セルビアを主要な銅生産国に2023年08月30日 00:40

日本風俗図絵 第1輯(国立国会図書館デジタルコレクション)
 中国の投資がセルビアを主要な銅生産国にする可能性について報じたものである。中国は、グローバルなエネルギー転換に不可欠な銅の需要が供給を上回る見込みであるため、セルビアでの銅鉱山の大規模な拡大計画を進めているとされている。

 中国最大の金鉱山であり、国内トップの銅生産企業である紫金鉱業集団(Zijin Mining Group)は、セルビア東部のチュカル・ペキ銅金鉱山での銅の抽出を増やす予定である。同社は約2年前にチュカル・ペキ鉱山を開始し、既に6億7800万ドルを投資して採掘を開始している。中国は今後さらに深く、約2キロメートル掘削し、追加の鉱床に到達する計画だ。

 セルビアの鉱山のトップ職員であるブランコ・ラコチェヴィッチ氏は、「これらは広大な埋蔵量であり、追加のインフラが必要であり、約35億〜38億ドルの追加投資が必要です」とBloombergに語っている。この鉱山は東部ボル地域に位置し、上層部と下層部に分かれている。上層部の生産量は昨年、銅11.1万トンと金15.2万オンスに達した。予想される容量は、銅91.4万トンと金2.5トンであり、ピーク時の出力は銅13.5万トンと金6.1トンと推定されている。

 上下層部がそれぞれ最大限の能力に達すると、チュカル・ペキ鉱山はセルビアをヨーロッパ第2位の銅生産国に押し上げる可能性がある。

 環境に優しいエネルギーへの移行に必要な材料の生産競争は、世界中で激化しており、中国はいわゆる重要鉱物資源の世界最大の供給国となっている。特に風力タービン、電力グリッド、電気自動車などに銅が使用されている。

 マッキンゼーのコンサルティング会社によると、世界のエコロジー志向の経済への移行により、2031年までに年間の銅需要は3660万トンに増加し、供給は同じ年に約3010万トンに達すると予測されている。これにより、次の10年の初めには650万トンの供給不足が生じる見込みである。

【要点】

中国は、世界的なエネルギー転換に不可欠な銅の需要の高まりに応え、セルビアでの銅採掘事業の拡大を計画している。

中国最大の金採掘業者であり、同国トップの銅生産者の一つである紫金鉱業グループは、セルビア東部にあるクカル・ペキ銅・金鉱山をさらに掘削するために35億ドルから38億ドルを投資することを計画している。両方のゾーンが最大生産能力に達すると、この鉱山は年間135,000トンの銅と6.1トンの金を生産することが見込まれている。

セルビアにおける銅採掘の拡大は、グリーンエネルギーへの移行に必要な重要な鉱物へのアクセスを確保する中国の取り組みの一環である。銅は、風力タービン、送電網、電気自動車など、さまざまなグリーンテクノロジーに使用されている。

世界のよりグリーン経済への移行により、銅の年間需要は2031年までに3,660万トンに増加すると予想されている。しかし、供給は同年までに約3,010万トンに達すると予測されており、650万トンの不足が生じる。この不足により、世界中の銅採掘へのさらなる投資が促進されると予想される。

セルビアにおける銅鉱山の拡大は、この国の経済にとって前向きな発展である。この鉱山は数千人の雇用を創出し、政府に数十億ドルの収入をもたらすことが期待されている。この鉱山はセルビアの輸出を増やし、海外投資を誘致することも期待されている。

しかし、銅採掘の拡大は環境への懸念も引き起こす。この鉱山は生態学的に敏感な地域に位置しており、掘削により環境が汚染される可能性がある。セルビア政府は環境への影響を軽減するために鉱山の拡張を慎重に管理する必要がある。

全体として、セルビアにおける銅鉱山の拡大は重要な進展である。これは銅の需要の高まりに応え、同国の経済を押し上げるのに役立つだろう。ただし、環境への影響を最小限に抑える持続可能な方法で鉱山が開発されるようにすることが重要である。

引用・参照・底本

「Chinese investment can help Serbia become major copper producer – Bloomberg」RT 2023.08.29

海洋投棄、この愚かな決定2023年08月30日 08:39

日本風俗図絵 第1輯(国立国会図書館デジタルコレクション)
 日本の政府と東京電力(東電)が福島第1原発から出る汚染水を海洋に放出する計画に対してれいわ新選組(山本太郎代表)が反対し、その理由や要求を述べた声明をまとめたものである。

 背景と主張の導入:政府と東電が福島第1原発からの汚染水の海洋放出を発表したことに対して、れいわ新選組は声明を発表し、海洋投棄を撤回し議論の再検討を求める立場を明確に述べている。

 放出の決定プロセスに関する批判:政府の決定プロセスに関して、当初は具体的な時期やプロセスについては決まっていないとされていたにもかかわらず、急速に放出が決定されたことについての疑問や批判が述べられている。

 放射性物質の懸念:汚染水に含まれる放射性物質についての懸念が述べられている。特に、トリチウム以外の放射性物質も完全には取り除かれておらず、その濃度や種類に関する詳細なデータが不足していると指摘されている。

 国内外の反対と科学的懸念:漁業団体や地域関係者、国内外の海洋研究機関などから海洋投棄に対する反対の声が挙がっており、放射性物質の海洋環境への影響に関する科学的な懸念が述べられている。

