中露関係の特徴:幾世代にもわたる友好と永遠の非敵対性 ― 2025年04月02日 19:31
【概要】
王毅中共中央政治局委員(外交部部長)は、ロシア訪問中の4月1日、「ロシア・トゥデイ」の単独インタビューに応じ、中露関係の現状とその意義について言及した。新華社が伝えた。
王氏は、中露関係が両国首脳の戦略的リーダーシップのもとで戦略的協力パートナーシップを深化させているとし、これは歴史の発展の論理と一致し、強い内在的な原動力を有するものであると述べた。また、双方の親睦と相互利益に資するとともに、世界の多極化や国際関係の民主化の推進にも寄与すると指摘した。
現在の中露関係の特徴として、王氏は以下の3点を挙げた。
1.幾世代にもわたる友好と永遠の非敵対性
「中露善隣友好協力条約」が確立した「幾世代にもわたり友好的で、永遠に敵対しない」という原則が、両国のより高いレベルの戦略的協力に法的基盤を提供している。中露は70年以上にわたり協力関係を築いており、強固な相互信頼と深い歴史的蓄積を持ち、関係の内実は充実しており、高い強靭性を備えている。
2.平等な関係と協力・ウィンウィンの原則
1990年代初頭に確立された「平等互恵、強みによる相互補完」という協力原則は、21世紀に入り「協力・ウィンウィン」の原則へと発展し、両国の各分野における実務協力の基本原則となっている。双方は時代の変化に適応しつつ、互いの合理的な利益を尊重し、包括的な協力を継続的に深化させ、共通の利益を拡大している。
3.非同盟・非対立・第三国を標的としない関係
中露関係は「非同盟、非対立、第三国を標的としない」という原則を堅持しており、いかなる国に対しても脅威を与えず、また、いかなる第三国による干渉や影響も受けない。この関係は、現代における新たな大国間関係の模範であり、世界の不安定要因が増す中で重要な安定要因となっていると述べた。
【詳細】
王毅中共中央政治局委員(外交部部長)は、ロシア訪問中の4月1日、「ロシア・トゥデイ」の単独インタビューに応じ、中露関係の現状とその意義について詳細に説明した。新華社が伝えた。
王氏は、中露関係について「両国は首脳の戦略的リーダーシップのもとで戦略的協力パートナーシップを継続的に深化させている。これは歴史の発展の論理と完全に一致し、強い内在的な原動力を持つものである」と述べた。さらに、「中露の協力は双方の親睦と相互利益に貢献するだけでなく、世界の多極化の推進、さらには国際関係の民主化にも資する」と指摘した。
王氏は現在の中露関係の特徴として、以下の3つの点を挙げた。
1. 幾世代にもわたる友好と永遠の非敵対性
王氏は、「中露善隣友好協力条約」によって確立された「幾世代にもわたり友好的で、永遠に敵対しない」という原則が、中露関係の戦略的協力の法的基盤となっていると強調した。
この条約は2001年に締結され、2021年には締結から20周年を迎えた際に、両国首脳は条約の延長を決定した。この条約により、中露関係は一時的な利益に基づくものではなく、長期的かつ安定した関係であることが確認されている。王氏は「中露関係は70年以上にわたり緊密な協力を維持してきた。この歴史の中で両国は相互信頼を築き上げ、協力の基盤を厚くし、関係の内容を充実させるとともに、高い強靭性を備えるようになった」と述べた。
さらに、「中露関係は国際情勢の変化によって動揺することなく、互いに信頼し合い、安定した発展を遂げてきた」とし、両国の協力が単なる外交政策の選択ではなく、歴史的な必然性に基づくものであると強調した。
2. 平等な関係と協力・ウィンウィンの原則
王氏は、中露関係が対等なパートナーシップであり、協力と互恵の精神に基づいていることを強調した。1990年代初頭、冷戦終結後の国際情勢の変化を背景に、両国は「平等互恵、強みによる相互補完」という協力原則を確立した。この原則に基づき、両国は互いの強みを活かしながら協力を深め、共通の利益を拡大してきた。
21世紀に入ると、「協力・ウィンウィン」の原則がさらに強調され、両国の経済、エネルギー、軍事、科学技術など多岐にわたる分野での協力の指針となった。王氏は「双方は時代の進歩の方向に順応し、互いの合理的な関心に配慮しながら、包括的な協力を深め続けている」と述べた。
具体的な協力の例として、王氏は次のような分野を挙げた。
