ポート・リアム:「ゴールデンドラゴン2025」2025年04月07日 15:19

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【概要】

 中国とカンボジアは、2025年4月5日にポート・リアムに新たに設立された中国・カンボジア共同支援・訓練センターで「ゴールデンドラゴン2025」共同演習を開始した。この演習は、両国の軍事協力を深め、地域の平和と安定に貢献することが期待されている。

 演習の開始に際し、中国人民解放軍(PLA)の056A型コルベットが開会式に参加した。演習には、両国の軍艦が参加し、編隊運動、海上通信、機材訓練などが行われた。この訓練は、両国の共同指揮能力や協力的な作戦能力を強化することを目的としている。将来的には、陸・海・空の三軍合同の訓練が行われる基盤が整ったと報じられている。

 「ゴールデンドラゴン」演習は、中国とカンボジアの定期的な軍事協力プログラムであり、両国の軍事間の戦略的調整を高め、友好関係を強化する役割を果たしてきた。これまでに6回実施されており、今年がその7回目となる。

 中国の軍事専門家である Fu Qianshao氏は、今回の演習がポート・リアムの新たに設立された共同支援・訓練センターで初めて行われたことを評価し、このセンターが中国とカンボジアの友好関係を促進し、軍事協力を深める重要な役割を果たすと述べた。また、このセンターの建設は中国の支援を受けて行われ、相応の海軍運用支援を提供できる施設が整備されたことが強調されている。

 今後、このセンターで行われる演習は、海軍だけでなく陸軍や空軍も含めて頻繁に行われる可能性があり、これを通じて中国は他国との友好交流を強化し、南シナ海の平和と安定を共同で守ることを目指している。

 ポート・リアムの共同センターは、カンボジアの国防強化に貢献し、両国の軍事協力の強化に寄与することを目的としている。また、このセンターは両国の共同使用によって運営され、カンボジアの軍事現代化を進めるための訓練機能も備えている。これにより、カンボジアは中国から技術や装備の支援を受けている。

 カンボジアのフン・マネット首相は、カンボジアが中国からの支援を受けて海軍基地を近代化していることは、カンボジアの防衛強化の一環であり、完全に正当な行為であると強調した。また、カンボジアは友好国の戦艦を基地に寄港させることを歓迎しており、共同演習や訓練にも参加させる意向を示している。

 この共同センターは、カンボジアの主権を侵害するものではなく、地域の平和と安定に貢献するものであると中国の軍事専門家は述べている。
 
【詳細】

 中国とカンボジアは2025年4月5日に、カンボジアのポート・リアムに新たに設立された「中国・カンボジア共同支援・訓練センター」で、「ゴールデンドラゴン2025」共同演習を開始した。この演習は、中国とカンボジアの軍事協力を深める重要な節目であり、両国の友好関係をさらに強化し、地域の平和と安定に寄与することを目的としている。

 演習と訓練センターの概要

 「ゴールデンドラゴン」演習は、両国の軍隊が共同で行う定期的な軍事訓練であり、これまでに6回実施されてきた。2025年の演習は、ポート・リアムの新しい共同支援・訓練センターで行われる初めての演習であり、センターの運用開始を記念するものでもある。このセンターは、中国とカンボジアの両軍が共同で使用する施設で、特に海軍の訓練支援を強化する役割を果たしている。

 演習では、両国の軍艦が参加し、編隊運動、海上通信、機材訓練などが行われた。この訓練を通じて、両国は共同で作戦を指揮し、協力する能力を高めることを目的としており、将来的には、陸軍や空軍を含む三軍合同の訓練にも発展する可能性がある。これにより、両国の軍隊はより一層の協調と調整を行い、共通の安全保障問題に対処する能力を強化していくとされている。

