無投票時の選挙公報とは2023年01月27日 22:12

令和5年1月15日執行の尾張旭市長選挙に関する選挙公報掲載分原稿
 無投票時の選挙公報とは

 公文書公開請求により、「令和5年1月15日執行の尾張旭市長選挙に関する選挙公報掲載分原稿」を入手した。

 註1:画像拡大機能を使用して下さい。
 註2:詳細は http://momodesu.dyndns.dk/~momo/mutohyo1.htm
註3:選挙公報に関する国会質問主意書・答弁は https://koshimizu-tougen.asablo.jp/blog/2023/01/13/9555006

 ▲「公職選挙法」

 (無投票当選)
 第百条4 参議院(選挙区選出)議員若しくは地方公共団体の議会の議員の選挙において第八十六条の四第一項、第二項若しくは第五項の規定による届出のあつた候補者の総数がその選挙において選挙すべき議員の数を超えないとき若しくは超えなくなつたとき又は地方公共団体の長の選挙において同条第一項、第二項、第六項若しくは第八項の規定による届出のあつた候補者が一人であるとき若しくは一人となつたときは、投票は、行わない。

 (選挙公報の発行を中止する場合)
 第百七十一条 第百条第一項から第四項までの規定に該当し投票を行うことを必要としなくなつたとき又は天災その他避けることのできない事故その他特別の事情があるときは、選挙公報発行の手続は、中止する。

 (任意制選挙公報の発行)
 第百七十二条の二 都道府県の議会の議員、市町村の議会の議員又は市町村長の選挙(選挙の一部無効による再選挙を除く。)においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会は、第百六十七条から第百七十一条までの規定に準じて、条例で定めるところにより、選挙公報を発行することができる。

 ▲「尾張旭市の議会の議員及び長の選挙における選挙公報の発行に関する条例」

 第6条 法第100条第4項の規定に該当し、投票を行うことを必要としなくなったとき又は天災その他避けることのできない事故その他特別の事情があるときは、選挙公報発行の手続は中止する。

 ※
 因って、直接的には市条例の規定により今回、"投票を行うことを必要としなくなった"場合に該当し、選挙公報は発行されなかった。

 ※
 公職選挙法の趣旨を体するならば、第百七十二条の二での見出し"(任意制選挙公報の発行)"及び"条例で定めるところにより、選挙公報を発行することができる"の法解釈を単に任意=自治体自由意志規定のように解釈し、条例を制定していないところもある。
 が、無理があるのではなかろうか。何のための、誰のための公報であるのだろうか。

 ※
 ある村では、無投票になった場合、「今回の選挙が無投票となりましたので、選挙公報は発行されませんでしたが、この原稿を『議会に臨む議員の決意・抱負』として、原稿をそのまま写真に撮り、届出順に掲載しました」と、 村の広報紙上に掲載している。選挙人(被選挙人)に配慮した賢い方法であると考える。

 ※
 公職選挙法は、非常に疑義が多く論議が必要であると考える法律である。

 ※
 選挙公報に関する国会質問主意書・答弁については、 註3のBLOG越水桃源を御参照ください。

 ▲報道記事
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 「尾張旭市長に柴田氏 無投票で初当選」(中日新聞2023年1月9日)  愛知県尾張旭市長選は八日告示され、無所属で新人の元名鉄百貨店社長、柴田浩氏(65)=自民、立民、公明、国民推薦=だけが立候補を届け出て、無投票で初当選を決めた。
 同市長選での無投票当選は二〇一六年以来で、新人の無投票当選は一九七〇年の市制施行以降初めて。
 柴田氏は八〇年に名古屋鉄道に入社。産官学の連携強化やオンデマンドのタクシー・バスの実証実験誘致などを公約に掲げ、各種団体や市議会の主要会派から手厚い支援を受けた。

 「どんな人かを知る機会が少なかった」(中日新聞なごや東版 2023.01.09)との声もある。
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