 政府の対応に対する批判:政府や東電のデータの信頼性や透明性に疑問が投げかけられており、国際的な専門家からもその測定方法やデータの不十分さが指摘されていることが述べられている。

 議論や対応の要求:声明では海洋投棄方針の撤回と、国内外の専門家によるオープンな議論、データの公開、住民投票の実施などを含むさまざまな要求が述べられている。海洋投棄の方針を撤回し、新たなアプローチを模索することが求められている。

 この声明は、政府と東電の汚染水の海洋投棄計画に対するれいわ新選組の反対と、その背後にある科学的懸念や民主的な議論の重要性を強調している。

【要点】

声明では、まず、政府が2023年8月24日から汚染水の海洋放出を開始すると発表したことを批判した。政府は、海洋放出は国際基準に適合していると主張しているが、れいわ新選組は、トリチウム以外の放射性物質の総量を測定していないなど、基準が不十分であると指摘した。また、測定データさえも信憑性がないという海外の専門家からの指摘を政府が隠蔽していることも批判した。

さらに、政府は、海洋放出に至る過程で、国民の知る権利や民主主義をないがしろにしてきたと批判した。政府は、2021年4月に汚染水の海洋放出方針を決定したが、その後、具体的なスケジュールや方法を公表せず、2023年8月になってようやく放出を開始すると発表した。また、政府は、海洋放出の代替案について、具体的な検討や議論を行わず、海洋放出に固執してきたと批判した。

れいわ新選組の声明は、政府が2023年8月24日から開始した福島第一原発の汚染水の海洋放出を撤回し、議論のやり直しを求めるものである。

声明は、政府の海洋放出方針を「愚かな決定」と批判し、その理由として以下の点を挙げている。

・政府は、トリチウム以外の放射性物質は基準値以下になるまで取り除いているから「汚染水ではない」と主張しているが、それは嘘であり、トリチウム以外の放射性物質も完全には取り除けておらず、そもそもどのくらいの量が含まれているのか測定していない。

・政府は、海洋投棄直前に「基準値未満であること」を確認するため測定するのは30種類だけである。それ以外の百数十種類の放射性物質は、「どうせ少ししか含まれていない」との決めつけで、測定しないことになっている。

・政府は、セシウムやストロンチウムを総量でどれだけ流すのか「分からない」という。事実上無限に放射性物質を海に流すために総量は考えないことにしている。

・東電が正確なデータを把握していないことを、海外の科学者達が問題視している。

・政府は、国内外の専門家からタンク貯蔵の継続を提案されながら、東電も政府も海洋投棄先にありきで貯蔵可能な敷地を探す努力すら行ってこなかった。

・決定が突然で、プロセスが不透明

・汚染水の放出量や放射性物質の含有量が不明確

・海洋環境への影響が十分に検討されていない

・地元漁業関係者や太平洋諸島諸国の反対を無視している

また、れいわ新選組は、海洋放出の代替案として、以下のような点を検討すべきと主張している。

・汚染水のタンクでの貯蔵
・地中深くに埋める処分
・水蒸気や酸素と反応させて無害化する方法

声明は、政府がこれらの点を真摯に検討し、国民の理解を得られる方法で再決定するよう求めている。

具体的には、以下のような具体的な要求を政府に突きつけている。

・反対意見も含めた国内外の専門家によるオープンな議論と代替案の検討
・国会に汚染水問題に特化した特別委員会を設置し、意志決定に必要な全てのデータ・資料を公開すること
・本当の意味で関係者の参画を保証するため各地での住民投票の実施
・海洋放出方針を撤回し、ゼロベースで議論をやり直す。
・議論のやり直しに際しては、反対意見も含めた国内外の専門家によるオープンな議論と代替案の検討を行う。

れいわ新選組は、規模、期間ともに前例のない放射能汚染水の太平洋への投棄を撤回し、生態学的・経済的・文化的に貴重な海洋資源と共に生きてきた人類と地域社会をまもるための他のアプローチを徹底追求することを強く求めています。

れいわ新選組は、政府の海洋放出方針を「大規模公害を引き起こした東電と政府が、さらに環境汚染を拡大する計画」と批判し、その決定を撤回し、国民の意見を反映した再決定を求めている。

引用・参照・底本

「『汚染水』の海洋投棄を撤回し議論のやり直しを求める れいわ新選組が声明」長周新聞 2023.08.29

「【声明】『汚染水』の海洋投棄を撤回し議論のやり直しを求める(2023年8月23日 れいわ新選組)」れいわ新選組 2023.08.23 https://reiwa-shinsengumi.com/comment/18546/ (和文)
https://reiwa-shinsengumi.com/comment/18603/ (英文)

「日本、海への放出の取り組みを米国は是認と主張 外交部『自らを欺き人をだます』」 CRI 2023.08.29

福島円卓会議の緊急アピール2023年08月30日 09:15

日本風俗図絵 第1輯(国立国会図書館デジタルコレクション)
 福島第一原発の汚染水処理に関する海洋放出計画に対して、福島大学の研究者と地元の住民や漁業者などが結集して設立した「復興と廃炉の両立とALPS処理水問題を考える福島円卓会議」が行った緊急アピールに関する内容である。

