末期的米国の政策 ― 2025年05月29日 22:46
【概要】
中国外交部の毛寧(マオ・ニン)報道官は木曜日、米国務長官マルコ・ルビオ氏が中国人学生のビザを取り消すと発言したことを受け、米国がイデオロギーおよび国家安全保障を口実に中国人学生のビザを不当に取り消す行為は、彼らの正当な権利と利益を著しく損ない、両国間の通常の人的交流を妨げるものであると述べた。中国はこれに断固として反対すると強調した。
毛報道官は、中国はすでに米国側に対して申し入れを行ったことを明らかにした。このような政治的かつ差別的な行為は、米国が一貫して掲げてきた「自由」や「開放」の虚構を暴くものであり、米国の国際的なイメージと信頼性を一層損なう結果となると述べた。
米国国務省が水曜日に発表した声明の中で、ルビオ氏は、国務省が国土安全保障省と協力し、中国人学生のビザを積極的に取り消すとともに、今後の全ての中国からのビザ申請に対して審査基準を見直し、厳格化する方針であると表明した。
【詳細】
「中国人学生のビザ取り消しは米国が掲げる自由と開放の虚構を露呈」と中国外交部報道官
2025年5月29日、中国外交部の毛寧(マオ・ニン)報道官は定例記者会見において、米国務長官マルコ・ルビオ氏が発表した「中国人学生のビザを取り消す」との方針に対して、中国として強く反対の意を表明した。
毛報道官は、米国が「イデオロギー」および「国家安全保障」といった名目を用いて中国人学生のビザを取り消す行為は、対象となる学生たちの合法的な権利と正当な利益を著しく損なうものであると述べた。また、このような措置は、中米間の正常な人的交流を破壊するものであり、両国の国民間における理解と信頼を損なう結果となるとした。
中国政府は、今回の米国の措置に対し、すでに外交ルートを通じて「厳正な申し入れ(representations)」を行ったと明らかにした。これは、国際社会における外交慣行に基づく正式な抗議の一形態である。
毛報道官はさらに、今回の措置は「政治的かつ差別的」であると位置付け、米国が長年掲げてきた「自由」や「開放」といった価値観が、実際には選別的かつ恣意的に適用されていることを示していると述べた。こうした行為は、米国の国際的イメージと信用を著しく損ね、国際社会における米国の道義的立場を低下させるものだと強調した。
これに先立ち、米国務省は5月28日(水曜日)、ルビオ国務長官の声明を発表した。その中で、ルビオ氏は国土安全保障省(Department of Homeland Security)と連携し、中国人学生に対する既存のビザを「積極的に取り消す(aggressively revoke)」方針を示した。また、今後中国からのビザ申請については、その審査基準を見直し、より厳格に精査する方針であることを明言した。
【要点】
・米国務長官マルコ・ルビオ氏は、米国が中国人学生に対するビザを取り消す方針を表明した。
・ルビオ氏は、国務省が国土安全保障省と連携し、中国人学生のビザを「積極的に取り消す(aggressively revoke)」と述べた。
・さらに、今後の中国人による全てのビザ申請について、審査基準を見直し、より厳格な審査を行う方針であると明言した。
・これを受けて、中国外交部の毛寧(マオ・ニン)報道官は、5月29日の定例記者会見にて中国側の立場を表明した。
・毛報道官は、米国が「イデオロギー」と「国家安全保障」を口実に中国人学生のビザを不当に取り消す行為に対し、断固として反対すると述べた。
・同報道官は、こうした措置が対象となる学生の「正当な権利と利益」を著しく損なうものであると指摘した。
・また、ビザ取り消しは米中間の「正常な人的交流」を妨げるものであり、両国国民間の理解と信頼の構築を阻害する行為であるとした。
・中国は、今回の米国の措置に関して、すでに外交ルートを通じて「厳正な申し入れ(representations)」を行った。
・毛報道官は、今回の措置は「政治的かつ差別的」であると非難した。
・さらに、このような行為は、米国が一貫して掲げてきた「自由」や「開放」といった価値観が虚偽であることを露呈するものだと述べた。
・その上で、米国の国際的なイメージおよび信頼性がこれによって更に損なわれると警告した。
【桃源寸評】💚
以上の発表と対応は、米中間における人的交流・学術交流の緊張をさらに高める可能性があり、国際社会においても注目を集めている。
➡️内外に亘るトランプ政権の在り方は末期的である
1.GTが述べる事実」= 米国の中国人学生へのビザ取り消し措置
