ニジェールからのドイツ軍撤退2024年09月01日 14:56

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【概要】
 
 2023年に成立した新政権のもと、西アフリカのニジェールではロシアとの安全保障協力が急速に進展している。これに伴い、西側諸国の部隊が次々と撤退を決定している。

 ニジェール軍のママネ・サニ・キアウ参謀長とドイツ軍のストラス・カールステン大佐は、ニジェールの第101空軍基地を地元軍に譲渡する協定に署名した。これにより、ドイツ軍はニジェールから正式に撤退することになる。

 この動きは、ニジェールの安全保障戦略に大きな変化をもたらし、地域の軍事バランスにも影響を与える可能性がある。

【詳細】

 2023年にニジェールで新たな政権が成立した後、同国はロシアとの安全保障協力を急速に進めてきた。この変化により、西側諸国はニジェールにおける軍事プレゼンスを再考し、撤退を決定する国が増えている。

 背景と経緯

 ニジェールは、西アフリカの戦略的な位置にあり、過去にはフランスやドイツなど西側諸国と強固な軍事協力関係を築いていた。特に、フランスはニジェールを含むサヘル地域での反テロ作戦に積極的に関与していた。しかし、ニジェールの新政権はロシアとの関係を強化し、これが西側諸国の軍事プレゼンスに影響を与える結果となった。

 ドイツ軍の撤退

 2024年8月31日に行われた署名式では、ニジェール軍のママネ・サニ・キアウ参謀長とドイツ軍のストラス・カールステン大佐が、第101空軍基地を地元軍に譲渡する協定に署名した。これにより、ドイツ軍は正式にニジェールから撤退することとなった。

 安全保障の影響

 1.地域の軍事バランス: ドイツ軍を含む西側諸国の撤退により、ニジェールにおける軍事バランスは変化している。ロシアとの協力が進む中で、ニジェールは新たな軍事装備や訓練を受ける可能性がある。

 2.反テロ作戦への影響: 西側諸国の撤退は、地域における反テロ作戦にも影響を与える可能性があります。特にサヘル地域は過激派の活動が活発な地域であり、ニジェールの軍事協力体制の変化はこれらの活動にどのような影響を及ぼすか注目されています。

 3.国際関係の変化: ニジェールがロシアとの協力を強化する一方で、西側諸国との関係が冷却化する可能性がある。これにより、国際的な安全保障や外交関係にも影響を及ぼすことが考えられる。

 結論

 ドイツ軍の撤退は、ニジェールとロシアの関係強化を背景にした大きな動きであり、地域の軍事バランスや国際関係に影響を与える重要な出来事である。今後のニジェールの安全保障戦略や地域情勢の変化に注目が集まっている。

【要点】

 ニジェールからのドイツ軍撤退についての詳細

 1.背景

 ・2023年に新政権が成立
 ・ロシアとの安全保障協力が急速に進展

 2.撤退の具体的な出来事

 ・ニジェール軍のママネ・サニ・キアウ参謀長とドイツ軍のストラス・カールステン大佐が第101空軍基地を地元軍に譲渡する協定に署名
 ・ドイツ軍の正式な撤退が決定

 3.安全保障の影響

 ・地域の軍事バランス: ロシアとの協力強化により、ニジェールの軍事体制が変化
 ・反テロ作戦への影響: 西側諸国の撤退がサヘル地域での反テロ作戦に影響を及ぼす可能性
 ・国際関係の変化: ニジェールと西側諸国との関係が冷却化し、ロシアとの関係が強化

 4.結論

 ・ドイツ軍の撤退は地域の軍事バランスや国際関係に大きな影響を与える重要な出来事
 ・今後のニジェールの安全保障戦略や地域情勢の変化に注目が必要

【参考】

 ☞ 最近、西側諸国が撤退を決定したアフリカの国々

 1. マリ

 ・撤退の背景: 2021年にマリでクーデターが発生し、軍事政権が樹立された。その後、マリ政府はフランスやその他の西側諸国との関係を見直し、ロシアの民間軍事会社「ワグネルグループ」との協力を強化した。
 ・主要な撤退国: フランス、ドイツ、スウェーデン

 2. ブルキナファソ

 ・撤退の背景: 2022年と2023年に相次いでクーデターが発生し、新たな軍事政権が樹立された。この結果、フランスとの関係が悪化し、ロシアとの協力が進んだ。
 ・主要な撤退国: フランス

 3. 中央アフリカ共和国

 ・撤退の背景: ロシアの影響力が強まり、ワグネルグループが政府軍を支援する形で関与を深めている。これにより、フランスを含む西側諸国は軍事プレゼンスを縮小した。
 ・主要な撤退国: フランス

 4. ニジェール

 ・撤退の背景: 2023年に新政権が成立し、ロシアとの安全保障協力が強化された。これに伴い、西側諸国が撤退を決定。
 ・主要な撤退国: ドイツ

 これらの国々では、クーデターや政権交代が発生し、ロシアとの関係強化が進んだ結果、西側諸国の軍事プレゼンスが縮小された。これにより、アフリカにおける安全保障のバランスが大きく変わりつつある。