 この夏の海洋放出スケジュールの凍結を求めている。政府と東京電力(東電)によって提案されたALPS処理水の海洋放出計画は、以前に行った合意に反しており、関係者の参加を得て議論するべきだと主張している。地元住民や漁業関係者の意見を尊重し、放射性物質の海洋放出についての議論を進める必要があるとしている。

 地元の漁業復興を妨げることは許容できないと主張している。地元漁業者は放射性物質の海洋放出に反対しており、その声を尊重すべきだとしている。現在の政府の姿勢は、対話や理解を欠いており、漁業関係者を孤立させ、復興の取り組みを阻害していると指摘している。

 地下水・汚染水の根本的な対策を優先すべきだと主張している。汚染水対策が進まなければ、処理水の増加や放射性物質の拡散が懸念されるとしている。この問題は地元の復興に直結しており、海洋放出の是非を超えて優先すべき課題だと述べている。

 具体的な運用計画が不足しており、必要な規制に対する姿勢が欠けていると指摘している。海洋放出の具体的な計画や運用内容が不明確であり、必要な規制や手続きに則るべきだと主張している。

 県民・国民の参加が必要だと主張している。これまでの対話が不十分だったとし、地元の住民や団体が政府や東電と対等な立場で意見を交わし、廃炉や復興に関する議論に参加できる場が必要だと述べている。

このアピールは福島第一原発の汚染水処理に関する海洋放出計画に対する懸念と批判が含まれており、地元の住民や専門家が参加した議論の重要性を強調している。

【要点】

福島円卓会議は、福島第一原発の廃炉と復興をめぐる議論において、地元住民や漁業者の声を重視し、対等な立場で議論を進めていくことを目的として設立された団体である。2023年8月21日、福島円卓会議は、政府と東電が決定した福島第一原発の処理水の海洋放出計画について、5項目の緊急アピールを発表した。

アピールでは、まず、2015年に政府と東電が地元住民や漁業者と交わした、処理水の海洋放出に関する「関係者の理解なしにいかなる放出もせず処理した水はタンクに貯留する」という文書に基づき、今夏の海洋放出を凍結し、関係者による議論に付すべきだと主張している。

また、地元漁業者が海洋放出に反対する声を上げていることを尊重し、漁業の復興を阻害するような海洋放出は許容できないと訴えている。

さらに、廃炉の進行のために海洋放出が先送りできないという政府と東電の説明には科学的根拠がなく、むしろ地下水・汚染水対策を優先すべきだと指摘している。

さらに、海洋放出の具体的な運用計画がまだ提出されておらず、必要な規制への対応も欠けていることから、今年度の放出開始は不可能だとしている。

これまでの廃炉の進め方をめぐる議論において、県民や国民の意見が十分に反映されてこなかったことを指摘し、今後は県民・国民や自治体・協同組合・各団体が対等な立場で議論に参加できる場を設置すべきだと訴えている。

福島円卓会議の緊急アピールは、福島第一原発の処理水の海洋放出に対する地元の強い反対の声を反映したものであり、政府と東電の海洋放出計画に大きな影響を与える可能性がある。

福島大学研究者などでつくる「復興と廃炉の両立とALPS処理水問題を考える福島円卓会議」は、2023年8月21日、政府と東電が進める福島第一原発汚染水の海洋放出計画について、計画の凍結と議論のやり直しを求める緊急アピールを発表した。

アピールでは、以下の5項目を主張している。

・今夏の海洋放出スケジュールは凍結すべき
・地元の漁業復興のこれ以上の阻害は許容できない
・いま優先して取り組むべきなのは地下水・汚染水の根本対策
・海洋放出は具体的な運用計画がまだなく、必要な規制への対応の姿勢も欠けている
・今後、県民・国民が参加して議論する場が必要である

1. 今夏の海洋放出スケジュールは凍結すべき

政府と東電は、2023年夏に福島第一原発汚染水の海洋放出を開始すると発表している。しかし、アピールでは、このスケジュールは2015年に政府と東電が地元住民や漁業者と交わした「関係者の理解なしにいかなる放出もせず処理した水はタンクに貯留する」という約束を反古にするものだとして、凍結すべきだと主張している。

2. 地元の漁業復興のこれ以上の阻害は許容できない

原発事故と汚染水問題により、地元の漁業は大きな被害を受けている。アピールでは、地元漁業者は海洋放出に反対しており、放出が進めば漁業復興がさらに阻害されるとして、これ以上の阻害は許容できないと訴えている。

3. いま優先して取り組むべきなのは地下水・汚染水の根本対策

政府と東電は、廃炉を進めるためには海洋放出が必要だと主張している。しかし、アピールでは、地下水流入による汚染水発生を根本的に低減する対策が急務であり、海洋放出は必要性の有無以前に、緊急で取り組まなければならない課題だと主張している。

4. 海洋放出は具体的な運用計画がまだなく、必要な規制への対応の姿勢も欠けている

政府と東電は、海洋放出設備の安全性について、国際原子力機関(IAEA)の安全性レビューを受けているとしている。しかし、アピールでは、IAEAのレビューは限られた範囲の評価であり、海洋放出の具体的な運用計画がまだないこと、また、放射性物質の規制への対応の姿勢も欠けていると指摘している。

5. 今後、県民・国民が参加して議論する場が必要である

これまでの廃炉の進め方では、県民や国民の意見が十分に反映されてこなかったとアピールでは指摘している。今後は、県民や国民が政府や東電と対等な立場で議論できる場が必要だと訴えている。

