トランプ米大統領の施政方針演説2025年03月06日 00:47

Ainovaで作成
【桃源寸評】

 米国に「黄金の時代」を約束だって、こんな内容で黄金時代どころか、"極貧"時代の到来となろう。

 中国の云うように、「ウイン・ウイン」を約束し、世界を富ませない限り、無理筋と言うべきであろう。

 かつあげか。馬鹿々々しい限りである。 

 「米日関係を新たな黄金時代へと導く」などと宣う、石破首相なら一も二も無く満面笑みを浮かべて、賛成するだろう。

【寸評 完】

【概要】

 トランプ米大統領の施政方針演説(2025年3月5日)

 ドナルド・トランプ米大統領は、施政方針演説において、国内政策および外交政策の主要な方針を示した。

 国内政策

 ・あらゆる分野の専門家の採用基準は、人種や性別ではなく、専門的なスキルに基づくべきであると強調した。
 ・議会に対し、完全に国産の先進的防空システム「ゴールデン・ドーム」への予算を割り当てる必要があると述べた。
 ・米国は火星やその遥か彼方に星条旗を立てるとし、宇宙開発への積極的な関与を示した。
 ・米国に「黄金の時代」を約束し、それは世界がまだ見たことのないものになると宣言した。

 貿易政策

 ・米国は輸入関税を引き上げ、中国やインド、EUに対する報復関税を4月2日に発動すると発表した。これにより、相互関税の影響が予想される。

 外交政策

 ・米国はグリーンランドを、その住民が望むなら自国の領土に受け入れる用意があると述べた。また、いずれにせよ何らかの形でグリーンランドを手にすることになると示唆した。
 ・米国はパナマ運河のコントロールを取り戻し始めており、米企業が現地で協定を結んだと発表した。
 ・ウクライナのゼレンスキー大統領から、和平交渉に応じる用意があるとの書簡を受け取ったことを明らかにした。また、ロシアからも「強いシグナル」を受け取っていると述べた。

【詳細】 
 
 トランプ米大統領の施政方針演説(2025年3月5日)
 
 2025年3月5日、ドナルド・トランプ米大統領は施政方針演説を行い、国内政策・貿易政策・外交政策に関する主要な方針を示した。本演説では、国家の競争力強化、貿易戦略の見直し、安全保障体制の強化、宇宙開発、外交方針の変更など、多岐にわたる政策が提示された。

 国内政策

 1. 採用基準の改革

 トランプ大統領は、あらゆる分野の専門家の採用基準について、人種や性別ではなく、専門的なスキルに基づくべきであると強調した。これは、過去の政権が推進してきた「多様性、公平性、包括性(DEI)」政策を否定し、実力主義を重視する方向へ転換することを示している。特に、政府機関や軍事、ハイテク分野において、能力のみを採用基準とする方針が取られる可能性がある。

 2. 防空システム「ゴールデン・ドーム」の開発

 議会に対し、完全に国産の先進的防空システム「ゴールデン・ドーム」への予算を割り当てる必要があると主張した。これは、既存の防空システムを強化し、外国製の防衛技術への依存を減らす狙いがある。現時点で「ゴールデン・ドーム」の詳細は不明だが、イスラエルの「アイアンドーム」と同様の迎撃システム、あるいは新たなレーザー防衛技術を導入する可能性がある。

 3. 宇宙開発の推進

 トランプ大統領は「米国は火星やその遥か彼方に星条旗を立てる」と述べ、米国の宇宙探査計画の加速を表明した。これは、NASAの有人火星探査計画や、商業宇宙開発企業との連携をさらに推し進めることを意味すると考えられる。また、軍事的な観点からも、宇宙空間における米国の優位性を確保する戦略の一環とみられる。

 4. 「黄金の時代」の到来
 
 トランプ大統領は「米国に黄金の時代を約束する。それは世界がまだ見たことのないものになるだろう」と述べ、今後の経済成長と国力の強化を強調した。この「黄金の時代」が具体的に何を指すのかは明言されなかったが、大規模な経済改革、産業の活性化、技術革新の推進を意味する可能性がある。

 貿易政策
 
 1. 輸入関税の引き上げと報復関税の発動

 トランプ大統領は、米国の輸入関税を引き上げ、中国、インド、EUに対して4月2日から報復関税を発動すると発表した。これは「相互関税(Reciprocal Tariffs)」という概念に基づくもので、各国が米国製品に課している関税と同等の関税を米国も課すという方針を示している。

 ・対中国政策:トランプ政権時代に導入された「対中関税」を強化する可能性がある。これにより、中国の輸出産業、特にハイテク分野が影響を受けると考えられる。
 ・対インド政策:インドの保護主義的な政策に対抗するための措置とみられる。特に医薬品、IT関連製品、繊維製品などが対象になる可能性がある。
 ・対EU政策:EUとの貿易摩擦が再燃する可能性がある。特に自動車産業や農産品に対する関税が強化されることが予想される。

 この政策は、貿易赤字の削減を目的とすると同時に、米国内の製造業の振興を狙ったものであるが、各国の対抗措置により、世界的な貿易摩擦の激化が懸念される。

 外交政策

 1. グリーンランドの領有計画

 トランプ大統領は、「米国はグリーンランドを、その住民が望むなら自国の領土に受け入れる用意がある。いずれにせよ、何らかの形で米国はグリーンランドを手にすることになるだろう」と発言した。これは、2019年にトランプ政権がデンマークに対してグリーンランドの買収を提案した際の方針を引き継ぐものである。

 ・グリーンランドは豊富な鉱物資源を有し、軍事戦略的にも重要な拠点である。
 ・米国は現在もグリーンランドの「チューレ空軍基地」を運用しており、北極圏の軍事プレゼンスを強化する意図がある。
 ・住民の意思を尊重するとしつつも、「何らかの形で手にする」と述べたことから、経済的・軍事的影響力の拡大を図る可能性がある。

 2. パナマ運河の支配権回復

 トランプ大統領は「米国はパナマ運河のコントロールを取り戻し始めており、米企業がそこで協定を結んだ」と発表した。

 ・パナマ運河は1999年にパナマ政府へ返還されたが、その後中国企業が関連インフラに影響力を強めている。
 ・トランプ政権としては、パナマ運河の管理を再び米国の影響下に置き、中国の影響を排除する狙いがあると考えられる。
 ・具体的にどのような協定が結ばれたのかは不明であるが、米国企業が運河の管理や運営に関与する可能性がある。

