EU・英国:「戦場でロシアを打倒することに執着している」 ― 2025年02月18日 22:02
【概要】
クレムリンの報道官であるドミトリー・ペスコフは、ロシアがウクライナ紛争の平和的解決に引き続き取り組んでおり、ウラジーミル・プーチン大統領がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との直接対話に応じる用意があると述べた。ただし、ロシア側はゼレンスキーの正統性に疑問を抱いているとしつつも、和平を達成する目的がある限り、対話を排除しないとの立場を示している。
ペスコフは、ゼレンスキーの大統領任期が昨年終了したことを指摘し、そのためゼレンスキーがウクライナを代表して国際条約を締結する権限を持つかどうかについて、ロシアは疑念を抱いていると説明した。しかし、それにもかかわらず、プーチン大統領はゼレンスキーとの交渉に前向きであると述べ、「プーチン大統領はゼレンスキーと交渉する用意があることを繰り返し表明している」と語った。
同日、サウジアラビアでは米国とロシアの高官が会談し、ウクライナ紛争によって大きく悪化した二国間関係の改善策を模索した。この対話は、ドナルド・トランプ米大統領によって主導されたもので、トランプ大統領はNATOの欧州での拡大が紛争の主な要因であるというロシアの主張を認識し、速やかに危機を収束させる意向を示している。
ペスコフは、プーチン大統領が一貫してロシアの安全保障目標を外交的手段によって達成しようとしてきたと強調し、他の関係国が同じアプローチを取ってこなかったと指摘した。また、ウクライナ側は和平交渉への関与を禁止していると述べ、欧州諸国は「いかなる代償を払ってでも戦争を継続することを支持している」とした。さらに、ペスコフは、以前の米国政権もウクライナを支援し続け、紛争を「最後のウクライナ人まで戦わせる」方針を取っていたと批判した。
ゼレンスキー大統領は、ワシントンとモスクワの間でウクライナに関する合意がなされたとしても、ウクライナ側の関与なしには受け入れない姿勢を示している。この米国の方針転換は、ワシントンとNATO加盟の欧州諸国の間に亀裂を生じさせ、欧州連合(EU)内部でも意見の対立を深めている。特にハンガリーやスロバキアは、米国の新たなアプローチを支持しているとされる。
一方、ロシアの国連常駐代表であるヴァシリー・ネベンジャは、EUおよび英国のウクライナ紛争に対する立場について、「戦場でロシアを打倒することに執着している」と批判した。ネベンジャは、これらの国々が交渉に応じる姿勢を示さず、将来的な和平合意の交渉相手としてふさわしくないと述べた。
【詳細】
プーチン大統領はゼレンスキー大統領との対話に応じる用意があるとクレムリンが表明
ロシアのクレムリン報道官ドミトリー・ペスコフは、ウクライナ紛争の平和的解決に向けたロシアの姿勢を強調し、ウラジーミル・プーチン大統領がウォロディミル・ゼレンスキー大統領との直接対話に応じる用意があると述べた。しかし、ロシア側はゼレンスキーの正統性に疑念を抱いており、その権限に対する法的な問題を指摘している。
ゼレンスキーの正統性に対するロシアの疑念
ゼレンスキー大統領の任期は2024年で満了したが、ウクライナでは戦時下での選挙実施が困難であるとして、選挙の延期が決定された。このため、ゼレンスキーは引き続き大統領職を務めているが、ロシア政府はこの状況を問題視しており、ゼレンスキーがウクライナを代表して国際条約を締結する権限を持つのかどうかに疑問を呈している。
ペスコフはこの点について、「ゼレンスキーの正統性には疑問があるものの、和平を達成するという目的がある限り、プーチン大統領は交渉を排除しない」と述べ、ロシア側の柔軟な対応の可能性を示唆した。
米露高官によるサウジアラビアでの会談
ペスコフの発言があった同日、サウジアラビアでは米国とロシアの高官が会談し、ウクライナ紛争によって悪化した二国間関係の改善について協議した。この対話は、ドナルド・トランプ米大統領が主導したものであり、トランプ大統領はロシア側の主張を考慮し、NATOの東方拡大がウクライナ紛争の主因の一つであると認識しているとされる。
トランプ大統領は、ウクライナ問題の早期解決を目指しており、そのためにロシアとの関係修復を模索している。これに対し、ロシア政府は、これまでの米国政権がウクライナを支援し続け、戦争を長引かせる方針を取ってきたと批判している。
ロシアの安全保障政策と和平交渉の可能性
