での統一の可能性を懸念していることの表れだと主張する。

米国は国内の混乱を維持するためにテロ集団を支援し、シリアの主権を侵害する用意があると主張している。これは危険で逆効果な政策であり、地域のさらなる不安定化を招くだけだと主張する。

・米国がシリアに興味があるのは石油のためだけだ。
・米国はシリア国内の混乱を維持するため、テロ集団を支援し、シリアの主権を侵害することをいとわない。
・米国のシリア政策は危険で逆効果だ。

【桃源寸評】

 既に米国の悪辣な二枚舌の手段は国際社会の知る所である。なぜ斯様な国家に民主主義・自由主主義・人権などを唱え他国を批判する資格があるのだろうか。

 <蝦蟇の膏>売りの口上ではないが、"己の姿の鏡に映るを見て驚き、油汗を流す"ことはないのか、と思う。
 
 至る所で策謀を巡らし、利を貪るを常とする。今や西側首脳は国民を忘れて、米国の暗示の笛に踊らされている。
 
 勿論、日本も例外ではなく、率先して従う。

引用・参照・底本

「US betrays its own principles to preserve chaos in Syria」 RT 2023.09.04

インド→Bharat(バラット)に国名を?2023年09月06日 18:02

日本風俗図絵 第1輯(国立国会図書館デジタルコレクション)
 インド(註)が国名を変更する可能性についての報道に関するものである。

 インドの有力な政治家であるHarnath Singh Yadavが、インドの現在の国名「India」はイギリスによって付けられた侮辱的な名前であると主張し、国名を「Bharat(バラット)」に変更する提案を出した。

 インドの大統領であるDroupadi Murmuが発行したG20の晩餐会の招待状で、彼女を「Bharatの大統領」と呼んでおり、これが国名変更の噂を広めたと報じられた。

 報道によれば、政府が国名変更を正式に提案するために、特別な議会会期中に提案を検討する可能性があるとされている。しかし、提案の詳細はまだ公にされていないため、提案が正式に導入されるかどうかは不明である。

 「Bharat」という名前は、インドのいくつかの言語で使用されており、ヒンドゥー文学に由来している。元々はガンジス川流域の西部地域を指す言葉でしたが、後にインド亜大陸全体やグレーターインディア地域を指すために広く使用されるようになった。

 名前変更の支持者は、インドが国内的な誇りを高め、文化遺産を強調し、イギリスの植民地支配の歴史から距離を置くのに役立つと主張している。一方、反対派は、この提案がインドの憲法を危険にさらす可能性があると主張している。インドでの国名変更に関する議論と提案について説明しており、国名変更が実現するかどうかは不明であるが、国内外で議論が盛り上がっていることを示している。

【要点】

インドが国名をバーラトに変更する可能性についてのものである。ドルーパディ・ムルム大統領が発行した正式なG20夕食会招待状では彼女をインドではなく「バーラト大統領」と呼んでおり、同国が今月にも改名手続きを始めるのではないかとの憶測が高まっている。

現在の国の名前は「イギリス人が与えた虐待」であり、バーラトという名前はインド文化の象徴であると示唆した著名な議員の言葉を引用している。また、インドを正式にバーラトと改名する決議案が、今月後半に予定されている特別議会に政府によって提出される可能性があるとも述べている。

次に、バーラトという名前の背景について説明する。この名前は、インドのいくつかの言語でインドを指す名前であるバーラタに由来しており、それ自体がヒンズー教の文献に由来していると記載されている。バーラタという名前は一般に「インド」と同じ意味で使用されていたとも述べている。

次に、インドの名前変更に対する賛否両論について議論している。切り替え支持者らは、切り替えが国家の誇りを高め、インドの伝統を強化し、イギリスによる植民地支配の歴史からインドを遠ざけることになると主張している。この切り替えを批判する人々は、それは費用がかかり不必要な変更であり、憲法に違反すると主張している。

インドが実際に国名をバーラトに変更するかどうかは不明であると結論づけている。 しかし、名前変更に関する憶測はインドにおけるナショナリズムの重要性の高まりの表れであると指摘している。

国名変更の提案は複雑な問題であり、簡単な答えはない。決定を下す前に、提案の長所と短所を慎重に比較検討することが重要ではないか。

結局のところ、インドの名前を変更するかどうかの決定は政治的なものである。この提案を推進するかどうかは政府の判断に委ねられている。

・この提案は与党インド人民党(BJP)と他の一部の右翼団体によって支持されている。
・地元メディアの報道に基づいているため、情報を割り引いて受け取ることが重要である。
・野党議会派は、この提案は不必要であり、意見の対立を招く可能性があるとして反対している。
・この提案が承認されたとしても、実現には数年かかる可能性が高い。
・政府は名称変更を進めるかどうかまだ決定していない。
・インドを正式にバーラトと改名する決議案が、今月後半に予定されている特別議会で政府によって提出される可能性があるとも述べている。
・政府が実際にインドの名前を変更することを計画しているという具体的な証拠を提供していない。
・改名案に対する一般の意見については触れていない。
・インドが国名をバーラトに変更する可能性についての良い概要を示している。

【桃源寸評】

 「イギリス人によって与えられた虐待("The word 'India’ is an abuse given to us by the British")」だと。

 そう思うのであれば、屈辱を引き摺るよりも、いっその事、「Bharat」に国名を変更するか。

 だが、Bharatがインド亜大陸を指すとすると、属する隣接の国から苦情が来ないだろうか。

(註)
ンドの名称「Bharat(バラット)」および「India(インディア)」の由来は、それぞれ異なる起源と歴史的背景を持っている。

Bharat(バラット)

Bharatの名前は、古代インドの伝説に由来している。ヒンドゥー教の古代の聖典である「マハーバーラタ」に登場する伝説的な王子「バラタ」にちなんでおり、バラタはインド亜大陸の初代の統治者とされている。彼の名前から派生した「Bharat」は、インド亜大陸全体を指す名称として使用されるようになった。Bharatは、インドの歴史と文化に根ざした名前であり、多くの人々にとって国の伝統的な名前と見なされている。この名前はヒンドゥー教やサンスクリット語の文脈でよく使用される。

India(インディア)

「India」という名前は、外部からインド亜大陸に対する名称として広まった。この名前は、古代ギリシャ語の「Indós」に由来しており、最初にギリシャの歴史家ヘロドトスが使用した。この名前はその後、ローマ帝国および西洋の国々によって採用され、国際的な名称となった。イギリス植民地時代には、「British India」として知られ、イギリス帝国の支配下にあった時期があった。現代のインドでは、公式にはBharat」(インドの公式名)および「India」(英語での一般的な国名)の両方が使用されている。インド憲法では、「India, that is Bharat」(インド、すなわちバラット)という形で両方の名前が記載されており、バラットはインドの正式な名称の一部となっている。

引用・参照・底本

「India may get new name, local media say」 RT 2023.09.05