この緊急アピールは、福島第一原発汚染水の海洋放出をめぐって、地元の住民や漁業者、研究者などから広く懸念や反対の声が上がっていることを受けて発表されました。政府と東電は、アピールを受けどのように対応していくのか注目される。

引用・参照・底本

「海洋放出計画を凍結し、影響を受ける人々が参加する議論のプロセスを 福島大学研究者などでつくる福島円卓会議が緊急アピール発出」長周新聞 2023.08.29

汚染水海洋放出、愚かな政治判断2023年08月30日 11:08

日本風俗図絵 第1輯(国立国会図書館デジタルコレクション)
 福島第一原発事故に関連する日本政府の決定に対する批判的な観点を述べたものである。

 汚染水の海洋放出に対する反発:福島第一原発事故で発生した放射性物質に汚染された水が、原発敷地内のタンクに貯蔵されている。この汚染水の海洋放出に対し、漁業者や地元住民、福島県民らから強い抗議があった。しかし、日本の東京電力(東電)は、政府の方針に従って汚染水の海洋放出を決定し、その放出が始まった。この決定によって、福島原発事故の被災地で復興に向けて努力してきた地元や漁業者の意向が無視され、東電の利益保護が優先されているとの批判がされている。

 安全性への疑念:政府と東電は、放射性物質による汚染水を安全なレベルまで希釈していると主張している。しかし、その安全性を評価する際の基準は1リットルあたりの濃度であり、放出総量については明言されていないと指摘されている。将来的にどれだけの放射性核種が海洋に排出されるかは不明であり、世界中で日本の水産物に対する警戒感が高まっていると述べられている。

 地元の声を無視:政府は、国際原子力機関(IAEA)の安全性レビュー報告書に基づいて海洋放出を正当化しているが、地元住民や漁業者らは民主的な議論のプロセスが省略され、放出が強行されているとして批判している。福島県内で設立された「復興と廃炉の両立とALPS処理水問題を考える福島円卓会議」も、政府の対応を批判し、放出計画の凍結を求めている。

 処理水の性質と安全性:放射性物質に汚染された水を「処理水」と呼び、トリチウムを除く放射性核種を基準値以下に薄めていると主張している。しかし、本来は210種類もの放射性核種が含まれる汚染水に対して、処理できるのはそのうち62種類にすぎないと指摘されている。過去のALPSでの処理でも基準を上回る物質が多く検出された事実が述べられている。

 放射性核種の放出量の不確定性:汚染水の放出量については不確定性が高く、今後30~40年にわたって放出が行われる予定だが、具体的な総量が不明である。このため、政府の説明が不十分であるとされている。

 批判的な態度への批判:政府と東電の対応について、安全性を強調しながらも放出量を明言しない姿勢や、納得できない説明に対して「不誠実な態度」との批判がある。また、風評被害の問題も指摘されている。

 福島第一原発事故に伴う汚染水の海洋放出に対する懸念や批判が述べられており、政府や東電の対応が地元住民や漁業者らの関心や安全性への疑念に対して十分な説明を行っていないという立場を示している。

 福島第一原発の汚染水に関する問題についての詳細な説明と、その汚染水の海洋放出に対する国内外の反応と影響について述べている。

 福島第一原発の汚染水問題:福島第一原発は、2011年に発生した東日本大震災とそれに伴う津波により、原発施設が深刻な損傷を受け、メルトダウン(燃料の溶融)などが起きた。この事故により、冷却用の水が使用済み核燃料に触れて汚染されるなどして、多くの放射性核種が汚染水として発生した。これを抑えるため、冷却水を使用していたが、これも汚染される結果となった。

 海洋放出決定とその背景:この汚染水の処理について、東京電力(東電)や日本政府は「トリチウム以外は基準値以下になるまで取り除いている」と主張してきた。しかし、多くの放射性核種が含まれる汚染水をどのように処理するかについては意見が分かれ、その中でも海洋放出が選択肢の一つとされた。

 国内の反応と問題点:海洋放出決定に対する批判を述べている。汚染水の海洋放出は、地元の漁業者や住民の意向を無視し、東京電力を保護するために日本の水産業全体を犠牲にするものとして、政府の判断に対して批判的な意見が多いことを指摘している。

 国際的な反応と影響:特に中国をはじめとする日本の水産物の主要輸入国や地域は、海洋放出に対して懸念を抱き、輸入規制を行うなどの対応を取っている。中国や韓国、台湾などが日本産水産物の輸入を停止するなど、海洋放出決定の影響が広がっている。

 科学的な懸念と研究結果:汚染水の海洋放出に対する科学的な懸念を示している。ウッズホール海洋研究所など、さまざまな海洋研究機関は、放射性核種の含有量や海洋環境への影響について不透明な点が多いと指摘している。中国や太平洋諸島諸国などが、汚染水放出の影響を懸念し、その科学的根拠に疑問を呈している。

 国際的な協力と対応の必要性:国際的な協力や科学的な根拠に基づく選択肢を検討し、汚染水の海洋放出について再評価する必要性を主張している。日本政府は、海洋放出決定を中止し、科学的な評価や国際的な協議を通じて適切な処理方法を模索することが求められているとされている。