 3. ウクライナ和平交渉の可能性

 トランプ大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領から「和平交渉の準備がある」との書簡を受け取ったと述べた。加えて、ロシアからも「強いシグナル」を受け取っていると発言した。

 ・これまで米国はウクライナに対する軍事支援を続けてきたが、トランプ政権は外交交渉による解決を模索する可能性がある。
 ・「強いシグナル」という表現は、ロシア側も交渉に前向きな姿勢を示していることを示唆しているが、具体的な内容は不明である。
 ・今後、米国が仲介役となり、ウクライナとロシアの和平交渉が進展する可能性がある。

 まとめ

 今回の施政方針演説では、トランプ大統領が国家主義的な政策を推し進める意向を明確に示した。国内では経済・防衛の強化を掲げ、対外的には貿易摩擦の激化、領土戦略の推進、外交交渉の主導が示唆された。今後、これらの政策が具体的にどのように実行されるかが注目される。

【要点】

 トランプ米大統領の施政方針演説(2025年3月5日)

 国内政策

 ・採用基準の改革:人種・性別に基づく基準を撤廃し、能力主義を徹底。
 ・防空システム「ゴールデン・ドーム」:完全国産の防空システム開発を推進。
 ・宇宙開発の強化:火星探査を含む宇宙進出を加速。
「黄金の時代」の約束:経済成長と国力強化を強調。

 貿易政策

 (1)輸入関税の引き上げ

 ・4月2日から中国、インド、EUに報復関税を発動。
 ・相互関税(Reciprocal Tariffs)を適用し、各国の関税に対抗。

 (2)貿易赤字削減:米国内製造業を優先し、海外依存を低減。

 外交政策

 (1)グリーンランドの領有計画

 ・住民の意思を尊重しつつ、米国領化の可能性を示唆。
 ・軍事・資源戦略の観点から影響力拡大を目指す。

 (2)パナマ運河の支配権回復

 ・米企業がパナマ運河関連の協定を締結。
 ・中国の影響を排除し、米国のコントロール強化へ。

 (3)ウクライナ和平交渉の可能性:

 ・ゼレンスキー大統領から交渉準備の書簡を受領。
 ・ロシア側も「強いシグナル」を送っていると発言。
 ・米国が仲介し、和平交渉が進展する可能性。

 まとめ

 ・国家主義的政策の推進:経済・防衛・貿易における自国優先の方針。
 ・対外政策の転換:貿易摩擦の激化、領土戦略、外交交渉の主導。
 ・今後の注目点:関税政策の影響、グリーンランド問題、ウクライナ和平交渉の行方。

【参考】

 ☞ 相互関税(Reciprocal Tariffs)とは、他国が米国に課している関税と同等の関税を米国も相手国に対して課す制度である。

 トランプ大統領の発言に基づく要点

 ・対象国:中国、インド、EU
 ・施行日:2025年4月2日
 ・目的

  ⇨ 米国企業の競争力を確保
  ⇨ 貿易赤字の是正
  ⇨ 「公正な貿易」の実現

 ・影響

  ⇨ 中国、インド、EUが報復関税を実施する可能性
  ⇨ 世界的な貿易摩擦の激化
  ⇨ 企業のサプライチェーン見直しの加速

 背景

 トランプ政権は以前から「公正な貿易」を主張し、特に中国との貿易不均衡を問題視していた。2025年の関税引き上げは、その延長線上にある措置と考えられる。

【参考はブログ作成者が付記】

【引用・参照・底本】

【まとめ】トランプ米大統領の施政方針演説 sputnik 日本 2025.03.05
https://sputniknews.jp/20250305/19623720.html

「大国間競争」ではなく、「自国の発展に注力する」ことを強調2025年03月06日 12:44

Microsoft Designerで作成
【桃源寸評】

 智者は自己(自国)を見詰める。愚者は他者(他国)を妬む。

【寸評 完】

【概要】 
 
 5%の成長目標は科学的判断であり、進歩的な宣言である

 概要

 2025年3月5日、中国の第14期全国人民代表大会(全人代)第3回会議が北京の人民大会堂で開幕した。習近平国家主席をはじめとする中国の指導者が出席し、李強首相が政府活動報告を発表した。この報告では、2024年の業績を総括し、2025年の政府の主要任務を示すとともに、年間GDP成長率を約5%とする目標を明確に設定した。この報告から、中国経済の着実な進展と今後への強い自信が示されている。

中国政府活動報告のポイント

1. 5%の成長目標の意義

 ・国際的な視点:3年連続でGDP成長率を5%前後に設定。ロイターなどの外国メディアは、「中国が目標達成に実績があることを考慮すると、この目標は自信の表れであり、今年の国内需要支援政策の強化を示唆するものだ」と指摘している。
 ・「桃を取るために飛び跳ねるようなもの」:目標達成には努力が必要だが、中国には成長の潜在力と好条件が備わっていると評価されている。
 ・国内の受け止め:実利的かつ前向きで力強い姿勢が示されており、国民の間でも目標達成への信頼が強い。

 2. 中国経済の成長を支える要因

 (1)制度的優位性

 ・巨大な市場規模
 ・完備された産業体系
 ・豊富な労働力

 (2)政府の長期的な計画・政策運営能力

 ・精密な政策実施とトップダウン型の調整により、各種リスクや課題に対応可能。
 ・2025年の財政赤字対GDP比率は約4%に設定。
 ・超長期特別国債1.3兆元(約26兆円)を発行し、経済支援策を実施。
 ・社会投資需要の拡大・消費の高度化・経済構造の最適化・エネルギー転換が、持続的成長を後押し。

 (3)国民中心の発展理念

 ・個人所得の増加を経済成長と連動させる。
 ・不動産市場と株式市場の安定を初めて政府の総合目標に明記。
 ・貧困削減・教育・医療などの公共サービス投資を継続。
 ・「大国間競争」ではなく、「自国の発展に注力する」ことを強調。