ペスコフは、プーチン大統領が一貫してロシアの安全保障上の目的を外交的手段で達成しようとしてきたと主張し、他の関係国がこのアプローチをとっていないと指摘した。特にウクライナ政府は、法的に和平交渉への関与を禁止しており、戦争の継続を支持する姿勢を維持していると述べた。
さらに、欧州諸国についても「どんな代償を払ってでも戦争を継続しようとしている」と批判し、欧州がロシアとの交渉を妨げていると主張した。
米国の方針転換と欧州との対立
ゼレンスキー大統領は、ワシントンとモスクワの間でウクライナに関する合意が交わされた場合、それがウクライナ政府の意向を反映しないものであれば受け入れないとの立場を明確にしている。
また、米国の新たなアプローチは、NATO加盟国である欧州諸国との間に亀裂を生じさせている。特に、米国の方針に対してハンガリーやスロバキアは支持を表明しており、EU内部でもウクライナ支援を巡る意見の対立が深まっている。
ロシアの国連常駐代表の発言
ロシアの国連常駐代表であるヴァシリー・ネベンジャは、EUおよび英国がウクライナ紛争に対して強硬な姿勢を取り続けていると批判し、「戦場でロシアを打倒しようとする執念を持っている」と述べた。
ネベンジャは、欧州諸国が交渉に応じる姿勢を示さず、和平のための交渉相手として適切ではないと主張し、今後の和平プロセスから欧州を排除すべきとの見解を示唆した。
総括
ロシア政府は、ウクライナ紛争の平和的解決に向けた対話の可能性を排除せず、プーチン大統領がゼレンスキー大統領と直接交渉する用意があると表明した。しかし、ゼレンスキーの正統性に対する疑問があることから、ロシアは交渉の条件について慎重な姿勢を取っている。
一方、米露関係の改善を目指す米国の新たな動きは、欧州との関係に影響を与えており、ウクライナ支援を巡る意見の対立を生んでいる。また、ロシアは欧州諸国が交渉に応じる意志を持たないと批判し、和平交渉において欧州を交渉相手とすることに否定的な立場を示している。
【要点】
プーチン大統領とゼレンスキー大統領の対話に関するクレムリンの発表
ロシアの基本姿勢
・ロシアはウクライナ紛争の平和的解決を望んでおり、対話の可能性を否定していない。
・プーチン大統領はゼレンスキー大統領との直接交渉に応じる用意があるとペスコフ報道官が表明。
・ただし、ゼレンスキーの正統性に疑念を抱いており、国際条約を締結する権限を持つかどうかを問題視。
ゼレンスキーの正統性に関するロシアの見解
・2024年にゼレンスキーの大統領任期が満了したが、戦時下のためウクライナ政府は選挙を延期。
・ゼレンスキーは引き続き大統領職を務めているが、ロシアはこの状況を問題視。
・ロシア側は「ゼレンスキーの正統性には疑問があるが、和平のための交渉は否定しない」との立場を示す。
米露高官のサウジアラビア会談
・サウジアラビアで米国とロシアの高官が会談し、ウクライナ紛争を巡る関係改善を協議。
・ドナルド・トランプ米大統領が主導し、ロシア側のNATO拡大への懸念を考慮する姿勢を示す。
・トランプ大統領はウクライナ紛争の早期解決を望み、ロシアとの関係修復を目指している。
ロシアの安全保障政策と交渉の可能性
・ペスコフ報道官は「ロシアは一貫して外交的手段で安全保障上の目標を達成しようとしている」と発言。
・ウクライナ政府は自国の法律で和平交渉への関与を禁止し、戦争継続の方針を維持。
・欧州諸国も「戦争を継続すべき」との立場を取り、交渉の妨げになっているとロシア側は主張。
米国の方針転換と欧州との対立
・ゼレンスキーは「ウクライナ政府の意向を無視した米露合意は受け入れない」と明言。
・トランプ政権の方針転換により、NATO加盟国の欧州諸国との間に亀裂が生じる。
・ハンガリーやスロバキアは米国の新方針を支持し、EU内でウクライナ支援に関する意見対立が深まる。
ロシア国連代表の発言
・ロシアの国連常駐代表ヴァシリー・ネベンジャは、EUや英国が「戦場でロシアを打倒しようとしている」と批判。
・欧州諸国は和平交渉に応じる意思がなく、交渉の相手として不適切と主張。
・ロシア側は「欧州は和平プロセスから除外すべき」との立場を示唆。
総括
・プーチン大統領は和平交渉の可能性を排除していないが、ゼレンスキーの正統性に疑念を持つ。
・トランプ政権の外交方針の変化が米欧関係に影響を及ぼしている。
・ロシアは欧州諸国が和平交渉を妨げていると主張し、交渉の相手として適切でないと考えている。
【引用・参照・底本】
Putin ready to talk to Zelensky – Kremlin RT 2025.02.18
https://www.rt.com/russia/612920-peskov-putin-zelensky-talks/
