ウクライナ支援、NATO安全保障への投資2023年12月16日 11:06

国立国会図書館デジタルコレクション「男達五人揃」を加工して作成
 2023年12月14日にNATO本部で行われた、NATO事務総長ヤンス・ストルテンベルク(Jens Stoltenberg)とスロバキア共和国の首相ロベルト・フィコ(Robert Fico)の会談に関するものである。

 会談の概要

 スロバキアの首相、ロベルト・フィコ氏がNATO本部を訪れ、事務総長のヤンス・ストルテンベルク氏との会談が行われた。

 スロバキアのNATOへの貢献

 ストルテンベルグ氏は、スロバキアがNATOに対するコミットメントを称賛した。スロバキアは多国籍なNATO戦闘群をホストし、ラトビアに部隊を展開しており、国防予算の2%を防衛に投資する計画を立てていることが強調した。

 ウクライナへの支援

 ストルテンベルグ氏は、スロバキアがウクライナの主権と領土の一体性を支持していることを歓迎した。プーチンが平和の準備をしている兆候はなく、代わりにクレムリンは長期かつ緊張感のある戦争に備えていると強調した。スロバキアが人道支援を提供し、NATOがウクライナに対する包括的な支援パッケージに貢献し続けることが確認された。
 ストルテンベルグ氏は、ウクライナとの防衛産業協力や、スロバキアの重要な修理ハブが稼働し続けることに感謝した。彼は「キエフへの軍事支援を停止することは戦争を長引かせ、終結させるのではなく、」と述べ、「プーチンがウクライナで勝利すれば、その侵略はそこで終わらないという現実のリスクがある」と強調した。

 NATOの威嚇と防衛

 ストルテンベルグ氏は、ポーランドに計画されていたアメリカのミサイル防衛基地が2023年12月15日に運用を開始することを発表した。これは「大西洋横断の安全保障にとって重要な一歩」であり、特に中東からの弾道ミサイルの脅威に対抗するために同盟国の能力を向上させる」と述べた。

【要点】

NATO からのこのニュース記事は、2023年12月14日のNATO事務総長イェンス・ストルテンベルグとスロバキアのロベルト・フィコ首相との会談について報じている。

ストルテンベルグ氏は、スロバキアのNATOへの取り組みを称賛し、多国籍戦闘集団の主催、ラトビアへの軍隊の派遣、防衛への投資といったスロバキアの貢献を強調している。

ウクライナへの継続的な支援:両首脳は、主権と欧州の安全保障の両方にとってのウクライナの重要性を強調し、ウクライナへの継続的な支援について協議する。 ストルテンベルグ氏は、戦争が長引く可能性があるため、軍事援助を停止しないよう警告している。

NATOの抑止力と防衛の強化:中東からの脅威に対する大西洋横断安全保障とミサイル防衛にとって重要なステップとみなされる、12月15日にポーランドにある米国のミサイル防衛基地を稼働させることに言及している。

ストルテンベルグ氏は、ロシアから和平努力の兆候が見られないことを認め、クレムリンによる長期的な戦争準備の可能性を警告した。

スロバキアの継続的な人道支援とNATOのウクライナ支援パッケージへの貢献が称賛される。

スロバキアとウクライナの間の防衛産業協力の継続の重要性と、スロバキアにおける修理拠点の重要な役割について言及されている。

ロシアの侵略が続く中、ウクライナへの支援を継続し、NATOの抑止力と防衛能力を強化することの重要性を強調している。スロバキアを同盟の熱心なメンバーとして描写し、集団安全保障の取り組みにおいて重要な役割を果たしている。

このニュースは、ポーランドがミサイル攻撃を受け(註)、地域の緊張とミサイルの脅威に対する懸念が高まった翌日に伝えられた。

ポーランドの米国ミサイル防衛基地の稼働は、NATO内でのミサイル防衛への取り組みの強化を意味する。

スロバキアの貢献と米軍基地の活性化によって強調された、ヨーロッパと大西洋横断の安全保障の相互関連性を強調している。

・ウクライナへの支援は慈善事業ではなく、NATOの安全保障への投資だ。ストルテンベルグ事務総長は、プーチン大統領の侵略を阻止し、これ以上の拡大を防ぐためには、ウクライナへの支援が極めて重要だと強調した。