・経済貿易:中国とロシアの貿易額は近年急速に増加しており、2023年には両国の貿易額が2000億ドルを超えた。特にエネルギー、農業、ハイテク分野での協力が強化されている。
・エネルギー:中国はロシアの主要なエネルギー輸出先であり、天然ガスや石油の輸出拡大が進められている。シベリアから中国への天然ガス供給パイプライン「シベリアの力」プロジェクトは、両国のエネルギー協力の象徴的な事業である。
・インフラ:中露間の鉄道、港湾、航空輸送の協力が強化され、物流の利便性が向上している。
・科学技術:人工知能、宇宙開発、量子技術などの分野での協力が拡大している。
王氏は「中露は共通利益のパイを大きくし、双方にとって有益な協力を推進している」と述べた。
3. 非同盟・非対立・第三国を標的としない関係
王氏は、中露関係が「非同盟、非対立、第三国を標的としない」という原則を堅持していることを強調した。この原則は、両国関係が伝統的な軍事同盟とは異なり、柔軟かつ独立した協力関係であることを示している。
王氏は「中露関係は世界のいかなる国にも脅威を与えるものではなく、また、いかなる第三国による妨害や影響も受けない」と述べた。これは、両国が独自の外交政策を展開し、他国との対立を煽ることなく、協力を推進する姿勢を示している。
この点に関連し、王氏は次のような国際的な枠組みにおける中露協力の意義を指摘した。
・国際安全保障:中露は国際安全保障において協力を強化しており、特に国連安全保障理事会での連携を深めている。両国は国際秩序の多極化を支持し、一極支配に反対する立場を取っている。
・上海協力機構(SCO):中露は上海協力機構(SCO)を通じて、中央アジア諸国との安全保障・経済協力を強化している。SCOは、域内の安定維持や経済連携の促進に寄与している。
・BRICS:中国とロシアは、新興国の経済協力を促進するためのBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の枠組みでも連携している。王氏は、「中露協力は国際経済の多極化を促進し、新興国の発言力を強化する役割を果たしている」と述べた。
総括
王氏は「中露関係は、現代における新型の大国間関係の模範であり、激動と変革の世界における重要な安定化のパワーとなっている」と強調した。両国関係は長期的な視点に基づき、国際情勢の変動に影響されることなく、持続的に発展していることを改めて強調した。
また、王氏は「中露関係の深化は両国民の利益に資するだけでなく、世界の多極化と国際関係の民主化の推進にも寄与する」と述べ、今後も両国の協力を強化していく姿勢を示した。
【要点】
王毅のロシア訪問における発言(2024年4月1日)
中露関係の特徴
1.幾世代にもわたる友好と永遠の非敵対性
・「中露善隣友好協力条約」に基づき、長期的かつ安定した関係を維持。
・70年以上の協力の歴史があり、強固な相互信頼を築いている。
・国際情勢の変化に左右されず、安定した発展を遂げている。
2.平等な関係と協力・ウィンウィンの原則
・「平等互恵、相互補完」を基に協力を推進。
・経済・貿易・エネルギー・科学技術など多岐にわたる分野で連携。
・具体的な協力分野
⇨ 経済貿易:2023年の貿易額は2000億ドル超。
⇨ エネルギー:「シベリアの力」天然ガスパイプラインを含む協力強化。
⇨ インフラ:鉄道、港湾、航空輸送の利便性向上。
⇨ 科学技術:人工知能、宇宙開発、量子技術分野での協力拡大。
3.非同盟・非対立・第三国を標的としない関係
・軍事同盟とは異なり、柔軟かつ独立した関係を維持。
・いかなる国にも脅威を与えず、第三国の影響を受けない。
・国際的な枠組みでの協力
⇨ 国際安全保障:国連安保理での連携を強化。
⇨ 上海協力機構(SCO):中央アジア諸国と安全保障・経済協力を推進。
⇨ BRICS:新興国の発言力強化を支援。
総括
・中露関係は新型の大国間関係の模範。
・世界の多極化と国際関係の民主化を促進。
・今後も協力を深化させ、安定したパートナーシップを維持する方針。
【引用・参照・底本】
王毅氏「中露関係は世界の多極化推進に寄与する」人民網日本語版 2025.04.02
http://j.people.com.cn/n3/2025/0402/c94474-20297315.html