 ☞ 米国が撤退したアフリカの国々

 1. ソマリア

 ・撤退の背景: 2021年にバイデン政権が発足した後、米国はソマリアでの軍事プレゼンスを縮小する方針を打ち出した。これは、アフリカ全体における米国の軍事戦略の再評価の一環として行われた。
 ・撤退の詳細: 特にアフリカの司令部から派遣されていた特殊部隊が撤退したが、一部の対テロ作戦は継続している。

 2. エチオピア

 ・撤退の背景: 米国はエチオピアでの内戦や人道的危機に対処するために一時的な軍事プレゼンスを保っていたが、状況の変化や外交的アプローチの変化により、撤退が進められた。
 ・撤退の詳細: 特にエチオピア北部での軍事支援を行っていた部隊が撤退した。

 これらの撤退は、米国のアフリカにおける戦略の変化やリソースの再配置の一部として行われており、地域の安全保障や外交関係に影響を及ぼしている。

 3.ニジェールからの米軍撤退の背景

 ・政権の変化: 2023年にニジェールで新たな軍事政権が樹立され、西側諸国との関係が緊張した。特に、ロシアとの安全保障協力が進んだため、米国と西側諸国は対応を再考した。

 ・米国の対応: 2024年に入ると、米国はニジェールにおける軍事プレゼンスの見直しを開始した。米国は、ニジェールでの軍事的な関与を縮小し、戦略的な再配置を進めている。

 具体的な撤退内容

 ・撤退の決定: ニジェールからの米軍の撤退は、政権の変化や地域の安全保障環境の変化に応じて行われている。米国は、ニジェールに駐留していた部隊を他のアフリカ地域や基地に再配置する方針を採っている。

 ・撤退の進捗: 米軍は特に対テロ作戦や情報収集、支援活動を行っていた基地から撤退している。これは、ニジェール政府との関係悪化やロシアとの接近を受けての決定である。

 今後の影響

 ・地域の安全保障: 米軍の撤退は、ニジェールにおけるテロ対策や地域の安全保障に影響を与える可能性がある。特に、アル・カイダやISILなどの過激派グループに対する対策が課題となる。

 ・国際関係: 米軍の撤退は、ニジェールと米国との関係に影響を与えるとともに、ロシアとの関係がさらに強化される可能性がある。

 米軍の撤退は、ニジェールの安全保障戦略や米国のアフリカにおける戦略に重要な変化をもたらしている。

 ☞ 西側の軍隊が同じ国に駐留している場合、以下のような例がある。

 1. モーリタニア

 ・駐留国: フランスと米国
 ・背景: モーリタニアはサヘル地域に位置し、フランスと米国は共に地域のテロ対策や安全保障支援を行っている。両国の軍隊が異なる任務で駐留しており、協力関係にある。

 2. ケニア

 ・駐留国: 米国とイギリス
 ・背景: ケニアには米国とイギリスの軍隊が駐留しており、特にテロ対策や安全保障関連の訓練・支援を行っている。両国はケニアの安定と地域の安全保障に貢献している。

 3. ジブチ

 ・駐留国: 米国、フランス
 ・背景: ジブチは戦略的な位置にあり、米国とフランスはそれぞれの軍事基地を運営している。米国の「キャンプ・レモニエ」とフランスの「フランス軍基地」があり、両国の軍隊が同じ国に駐留し、異なる任務を遂行している。

 4. ブルキナファソ

 ・駐留国: フランス、米国
 ・背景: 2023年に政権交代があったものの、西側諸国がブルキナファソでの軍事的支援を行っていた歴史がある。政権の変化により西側諸国の軍事プレゼンスが調整されているが、過去には同じ国での西側の軍隊の駐留があった。

 これらの国々では、西側諸国の複数の軍隊が同じ国に駐留し、異なる任務や協力の下で活動している。地域の安全保障や国際的な協力の一環として、複数の西側諸国が同じ国での駐留を行うことがある。

 ☞ 現在、ニジェールにおいて西側の軍隊が同居して駐留しているという状況は見られない。以下はその理由と背景である。

 1. 西側軍隊の撤退

 ・ドイツ軍: 2024年8月にニジェールから撤退した。
 ・フランス軍: 最近の政権交代とロシアとの関係強化により、ニジェールから撤退している。
 ・米軍: ニジェールでの軍事プレゼンスを縮小しており、撤退が進んでいる。

 2. 西側とロシアの関係

 ・ニジェールの新政権はロシアとの安全保障協力を強化しており、西側諸国との関係が冷却化している。このため、西側諸国の軍隊が同じ国に駐留していることは難しくなっている。

 3. 現在の駐留状況

 ・現在、ニジェールには西側の地上部隊はほとんど存在していない状況ですある。ニジェールに駐留する西側の軍隊が他国の軍隊と同居しているという報告はない。

 4. 国際的な駐留の変化

 ・ニジェールの安全保障環境の変化や政権交代により、西側諸国の軍事プレゼンスは縮小し、ロシアとの関係が強化されている。そのため、同じ国に異なる西側の軍隊が共存する形は現実的ではない。

 要するに、現在のニジェールでは、西側の軍隊が他の西側の軍隊と同じ国に駐留しているという状況は存在しないとされている。
 
【参考はブログ作成者が付記】

【引用・参照・底本】

西側の支援がストップしてもウクライナは紛争継続を望むのか、世論調査結果が明らかに sputnik 日本 2024.08.31
https://sputniknews.jp/20240831/19028395.html

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