 3. 改革と開放の深化による経済強化

 ・「改革」という単語が政府活動報告で40回以上言及され、制度の改善に重点を置く姿勢を示す。
 ・「政策は可能な限り早く導入・実施すべきであり、早期対応によって不確実性への対応余地を確保する」**との認識を強調。
 ・「課題に真正面から向き合い、成長を追求する姿勢」が示されている。

 4. 世界経済への影響

 ・IMF(国際通貨基金)は、中国の2025年・2026年の成長見通しを引き上げ。
 ・IMFチーフエコノミストのピエール=オリヴィエ・グランシャス氏は「中国の2024年の経済パフォーマンスは予想以上に良好」と評価。
 ・中国の経済発展は国内だけでなく、世界の共同繁栄にも寄与。

 5. 5%成長目標の意義

 ・科学的な判断であり、進歩的な宣言。
 ・14億人以上の国民の生活向上への願いを反映。
 ・改革開放の蓄積された基盤と、社会主義制度の強みを結集。
 ・世界経済の不確実性が増す中でも、中国は着実かつ持続的な成長を遂げ、国際社会にとって重要な安定要素となる。

 総括

 今回の政府活動報告では、中国が5%の成長目標を掲げ、それを達成するための制度的・政策的な優位性を強調している。国際社会に対しては、中国経済の安定性と持続的発展を示し、世界経済への貢献をアピールする内容となっている。

【詳細】 

 中国の経済成長目標5%:科学的判断と進歩的宣言

 全国人民代表大会の開催と政府活動報告

 2025年3月5日、中国の第14期全国人民代表大会(NPC)の第3回会議が北京の人民大会堂で開幕した。習近平国家主席をはじめとする中国の指導者が出席し、李強首相が政府活動報告を発表した。この報告では、2024年の経済実績の総括、2025年の政府活動方針の提示、さらには年間GDP成長率の目標を約5%とすることが明確に示された。この報告は、中国経済が安定して前進していることを強調するとともに、今後の経済発展に対する強い自信を示すものである。

 国内外の評価と国際的な視点

 政府活動報告に対する国内の評価は、「実務的」「前向き」「強固」といった肯定的な意見が多い。特に、3年連続でGDP成長率を5%前後に設定したことに注目が集まっている。ロイターをはじめとする海外メディアは、「中国は過去の目標を達成してきた実績があり、5%の成長目標は政府の自信を反映するとともに、国内需要を強化するための政策支援が強まることを示唆している」と指摘している。また、5%という目標は、努力を伴うが達成可能な目標として例えられ、「桃を取るために飛び跳ねるようなもの」と評されている。国際的な見方としても、中国がこの目標を達成できる可能性が高いと考えられている。

 中国経済の成長を支える要因

 1. 制度的優位性

 中国は超大規模な市場、完全な産業体系、豊富な労働力という強固な経済基盤を持っている。これにより、持続的な経済成長を支えるための安定した環境が整っている。

 2. 政府の長期計画と政策運営能力

 中国政府は長期的な経済計画を策定し、科学的かつ精密な政策運営を行う能力を持つ。これにより、さまざまなリスクや課題に対して迅速かつ効果的に対応できる。例えば、2025年の政府活動報告では、財政赤字の対GDP比率を約4%に設定し、特別国債を1.3兆元発行する方針を示した。これは、政策の柔軟性を示すものであり、経済の安定成長を維持するための手段として活用される。

 3. 内需拡大と経済構造の最適化

 政府は、社会投資の需要拡大、消費の高度化、経済構造の改善、エネルギー転換などを進めており、これが経済成長の持続性を高める要因となる。特に、家庭消費の拡大は、中国の経済成長を牽引する重要な柱となっている。

 4. 国民中心の発展理念

 中国経済の活力の根本には、「国民を中心とする発展理念」がある。政府活動報告では、「個人所得の増加を経済成長と同じペースで進める」と明記され、より多くの資金や資源が国民の福祉向上に向けられる方針が示された。また、不動産市場や株式市場の安定が政策目標の一部として盛り込まれたことは、国民の生活に直結する問題への対応として重要な意味を持つ。

 これまで中国は、貧困削減の完全勝利を達成し、教育・医療などの公共サービスへの投資を継続的に増やしてきた。こうした政策の根底には、「人民の幸福を最優先とする」という政府の基本方針がある。このため、中国は「大国間競争」を発展戦略の中心に置くのではなく、「自国の発展に専念する」ことを重視している。このアプローチは、国民の生活水準を向上させると同時に、全国民の意欲と創造性を引き出す効果を持つ。その結果、中国は、複雑で変化の激しい国際環境の中でも、戦略的な安定性を維持しつつ発展を続けることができる。

 改革深化と開放拡大による経済活力の強化

 中国は、目標を設定すると、それを実現するために強力な実行力を発揮する国である。2025年の政府活動報告では、「改革」という言葉が40回以上言及され、「政策はできるだけ早く打ち出し、実行すべきであり、早めの対応が不確実性への対応に有利である」と強調された。これは、迅速な行動と成果を追求する姿勢を示しており、課題に正面から取り組むという明確な方向性を打ち出している。経済のレジリエンス(回復力)と潜在力は、改革の深化と開放の拡大を通じて強化され、国際社会に対しても継続的な利益をもたらしている。

 国際社会への影響と展望

 世界は、中国の経済発展に関するさらなる良いニュースを期待している。現在、中国経済は「形としての安定」を保ちつつ、「勢いを増している」段階にある。この成長は、国際協力やグローバルガバナンスの場面においても、さらなる可能性を提供する。国際通貨基金(IMF)の最新の『世界経済見通し』では、中国の2025年および2026年の成長予測が上方修正された。IMFのチーフエコノミストであるピエール=オリヴィエ・グランシャス氏は、「中国の2024年の経済パフォーマンスは予想以上に良好だった」と評価している。

 中国が推進する「質の高い発展」は、中国自身の成功のみならず、国際社会全体の共通繁栄にも貢献するものである。

 総括:科学的判断と進歩的宣言としての5%成長目標

 今回設定された5%の成長目標は、単なる数値ではなく、科学的かつ実現可能な判断であり、同時に中国の進歩的な発展意欲を示す宣言でもある。この目標の背後には、14億人以上の中国国民がより良い生活を望む願い、完全な産業体系に裏打ちされた経済的自信、改革開放の成果に基づく確固たる基盤、そして党の指導力と社会主義制度の優位性が凝縮されている。

