中国とセルビアは貿易・経済協力の深化に合意2025年03月23日 23:32

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【概要】 
 
 中国とセルビアは貿易・経済協力の深化に合意

 セルビアのアレクサンダル・ブチッチ大統領は3月21日、セルビアのベオグラードで、中国貿易促進委員会(CCPIT)のRen Hongbin会長が率いる中国の経済代表団と会談を行った。中国経済代表団は3月19日から21日までセルビアを訪問し、越境電子商取引、農産物貿易、情報技術分野において複数の協力意向が成立した。

 今回の訪問期間中、Ren Hongbin会長はセルビア政府関係者や経済団体、博覧会関連機関と会談を行い、中国・セルビア経済貿易協力フォーラムにも出席した。

 フォーラムでRen会長は、中国が貿易・投資協力の拡大に取り組み、既存の協力分野を強化するとともに、複数の分野で革新的な協力を模索する方針を再確認した。また、セルビアが2027年に開催予定のベオグラード特別博覧会を支持するとともに、セルビア企業に対し、第3回中国国際供給網博覧会への参加を呼びかけた。

 一方、セルビア側は、世界経済の不確実性が高まる中で、中国がセルビアの発展に安定をもたらすことができると評価し、経済・貿易協力を強化することで双方の互恵的成長を実現したいとの意向を示した。

【詳細】 
 
 中国とセルビア、貿易・経済協力の深化で合意

 中国の経済代表団が3月19日から21日までセルビアを訪問し、両国の企業が越境電子商取引、農産物貿易、情報技術の分野で複数の協力意向に合意した。今回の訪問では、代表団を率いる中国貿易促進委員会(CCPIT)のRen Hongbin(レン・ホンビン)会長がセルビア政府高官、経済団体、博覧会関連機関と会談を行った。さらに、ベオグラードで開催された**「中国・セルビア経済貿易協力フォーラム」**に出席し、貿易・投資分野における協力の深化について意見交換を行った。

 中国代表団の訪問とセルビア側の対応

 中国経済代表団の訪問に際し、セルビアのアレクサンダル・ブチッチ大統領がRen会長を迎え、両国の経済協力の現状や今後の展望について協議した。ブチッチ大統領は、中国との経済関係の重要性を強調し、中国の投資と技術協力がセルビアの経済発展において重要な役割を果たしていることを指摘した。

 また、Ren会長はセルビア政府の経済担当者と会談し、特に以下の分野における協力を強化する意向を示した。

 1.越境電子商取引(EC)

 ・中国のECプラットフォームとセルビアの企業が連携し、セルビア産品の中国市場での販売促進を図る。

 ・中国の消費者向けにセルビアの農産物や食品(ワイン、ハチミツ、乳製品など)の輸出を拡大。

 2.農産物貿易

  ・中国市場でのセルビア産農産物の認知度向上に向けたマーケティング支援。

  ・食品安全基準や物流面での調整を進め、両国間の農産品取引の円滑化を図る。

 3.情報技術(IT)分野

 ・5G通信やデジタル経済に関連するプロジェクトでの協力強化。

 ・セルビア国内でのスマートシティ開発やクラウドコンピューティング分野における中国企業の参画を推進。

 経済フォーラムでの発言と中国側の意向

 「中国・セルビア経済貿易協力フォーラム」では、Ren会長が演説を行い、中国がセルビアとの経済協力を拡大し、以下の3点を重点的に推進する方針を明らかにした。

 1.既存の協力関係の強化

 ・両国の貿易額を拡大し、特にインフラ、エネルギー、製造業における協力を深化させる。

 ・既存の中国企業によるセルビア国内投資(鉄道、道路、電力インフラ整備など)の継続と拡充。

 2.新分野での革新的協力の推進

 ・デジタル経済やグリーンエネルギー(再生可能エネルギー、EV産業など)における新たな協力プロジェクトの模索。

 ・AI技術やサプライチェーン管理における共同研究・開発の促進。

 3.セルビアの国際博覧会への支援

 ・2027年ベオグラード特別博覧会(Specialized Expo 2027)の成功に向け、中国が積極的に支援。

 ・セルビアの企業や政府機関に対し、2025年に開催予定の**第3回中国国際供給網博覧会(China International Supply Chain Expo)**への参加を呼びかけ、中国市場でのビジネス機会拡大を促す。