王毅中共中央政治局委員(外交部部長)は、ロシア訪問中の4月1日、「ロシア・トゥデイ」の単独インタビューに応じ、中露関係の現状とその意義について言及した。新華社が伝えた。
王氏は、中露関係が両国首脳の戦略的リーダーシップのもとで戦略的協力パートナーシップを深化させているとし、これは歴史の発展の論理と一致し、強い内在的な原動力を有するものであると述べた。また、双方の親睦と相互利益に資するとともに、世界の多極化や国際関係の民主化の推進にも寄与すると指摘した。
現在の中露関係の特徴として、王氏は以下の3点を挙げた。
1.幾世代にもわたる友好と永遠の非敵対性
「中露善隣友好協力条約」が確立した「幾世代にもわたり友好的で、永遠に敵対しない」という原則が、両国のより高いレベルの戦略的協力に法的基盤を提供している。中露は70年以上にわたり協力関係を築いており、強固な相互信頼と深い歴史的蓄積を持ち、関係の内実は充実しており、高い強靭性を備えている。
2.平等な関係と協力・ウィンウィンの原則
1990年代初頭に確立された「平等互恵、強みによる相互補完」という協力原則は、21世紀に入り「協力・ウィンウィン」の原則へと発展し、両国の各分野における実務協力の基本原則となっている。双方は時代の変化に適応しつつ、互いの合理的な利益を尊重し、包括的な協力を継続的に深化させ、共通の利益を拡大している。
3.非同盟・非対立・第三国を標的としない関係
中露関係は「非同盟、非対立、第三国を標的としない」という原則を堅持しており、いかなる国に対しても脅威を与えず、また、いかなる第三国による干渉や影響も受けない。この関係は、現代における新たな大国間関係の模範であり、世界の不安定要因が増す中で重要な安定要因となっていると述べた。
【詳細】
王毅中共中央政治局委員(外交部部長)は、ロシア訪問中の4月1日、「ロシア・トゥデイ」の単独インタビューに応じ、中露関係の現状とその意義について詳細に説明した。新華社が伝えた。
王氏は、中露関係について「両国は首脳の戦略的リーダーシップのもとで戦略的協力パートナーシップを継続的に深化させている。これは歴史の発展の論理と完全に一致し、強い内在的な原動力を持つものである」と述べた。さらに、「中露の協力は双方の親睦と相互利益に貢献するだけでなく、世界の多極化の推進、さらには国際関係の民主化にも資する」と指摘した。
王氏は現在の中露関係の特徴として、以下の3つの点を挙げた。
1. 幾世代にもわたる友好と永遠の非敵対性
王氏は、「中露善隣友好協力条約」によって確立された「幾世代にもわたり友好的で、永遠に敵対しない」という原則が、中露関係の戦略的協力の法的基盤となっていると強調した。
この条約は2001年に締結され、2021年には締結から20周年を迎えた際に、両国首脳は条約の延長を決定した。この条約により、中露関係は一時的な利益に基づくものではなく、長期的かつ安定した関係であることが確認されている。王氏は「中露関係は70年以上にわたり緊密な協力を維持してきた。この歴史の中で両国は相互信頼を築き上げ、協力の基盤を厚くし、関係の内容を充実させるとともに、高い強靭性を備えるようになった」と述べた。
さらに、「中露関係は国際情勢の変化によって動揺することなく、互いに信頼し合い、安定した発展を遂げてきた」とし、両国の協力が単なる外交政策の選択ではなく、歴史的な必然性に基づくものであると強調した。
2. 平等な関係と協力・ウィンウィンの原則
王氏は、中露関係が対等なパートナーシップであり、協力と互恵の精神に基づいていることを強調した。1990年代初頭、冷戦終結後の国際情勢の変化を背景に、両国は「平等互恵、強みによる相互補完」という協力原則を確立した。この原則に基づき、両国は互いの強みを活かしながら協力を深め、共通の利益を拡大してきた。
21世紀に入ると、「協力・ウィンウィン」の原則がさらに強調され、両国の経済、エネルギー、軍事、科学技術など多岐にわたる分野での協力の指針となった。王氏は「双方は時代の進歩の方向に順応し、互いの合理的な関心に配慮しながら、包括的な協力を深め続けている」と述べた。
具体的な協力の例として、王氏は次のような分野を挙げた。