クレムリンの報道官であるドミトリー・ペスコフは、ロシアがウクライナ紛争の平和的解決に引き続き取り組んでおり、ウラジーミル・プーチン大統領がウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領との直接対話に応じる用意があると述べた。ただし、ロシア側はゼレンスキーの正統性に疑問を抱いているとしつつも、和平を達成する目的がある限り、対話を排除しないとの立場を示している。
ペスコフは、ゼレンスキーの大統領任期が昨年終了したことを指摘し、そのためゼレンスキーがウクライナを代表して国際条約を締結する権限を持つかどうかについて、ロシアは疑念を抱いていると説明した。しかし、それにもかかわらず、プーチン大統領はゼレンスキーとの交渉に前向きであると述べ、「プーチン大統領はゼレンスキーと交渉する用意があることを繰り返し表明している」と語った。
同日、サウジアラビアでは米国とロシアの高官が会談し、ウクライナ紛争によって大きく悪化した二国間関係の改善策を模索した。この対話は、ドナルド・トランプ米大統領によって主導されたもので、トランプ大統領はNATOの欧州での拡大が紛争の主な要因であるというロシアの主張を認識し、速やかに危機を収束させる意向を示している。
ペスコフは、プーチン大統領が一貫してロシアの安全保障目標を外交的手段によって達成しようとしてきたと強調し、他の関係国が同じアプローチを取ってこなかったと指摘した。また、ウクライナ側は和平交渉への関与を禁止していると述べ、欧州諸国は「いかなる代償を払ってでも戦争を継続することを支持している」とした。さらに、ペスコフは、以前の米国政権もウクライナを支援し続け、紛争を「最後のウクライナ人まで戦わせる」方針を取っていたと批判した。
ゼレンスキー大統領は、ワシントンとモスクワの間でウクライナに関する合意がなされたとしても、ウクライナ側の関与なしには受け入れない姿勢を示している。この米国の方針転換は、ワシントンとNATO加盟の欧州諸国の間に亀裂を生じさせ、欧州連合(EU)内部でも意見の対立を深めている。特にハンガリーやスロバキアは、米国の新たなアプローチを支持しているとされる。
一方、ロシアの国連常駐代表であるヴァシリー・ネベンジャは、EUおよび英国のウクライナ紛争に対する立場について、「戦場でロシアを打倒することに執着している」と批判した。ネベンジャは、これらの国々が交渉に応じる姿勢を示さず、将来的な和平合意の交渉相手としてふさわしくないと述べた。
【詳細】
プーチン大統領はゼレンスキー大統領との対話に応じる用意があるとクレムリンが表明
ロシアのクレムリン報道官ドミトリー・ペスコフは、ウクライナ紛争の平和的解決に向けたロシアの姿勢を強調し、ウラジーミル・プーチン大統領がウォロディミル・ゼレンスキー大統領との直接対話に応じる用意があると述べた。しかし、ロシア側はゼレンスキーの正統性に疑念を抱いており、その権限に対する法的な問題を指摘している。
ゼレンスキーの正統性に対するロシアの疑念
ゼレンスキー大統領の任期は2024年で満了したが、ウクライナでは戦時下での選挙実施が困難であるとして、選挙の延期が決定された。このため、ゼレンスキーは引き続き大統領職を務めているが、ロシア政府はこの状況を問題視しており、ゼレンスキーがウクライナを代表して国際条約を締結する権限を持つのかどうかに疑問を呈している。
ペスコフはこの点について、「ゼレンスキーの正統性には疑問があるものの、和平を達成するという目的がある限り、プーチン大統領は交渉を排除しない」と述べ、ロシア側の柔軟な対応の可能性を示唆した。
米露高官によるサウジアラビアでの会談
ペスコフの発言があった同日、サウジアラビアでは米国とロシアの高官が会談し、ウクライナ紛争によって悪化した二国間関係の改善について協議した。この対話は、ドナルド・トランプ米大統領が主導したものであり、トランプ大統領はロシア側の主張を考慮し、NATOの東方拡大がウクライナ紛争の主因の一つであると認識しているとされる。
トランプ大統領は、ウクライナ問題の早期解決を目指しており、そのためにロシアとの関係修復を模索している。これに対し、ロシア政府は、これまでの米国政権がウクライナを支援し続け、戦争を長引かせる方針を取ってきたと批判している。
ロシアの安全保障政策と和平交渉の可能性
ペスコフは、プーチン大統領が一貫してロシアの安全保障上の目的を外交的手段で達成しようとしてきたと主張し、他の関係国がこのアプローチをとっていないと指摘した。特にウクライナ政府は、法的に和平交渉への関与を禁止しており、戦争の継続を支持する姿勢を維持していると述べた。