 セルビア側の対応と期待

 セルビア政府関係者は、世界経済の不確実性が増す中で、中国がセルビアの経済成長において安定したパートナーとなることを強調した。特に以下の点が評価された。

 1.中国の安定した投資

 ・中国企業による鉄道、道路、エネルギー施設の建設プロジェクトがセルビアの経済発展を支えている。

 ・これらのインフラ投資は、セルビアが欧州および世界市場との結びつきを強化するために不可欠である。

 2.貿易拡大による相互利益の実現

 ・セルビアは農産物輸出の多角化を進める中で、中国市場へのアクセス拡大を期待。

 ・中国からの技術移転やデジタル化推進により、セルビア国内の産業構造を高度化。

 3.長期的な経済関係の深化

 ・セルビア側は、今後も中国との経済・貿易協力を一層強化する意向を表明し、互恵的な成長を目指す考えを示した。

 今後の展望

 今回の中国代表団の訪問を通じて、セルビアと中国の経済協力はより幅広い分野に拡大する可能性が高まった。特に、ECや農産物貿易、IT分野における新たな協力の枠組みが形成され、将来的に具体的な契約やプロジェクトとして実行されることが期待される。

 また、セルビアが2027年に開催するベオグラード特別博覧会に向けた中国の支援や、セルビア企業の中国国際供給網博覧会への参加を通じて、両国の経済的な結びつきがさらに強まる見通しである。

【要点】

 中国とセルビアの貿易・経済協力の深化について

 1. 訪問の概要

 ・訪問期間:2025年3月19日~3月21日

 ・訪問目的:貿易・経済協力の強化

 ・代表団の主導者:Ren Hongbin(中国貿易促進委員会会長)

 ・主要な会談相手:アレクサンダル・ブチッチ(セルビア大統領)、セルビア政府関係者、経済団体、博覧会関係者

 2. 合意された主要な協力分野

 ① 越境電子商取引(EC)

 ・セルビア産品(ワイン、ハチミツ、乳製品など)の中国市場での販売促進

 ・中国のECプラットフォームとの連携強化

 ② 農産物貿易

 ・セルビア産農産物の中国市場への輸出拡大

 ・食品安全基準の調整と物流の円滑化

 ③ 情報技術(IT)

 ・5G通信、スマートシティ開発、クラウドコンピューティングでの協力推進

 ・デジタル経済分野での共同プロジェクトの模索

 3. 中国・セルビア経済貿易協力フォーラムでの発表内容

 (1)既存の協力関係の強化

 ・インフラ、エネルギー、製造業における貿易・投資の拡大

 ・中国企業によるセルビア国内投資の継続と拡充

 (2)新分野での協力推進

 ・デジタル経済、グリーンエネルギー、AI技術、サプライチェーン管理での連携強化

 (3)国際博覧会への支援

 ・2027年ベオグラード特別博覧会への中国の支援

 ・中国国際供給網博覧会(2025年開催予定)へのセルビア企業の参加促進

 4. セルビア側の対応と期待

 ・中国の安定した投資:鉄道、道路、エネルギー施設などのインフラ開発が経済発展を支える

 ・貿易拡大の促進:セルビアの農産物輸出市場の多角化と中国市場へのアクセス強化

 ・経済関係の長期的な深化:貿易・投資の相互利益を最大化し、持続的な成長を目指す

 5. 今後の展望

 ・EC・農産物・IT分野での具体的な契約・プロジェクトの形成

 ・2027年ベオグラード特別博覧会に向けた協力強化

 ・セルビア企業の中国市場進出の加速

【引用・参照・底本】

China, Serbia agree to deepen trade, economic cooperation GT 2025.03.23
https://www.globaltimes.cn/page/202503/1330637.shtml

第65回世界気象デー:「共に早期警報の格差を埋める」2025年03月23日 23:38

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【概要】 
 
 2025年3月23日は、第65回世界気象デーであり、テーマは「共に早期警報の格差を埋める」である。

 地球は前例のない気候変動の課題に直面しており、2024年は観測史上最も暑い年となった。地球温暖化の影響で極端な気象現象が頻発し、その強度も増している。このため、災害防止と軽減の観点から、早期警報システムの重要性が強調されている。