・経済貿易:中国とロシアの貿易額は近年急速に増加しており、2023年には両国の貿易額が2000億ドルを超えた。特にエネルギー、農業、ハイテク分野での協力が強化されている。
・エネルギー:中国はロシアの主要なエネルギー輸出先であり、天然ガスや石油の輸出拡大が進められている。シベリアから中国への天然ガス供給パイプライン「シベリアの力」プロジェクトは、両国のエネルギー協力の象徴的な事業である。
・インフラ:中露間の鉄道、港湾、航空輸送の協力が強化され、物流の利便性が向上している。
・科学技術:人工知能、宇宙開発、量子技術などの分野での協力が拡大している。
王氏は「中露は共通利益のパイを大きくし、双方にとって有益な協力を推進している」と述べた。
3. 非同盟・非対立・第三国を標的としない関係
王氏は、中露関係が「非同盟、非対立、第三国を標的としない」という原則を堅持していることを強調した。この原則は、両国関係が伝統的な軍事同盟とは異なり、柔軟かつ独立した協力関係であることを示している。
王氏は「中露関係は世界のいかなる国にも脅威を与えるものではなく、また、いかなる第三国による妨害や影響も受けない」と述べた。これは、両国が独自の外交政策を展開し、他国との対立を煽ることなく、協力を推進する姿勢を示している。
この点に関連し、王氏は次のような国際的な枠組みにおける中露協力の意義を指摘した。
・国際安全保障:中露は国際安全保障において協力を強化しており、特に国連安全保障理事会での連携を深めている。両国は国際秩序の多極化を支持し、一極支配に反対する立場を取っている。
・上海協力機構(SCO):中露は上海協力機構(SCO)を通じて、中央アジア諸国との安全保障・経済協力を強化している。SCOは、域内の安定維持や経済連携の促進に寄与している。
・BRICS:中国とロシアは、新興国の経済協力を促進するためのBRICS(ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ)の枠組みでも連携している。王氏は、「中露協力は国際経済の多極化を促進し、新興国の発言力を強化する役割を果たしている」と述べた。
総括
王氏は「中露関係は、現代における新型の大国間関係の模範であり、激動と変革の世界における重要な安定化のパワーとなっている」と強調した。両国関係は長期的な視点に基づき、国際情勢の変動に影響されることなく、持続的に発展していることを改めて強調した。
また、王氏は「中露関係の深化は両国民の利益に資するだけでなく、世界の多極化と国際関係の民主化の推進にも寄与する」と述べ、今後も両国の協力を強化していく姿勢を示した。
【要点】
王毅のロシア訪問における発言(2024年4月1日)
中露関係の特徴
1.幾世代にもわたる友好と永遠の非敵対性
・「中露善隣友好協力条約」に基づき、長期的かつ安定した関係を維持。
・70年以上の協力の歴史があり、強固な相互信頼を築いている。
・国際情勢の変化に左右されず、安定した発展を遂げている。
2.平等な関係と協力・ウィンウィンの原則
・「平等互恵、相互補完」を基に協力を推進。
・経済・貿易・エネルギー・科学技術など多岐にわたる分野で連携。
・具体的な協力分野
⇨ 経済貿易:2023年の貿易額は2000億ドル超。
⇨ エネルギー:「シベリアの力」天然ガスパイプラインを含む協力強化。
⇨ インフラ:鉄道、港湾、航空輸送の利便性向上。
⇨ 科学技術:人工知能、宇宙開発、量子技術分野での協力拡大。
3.非同盟・非対立・第三国を標的としない関係
・軍事同盟とは異なり、柔軟かつ独立した関係を維持。
・いかなる国にも脅威を与えず、第三国の影響を受けない。
・国際的な枠組みでの協力
⇨ 国際安全保障:国連安保理での連携を強化。
⇨ 上海協力機構(SCO):中央アジア諸国と安全保障・経済協力を推進。
⇨ BRICS:新興国の発言力強化を支援。
総括
・中露関係は新型の大国間関係の模範。
・世界の多極化と国際関係の民主化を促進。
・今後も協力を深化させ、安定したパートナーシップを維持する方針。
【引用・参照・底本】
王毅氏「中露関係は世界の多極化推進に寄与する」人民網日本語版 2025.04.02
http://j.people.com.cn/n3/2025/0402/c94474-20297315.html

