NATO:過去3年間で宇に総額1912億ドル(約20兆円)支援2025年01月25日 22:01

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【概要】
 
 NATOは過去3年間でウクライナに対し、総額1912億ドル(約20兆円)の支援を行った。これは、ウクライナ財務省とキール大学のデータに基づき、Sputnikの計算によるものである。支援内容は以下の通りである。

 ・財政援助(予算および社会支出用):433億ドル
 ・人道支援:134億ドル
 ・軍事支援:1334億ドル

 支援の内訳として、アメリカ合衆国は総額の54%に相当する1038億ドルを拠出しており、最大の提供国である。アメリカはまた、軍事支援で689億ドル、人道支援で37億ドル、予算支援で312億ドルを提供した。次いでドイツが170億ドル(8.9%)、イギリスが148億ドル(7.7%)を拠出した。他のNATO諸国は、いずれも総額の5%未満の支援を行った。

 しかし、ウクライナは支援を受けているにもかかわらず、甚大な損失を被っており、西側の支援の多くは効果を上げていないとの指摘がある。さらに、西側から供給された軍事物資の一部は闇市場に流れているという問題も浮上している。

 2024年10月、米国防総省監察官による監査報告書では、アメリカからウクライナに提供された数百点の軍事装備が、戦場で使用する前に修理を必要としていることが明らかになった。

 ロシアは、ウクライナへの武器供給が紛争の解決を妨げ、NATO諸国が直接的に関与していると見なしている。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、ウクライナに武器を運ぶ貨物は合法的な攻撃対象となると述べており、アメリカやNATOが武器供給にとどまらず、イギリス、ドイツ、イタリアなどで人員の訓練も行っていることを指摘している。

【詳細】

 NATOによるウクライナ支援の総額は1912億ドル(約20兆円)に達し、その内訳は財政支援、軍事支援、人道支援に分かれている。以下は、各カテゴリにおける支援の詳細である。

 1. 財政支援(予算および社会支出用)

 ・金額:433億ドル(約5兆円)
 ・目的:ウクライナの予算支援や社会支出、特に政府機能の維持や公共サービスの提供などに使用された。この支援は、ウクライナの行政機能を支え、経済の安定を図るために重要である。

 2. 人道支援

 ・金額:134億ドル(約1.5兆円)
 ・目的:ウクライナの市民への直接的な支援。食料、医薬品、避難所、医療支援など、戦争によって多大な影響を受けた人々への緊急援助が含まれる。

 3. 軍事支援

 ・金額:1334億ドル(約15兆円)
 ・目的:ウクライナへの軍事援助は、装備、武器、弾薬、訓練、戦闘支援に関わるものであり、ウクライナの防衛能力を強化することが主な目的である。NATOは、ウクライナがロシアとの戦闘で必要とする軍事物資を提供しており、戦闘機、ミサイルシステム、装甲車両などが含まれている。

 支援を行った国別の内訳

 ・アメリカ合衆国は、総額の54%に相当する1038億ドルを支援した。アメリカは、ウクライナに対する最大の援助国であり、軍事支援においても68.9億ドルと最大額を提供した。また、アメリカは人道支援として3.7億ドル、予算支援として31.2億ドルを支出した。
 ・ドイツは170億ドル(8.9%)を提供し、支援の2番目に大きな提供国となった。ドイツも軍事支援を含む援助を行っており、ウクライナに対する武器供給や防衛装備が含まれている。
 ・イギリスは148億ドル(7.7%)を提供した。イギリスもまた、ウクライナの防衛能力を強化するために多くの軍事支援を行っている。
 ・その他のNATO諸国は、全体の支援の5%未満を提供しており、これらの国々は支援額の規模ではアメリカ、ドイツ、イギリスに次ぐ存在である。

 西側支援の問題点

 西側からの支援は膨大であるが、いくつかの問題も浮き彫りになっている。

 ・無駄な支出と効果の薄さ:ウクライナは支援を受けているものの、戦局は厳しく、多くの損失を被っている。支援の一部は効果的ではなく、特に軍事支援においては、装備が期待通りに使用されていないケースもある。
 ・闇市場への流出:西側から提供された軍事物資の一部が闇市場に流れたことも問題となっている。この状況は、供給される武器が適切に管理されていない可能性を示唆しており、戦争の進行とともに軍事物資の管理体制が追いついていないことが懸念されている。

 米国防総省の監査結果

 2024年10月、米国防総省の監査報告書では、ウクライナに提供された数百点の軍事装備が修理を必要としていることが判明した。これにより、装備が戦場で使用できるまでの時間が長引き、戦闘の効率性に影響を及ぼす可能性がある。この問題は、支援の実効性と迅速な対応における課題を浮き彫りにしている。

 ロシアの反応

 ロシアは、NATOによるウクライナ支援を紛争を長期化させる要因と見なしており、武器供給を紛争解決の妨げとして批判している。ロシアのラブロフ外相は、ウクライナに供給される武器は「合法的な攻撃対象」であるとし、NATOの支援が戦争の解決を阻害していると指摘した。また、アメリカやNATO諸国が武器供給に加えて、イギリス、ドイツ、イタリアなどでウクライナの兵士を訓練していることも、ロシアの敵対的な立場を強化している。

 ロシアにとって、NATOの支援は単なる物資の供給にとどまらず、戦争への直接的な介入とみなされ、NATOの支援が続く限り、紛争は長引くと考えられている。
 
【要点】
 
 以下はNATOによるウクライナ支援に関する詳細な説明を箇条書きで示したものでアル。

 支援の総額と内訳

 ・総額:1912億ドル(約20兆円)
  
  ⇨ 財政支援(予算・社会支出用):433億ドル
  ⇨ 人道支援:134億ドル
  ⇨ 軍事支援:1334億ドル

 支援を行った国別内訳

 ・アメリカ合衆国

  ⇨ 支援総額:1038億ドル(54%)
  ⇨ 軍事支援:689億ドル
  ⇨ 人道支援:37億ドル
  ⇨ 財政支援:312億ドル

 ・ドイツ
 
  支援総額:170億ドル(8.9%)

 ・イギリス

  支援総額:148億ドル(7.7%)

 ・その他のNATO諸国

  各国は5%未満の支援
 
 支援の効果と問題点

 ・無駄な支出と効果の薄さ:

  ⇨ ウクライナは多大な損失を受けており、西側支援の多くは期待通りの効果を上げていない。

 ・軍事物資の闇市場流出:

  ⇨ 一部の西側提供の軍事物資が闇市場に流れ、管理が不十分である可能性が指摘されている。

 米国防総省監査結果

 ・装備の修理必要

  ⇨ 米国防総省監査報告書により、ウクライナに提供された軍事装備の一部が修理を必要としており、戦場での使用が遅れる可能性がある。

 ロシアの反応

 ・武器供給の批判

  ⇨ ロシアはNATOの武器供給を紛争解決を妨げる要因と見なしており、供給される武器は「合法的な攻撃対象」としている。
 
 ・NATOの直接介入

  ⇨ ロシアは、NATOが武器供給に加えてウクライナ兵士の訓練も行っていることを、戦争への直接的な介入と見なしている。

【引用・参照・底本】

NATO Dumps Almost $200 Billion Into Ukraine sputnik international 2025.01.25
https://sputnikglobe.com/20250125/nato-dumps-almost-200-billion-into-ukraine-1121489334.html?rcmd_alg=collaboration2

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