 現在、世界経済の不確実性が増している中、中国経済は安定した成長を維持し、持続可能な発展を進めている。この安定性は、国際社会にとっても重要なプラス要素であり、グローバル経済の発展に寄与することが期待される。

【要点】

 中国の2024年GDP成長目標「5%」の背景と展望

 1. 全国人民代表大会(NPC)での発表

 ・2025年3月5日、中国の第14期全国人民代表大会(NPC)第3回会議が開幕
 ・李強首相が政府活動報告を発表し、2024年のGDP成長目標を「約5%」と設定
 ・3年連続で5%前後の目標を維持

 2. 目標設定の意義

 ・科学的な判断:経済情勢を踏まえた実現可能な目標
 ・進歩的な宣言:持続的な発展を推進する意志の表明
 ・国際的評価:ロイターなどは「政府の自信の表れ」と報道

 3. 中国経済の成長を支える要因

 ✅ 制度的優位性

  ・超大規模な市場、完全な産業体系、豊富な労働力が強み

 ✅ 政府の長期計画と政策運営能力

  ・財政赤字の対GDP比率を約4%に設定
特別国債を1.3兆元発行し、経済成長を支援
 ✅ 内需拡大と経済構造の最適化

  ・消費の高度化、投資の拡大、エネルギー転換を推進

 ✅ 国民中心の発展理念

  ・「個人所得の増加を経済成長と同じペースで進める」方針
  ・不動産市場や株式市場の安定化政策

 ✅ 改革深化と開放拡大

  ・「政策はできるだけ早く打ち出し、実行すべき」と強調
  ・経済の回復力と成長の潜在力を引き出す

 4. 国際社会への影響と展望

 ・IMFは中国の2025年・2026年の成長予測を上方修正
 ・「質の高い発展」がグローバル経済に貢献

 5. 総括:5%成長目標の意義

 ・科学的判断:現実的で実行可能な目標
 ・進歩的宣言:持続可能な発展の推進
 ・国民生活の向上:安定した経済成長で福祉向上を目指す
 ・国際的安定性への貢献:世界経済の発展にも寄与

【引用・参照・底本】

5 percent growth target is both a scientific judgment and a progressive declaration: Global Times editorial GT 2025.03.06
https://www.globaltimes.cn/page/202503/1329571.shtml

バングラデシュ代表団の中国訪問2025年03月06日 13:29

Microsoft Designerで作成
【概要】 
 
 バングラデシュ代表団の中国訪問と両国関係の展望

 1. 訪問の概要

 ・2025年2月25日から3月6日まで、バングラデシュの政党代表、学生リーダー、学者、ジャーナリストなど21名からなる代表団が中国を訪問。
 ・中国共産党中央対外連絡部(IDCPC)の招待によるもので、バングラデシュからの大規模な代表団の訪問は初めてである。
 ・中国・バングラデシュ関係の「重要な外交的進展」と位置づけられる。

 2. 訪問先と活動内容

 ・北京、陝西省、雲南省の3地域を訪問
 ・企業視察:BYD(電気自動車)、LONGi(太陽光発電)、iFlytek(AI)などの中国企業を訪問
 ・農業技術の視察:楊凌現代農業実証区を視察
 ・地方行政の視察:雲南省孟海県の村を訪れ、草の根ガバナンスと農村産業発展を観察
 ・政府要人との会談:IDCPC副部長の孫海燕と会談

 3. バングラデシュ側の評価

 ✅ 中国の技術・インフラ発展への驚嘆

 ・AI、電気自動車、太陽光発電、農業技術などの分野での進展に強い印象を受ける。

 ✅ 中国の現代化モデルからの学び

 ・アブドゥル・モイーン・カーン(バングラデシュ民族主義党・国家常任委員会メンバー):中国の発展とバングラデシュの国家変革には共通点が多く、中国の経験が有益であると指摘。
 ・アリ・アハサン・ゾナエド(学生リーダー):中国の近代化が特に印象的で、バングラデシュでも技術発展を活用したいと述べる。
 ・ライルファル・ヤスミン(ダッカ大学国際関係学教授):異なる政党や団体のメンバーが中国の発展を直接観察できたことが有意義であり、政策決定に役立つと評価。

 ✅ 中国との協力強化の必要性

 ・安定した政治環境の確立:経済成長を促進するためには、安定した政府の確立が不可欠。
 ・一帯一路(BRI)への期待:バングラデシュの経済成長において、中国のBRIが重要な役割を果たしていると評価。
 ・中国企業の誘致:中国の投資と技術が雇用創出や経済発展に貢献すると期待。

 4. バングラデシュの外交姿勢

 ・バランス外交の維持:カーン氏は「バングラデシュは地域大国の間でバランスを取る外交を維持し、中国との安定した協力が重要な柱である」と強調。
 ・非干渉政策への共感:ゾナエド氏は「バングラデシュの若者は、いかなる国も他国に介入すべきではないと考えており、中国の非干渉政策を評価している」と述べる。

 5. 今後の展望

 ・政治的安定の確立:カーン氏は「バングラデシュの全ての分野で安定した民主的政府の早期確立を望んでいる」と言及。
 ・BRIのさらなる活用:中国との協力強化により、大企業だけでなく中小企業や一般市民にも恩恵があると期待。
 ・南アジアの経済回廊の構築:将来的には、中国とバングラデシュを結ぶ新たな経済回廊の形成を目指す。

 6.まとめ

 ・バングラデシュ代表団は、中国の近代化と技術発展に深い感銘を受け、中国との協力強化を求めている。
 ・特にBRIがバングラデシュの経済成長に貢献するとの認識が共有され、今後の協力拡大が期待される。
 ・バングラデシュ側は、政治的安定の確立と中国との経済協力の深化を並行して進める方針である。

【詳細】 

 今回のバングラデシュ代表団の中国訪問は、同国の政治・学術・メディア・学生リーダーなど幅広い分野からなる21人のメンバーで構成され、2025年2月25日から3月6日にかけて実施された。これは中国共産党中央対外連絡部(IDCPC)の招待によるものであり、中国がバングラデシュから大規模な代表団を公式に迎えた初の事例である。この訪問は両国関係における重要な外交的進展として位置づけられる。

