和平会議でのブラジル代表団の見解2023年08月06日 17:46

[ちりめん絵](国立国会図書館デジタルコレクション)
 ウクライナ紛争に関するサウジアラビア主催の会議におけるブラジル代表団の発言や関連する立場に関するものである。

 ブラジルの代表発言

 サウジアラビアで行われたウクライナ紛争に関する会議において、ブラジルの代表団長である大統領首席顧問のセルソ・アモリム氏は、ロシアの関与なしには交渉の進展は望めないとの疑念を表明した。アモリム氏は、ウクライナが最大の被害者であるとしながらも、真の平和を望むならば、このプロセスにモスクワを何らかの形で関与させる必要があると述べた。

 ロシアの招待不在と他国の立場

 この会議には約40カ国が招待されたが、その中にはロシアは含まれておらず、一部の国々は米国の圧力に抵抗し、この紛争を大国同士の代理戦争と見なし、その一部には参加したくないと考えている。メキシコのアンドレス・マヌエル・ロペス・オブラドール大統領も以前にこの会議を拒否し、「ロシアが参加していない限り無意味だ」と発言した。

 ロシアと西側諸国の対立
 
 ブラジル代表団の指導者は、ウクライナ紛争は単にウクライナとロシアの対立ではなく、長い歴史を持つロシアと西側諸国との対立の一部であると述べた。

 サウジ会議とロシアの懐疑

 ロシアは、サウジアラビアでの会議が単なる試みであり、中立的な国々を説得してウクライナ大統領ウォロディミル・ゼレンスキーが提案した「十カ条の平和案」を支持させようとする西側の試みだと懐疑している。

 ロシアの反応と見解

 ロシア外務省は、この会議の提案された形式の交渉が「ロシアに対する反連合を結成しようとする試み」であるとした。ロシア外務大臣セルゲイ・ラブロフは、ウクライナの計画がロシアに「完全に降伏」し、キエフによるエスニックロシア人の迫害を無視することを求めるものであると述べたが、クレムリン報道官ドミトリー・ペスコフは、ロシアはサウジ会議に注意を払い、紛争を平和的に解決しようとする試みを常に歓迎すると述べた。

 結論

 ブラジル代表団の主張は、ウクライナ紛争の解決にはロシアの関与が不可欠であるという立場を示しており、他の国々との意見の相違や交渉の難しさが浮き彫りになっている。また、会議自体に対するロシアの懐疑的な姿勢も明らかにされている。

【要点】

ブラジル大統領首席補佐官セルソ・アモリム氏は、ロシアの交渉参加なしにウクライナ紛争で進展が見られるかどうかについて疑問を表明した。アモリム氏は、サウジ主催の紛争に関するサミットの初日にビデオリンクで発言したが、このサミットにはモスクワは招待されていなかった。

アモリム氏は、「本当の交渉にはすべての当事者が参加しなければならない」とし、国際社会が本当に平和を望むのであれば、何らかの方法でロシアをプロセスに参加させる必要があると述べた。同氏はまた、ウクライナ紛争はロシアとウクライナの間の紛争であるだけでなく、ロシアと西側諸国の間の長年にわたる対立の一章でもあると述べた。

ロシア政府はジッダで提示されるいかなる「和平案」にも懐疑的な姿勢を崩しておらず、今回の首脳会談は、ウクライナのウラジミール・ゼレンスキー大統領が提案したいわゆる「10項目の和平方式」を支持するよう中立国を説得する西側諸国の単なる試みにすぎないと主張した。 ロシア外務省は以前、提案された形式での交渉は「反ロシア連合を結成するという(参加)国の誠実な意図を利用する試み」に当たると述べた。

ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は金曜日、ウクライナの計画はロシアに「完全に降伏」し、キエフによるロシア系住民への迫害に目をつぶることを求めていると述べた。しかし、クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、ロシアはサウジアラビアの会談を注視すると述べ、ロシアは紛争を平和的に解決しようとする試みを常に歓迎していると繰り返した。

一方、ロシア外務省報道官のマリア・ザハロワ氏は、「ゼレンスキー氏の計画には見通しがないことを西側諸国に理解させる」のであれば、この会談は「無駄ではない」と述べた。

アモリム氏は、ウクライナ紛争の進展にはロシアの関与が必要であると信じているが、ロシア政府は提案されている「和平案」について依然として懐疑的であり、西側諸国の理解を助けることができなければジッダでの会談は無駄になると述べている。 ゼレンスキー氏の計画には見通しがない。

引用・参照・底本

「Any ‘real’ talks on Ukraine should include Russia – Brazil」 RT 2023.08.06

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