 総じて、福島第一原発の汚染水問題がもたらす国内外への影響や、科学的な懸念に焦点を当て、海洋放出決定に対する批判的な見解を提示している。

【要点】

福島第一原発の汚染水海洋放出問題は、2011年の福島第一原発事故から10年余りにわたって続く課題であり、その安全性や影響に関する議論は未だに決着を見ていない。

2021年4月に菅政権が海洋放出の方針を決定したことを受けて、地元の漁業者や住民、周辺諸国などから強い反発が起こった。しかし、岸田政権は2022年8月24日に海洋放出を開始した。

この論考は、海洋放出が日本の水産業や食の安全、そして日本の国際的信頼を大きく損なう行為であると批判している。

まず、漁業者や住民の反対の意向を無視して海洋放出を強行したことは、被災地の復興を遅らせる暴挙であると指摘している。また、海洋放出によって汚染水が拡散し、日本産水産物への風評被害が拡大すると警鐘を鳴らしている。

さらに、海洋放出は、トリチウム以外の放射性核種については基準値未満であることを確認していないため、安全性が十分に確保されていないと批判している。また、海洋環境への長期的な影響についても懸念が示されている。

政府や東電は、安全性について国際原子力機関(IAEA)の評価を根拠にしているが、IAEAの評価は、政府や東電が提示した情報に基づくものであり、十分な検証がなされていないと批判されている。また、トリチウム以外の放射性核種については、基準値が設定されておらず、放出総量も不明である。

海洋放出により、汚染水が拡散して海洋汚染や食の安全に悪影響を及ぼす可能性は否定できない。中国や香港など、日本からの水産物輸入国は、輸入規制を強化しており、日本産水産物への風評被害や経済的打撃はすでに現実のものとなっている。

政府や東電は、海洋放出を強行した理由として、汚染水を貯蔵するタンクの容量が限界に近づいていることを挙げている。しかし、他の選択肢を十分に検討せずに、強行した政治的な判断であるとの批判もある。

汚染水海洋放出は、原発事故の被害を拡大させるだけでなく、日本の食の安全と信頼を毀損するものである。政府は、この問題を真摯に受け止め、安全性や経済的影響、政治的な判断の是非など、あらゆる観点から再検討する必要があるだろう。

海洋放出は、事故当事者である東京電力と一部の利害関係者の利益を守るためのものであり、日本の食の安全と信頼を毀損する行為であると非難している。

結論として、海洋放出は、安全性や影響に関する懸念が払拭されていないにもかかわらず、強行された愚かな政治判断であると論じている。

この論考は、海洋放出の危険性や問題点を具体的に指摘しており、説得力のある内容となっている。また、日本の水産業や食の安全、そして国際的信頼が損なわれることを懸念し、海洋放出の即時中止・撤回を強く求めている点も重要である。

海洋放出問題は、日本にとっても世界にとっても重大な課題であり、今後も議論が続くと予想される。この論考は、その議論の一助となる重要な文献と言えるだろう。

政府の決定に対して、以下のような懸念が指摘されている。

・汚染水を海洋に放出することで、漁業や海洋資源に悪影響が及ぶ可能性がある。

・汚染水が海流によって拡散し、世界中の海洋環境に影響を与える可能性がある。

・政府の決定は、周辺国や国際社会からの信頼を損なう可能性がある。

・政府や東電は、汚染水を「トリチウム以外は基準値以下になるまで取り除いている」として、安全性を主張しているが、その基準値は1㍑当りの濃度であり、総量は不明である。

・海洋放出決定を受けて、中国や香港など、日本からの水産物輸入国は、輸入規制を強化している。

・太平洋諸国は、汚染水が拡散して海洋汚染や食の安全に悪影響を及ぼす可能性を懸念している。

・国内外から提案されてきた他の選択肢を省みずに、強行した汚染水放出は、事故当事者である東電の利益を守るためであり、日本の食の安全と信頼を毀損するものであると指摘している。

これらの理由をまとめると、汚染水海洋放出が反発を受けている主な原因は、以下の3つである。
 
・安全性に関する懸念

・風評被害や輸入規制による経済的打撃

・政治的な判断による強行

特に、日本は、太平洋に面した島国であり、海洋資源に依存する国々が多いことから、汚染水の海洋放出は、周辺国や国際社会に大きな懸念を抱かせている。

中国や韓国などの周辺国は、すでに日本産水産物の輸入を制限する措置を講じており、今後、さらなる規制の強化や貿易制裁に発展する可能性もある。

また、国際原子力機関(IAEA)は、汚染水の海洋放出について、安全性や透明性の問題を懸念し、日本政府に再検討を求めている。

このような状況を踏まえると、福島第一原発の汚染水海洋放出は、日本にとって、大きなリスクを伴う危険な選択であると言わざるを得ない。

政府は、国内外の懸念を真摯に受け止め、汚染水の海洋放出を即時中止し、他の選択肢を検討すべきである。また、意志決定プロセスに当事者や国民をまじえて、ゼロベースで論議をやり直すことが、早急に求められている。