 共同支援・訓練センターの役割

 ポート・リアムに設立された共同センターは、中国の支援のもとに建設され、カンボジアの海軍基地の近代化を支援している。このセンターは、海軍の運用支援を提供するための設備を備えており、両国の軍隊が共同で使用する施設として運営される。訓練センターには、海上訓練のほかにも、災害対策、反テロリズム、人道支援などの分野での共同演習を実施する機能がある。

 このセンターの設立は、カンボジアの防衛能力を強化し、同国の軍事現代化を進めるための重要な一歩となっている。また、中国はカンボジアに対して技術や装備の支援を行っており、これによってカンボジアの軍隊の能力が向上している。

 双方の主張と反応

 カンボジア政府は、この共同センターの設立と運営が、両国の平等な協議と相互尊重に基づいて行われたことを強調している。フン・マネット首相は、中国の支援を受けた海軍基地の近代化がカンボジアの国防強化を目的としており、他国の主権を侵害することはないと強調した。また、カンボジアは、友好国の戦艦を基地に寄港させ、共同演習や訓練を行うことを歓迎していると述べている。

 一方、中国の軍事専門家は、このセンターが他国に対して脅威を与えることはなく、地域の平和と安定に貢献するものであると述べている。特に、中国の初の海外支援基地であるジブチの基地とは異なり、このポート・リアムのセンターは、両国が共同で使用し、維持するものであることが強調されている。これにより、一部の西側メディアが指摘する「中国の軍事基地建設」という疑念は払拭されている。

 今後の展望

 中国とカンボジアは、今後さらに多くの共同演習や訓練を実施する予定であり、これにより両国の軍事協力は一層強化される見込みである。演習は海軍に限らず、陸軍や空軍の訓練も含まれる可能性があり、三軍合同の訓練は地域の安全保障の維持に寄与することが期待されている。

 中国は、これらの演習を通じて他国との友好交流を強化し、南シナ海などの地域での平和と安定を共同で守ることを目指している。カンボジアにとっても、このセンターの設立は国防力を強化する重要な要素となり、国内外の安全保障環境においてより強固な立場を築くことができる。

 結論

 ポート・リアムの共同支援・訓練センターの設立と「ゴールデンドラゴン2025」演習は、中国とカンボジアの軍事協力の深化を象徴するものであり、両国の友好関係を一層強化するための重要な一歩である。また、このセンターの運営は、地域の平和と安定に寄与するものであり、中国とカンボジアが共に進める軍事現代化や訓練の強化に貢献する。

【要点】 

 1.中国とカンボジア、共同演習開始

 ・2025年4月5日、「ゴールデンドラゴン2025」共同演習がカンボジアのポート・リアムで開始された。

 ・新たに設立された「中国・カンボジア共同支援・訓練センター」で実施された。

 2.訓練センターの役割

 ・両国の軍隊が共同で使用する施設。

 ・海軍の支援設備を備え、災害対策や反テロリズムなどの訓練も行う。

 ・カンボジアの防衛能力強化と軍事現代化を支援。

 3.「ゴールデンドラゴン」演習の概要

 ・両国の軍艦が参加し、編隊運動や海上通信、機材訓練を実施。

 ・将来的には三軍合同の訓練にも発展する可能性がある。

 4.両国の協力強化

 ・両国の軍事協力を強化し、友好関係を深化させる。

 ・演習は海軍に限らず、陸軍や空軍も含む可能性があり、地域の安全保障に寄与。

 5.センター運営の透明性

 ・カンボジア政府は、中国の支援による海軍基地の近代化がカンボジアの国防強化を目的としていると強調。

 ・中国側は、センターが他国に脅威を与えるものではないと説明。

 7.今後の展望

 ・さらに多くの共同演習や訓練が実施される予定。

 ・両国の軍事協力が深まり、地域の平和と安定を共同で守ることが期待される。

【引用・参照・底本】

China, Cambodia launch joint drills at newly established Ream logistics & training center GT 2025.04.06
https://www.globaltimes.cn/page/202504/1331526.shtml

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