 代表団は訪問を通じて、中国の技術革新やインフラ発展に関する直接的な理解を深めた。バングラデシュは現在、政治的な変動と経済的課題に直面しており、そのような状況の中で「一帯一路(BRI)」を含む中国との安定的な協力関係が、同国の安定と繁栄に寄与すると考えられている。

 訪問の詳細

 代表団は北京市、陝西省、雲南省の3地域を訪問し、BYD(電気自動車)、LONGi(太陽光発電)、iFlytek(人工知能)などの中国の先端企業を視察した。また、陝西省楊凌現代農業示範園区のイノベーションゾーンを訪れ、農業技術の発展について学んだ。さらに、雲南省勐海県の農村部を訪問し、中国の地方行政や農村産業の発展を視察した。これらの訪問を通じて、バングラデシュ代表団は中国の現代化の進展を具体的に体験し、同国の発展モデルを学ぶ機会を得た。

 この訪問は、中国の王毅外交部長とバングラデシュ暫定政府の外交顧問であるトウヒド・ホサイン氏との会談(2025年1月に実施)に続くものであり、両国関係のさらなる強化の一環として行われた。

 バングラデシュ代表団の評価

 代表団の団長であり、バングラデシュ民族主義党(BNP)全国常任委員会のメンバーであるアブドゥル・モイーン・カーン氏は、「中国とバングラデシュの関係は長年にわたる信頼に基づいており、今回の訪問はその友好関係の継続である」と述べた。バングラデシュは現在、政治的な変革の最中にあり、このような時期における中国訪問は特に意義があると強調した。また、地域の複雑な状況を考慮しつつも、バングラデシュは引き続き「バランスの取れた外交政策」を維持し、中国との安定的な協力関係をその柱とすると述べた。

 さらに、バングラデシュの国民的発展目標は「中国式現代化」と多くの共通点を持つため、中国からの継続的な支援を期待しているとした。

 若年層の視点

 バングラデシュの学生リーダーであるアリ・アハサン・ゾナエド氏は、中国訪問の中でAI、電気自動車、太陽光発電、農業技術など多くのハイテク企業を視察したことに強い印象を受けたと述べた。彼は、「この訪問を通じて技術に関する理解を深め、それをバングラデシュの発展にどう活かすかを考える良い機会となった」と語った。

 特に、中国の発展の原動力となっているのは国民の「夢」と「努力」であると指摘し、中国の人々のエネルギーと献身的な姿勢が自身の国の発展への意欲を高める刺激になったと述べた。

 また、バングラデシュの若者の間では、中国に対して一般的に好意的な印象があり、「すべての国は平等なパートナーとして扱われるべきであり、いかなる国もバングラデシュに対して命令や干渉をすべきではない」との考えが広がっているという。その点で、中国が掲げる「内政不干渉」の原則は特に若者層に評価されており、ゾナエド氏は「他の主要国も中国を見習い、バングラデシュを対等に扱うべきだ」と主張した。

 学術界の視点

 ダッカ大学国際関係学部の博士であるライルファル・ヤスミン教授も代表団の一員として訪問に参加した。彼女は、「今回の訪問は、バングラデシュの様々な政治勢力やグループが中国をより包括的に理解する貴重な機会となった」と述べた。また、バングラデシュの政策立案者が中国の発展と変革のプロセスを学ぶことで、バングラデシュの将来に活かせる重要な知見を得られると指摘した。

 彼女は、「バングラデシュが今後どのような政治的変化を経験しようとも、安定した政治環境を確立することが経済成長の鍵である」と述べ、中国との経済協定を引き続き推進する必要性を強調した。特に、一帯一路(BRI)プロジェクトはバングラデシュにとって不可欠なものであり、これにより国際的な経済環境の安定にも寄与していると評価した。

 ヤスミン教授はまた、「バングラデシュは中国企業をさらに積極的に受け入れるべきである」と提言した。バングラデシュは大きな人口ボーナスを持ち、中国企業にとって安定した海外生産拠点を提供することができる。これはバングラデシュ国内の雇用問題の解決にもつながると考えられる。

 今後の展望

 アブドゥル・モイーン・カーン氏は、「バングラデシュの全ての分野において、安定した民主的な政府を早急に確立し、中国との協力関係をさらに深めていくことが望まれている」と述べた。

 また、バングラデシュは長年にわたり一帯一路(BRI)を中国との重要な連携の基盤と見なしており、その強化は大企業だけでなく中小企業や一般市民にも利益をもたらすと考えられている。将来的には、中国とバングラデシュを結ぶ新たな経済回廊を構築し、南アジア全体の連携強化を目指すべきだとの意見が示された。

 ゾナエド氏は、バングラデシュは現在、国の再建と経済回復に取り組んでおり、その道のりは長く困難なものになるかもしれないが、若者が積極的な役割を果たすべきだと強調した。中国とは国情が異なるものの、中国の発展経験から学べることは多く、特に技術革新分野での協力はバングラデシュの経済的課題解決に貢献すると述べた。

【要点】

 バングラデシュ代表団の中国訪問(2025年2月25日~3月6日)

 訪問の概要

 ・主催者:中国共産党中央対外連絡部(IDCPC)
 ・代表団の構成:政治家、学者、メディア関係者、学生リーダーなど21名
 ・訪問目的

  🔹中国の技術革新や経済発展を学ぶ
  🔹両国の関係強化と協力の深化
  🔹バングラデシュの発展に役立つ知見を得る

 訪問先と視察内容

 1.北京市

 ・視察企業:BYD(EV)、LONGi(太陽光発電)、iFlytek(AI)
 ・目的:中国の先端技術と産業発展を学ぶ

 2.陝西省

 ・訪問地:楊凌現代農業示範園区
 ・目的:農業技術革新の視察

 3.雲南省

 ・訪問地:勐海県の農村部
 ・目的:地方行政・農村産業の発展を学ぶ

 主要な発言と評価

 1.政治家の視点(アブドゥル・モイーン・カーン氏)

 ・「中国とバングラデシュの関係は長年の信頼に基づく」
 ・「中国の発展モデルはバングラデシュにとって有益」
 ・「政治的変革の最中にあるバングラデシュにとって、この訪問は特に意義がある」

 2.学生リーダーの視点(アリ・アハサン・ゾナエド氏)