引用・参照・底本

「国内水産業を淘汰する汚染水海洋放出 被災地復興の努力水泡に帰す暴挙 東電守るために毀損される日本の食への信頼」長周新聞 2023.08.29

「在日中国大使館の報道官「福島の放射能汚染水のサンプル分析に中国は招待されなかった」 CRI 2023.09.08

「日本側は核汚染リスクの世界への転嫁を直ちに停止すべき=商務部」 CRI 2023.09.07

戦う覚悟よりも、先ずは台湾の歴史を2023年08月30日 12:38

日本風俗図絵 第1輯(国立国会図書館デジタルコレクション)
 台湾の歴史的背景と現在の国際関係に関する議論や状況について述べている。

 台湾の歴史的背景と日本の統治:台湾は過去にオランダ、清国、そして日本の支配を受けてきた。特に下関条約によって日本に割譲され、約50年間の日本の占領統治が行われた。日本は台湾を植民地とし、経済的な搾取やインフラ整備を進め、台湾人の文化や言語を抑圧した。この時期には日本語が強制的に導入され、皇民化政策が実施された。

 戦後と国際的な動き:第二次世界大戦後、カイロ宣言とポツダム宣言に基づいて、日本は台湾を含む領土を中華民国(中国)に返還した。しかしその後、中国では共産党と国民党の間で国共内戦が勃発した。米国は当初、中国本土への侵攻を計画していたが、後に沖縄を占領し、中国への拠点とすることに変更した。

 現代の国際情勢:ウクライナ戦争を受けて台湾有事が注目され、日本でも議論が起きていることを指摘している。日本政府は防衛費増額や軍事基地化を進め、台湾有事に備える姿勢を示している。米国は台湾有事に関して戦時の協力を求めており、日本政府はそれに応じる形で体制整備を行っている。

 台湾問題の複雑さと課題:台湾問題が単純な「親中か反中か」や「統一か独立か」といった対立ではなく、複雑な歴史的背景と文化的な要因が絡んでいることを指摘している。また、日本が過去に台湾を植民地として支配した経緯を冷静に理解し、国際政治において適切な立場を取るべきだと主張している。

 台湾の歴史と国際情勢に関する見解や批判を含む内容であり、台湾問題が国際政治や日本の内政にどのような影響を与えているかについて考察している。

 日本、台湾、中国の歴史的な背景と関係について述べている。日本と韓国における歴史的な状況と比較している。日本統治下の台湾と朝鮮、そしてその後の政治的な展開について言及している。李承晩(韓国大統領)や蒋介石(台湾政治家)が、日本の植民地体制を利用して権力を握り、共産党との戦いを理由に戒厳令を敷いたことに触れている。

 米国が日本と韓国の政治的展開を支援し、その中で戦犯の関与や民主主義と資本主義の対立が強調されている。

 台湾の歴史と中国や米国との関係に焦点を当てている。蒋介石やその支援者が日本の統治体制を利用して台湾の経済を発展させ、国民党政府を確立した経緯が述べられている。米国が台湾を「反共」の砦として支援し、中台関係や国際政治に影響を与えたことが説明されている。

 米国、中国、台湾の関係に焦点を当てている。台湾が米国の支援を受けて防衛ラインとして位置づけられ、中台関係が様々な展開を迎えた経緯が述べられている。米国が中国との関係正常化を推進し、台湾との関係を縮小させた背景や、現在の台湾の世論や経済的な関係に触れられている。

 アジア全体の状況や日本、台湾、米国の関係に関する見解を示している。戦争よりも外交による問題解決を重視し、日本が戦争被害を経験した国として平和を追求すべきであると主張している。また、アジアの新興国が米国の影響から距離を置く動きや、台湾有事における米国の姿勢についても述べている。日本、台湾、中国の歴史的な経緯や国際政治の影響を考察し、現在の状況を解説するものである。

【要点】

台湾問題とは、台湾と中国大陸との関係に起因する国際問題である。台湾は、1949年の中華人民共和国の成立以来、中華民国政府(蒋介石政権)の統治下にあり、現在も台湾海峡をはさんで中国と対峙している。

この問題の背景には、台湾の歴史的な経緯がある。台湾は、16世紀以降、オランダ、スペイン、清国などの支配を受け、1895年に日清戦争の講和条約である下関条約により、日本に割譲された。日本は、台湾を「台湾総督府」の管轄下に置き、50年にわたって統治した。この間、日本は台湾に鉄道や道路などのインフラを整備し、教育や医療などの分野でも近代化を進めた。

しかし、日本統治時代は、台湾人への弾圧や差別も行われた。1937年以降は、台湾も中国大陸で戦争が続く中で、台湾人も徴兵されて戦地に送られた。

1945年、第二次世界大戦の敗戦により、日本は台湾を中華民国に返還した。しかし、その後も台湾と中国大陸の関係は緊張を続け、1949年には中国本土で中華人民共和国が成立すると、台湾と中国は完全に分断された。

現在、台湾は中華民国政府の統治下にあり、中華人民共和国は台湾を「反逆地」と位置づけて、武力統一の可能性も示唆している。

台湾問題は、台湾の歴史や中国の台頭など、複雑な要因が絡み合った問題である。今後も、台湾の政治や経済、安全保障などの状況に大きな影響を与えていくと考えられる。

・台湾問題は、台湾と中国大陸との関係に起因する国際問題である。

・台湾の歴史的な経緯として、オランダ、スペイン、清国、日本などの支配を受けた。

・日本統治時代は、台湾人への弾圧や差別も行われた。

・1945年、日本は台湾を中華民国に返還したが、台湾と中国大陸の関係は緊張を続けた。

・1949年、中華人民共和国の成立により、台湾と中国は完全に分断された。

現在、台湾は中華民国政府の統治下にあり、中華人民共和国は台湾を「反逆地」と位置づけて、武力統一の可能性も示唆している。近年、台湾問題は、米国と中国の間で新たな緊張の要素となっている。米国は、台湾を「独立した民主国家」として認識しており、台湾への軍事支援を拡大している。一方、中国は、台湾の独立を「中国の核心的利益」を脅かすものとして強く反対している。