・中国外交部の発言を紹介する形式で、米国が「イデオロギー」や「国家安全保障」の名の下に、中国人学生のビザを不当に取り消していると報じている。
・この措置は、学術・人的交流という国家間の基本的な信頼関係を損なうものとして非難されている。
2. この文脈における「末期的」という評価の意味
政治的・制度的・道徳的な劣化、機能不全、自己矛盾の極点を指す。
(1) 理念と行動の矛盾
・米国は長らく「自由」「開放」「民主主義」「法の支配」などを世界に向けて説いてきた。
・しかし、特定国(中国)からの学生に対し、政治的・人種的動機に基づく排除的措置を講じていることは、それら理念との明白な自己矛盾を示す。
・このような理念と行動の乖離は、体制の信頼性が「末期的」に揺らいでいる兆候といえる。
(2)国際的信用の崩壊
・教育交流やビザ政策は、国家の「ソフトパワー」の象徴であり、他国の人材を受け入れる寛容性は、その国の地位を高める要素であった。
・それを敵対的措置として切り捨てるならば、米国は自ら国際的信用と文化的影響力を棄損していることになり、制度としての求心力の喪失=末期症状と見なされ得る。
(3)排外主義と国家の硬直化
・教育・研究の分野でイデオロギーによる統制や排除が進むならば、自由な知の交流や科学の進展は阻害される。
・それは、民主主義国家としての自壊であり、内向き・閉鎖的な国家運営が常態化する「末期状態」に陥っていることを象徴する。
3. 総括
GTが報じた米国の行為が「民主主義」「自由」「開放」「国際主義」といった本来の原則と著しく矛盾している。
それが制度的・道義的・文化的な崩壊の兆候を示しているという政治的かつ文明的な衰退の深刻さを指摘できる。
このような末期的であるという評価は、国家の理念的・制度的な持続可能性に対する本質的な問いを投げかけるものである。
【寸評 完】
【引用・参照・底本】
US revocation of Chinese students' visas exposes US-touted lies of freedom and openness: FM spokesperson GT 2025.05.29
https://www.globaltimes.cn/page/202505/1335087.shtml
中国外交部の毛寧(マオ・ニン)報道官は木曜日、米国務長官マルコ・ルビオ氏が中国人学生のビザを取り消すと発言したことを受け、米国がイデオロギーおよび国家安全保障を口実に中国人学生のビザを不当に取り消す行為は、彼らの正当な権利と利益を著しく損ない、両国間の通常の人的交流を妨げるものであると述べた。中国はこれに断固として反対すると強調した。
毛報道官は、中国はすでに米国側に対して申し入れを行ったことを明らかにした。このような政治的かつ差別的な行為は、米国が一貫して掲げてきた「自由」や「開放」の虚構を暴くものであり、米国の国際的なイメージと信頼性を一層損なう結果となると述べた。
米国国務省が水曜日に発表した声明の中で、ルビオ氏は、国務省が国土安全保障省と協力し、中国人学生のビザを積極的に取り消すとともに、今後の全ての中国からのビザ申請に対して審査基準を見直し、厳格化する方針であると表明した。
【詳細】
「中国人学生のビザ取り消しは米国が掲げる自由と開放の虚構を露呈」と中国外交部報道官
2025年5月29日、中国外交部の毛寧(マオ・ニン)報道官は定例記者会見において、米国務長官マルコ・ルビオ氏が発表した「中国人学生のビザを取り消す」との方針に対して、中国として強く反対の意を表明した。
毛報道官は、米国が「イデオロギー」および「国家安全保障」といった名目を用いて中国人学生のビザを取り消す行為は、対象となる学生たちの合法的な権利と正当な利益を著しく損なうものであると述べた。また、このような措置は、中米間の正常な人的交流を破壊するものであり、両国の国民間における理解と信頼を損なう結果となるとした。
中国政府は、今回の米国の措置に対し、すでに外交ルートを通じて「厳正な申し入れ(representations)」を行ったと明らかにした。これは、国際社会における外交慣行に基づく正式な抗議の一形態である。
毛報道官はさらに、今回の措置は「政治的かつ差別的」であると位置付け、米国が長年掲げてきた「自由」や「開放」といった価値観が、実際には選別的かつ恣意的に適用されていることを示していると述べた。こうした行為は、米国の国際的イメージと信用を著しく損ね、国際社会における米国の道義的立場を低下させるものだと強調した。
