ノルウェー:訪問時にはネタニヤフ氏を逮捕する2024年05月23日 09:26

国立国会図書館デジタルコレクション「青楼美人合 第2冊」を加工して作成
 ノルウェーのエスペン・バース・エイデ外相が、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相がノルウェーを訪問した場合に逮捕する意向を表明した。この発表は、国際刑事裁判所(ICC)がネタニヤフ首相に対する逮捕状を発行した場合に基づいている。

 イスラエルの12チャンネル・テレビのウェブサイトは、ICCの3人の判事がネタニヤフ首相とヨアブ・ガラント戦争相に対する逮捕状の発行に同意すれば、これらの人物はローマ規程(註)に署名している国々には渡航できなくなると報じた。この場合、ネタニヤフ首相とガラント戦争相は、ドイツ、オランダ、ギリシャ、フランス、日本、スペインなど、ICCに加盟する124カ国に渡航する際に逮捕される義務が生じる。

 同時に、この報道では、アメリカ合衆国はICCに加盟していないため、イスラエルの指導者たちは自由に渡航できるとしている。

 さらに、複数のヘブライ語メディアは、21日にICCが別のリストを発行し、より多くのイスラエルの政治・軍事的指導者が指名手配者リストに含まれる可能性があると伝えている。

 この状況は国際的な法的問題を含むため、今後の展開に注目が集まっている。

【視点】

背景

この発表の背景には、国際刑事裁判所(ICC)がイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相およびヨアブ・ガラント戦争相に対する逮捕状を検討していることがある。ICCは国際法に基づいて戦争犯罪、人道に対する罪、ジェノサイドなどの重大な犯罪を取り締まるための国際的な司法機関である。ICCが逮捕状を発行するためには、判事の同意が必要である。

逮捕状発行の影響

逮捕状が発行されると、ネタニヤフ首相とガラント戦争相はICCの管轄下にある国、すなわちローマ規程に署名している国々に渡航することが困難になる。ローマ規程はICCを設立する条約で、これに加盟している国々はICCの決定を尊重し、逮捕状が発行された人物を逮捕する義務がある。

ノルウェーの対応

ノルウェーはICCの加盟国であり、国際法を遵守する立場を取っている。そのため、ノルウェー外相エスペン・バース・エイデはネタニヤフ首相がノルウェーを訪問した場合には逮捕する意向を明確にした。これはICCが逮捕状を発行した場合に基づくものであり、国際法を遵守する義務を果たすという立場を示している。

国際的な反応

この件に関して、イスラエル国内では複数のヘブライ語メディアが報道しており、さらなるイスラエルの政治・軍事的指導者が指名手配リストに含まれる可能性があると伝えている。また、イスラエルの12チャンネル・テレビは、ICCの3人の判事が逮捕状発行に同意すれば、ネタニヤフ首相とガラント戦争相が世界中の多くの国々に渡航できなくなると報じている。

アメリカの立場

報道によれば、アメリカ合衆国はICCの加盟国ではないため、イスラエルの指導者たちはアメリカには自由に渡航できるとされている。アメリカはICCに対して独自の立場を取っており、ICCの管轄権を認めていないためである。

まとめ

ノルウェー外相の発表は、国際刑事裁判所の決定を尊重し、国際法を遵守する姿勢を示すものであり、ネタニヤフ首相に対する逮捕状が発行された場合の対応を明確にしている。この発表は国際的な法的問題を含むため、今後の展開が注目される。また、イスラエルの指導者に対するICCの動きや、他国の対応についても注視する必要がある。

【要点】

・背景

国際刑事裁判所(ICC)の役割

ICCは戦争犯罪、人道に対する罪、ジェノサイドなどを裁く国際司法機関。
ICCが逮捕状を発行するには判事の同意が必要。

・イスラエルの指導者に対する逮捕状の検討

ベンヤミン・ネタニヤフ首相とヨアブ・ガラント戦争相が対象。
ICCの3人の判事が逮捕状発行に同意するかを検討中。

・逮捕状発行の影響

ローマ規程加盟国の対応義務

ローマ規程はICCを設立する条約。
加盟国はICCの決定を尊重し、逮捕状が発行された人物を逮捕する義務がある。

旅行制限

逮捕状が発行されると、対象者はローマ規程加盟国には渡航できなくなる。
加盟国は124カ国に及ぶ。

・ノルウェーの対応

外相の発表

エスペン・バース・エイデ外相はネタニヤフ首相がノルウェーを訪問した場合に逮捕する意向を表明。
ICCの逮捕状が発行された場合に基づくもの。

国際法の遵守

ノルウェーはICCの加盟国として国際法を遵守する立場を取る。

・国際的な反応

イスラエル国内の報道

複数のヘブライ語メディアがさらなる指導者の指名手配の可能性を報道。
イスラエルの12チャンネル・テレビはネタニヤフ首相とガラント戦争相が多くの国に渡航できなくなると報じる。

・アメリカの立場

ICC非加盟国

アメリカはICCの加盟国ではない。
イスラエルの指導者たちはアメリカには自由に渡航できる。

・まとめ

国際法の尊重と義務履行

ノルウェー外相の発表はICCの決定を尊重し、国際法を遵守する姿勢を示す。
ネタニヤフ首相に対する逮捕状が発行された場合の対応を明確にするもの。

今後の展開

国際的な法的問題を含むため、今後の動向に注目が必要。
他国の対応やICCの動きについても注視する必要がある。

【註】
国際刑事裁判所に関するローマ規程(正式名称:国際刑事裁判所に関するローマ規程の採択に関する国際会議の最終議定書)は、国際刑事裁判所(ICC)の設立、管轄犯罪、手続などを規定する国際条約である。

1998年7月17日にイタリアのローマで採択され、2002年7月1日に発効した。2023年5月現在、124カ国が締約国となっている。

ローマ規程の主な内容

国際刑事裁判所の設立
管轄犯罪:集団殺害犯罪、人道に対する犯罪、戦争犯罪、侵略犯罪
手続:捜査、起訴、裁判、執行
その他:裁判官、検察官、弁護人の選任、被害者の保護など

ローマ規程の意義

ローマ規程は、国家の刑事裁判権を補完し、国際法上最も重大な犯罪を行った個人を責任追及することを可能にする画期的な条約である。

具体的には、以下の点が重要である。

国家による責任追及が難しい場合でも、個人が責任を問われる
犯罪の被害者にとって、正義の実現の手段となる
国際法の遵守と法の支配の促進に貢献する

ローマ規程への批判

一方で、ローマ規程には以下のような批判もある。

欧米諸国中心主義である
発展途上国に対する不公平性がある
裁判所の権限が強すぎる

ローマ規程の今後

ローマ規程は、発効以来、多くの課題に直面しながらも、着実に歩みを進めている。

今後、ICCは、より多くの国々に加盟を呼びかけ、その有効性を高めていくことが求められている。

(註はブログ作成者が参考の為に付記した。)

引用・参照・底本

ノルウェー外相、「ネタニヤフ氏を逮捕する」 2024.05.22

https://parstoday.ir/ja/news/middle_east-i124384

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