 ・「中国の技術発展から多くを学べた」
 ・「中国の発展の原動力は国民の努力と献身」
 ・「バングラデシュの若者は中国の『内政不干渉』の原則を評価」

 3.学術界の視点(ライルファル・ヤスミン教授)

 ・「訪問はバングラデシュの多様な政治勢力にとって中国理解を深める機会」
 ・「中国の発展プロセスを学ぶことで、バングラデシュの政策立案に活かせる」
 ・「バングラデシュは中国企業のさらなる進出を促進すべき」

 今後の展望

 ・安定した政治環境の確立が経済成長の鍵
 ・中国との協力関係をさらに強化
 ・一帯一路(BRI)を活用し、経済発展を促進
 ・技術革新分野での中国との協力を拡大
 ・バングラデシュの若者が積極的な役割を果たすべき

【引用・参照・底本】

MWC organizer hails China's leadership in mobile industry innovation GT 2025.03.06
https://www.globaltimes.cn/page/202503/1329580.shtml

2025年のモバイル・ワールド・コングレス(MWC)2025年03月06日 17:43

Microsoft Designerで作成
【概要】 
 
 2025年のモバイル・ワールド・コングレス(MWC)において、主催者であるGSMAの幹部が中国のモバイル産業の革新における主導的役割を評価した。

 GSMAの事務局長であるマッツ・グランリード氏は、バルセロナで開催されたMWC2025において、新華社の取材に対し、中国企業が人工知能(AI)や5Gなどの最先端技術を迅速に応用することで業界を牽引していると述べた。また、中国はモバイルエコシステムの主要要素を統合し、強固で先進的な産業を形成していると指摘し、「中国のモバイル市場の規模は、新技術の採用を大きく促進している」と述べた。さらに、今後の展開について「長期的にどのように発展していくかが非常に興味深い」との見解を示した。

 GSMAの最高マーケティング責任者(CMO)であるララ・デワー氏も、中国の継続的な革新への取り組みを強調した。頻繁に中国を訪れるというデワー氏は、中国の技術進歩に常に刺激を受けているとし、特に5Gネットワークの拡張に言及した。中国の5Gネットワークは現在10億人以上のユーザーにサービスを提供しており、デワー氏は「中国のこの産業への影響は否定できない」と述べた。

 両氏は、国際協力の重要性にも言及した。グランリード氏は、モバイル産業の経済的な可能性を最大限に引き出すためには国際的な連携が「不可欠」であると述べた。

 また、今年のMWC上海に向けて、デワー氏は中国の技術的進歩を直接確認する機会を楽しみにしているとし、「技術が実際にどのように活用されているかを目の当たりにするのは素晴らしい経験になるだろう」と語った。

【詳細】 

 2025年のモバイル・ワールド・コングレス(MWC)において、主催者であるGSMAの幹部が中国のモバイル産業の技術革新と市場規模に基づく主導的役割を高く評価した。バルセロナで開催されたMWC2025では、特に人工知能(AI)や第5世代移動通信システム(5G)といった最先端技術の活用において、中国企業が世界をリードしているとの見解が示された。

 中国のモバイル産業の特徴と競争力

 GSMAの事務局長であるマッツ・グランリード(Mats Granryd)氏は、新華社の取材に対し、中国のモバイル産業の強みは「規模の大きさと技術革新のスピード」にあると指摘した。中国市場の広大なユーザーベースと、高度な技術を実用化する能力が相まって、モバイル分野における競争力を確立しているという。

 グランリード氏は、中国がモバイルエコシステムのあらゆる要素を統合することで、非常に強固で先進的な産業基盤を築いていると評価した。具体的には、通信インフラ、デバイスメーカー、半導体産業、ソフトウェア開発、AI技術など、多岐にわたる分野が連携し、相互に発展を促進していると述べた。

 さらに、中国の市場規模が新技術の導入を加速させる要因となっている点についても言及した。「中国のモバイル市場は世界最大規模であり、それが新技術の採用を容易にしている」とし、大規模なユーザー基盤が新技術の商用化を迅速に進める役割を果たしていることを強調した。

 5G技術の進展と影響力

 GSMAの最高マーケティング責任者(CMO)であるララ・デワー(Lara Dewar)氏は、中国の5G技術の発展について特に注目すべき点として挙げた。デワー氏によれば、中国の5Gネットワークは現在、10億人以上のユーザーにサービスを提供しており、その規模と展開スピードは他国を大きく上回っている。

 デワー氏は、頻繁に中国を訪問している経験から、中国のモバイル技術の発展に強い印象を受けていると語った。「中国では、5Gネットワークの拡張が驚くべきスピードで進んでおり、これが多くの産業分野におけるイノベーションを促進している」と述べた。

 また、5G技術の普及によって、AI、モノのインターネット(IoT)、クラウドコンピューティング、拡張現実(AR)・仮想現実(VR)といった技術分野においても中国が先駆的な取り組みを進めていることを強調した。これらの技術の組み合わせが、新たなビジネスモデルを生み出し、世界のモバイル産業の発展を加速させているという。

 国際協力の重要性と今後の展望

 グランリード氏とデワー氏は、モバイル産業のさらなる成長には国際的な協力が不可欠であるとの見解を示した。グランリード氏は「モバイル産業の経済的な可能性を最大限に引き出すためには、国際的な連携が重要である」と述べ、各国の通信事業者、規制当局、企業間の協力が技術革新を推進する鍵になると指摘した。

 特に、通信技術の標準化やサプライチェーンの安定化において、中国が国際的な協力を積極的に進めている点を評価した。グランリード氏は「中国企業は国際市場においても積極的に技術を提供し、グローバルなモバイルエコシステムの発展に貢献している」と述べた。

 MWC上海への期待

 MWC2025のバルセロナ開催に続き、中国・上海ではMWC上海が予定されている。デワー氏は、「MWC上海では、中国の最新技術の進展を直接目の当たりにできることを楽しみにしている」と述べ、中国のイノベーションを現地で体験することの重要性を強調した。

 彼女は「中国は、技術の開発だけでなく、それを実際の製品やサービスとして実装する能力にも長けている。その実例をMWC上海で見るのは非常に刺激的な経験になるだろう」と語った。