これに先立ち、米国務省は5月28日(水曜日)、ルビオ国務長官の声明を発表した。その中で、ルビオ氏は国土安全保障省(Department of Homeland Security)と連携し、中国人学生に対する既存のビザを「積極的に取り消す(aggressively revoke)」方針を示した。また、今後中国からのビザ申請については、その審査基準を見直し、より厳格に精査する方針であることを明言した。
【要点】
・米国務長官マルコ・ルビオ氏は、米国が中国人学生に対するビザを取り消す方針を表明した。
・ルビオ氏は、国務省が国土安全保障省と連携し、中国人学生のビザを「積極的に取り消す(aggressively revoke)」と述べた。
・さらに、今後の中国人による全てのビザ申請について、審査基準を見直し、より厳格な審査を行う方針であると明言した。
・これを受けて、中国外交部の毛寧(マオ・ニン)報道官は、5月29日の定例記者会見にて中国側の立場を表明した。
・毛報道官は、米国が「イデオロギー」と「国家安全保障」を口実に中国人学生のビザを不当に取り消す行為に対し、断固として反対すると述べた。
・同報道官は、こうした措置が対象となる学生の「正当な権利と利益」を著しく損なうものであると指摘した。
・また、ビザ取り消しは米中間の「正常な人的交流」を妨げるものであり、両国国民間の理解と信頼の構築を阻害する行為であるとした。
・中国は、今回の米国の措置に関して、すでに外交ルートを通じて「厳正な申し入れ(representations)」を行った。
・毛報道官は、今回の措置は「政治的かつ差別的」であると非難した。
・さらに、このような行為は、米国が一貫して掲げてきた「自由」や「開放」といった価値観が虚偽であることを露呈するものだと述べた。
・その上で、米国の国際的なイメージおよび信頼性がこれによって更に損なわれると警告した。
【桃源寸評】💚
以上の発表と対応は、米中間における人的交流・学術交流の緊張をさらに高める可能性があり、国際社会においても注目を集めている。
➡️内外に亘るトランプ政権の在り方は末期的である
1.GTが述べる事実」= 米国の中国人学生へのビザ取り消し措置
・中国外交部の発言を紹介する形式で、米国が「イデオロギー」や「国家安全保障」の名の下に、中国人学生のビザを不当に取り消していると報じている。
・この措置は、学術・人的交流という国家間の基本的な信頼関係を損なうものとして非難されている。
2. この文脈における「末期的」という評価の意味
政治的・制度的・道徳的な劣化、機能不全、自己矛盾の極点を指す。
(1) 理念と行動の矛盾
・米国は長らく「自由」「開放」「民主主義」「法の支配」などを世界に向けて説いてきた。
・しかし、特定国(中国)からの学生に対し、政治的・人種的動機に基づく排除的措置を講じていることは、それら理念との明白な自己矛盾を示す。
・このような理念と行動の乖離は、体制の信頼性が「末期的」に揺らいでいる兆候といえる。
(2)国際的信用の崩壊
・教育交流やビザ政策は、国家の「ソフトパワー」の象徴であり、他国の人材を受け入れる寛容性は、その国の地位を高める要素であった。
・それを敵対的措置として切り捨てるならば、米国は自ら国際的信用と文化的影響力を棄損していることになり、制度としての求心力の喪失=末期症状と見なされ得る。
(3)排外主義と国家の硬直化
・教育・研究の分野でイデオロギーによる統制や排除が進むならば、自由な知の交流や科学の進展は阻害される。
・それは、民主主義国家としての自壊であり、内向き・閉鎖的な国家運営が常態化する「末期状態」に陥っていることを象徴する。
3. 総括
GTが報じた米国の行為が「民主主義」「自由」「開放」「国際主義」といった本来の原則と著しく矛盾している。
それが制度的・道義的・文化的な崩壊の兆候を示しているという政治的かつ文明的な衰退の深刻さを指摘できる。
このような末期的であるという評価は、国家の理念的・制度的な持続可能性に対する本質的な問いを投げかけるものである。
【寸評 完】
【引用・参照・底本】
US revocation of Chinese students' visas exposes US-touted lies of freedom and openness: FM spokesperson GT 2025.05.29
https://www.globaltimes.cn/page/202505/1335087.shtml