 2022年3月、国連事務総長アントニオ・グテーレスは「すべての人のための早期警報(EW4ALL)」イニシアチブを発表した。これを受け、各国は早期警報の強化に向けた取り組みを進めており、中国も「国家気候変動適応戦略2035」を実施し、気候変動への適応能力を高めることを目指している。

 中国気象局(CMA)のChen Zhenlin局長は、「すべての人が気象早期警報システムを利用できるようにすることは国際社会の共通の目標であり、中国の気象部門にとっても重要な使命である。CMAは引き続き気象科学技術を強化し、公共サービスを向上させ、EW4ALLイニシアチブの目標達成に向けた科学的・制度的・ガバナンスの支援を強化し、人類の未来を共有する共同体の構築に貢献する」と述べた。

 CMAは気象災害の監視、予測、警報の強化に加え、防災対応能力の向上にも取り組んでいる。現在、新世代の「国家緊急早期警報情報発信システム」は、82種類の警報情報を指定された緊急対応者に1分以内に送信し、99.1%の国民をカバーしている。

 Chen Zhenlin局長は、「気象科学技術の強化は、より迅速で正確かつ広範な早期警報の発信を支えるものである」と述べた。

 中国には、「プログレッシブ・サービス」や「重大影響警報・対応システム」などの効果的な早期警報メカニズムが存在する。重大な気象災害が発生すると、各警報が即時に行動を引き起こし、その後確認を行うことで、防災の閉ループ管理を実現している。

 世界気象機関(WMO)の副事務局長であるコ・バレット氏は、「人々の安全を最優先にするという視点に共感する」と述べた。

 中国は、専門研修や研究奨学金制度を通じて、他の発展途上国と協力し、気候変動への適応力を高めることを目指している。

 中国の風雲気象衛星データサービスは、133の国と地域をカバーしており、80%の満足度を達成している。WMOの事務局長であるセレステ・サウロ氏は、中国の今後の衛星打ち上げが、世界的な早期警報能力の向上において重要な役割を果たすと指摘した。

 2024年には、中国気象局とベトナム水文気象総局(VNMHA)が、中国・ベトナム国境地域の降水観測データを共有し、両国の地方政府、特に県・市レベルの防災対応に貢献した。

 また、中国気象局とパキスタン気象局(PMD)が共同開発した「パキスタン向け早期警報支援システム」は、クラウドベースのオープンプラットフォームとツールボックスを備えており、地域情報の取得、数値気象予測(NWP)モデル、人工知能(AI)モデル、重大気象現象の識別アルゴリズム、早期警報情報の発信などを含んでいる。このシステムにより、気象災害の迅速かつ効果的な追跡が可能となった。

 ナミビアの気象学者ソムセス・ジーグリンデ氏は、「今年の世界気象デーのテーマを考慮すると、中国は早期警報の格差を埋める上で、すでに進展を遂げている」と評価した。

【詳細】 
 
 中国の気象早期警報システムの貢献と詳細な取り組み

 1. 世界気象デーと早期警報の重要性

 2025年3月23日は、第65回世界気象デーであり、テーマは**「共に早期警報の格差を埋める」である。

 近年、地球温暖化の影響で異常気象が頻発し、2024年は観測史上最も暑い年となった。これに伴い、台風、洪水、熱波、寒波などの気象災害が激化し、各国の防災対策の強化が急務となっている。特に、災害の発生を事前に察知し、被害を最小限に抑えるための早期警報システム**の整備が求められている。

 2. 国際的な早期警報の取り組みと中国の対応

 2022年3月、国連事務総長アントニオ・グテーレスは「すべての人のための早期警報(EW4ALL)」イニシアチブを発表し、2030年までに地球上のすべての人々が早期警報を利用できるようにすることを目標に掲げた。