 まとめ

 MWC2025において、GSMA幹部は中国のモバイル産業の規模と技術革新を高く評価し、特に5G技術の普及と国際協力の重要性を強調した。中国のモバイル産業は、通信インフラ、AI、IoT、クラウドコンピューティングなどの分野で急速に発展しており、今後も世界のモバイル産業を牽引していく可能性が高い。MWC上海では、これらの技術革新がどのように実際の市場や産業に応用されているのかが改めて注目されることになる。

【要点】

 MWC2025における中国のモバイル産業の評価

 1. 中国のモバイル産業の強み

 ・規模の大きさ:世界最大の市場を持ち、新技術の採用が迅速に進む。
 ・技術革新のスピード:AIや5Gをはじめとする最先端技術の実用化が早い。
 ・モバイルエコシステムの統合:通信インフラ、デバイス、半導体、ソフトウェアなどが密接に連携。

 2. 5G技術の発展

 ・普及の規模:10億人以上が5Gを利用。
 ・産業への影響:AI、IoT、クラウド、AR/VRなどの分野でイノベーションを推進。
 ・国際的な影響力:世界のモバイル産業における主導的地位を確立。

 3. 国際協力の重要性

 ・モバイル産業の発展には国際的な連携が不可欠。
 ・通信技術の標準化やサプライチェーンの安定化に貢献。
 ・中国企業はグローバル市場でも積極的に技術を提供。

 4. MWC上海への期待

 ・最新技術の現地視察:中国の技術革新を直接確認する機会。
 ・実装能力の高さ:技術開発だけでなく、実際の製品やサービスとして展開する能力が優れている。

 5. まとめ

 ・中国は規模と技術革新の両面でモバイル産業を牽引。
 ・5Gを中心にAI、IoTなどと連携し、新たな産業を創出。
 ・国際協力の中で影響力を拡大し、MWC上海でもその動向が注目される。

【引用・参照・底本】

MWC organizer hails China's leadership in mobile industry innovation GT 2025.03.06
https://www.globaltimes.cn/page/202503/1329580.shtml

ドイツのドン・キホーテ2025年03月06日 18:08

Microsoft Designerで作成
【桃源寸評】

 西側社会は既に壊れかかっているのではないのか。

 何か<荒唐無稽>、<白昼夢>の様な気もするが。

 中国の技術が余りにも長足の進歩を遂げている所為で、恐れれを為しているのか。
 まぁ、彼の八方破れの米国も御同様ではあるが、と云うよりか、米国の〝悪疾〟が伝染しているのであるが。

 しかし、歴史をみれば理解できるように、中国は技術大国であり、経済大国であり、ヨーロッパは辺境であり(地図を見れば理解可能であるが、西の半島に吹き溜る国々なのである)、中心ではなく、アジアが中心なのである。

 中国の技術を恐れていたのでは、ルネサンスも大航海時代もなかっただろう。
 
 GTの「Rather than battling windmills, it is better to learn to dance with the wind.」(:風車と戦うよりも、風と踊ることを学ぶ方がよい。)、

 うん、好い言葉だ。

【寸評 完】

【概要】 
 
 ドイツのシンクタンクが発表した報告書によると、中国製風力タービンの導入がドイツの社会的結束を脅かす可能性があると指摘されている。これは、ドイツ国防省の委託を受けたドイツ防衛・戦略研究所(GIDS)が作成したもので、米メディア「ポリティコ」によれば、報告書は「ドイツの政治体制と社会の結束が危機にさらされる可能性があるため、中国製風力タービンの規制が必要である」と主張している。具体的には、中国が風力タービンを通じて機密データを収集したり、遠隔操作で停止させたり、さらには政治的圧力や経済戦争の手段として利用する可能性があると指摘している。

 これに対し、中国政府系メディア「環球時報(Global Times)」は、こうした懸念を「不合理であり、根拠がない」と批判した。「中国製の風力タービンが稼働するだけでドイツ国内に不安が広がるというのは極端な論理である」と述べ、西側諸国の政治体制や社会的結束が風力タービンごときで揺らぐと考えるのは過剰な反応だと主張している。また、この報告書の内容を「風車を巨人と見誤り、突撃したドン・キホーテの姿に重なる」と例え、ドイツの政策決定者が不合理な恐怖に基づき中国の風力技術を脅威視していると指摘している。

 中国の専門家であるDong Yifan氏は「環球時報」に対し、「風力タービンを通じて機密データを収集したり、遠隔操作で制御したりする技術的可能性は存在しない」と述べた。風力発電プロジェクトは長期的な計画の下で実施され、厳格な承認手続きや多方面の監督があるため、容易に遠隔操作されることはないとしている。そのため、風力タービンの問題を政治や社会の問題にまで拡大解釈するのは過剰であり、むしろ「中国脅威論」を煽るための意図的な誇張ではないかと指摘した。

 また、ネット上では「ドイツは風力タービンのせいで危機に陥るのか?政治の失敗を他者のせいにしようとしているだけではないか」といった批判的な意見も見られるという。

 中国の技術を脅威とみなすことが、欧州のエネルギー転換にとって戦略的な誤りであるとも論じられている。欧州は気候変動対策のリーダーを自負しているが、中国のグリーン技術を「国家安全保障」の観点から排除すれば、エネルギー転換の進展が阻害される可能性がある。特に、中国の新エネルギー分野での技術力やコスト競争力は、欧州の脱炭素目標達成にとって重要な要素であり、中国技術の排除はエネルギー政策上の不利益につながると指摘している。

 さらに、「風力タービンを脅威とするのではなく、中国と欧州が新エネルギー分野で協力を強化することこそが現実的な選択肢である」と主張する。欧州が中国製風力タービンを敵視しても問題解決にはならず、むしろエネルギー政策の混乱を招くことになると警鐘を鳴らしている。

 「インフラの安全性確保は重要だが、リスク評価は客観的かつ合理的に行われるべきであり、憶測や偏見に基づくべきではない」と強調する。中国の風力発電技術と生産能力は欧州に多くの選択肢を提供できる一方、欧州の管理経験や技術基準は中国・欧州間の協力プロジェクトの安全性を保証するものとなる。このような相互利益のある協力こそが現実的であり、「風力タービンの脅威」を作り上げることは非合理的であるとしている。