台湾問題は、複雑な歴史的背景を有する問題である。日本と中国の間で領有権を争われてきた歴史があり、近年では米国の介入もあって、国際的な緊張が高まっている。

台湾の歴史を大きく分けると、以下の3つの時期に分けられる。

中国支配時代(1683年~1895年)
日本統治時代(1895年~1945年)
中華民国統治時代(1945年~現在)

中国支配時代:台湾は、17世紀初頭に鄭成功率いる明朝残党がオランダを追放して以来、清朝の支配下に入った。清朝の統治は、台湾の開発や経済成長に貢献したものの、一方で、台湾の文化や言語を抑圧するなど、台湾人の不満も高まった。

日本統治時代:1895年の日清戦争の講和条約である下関条約によって、台湾は日本に割譲された。日本は台湾を「内地延長主義」のもとで統治し、鉄道や港湾などのインフラ整備や教育の普及など、台湾の近代化に貢献した。しかし、一方で、台湾人の民族意識を抑圧する皇民化教育や、戦時中の徴兵制度など、台湾人の不満も高まった。

中華民国統治時代:1945年の第二次世界大戦の終戦後、台湾は中華民国の統治下に入った。中華民国は、台湾を「反共の砦」として位置づけ、米国の支援も得て、台湾の民主化や経済発展を推進した。しかし、一方で、台湾の独立を望む台湾人による運動も活発化した。

近年、台湾問題は、中国の軍事的脅威や、米国の介入によって、国際的な緊張が高まっている。中国は、台湾を「不可分の領土」と主張し、武力による統一も辞さない姿勢を示している。一方、米国は、台湾海峡の平和と安定を維持するため、台湾への武器供与や軍事演習を実施している。

台湾問題は、日本にとっても重要な問題である。日本は、台湾と緊密な経済関係を築いており、台湾の民主化や経済発展を支援してきた。また、台湾海峡の平和と安定は、日本の安全保障にも関わる重要な問題である。

日本は、台湾問題について、国際社会と連携しながら、平和的解決に向けた努力を続けていくことが重要である。

台湾問題は、台湾が中国の一部であるか、独立した主権国家であるか、また、台湾と中国の統一は、軍事的手段によって行われるべきか、平和的な手段によって行われるべきか、などについて、さまざまな立場や意見が存在する複雑な問題である。

この問題の歴史的背景を紐解くと、台湾は、1895年に日清戦争の講和条約である下関条約によって日本に割譲され、それから第二次世界大戦で日本が敗北するまでの50年間にわたって日本が占領統治した。この間、日本は台湾に鉄道、道路、ダムなどのインフラを整備し、台湾の近代化を進めたとされている。しかし、一方で、日本は台湾人を皇民化政策によって強制的に同化させ、台湾の伝統文化や言語を弾圧した。

第二次世界大戦後、台湾は中華民国に返還された。しかし、中国本土では、毛沢東率いる共産党と蔣介石率いる国民党による国共内戦が勃発し、国民党は台湾に逃れた。そのため、台湾は中華民国の支配下に入ったが、中国本土の共産党政権は、台湾を「反乱分子の拠点」とみなし、台湾の統一を図るために軍事的圧力を加えてきた。

1971年、中華人民共和国は国連に加盟し、中華民国は国連を追放された。これにより、台湾は国際社会において孤立し、台湾問題はますます複雑化した。

1990年代以降、台湾では民主化が進み、台湾独立を主張する政党が台頭した。2008年には、中華民国の国民党が政権に返り咲き、中国との統一路線を復活させた。しかし、2016年には、台湾独立を主張する民主進歩党が政権に返り咲き、台湾問題は新たな局面を迎えている。

最近では、中国の軍事的脅威が高まり、台湾有事の可能性が指摘されている。日本政府は、台湾有事は日本の安全保障に直結する問題であると認識しており、台湾への防衛支援を強化している。

台湾の歴史と現状について、主に米国と中国の役割に焦点を当てて論じている。

蒋介石国民党による軍事独裁:1949年に中国共産党が建国されると、国民党は台湾に撤退し、蒋介石による独裁政権が敷かれた。国民党は、日本統治時代の資産を「棚ボタ式」に接収し、外省人(中国本土から来た人)を優遇する一方、本省人(台湾人)の権利を抑圧した。また、戒厳令を敷いて言論や集会などの自由を弾圧し、共産党の脅威を理由に軍事力を強化した。

台湾を捨てたアメリカ:1950年から1970年代にかけて、米国は台湾を「反共の砦」として位置づけ、軍事支援や経済援助を行った。しかし、1971年に国連で中華人民共和国が中国の代表権を得ると、米国は台湾との国交を断絶した。このことは、台湾にとって大きな衝撃であり、台湾は孤立を深めることになった。