 この国際的な枠組みに基づき、中国は「国家気候変動適応戦略2035」を策定し、気候変動によるリスクに強い社会を構築するための取り組みを進めている。

 3. 中国の気象早期警報の技術とシステム

 中国気象局(CMA)は、気象災害の監視、予測、警報の技術革新を推進し、各地域の防災能力を向上させている。

 (1)新世代国家緊急早期警報情報発信システム

 ・82種類の警報情報を1分以内に指定された緊急対応者へ送信

 ・国民の99.1%**をカバーし、迅速な情報提供を実現

 (2)高度な警報メカニズム

 ・「プログレッシブ・サービス(Progressive Service)」

  ⇨ 気象変化に応じて段階的に警報を発信し、影響範囲に応じた対策を促す

 ・「重大影響警報・対応システム(High-Impact Alert and Response)」

  ⇨ 重大な災害発生時に即時対応を促し、警報発信後も確認作業を実施する閉ループ型の管理体制

 (3)人工知能(AI)と数値気象予測(NWP)モデルの活用

 ・AIを活用したリアルタイムデータ解析による精度の向上

 ・大規模な気象データを処理するNWPモデルを活用し、長期・短期予測の精度を強化

 4. 国際協力と衛星観測技術の提供

 中国は、自国の気象技術を発展途上国と共有し、世界の気象監視体制の強化に貢献している。

 (1)風雲(Fengyun)気象衛星のデータ提供

 ・133カ国・地域にデータ提供

 ・グローバルサービス満足度**80%**を達成

 (2)WMOとの協力

 ・WMO事務局長セレステ・サウロ氏は、「中国の今後の衛星打ち上げが、世界的な早期警報能力の向上において重要な役割を果たす」と指摘

 (3)二国間協力の実績

 ・ベトナムとの協力

  ⇨ 中国・ベトナム国境地域の降水観測データを共有

  ⇨ 地方政府(県・市レベル)の防災対応を支援

 ・パキスタンとの協力

  ⇨ 共同開発した「パキスタン向け早期警報支援システム」を導入

  ⇨ クラウドベースのプラットフォームで、現地の気象予測と災害対応能力を強化

 5. 今後の展望

 中国は、国際社会と協力しながら、より正確で迅速な気象警報システムを構築し、世界の気象災害リスクの軽減に貢献する方針である。ナミビアの気象学者ソムセス・ジーグリンデ氏も、「中国は早期警報の格差を埋める上で、すでに進展を遂げている」と評価している。

【要点】

 中国の気象早期警報システムの貢献と取り組み

 1. 世界気象デーと早期警報の重要性

 ・2025年3月23日は第65回世界気象デー、テーマは「共に早期警報の格差を埋める」

 ・2024年は観測史上最も暑い年となり、異常気象が激化

 ・台風、洪水、熱波、寒波などの災害が増加し、早期警報システムの重要性が高まる

 2. 国際的な取り組みと中国の対応

 ・2022年3月、国連事務総長アントニオ・グテーレスが「すべての人のための早期警報(EW4ALL)」を提唱

 ・中国は「国家気候変動適応戦略2035」を策定し、気候変動対策を強化

 3. 中国の気象早期警報システムの技術と機能

 ・新世代国家緊急早期警報情報発信システム

  ⇨ 82種類の警報情報を1分以内に指定緊急対応者へ送信

  ⇨ 国民の99.1%をカバー

 ・高度な警報メカニズム

  ⇨ プログレッシブ・サービス(Progressive Service):災害リスクに応じて段階的に警報を発信

  ⇨ 重大影響警報・対応システム(High-Impact Alert and Response):即時対応を促し、警報発信後も確認作業を実施する閉ループ型管理

 ・AIと数値気象予測(NWP)モデルの活用

  ⇨ AIを活用し、リアルタイムデータ解析と予測精度を向上

  ⇨ NWPモデルによる長期・短期の気象予測精度の強化

 4. 国際協力と衛星観測技術の提供

 (1)風雲(Fengyun)気象衛星データ提供

 ・133カ国・地域にデータ提供

 ・グローバルサービス満足度80%

 (2)WMOとの協力

 ・WMO事務局長セレステ・サウロが「中国の衛星打ち上げが世界の早期警報能力向上に貢献」と評価

 (3)二国間協力の事例

 ・ベトナム:国境地域の降水観測データを共有し、地方政府の防災対応を支援

 ・パキスタン:クラウドベースの「パキスタン向け早期警報支援システム」を導入し、気象予測と災害対応能力を強化

 5. 今後の展望

 ・中国は引き続き、国際社会と協力し、気象災害リスクの軽減に貢献

 ・ナミビアの気象学者ソムセス・ジーグリンデが「中国は早期警報の格差を埋める上で進展を遂げている」と評価

【引用・参照・底本】

China contributes to world meteorological early warning efforts GT 2025.03.23
https://www.globaltimes.cn/page/202503/1330645.shtml