 最後に、「ドン・キホーテの幻想は騎士道物語の影響によるものだったが、欧州の『風力タービン恐怖症』は競争への不安と中国の発展への誤解から生じている」と結論づけ、「風車を敵視するのではなく、共に風を活かす方法を模索すべきだ」と主張している。

【詳細】 

 中国共産党系メディア「Global Times」による論評であり、ドイツの国防戦略研究所(German Institute for Defense and Strategic Studies)が発表した報告書に対する批判を展開している。

 報告書の内容

 ドイツ国防省の委託を受けたこの研究所の報告書によれば、中国製の風力タービンがドイツ国内において「政治制度や社会の結束を脅かす可能性がある」と主張している。具体的には、

 ・中国が風力タービンを通じて「機密データを収集する」

 ・「遠隔操作でタービンを停止させる」

 ・これらのタービンを「政治的圧力や経済戦争の手段」として利用する可能性がある

といった懸念が示されている。この報告書の内容は、米国のメディア「Politico」が報じたものを基にしている。

 「Global Times」の主張

 「Global Times」は、この報告書を「荒唐無稽な主張」と位置づけ、「ドン・キホーテが風車に突撃する姿になぞらえる」ことで批判している。主な論点は以下の通りである。

 1.過度な恐怖心の誇張

 報告書の論理を揶揄し、「中国製の風力タービンが回転するだけで、ドイツの政治制度や社会が揺らぐというのは馬鹿げている」と指摘している。また、「いつから西側の政治制度は風力タービンによって崩壊するほど脆弱になったのか」と皮肉っている。

 2.技術的な非現実性
 
「新疆大学の客員研究員」である董一凡(Dong Yifan)氏の発言を引用し、 

 ・風力発電プロジェクトは長期計画に基づき、厳格な承認プロセスや多方面の監督があるため、中国が遠隔操作で操ることは技術的に困難である
 ・風力タービンの問題を政治や社会の問題に結びつけるのは「過剰な解釈」であり、単なる「中国脅威論を煽る手法」に過ぎない

 と主張している。

 3.「中国脅威論」の政治的意図
 
 記事では、「一部の欧州政治家が偏見を持って経済問題を政治化し、中国の技術協力を妨害しようとしている」と指摘。さらに、
 
 ・「欧州のエネルギー転換が遅れるのは中国ではなく、戦略的近視眼によるものだ」
 ・「中国の技術を排除すれば、欧州の排出削減目標に悪影響を及ぼす」
 ・「中国の風力技術はコスト面や技術面で競争力があり、欧州にとって不可欠である」
 
と述べ、欧州の戦略的判断の誤りを強調している。

 4.協力の重要性
 
 「風力タービンを『脅威』とするより、中国と欧州が協力してエネルギー転換を進める方が現実的だ」と主張する。中国の技術力とコスト競争力、欧州の管理ノウハウや技術基準を組み合わせれば、安全性を確保しつつ双方に利益をもたらすと主張している。

 5.「ドン・キホーテ」の比喩

 「風力タービンを脅威とみなすのは、スペインの小説『ドン・キホーテ』の主人公が風車を巨人だと思い込んで突撃したのと同じだ」と述べ、欧州の一部政治家の過剰反応を皮肉っている。そして「風と戦うのではなく、風とともに踊る方が賢明だ」と締めくくっている。

まとめ

 ドイツの報告書を「不合理な中国脅威論の一例」として批判し、欧州が中国の技術を排除することで自らのエネルギー転換を損なうリスクを指摘している。そのうえで、中国と欧州が協力する道こそが現実的な解決策であると主張している。

【要点】

 1. ドイツの報告書の主張

 (1)ドイツ国防省が委託した国防戦略研究所(German Institute for Defense and Strategic Studies)の報告書によると、中国製風力タービンはドイツの政治制度や社会の結束を脅かす可能性がある。

 (2)具体的な懸念として、

 ・中国が風力タービンを通じて機密データを収集する
 ・遠隔操作でタービンを停止させる可能性がある
 ・政治的圧力や経済戦争の手段として利用される恐れがある

などが指摘されている。

 2. Global Timesの批判

 ・報告書は「風力タービン脅威論」という過剰な中国脅威論を煽っていると主張。
 ・「風車を巨人と勘違いして戦ったドン・キホーテになぞらえ、欧州の政治家の反応は滑稽」と揶揄。

 3. 具体的な反論のポイント
 
 (1) 過度な恐怖心の誇張

 ・「風力タービンが回るだけでドイツの社会や政治が不安定化するというのは馬鹿げている」と批判。
 ・「西側の政治制度はそんなに脆弱なのか?」と皮肉。

 (2) 技術的な非現実性

 新疆大学のDong Yifan研究員の発言を引用し、以下の点を指摘。

 ・風力発電プロジェクトは長期計画と厳格な承認プロセスのもとで進められるため、遠隔操作による制御は困難。
 ・「機密データの収集」や「タービンの遠隔停止」は技術的に現実的でない。

 (3) 「中国脅威論」の政治的意図

 ・「一部の欧州政治家は中国技術の排除を目的として風力発電問題を政治化している」と批判。
 ・欧州のエネルギー転換が遅れるのは「戦略的近視眼」によるものであり、中国とは無関係。

 (4) 欧州のエネルギー政策への影響

 ・中国の風力技術はコスト競争力と技術力で世界をリードしており、欧州の排出削減目標の達成に貢献できる。
 ・「中国製風力タービンを排除すれば、欧州のエネルギー転換に悪影響を及ぼす」と主張。

 4. 提案:対立ではなく協力を

 ・中国の技術力 + 欧州の管理ノウハウの組み合わせが最適解であり、対立より協力の方が合理的。
 ・「風と戦うのではなく、風とともに踊るべきだ」と結論付ける。

 5. 結論

 ・ドイツの報告書は中国脅威論を誇張しており、欧州のエネルギー政策にとって逆効果であると主張。
 ・中国と欧州が協力すれば、より安定したエネルギー転換が可能であり、「風力タービン脅威論」は非合理的な政治的プロパガンダに過ぎないと結論付けている。

【引用・参照・底本】

German think tank warns of Chinese wind turbine threat, evoking Don Quixote tilting at windmills GT 2025.03.05
https://www.globaltimes.cn/page/202503/1329558.shtml