世論の大半は現状維持:民主化が進んだ近年、台湾では中国との融和を望む世論が高まっている。台湾の世論調査では、中国との統一や独立ではなく、現状維持を望む人が大半を占めている。また、経済的にも中国との結びつきが深まっており、台湾と中国の直行便は週700便近くにのぼっている。

中国の武力統一は困難:台湾有事は、台湾と中国だけでなく、米国や日本などにも大きな影響を与える可能性がある。しかし、ウクライナ戦争を見ると、米国は軍事介入に消極的であることがわかる。また、中国も武力統一を強行すれば、国際社会からの非難を浴びる可能性があり、現状では何も急ぐ必要性は感じていないと考えられる。

日本は戦争に巻き込まれるべきではない:日本は、かつてアジアを植民地支配した国であり、また、戦争の悲惨さを経験した国でもある。したがって、日本はいかなる場合にも戦わない覚悟をもって、戦わずに済む外交による問題解決をはかるべきである。

・台湾は、蒋介石の軍事独裁によって抑圧され、米国の支援によって孤立を深めてきた。
・台湾の世論は現状維持を望んでおり、中国の武力統一は困難である。
・日本は、戦争に巻き込まれるべきではない。

台湾の歴史と現状を踏まえた上で、米国と中国の役割に焦点を当てて、台湾有事の可能性と日本がとるべき道を論じている。

台湾の歴史と現状について、米国の台湾に対する政策や中国との経済関係など、さまざまな角度から分析したものである。

 まず、日本の植民地支配から解放された台湾が、1949年に中国共産党の勝利に伴い、中国本土から逃れた国民党政権によって統治されるようになった経緯が述べられている。国民党政権は、日本統治時代の官僚や軍人を登用して、台湾を軍事独裁で統治した。その結果、台湾では「白色テロ」と呼ばれる弾圧が横行し、多くの人が犠牲となった。

1970年代になると、米国は中国との関係改善を図るようになり、1971年には国連の中国代表権を中国に移譲した。これにより、台湾は国際社会から孤立することになった。

1980年代以降、台湾では民主化運動が活発化し、1996年には初の直接選挙による総統選挙が実施された。その後、台湾は民主化が進み、中国との経済関係も拡大している。

しかし、中国は台湾を自国の領土であると主張しており、台湾海峡をめぐる緊張は依然として続いている。

・台湾の歴史は、米国と中国の覇権争いの犠牲となった側面がある。
・台湾の民主化は、中国との武力衝突を回避するための重要な要素である。
・台湾の将来は、米国と中国とのバランスの中で決まっていくと考えられる。

日本政府は、米国の台湾に対する政策に盲従するのではなく、台湾の民主化を支援し、台湾と中国の平和的関係を促進する姿勢をとるべきだと主張している。

具体的には、日本は、台湾への武器供与や軍事演習を控え、台湾の民主化を支援する国際社会の取り組みを主導すべきだとしている。また、日本は、中国との対話を通じて、台湾海峡の平和と安定を維持するための枠組み作りに積極的に取り組むべきだとしている。

台湾の将来をめぐる重要な視点を提供するものであり、日本政府の台湾政策を考える上で参考になるだろう。

台湾の歴史と現状について、日本と米国の関与に焦点を当てて論じている。

1949年から1987年にかけての台湾の歴史を概観している。この時期、台湾は蒋介石率いる国民党政府によって統治された。蒋介石は、日本統治時代の体制を踏襲して台湾を支配し、戒厳令を敷いて民主化を抑圧した。この時期の台湾は、経済的には発展したものの、政治的には独裁体制が続くという矛盾を抱えていた。

台湾と米国の関係について論じている。米国は、1950年代から1970年代にかけて台湾を反共の防衛ラインとして重視し、軍事援助や経済援助を与えた。しかし、1971年に台湾は国連の「中国」代表権を失い、1979年には米国と中国との国交正常化が成立した。これにより、米国は台湾への軍事支援を縮小し、台湾を中国の一部とみなす「一つの中国」政策を採用した。

台湾の現在の状況について論じてい。1996年以降、台湾は民主化が進み、国民党と民進党の政権交代が繰り返されている。しかし、台湾の独立を主張する民進党と、統一を主張する国民党の対立は依然として続いており、台湾の将来は不透明な状況にある。

台湾有事の可能性について論じている。台湾が中国の武力侵攻に備えて軍備を増強していること、台湾の国民が中国の統一に反対していること、米国が台湾を守る意思が弱まっていることを指摘している。そして、台湾有事が起これば、台湾と中国だけでなく、日本も巻き込まれる可能性があると警告している。

日本が台湾有事への対応について論じている。日本が台湾有事に備えて軍備を増強することは、中国との対立を激化させ、戦争のリスクを高めるだけだと批判している。そして、日本は、戦争を回避するための外交努力を強化すべきだと主張している。

台湾の歴史と現状を概観するとともに、台湾有事への対応について日本に警鐘を鳴らす内容となっている。

今後、台湾問題がどのように展開していくのか、国際社会の大きな関心事となっている。

台湾問題は、日本や中国、台湾など、多くの国にとって重要な問題である。この問題を解決するためには、各国の理解と協力が不可欠である。

引用・参照・底本

「台湾巡る歴史的背景を紐解く 「反共の砦」に利用、一転して国連追放 米国の尻馬で「戦う覚悟」迫る旧植民地意識」長周新聞 2023.08.29