トランプ:「これまで見たことのない地獄」をもたらすと警告2025年03月17日 22:27

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【概要】 

 アメリカのドナルド・トランプ大統領は、紅海での航行や軍艦への攻撃を停止しなければ、フーシ派(アンサール・アッラー)に対して「これまで見たことのない地獄」をもたらすと警告し、イエメンに対する軍事攻撃を実施した。

 攻撃の背景

 トランプ政権の空爆は、「自由航行の確保」を名目としているが、ストックホルム大学の中東研究准教授であるイーサ・ブルーミ氏は、この攻撃の目的はフーシ派そのものではなく、イスラエルの経済的利益を守ることにあると指摘している。

 フーシ派は、パレスチナ・ガザ地区への支援の一環として紅海での海上封鎖を実施し、イスラエルの経済に大きな影響を与えている。特に、イスラエル南部の港エイラートは経済的に大きな打撃を受け、破産状態に陥っているとされる。この封鎖を解除し、イスラエルがガザのパレスチナ人を追放してリゾート開発や海底ガス資源の利用を進めるために、アメリカが軍事介入したと考えられる。

 軍事行動の詳細

 アメリカ中央軍(CENTCOM)によると、攻撃は「米国の利益を守り、敵対勢力を抑止し、自由航行を回復する」目的で実施された。攻撃には以下の戦力が投入された。

 ・空爆対象:イエメンの首都サヌア、サアダ、ダマール、アル=バイダー、ラダー、ハッジャ、マアリブ
 ・航空戦力:USSハリー・S・トルーマン空母から発進したF/A-18戦闘機、P-8ポセイドン、RC-135V偵察機、MQ-4Cトリトン無人機
 ・同盟国の協力:イギリス空軍のKC2ボイジャー空中給油機(キプロス基地より出撃)

 イエメン保健省の報道官によると、攻撃により31人が死亡、100人以上が負傷した。犠牲者の多くは女性と子供である。

 フーシ派の対応

 アンサール・アッラーの報道官ヤヒヤ・サリー准将は、米軍の攻撃に対抗し、USSハリー・S・トルーマン空母とその護衛艦に向けて弾道ミサイル・巡航ミサイル18発と無人機を発射したと発表した。サリー准将は、「米国の侵略に対し、紅海およびアラビア海の米軍艦をすべて攻撃対象とする」と警告した。

 また、フーシ派政治局のフセイン・アル=アッジ氏は、トランプ大統領に対して「非常に愚かな顧問を抱えている」と批判し、「イエメン国民の意志を砕くことができると夢見るなら、まずは自らの歯でブルックス山脈を引き抜いてみるがいい」と強い反発を示した。

 今後の展望

 フーシ派の反撃が拡大すれば、イエメン紛争が地域全体に波及し、紅海・アラビア海の航行リスクが増大する可能性がある。フーシ派はすでに米英の商船や軍艦を標的リストに追加し、エスカレーションの兆しを見せている。

 一方で、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、米国務長官マルコ・ルビオと会談し、「即時の停戦」と「さらなる流血を防ぐための対話」を求めた。

 結論

 今回の米軍によるイエメン空爆は、紅海の航行の自由を確保するとの名目で実施されたが、実際にはイスラエルの経済的利益を守る意図があると見られる。フーシ派はこれに強く反発し、米軍への報復攻撃を開始しており、今後さらなる衝突が予想される。

【詳細】 

 アメリカ軍は2025年3月15日、イエメンの武装組織フーシ派に対し大規模な攻撃を実施した。

 攻撃の背景

 フーシ派は、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザ地区への侵攻以降、イスラム組織ハマスへの連帯を示すとして、イエメン近海を航行する外国船舶への攻撃や拿捕を繰り返していた。

 これに対し、トランプ大統領は「フーシ派によるアメリカ船舶への攻撃は容認できない」と述べ、攻撃を停止しなければ「見たことがないような地獄が降りかかるだろう」と警告していた。

 攻撃の詳細

 アメリカ国防総省によれば、今回の攻撃は「航行の自由を守る」ために航空機と軍艦から実施され、イエメンの首都サナアなど15カ所のフーシ派拠点が標的となった。

 現地からの情報として、子どもを含む24人が死亡したと報じられている。

 国際的な反応

 トランプ大統領は、フーシ派の後ろ盾とされるイランに対しても「支援を直ちにやめろ」「世界の航路を脅かすなら、アメリカは全面的な責任を負わせる」と警告している。

 今後の展望

 フーシ派の攻撃が続く場合、アメリカはさらなる軍事行動を取る可能性がある。また、イランとの緊張が高まる中、地域の安全保障状況は不安定化する恐れがある。

【要点】

 1.背景

 ・トランプ大統領は、イエメンのフーシ派に対し「アメリカの船舶への攻撃停止」を要求し、「攻撃を止めない場合、かつてない地獄が降りかかる」と警告した。
 ・フーシ派はガザ地区へのイスラエルの攻撃に反発し、イエメン近海で外国船舶を攻撃していた。

 2.攻撃の実施

 ・2025年3月15日、アメリカ軍は「航行の自由を守る」目的でイエメンのサナアなど15カ所を攻撃。
 ・攻撃により、子どもを含む少なくとも24人が死亡。

 3.軍事作戦

 ・攻撃は、アメリカの航空機や艦船から行われ、特にF/A-18戦闘機が関与。
 ・イエメンのフーシ派拠点や軍事施設が標的となった。

 4.国際的反応:

 ・トランプ大統領はイランに対し、フーシ派への支援停止を要求。
 ・アメリカの外交官は、イランに対する圧力を強め、航路の安全を守るための責任を問う姿勢を示した。

 5.今後の展開

 ・フーシ派の攻撃が続けば、アメリカは更なる軍事行動を取る可能性がある。
 ・地域の安全保障が不安定化する恐れがあり、イランとの緊張が高まる可能性もある。

【引用・参照・底本】

Here's What's Really Behind Trump's Surprise Bombardment of Yemen sputnik international 2025.03.17
https://sputnikglobe.com/20250316/heres-whats-really-behind-trumps-surprise-bombardment-of-yemen-1121646349.html

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