・NATOに対するスロバキアのコミットメント:ストルテンベルグ事務総長は、NATO戦闘群の受け入れ、ラトビアへの軍隊の派遣、国防費の増額など、スロバキアの貢献を称賛している。
・ウクライナへの支援の継続:両首脳は、スロバキアが人道支援を継続し、NATOの援助パッケージに貢献し、スロバキアの重要な修理拠点を稼働させ続けることで合意している。ストルテンベルグ氏は、軍事支援を止めることは戦争を長引かせることになるとして警告している。
・NATOの抑止力と防衛力の強化:記事は、潜在的な脅威に対するNATOの能力強化に向けた一歩として、15月<>日にポーランドにアメリカ・ミサイル防衛基地を開設したことに言及している。

・ウクライナで進行中の戦争と、ウクライナに対する国際的な支援の重要性を強調している。
・NATOにおけるスロバキアの積極的な役割と集団防衛へのコミットメントを示すものである。
・また、ロシアや他の主体による潜在的な侵略を抑止するための持続的な努力の必要性を強調している。

・多国籍NATO戦闘群のホスト。
・ラトビアに軍隊を派遣する。
・GDPの2%を防衛に投資する計画。

(ストルテンベルグ)
・プーチンは和平の準備をしているのではなく、長期戦の準備をしているのだ。
・ウクライナへの軍事支援をやめれば、戦争は長引く。
・プーチンがウクライナで勝てば、彼の侵略が広がる可能性がある。

(スロバキア)
・ウクライナへの人道支援を継続する。
・NATOの支援パッケージに貢献する。
・ウクライナとの防衛産業協力を維持する。
・スロバキアの修理ハブを稼働させ続ける。

・2023年12月15日に運用開始予定のポーランドの米軍ミサイル防衛基地。
 大西洋を横断する安全保障を強化する。
 特に中東からの弾道ミサイルに対する同盟国の防衛を強化する。

・北大西洋条約機構(NATO)とスロバキアは、ウクライナを支援し、同盟の防衛能力を強化することを約束している。
・ウクライナへの支援を止めることは、戦争を長引かせ、ロシアを勇気づける可能性があるため、実行可能な選択肢ではない。
・防衛と協力への投資は、大西洋を横断する安全保障を確保するために極めて重要である。

【桃源寸評】
 
 ポーランドがミサイル攻撃を受けた件、当時の各種の記事内容を比較すると、“ミサイルを発射したのはウクライナの防空システム”とあるように、ウクライナ側に問題があるとの印象を持った。
 その後の動きを見ても、鎮静化を求めているのも疑点を残す。 
 例えば「ポーランドにミサイル着弾で2人死亡、ウクライナ防空が原因のようとポーランドとNATO(BBC NEWS japan 2022.11.16)」などである

(註)
2022年11月15日、ウクライナとの国境に近いポーランドのプシェボドゥフ村に、ロシア製のミサイルが着弾し、2人が死亡した。この事件は、ロシアによるウクライナ侵攻中にNATO領内にミサイルが着弾・爆発した最初の事件である。

ミサイルは、現地時間の午後3時40分頃、ウクライナ国境から約6キロ離れた農場に着弾した。ミサイルは、ウクライナ軍の防空システムによって撃ち落とされたものの、破片が農家を直撃し、男性1人と女性1人が死亡した。また、住宅数棟が損壊した。

ポーランド政府は、ミサイルはロシア製のS-300防空ミサイルだったと発表した。ロシアは、ミサイルを発射したのはウクライナの防空システムであると主張している。

この事件を受け、NATOは緊急会合を開き、ロシアの行動を強く非難した。NATOのジェンス・ストルテンベルグ事務総長は、「NATO加盟国への攻撃は、NATOに対する攻撃である」と述べ、ロシアへの対応を検討すると表明した。

この事件は、ロシアのウクライナ侵攻がNATOとロシアの対立を激化させていることを示すものとして、国際社会で大きな懸念を呼んだ。

(註はブログ作成者が参考の為に付記した。)

引用・参照・底本

NATO Secretary General with Prime Minister of Slovakia: support to Ukraine is not charity, it is an investment in our security NATO 2023.12.14

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