さらに、欧州諸国についても「どんな代償を払ってでも戦争を継続しようとしている」と批判し、欧州がロシアとの交渉を妨げていると主張した。
米国の方針転換と欧州との対立
ゼレンスキー大統領は、ワシントンとモスクワの間でウクライナに関する合意が交わされた場合、それがウクライナ政府の意向を反映しないものであれば受け入れないとの立場を明確にしている。
また、米国の新たなアプローチは、NATO加盟国である欧州諸国との間に亀裂を生じさせている。特に、米国の方針に対してハンガリーやスロバキアは支持を表明しており、EU内部でもウクライナ支援を巡る意見の対立が深まっている。
ロシアの国連常駐代表の発言
ロシアの国連常駐代表であるヴァシリー・ネベンジャは、EUおよび英国がウクライナ紛争に対して強硬な姿勢を取り続けていると批判し、「戦場でロシアを打倒しようとする執念を持っている」と述べた。
ネベンジャは、欧州諸国が交渉に応じる姿勢を示さず、和平のための交渉相手として適切ではないと主張し、今後の和平プロセスから欧州を排除すべきとの見解を示唆した。
総括
ロシア政府は、ウクライナ紛争の平和的解決に向けた対話の可能性を排除せず、プーチン大統領がゼレンスキー大統領と直接交渉する用意があると表明した。しかし、ゼレンスキーの正統性に対する疑問があることから、ロシアは交渉の条件について慎重な姿勢を取っている。
一方、米露関係の改善を目指す米国の新たな動きは、欧州との関係に影響を与えており、ウクライナ支援を巡る意見の対立を生んでいる。また、ロシアは欧州諸国が交渉に応じる意志を持たないと批判し、和平交渉において欧州を交渉相手とすることに否定的な立場を示している。
【要点】
プーチン大統領とゼレンスキー大統領の対話に関するクレムリンの発表
ロシアの基本姿勢
・ロシアはウクライナ紛争の平和的解決を望んでおり、対話の可能性を否定していない。
・プーチン大統領はゼレンスキー大統領との直接交渉に応じる用意があるとペスコフ報道官が表明。
・ただし、ゼレンスキーの正統性に疑念を抱いており、国際条約を締結する権限を持つかどうかを問題視。
ゼレンスキーの正統性に関するロシアの見解
・2024年にゼレンスキーの大統領任期が満了したが、戦時下のためウクライナ政府は選挙を延期。
・ゼレンスキーは引き続き大統領職を務めているが、ロシアはこの状況を問題視。
・ロシア側は「ゼレンスキーの正統性には疑問があるが、和平のための交渉は否定しない」との立場を示す。
米露高官のサウジアラビア会談
・サウジアラビアで米国とロシアの高官が会談し、ウクライナ紛争を巡る関係改善を協議。
・ドナルド・トランプ米大統領が主導し、ロシア側のNATO拡大への懸念を考慮する姿勢を示す。
・トランプ大統領はウクライナ紛争の早期解決を望み、ロシアとの関係修復を目指している。
ロシアの安全保障政策と交渉の可能性
・ペスコフ報道官は「ロシアは一貫して外交的手段で安全保障上の目標を達成しようとしている」と発言。
・ウクライナ政府は自国の法律で和平交渉への関与を禁止し、戦争継続の方針を維持。
・欧州諸国も「戦争を継続すべき」との立場を取り、交渉の妨げになっているとロシア側は主張。
米国の方針転換と欧州との対立
・ゼレンスキーは「ウクライナ政府の意向を無視した米露合意は受け入れない」と明言。
・トランプ政権の方針転換により、NATO加盟国の欧州諸国との間に亀裂が生じる。
・ハンガリーやスロバキアは米国の新方針を支持し、EU内でウクライナ支援に関する意見対立が深まる。
ロシア国連代表の発言
・ロシアの国連常駐代表ヴァシリー・ネベンジャは、EUや英国が「戦場でロシアを打倒しようとしている」と批判。
・欧州諸国は和平交渉に応じる意思がなく、交渉の相手として不適切と主張。
・ロシア側は「欧州は和平プロセスから除外すべき」との立場を示唆。
総括
・プーチン大統領は和平交渉の可能性を排除していないが、ゼレンスキーの正統性に疑念を持つ。
・トランプ政権の外交方針の変化が米欧関係に影響を及ぼしている。
・ロシアは欧州諸国が和平交渉を妨げていると主張し、交渉の相手として適切でないと考えている。
【引用・参照・底本】
Putin ready to talk to Zelensky – Kremlin RT 2025.02.18
https://www.rt.com/russia/612920-peskov-putin-zelensky-talks/