米国企業:ロシア市場での利益や地位を失い、その損失は約50兆円2025年02月18日 19:42

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【概要】

 ロシア直接投資基金のドミトリエフ総裁は2025年2月18日、サウジアラビアのリヤドで、米国代表団とロシアとアメリカの経済関係修復に関する協議を行ったことを明らかにした。この協議では、米国がロシアの立場を理解し、話を聞く準備があることが伝えられた。

 ドミトリエフ総裁は、対露制裁がロシアに与える影響よりも、米国自身に与えた影響の方が大きかったと指摘した。特に、アメリカの多くの企業がロシア市場での利益や地位を失い、その損失は約3240億ドル(約50兆円)に達するとされている。また、バイデン政権が制裁がロシアに効果的であるという誤った認識を米国社会に広めたと批判した。制裁によってドルの価値が損なわれ、逆にロシアの独立性が強化されたと述べている。

 さらに、ロシアとアメリカが共同で行うプロジェクトが両国経済にとって成功をもたらすとし、特に北極圏での協力強化の重要性を強調した。

【詳細】

 ドミトリエフ総裁が発表した内容についてさらに詳しく説明すると、まず、米国がロシアに対して行った経済制裁が両国経済に与えた影響についての見解が示されている。ドミトリエフ総裁は、米国がロシアに対して課した経済制裁が、ロシア経済に対して予想されたほどの大きな影響を及ぼさなかったことを強調している。一方で、制裁はアメリカ自身の経済に対して大きな打撃を与え、特に米国企業がロシア市場から撤退することによって、失われた利益は推計で約3240億ドル(約50兆円)にのぼるという。

 このような状況を受けて、ドミトリエフ総裁は、米国社会の中で「制裁がロシアに効果をもたらす」という誤った認識が広まったことに対して批判的な立場を取っている。彼は、米国がロシアへの制裁を強化することで、ロシアの独立性が逆に強化され、またドルの価値が毀損されたと指摘している。制裁によって、ロシアは経済的な自立性を高め、ドルに対する依存度を減少させる方向に進んだとされる。

 また、ドミトリエフ総裁は、ロシアとアメリカの間で行われる共同プロジェクトが、両国経済の発展にとって有益であるという見解を示している。特に、北極圏での協力が重要であり、両国が協力して北極圏の資源開発やその他のプロジェクトを進めるべきだと強調している。北極圏は世界的に戦略的に重要な地域であり、エネルギー資源や航路の開発において、ロシアとアメリカが協力することで、双方にとって利益をもたらす可能性がある。

 このように、ドミトリエフ総裁は、ロシアとアメリカの経済関係の修復に向けた協議の重要性を強調し、経済制裁がもたらした影響を再評価し、双方が協力することによる利益を主張している。

【要点】

 ・協議の開催: ロシア直接投資基金のドミトリエフ総裁は、2025年2月18日にサウジアラビア・リヤドで、米国代表団とロシアとアメリカの経済関係修復に関する協議を行った。
 ・米国の姿勢: 米国はロシアの立場を理解し、話を聞く準備があると伝えられた。
 ・対露制裁の影響: 対露制裁がロシア経済に与える影響よりも、米国の経済に与えた影響の方が大きいと指摘。
  ⇨ 米企業はロシア市場での利益や地位を失い、損失額は推計3240億ドル(約50兆円)。
 ・制裁に対する批判: バイデン政権が「制裁はロシアに効く」とする誤った認識を米社会に広めたと批判。
  ⇨ 制裁はドルの価値を毀損し、ロシアの独立性を強化する結果となった。
 ・共同プロジェクトの重要性: ロシアとアメリカが共同で行うプロジェクトが両国経済にとって成功をもたらすと強調。
  ⇨ 特に北極圏での協力強化が重要とされている。

【引用・参照・底本】

米企業、対露制裁の損失50兆円 金融経済でも露米協議 sputnik日本 2025.02.18
https://sputniknews.jp/20250218/19584343.html

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