中国:G7は国際問題に建設的なアプローチを2024年11月29日 18:57

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【概要】
  
 中国外務省の報道官、毛寧(マオ・ニン)は、2024年11月27日にG7諸国の外相会議で発表された声明に対して、中国の立場を明確にした。声明では、G7が中国との建設的で安定した関係を築き、グローバルな課題に対処するために協力する意向を表明した一方で、中国に対し、ロシアの防衛産業への支援停止、中国の過剰生産問題に関する誤った言及、東シナ海や南シナ海、台湾、新疆、西藏、香港に関連する問題についての不正確な発言をやめるよう求めていた。

 毛報道官は、G7が「相互信頼、平等、相互利益の精神」を重視すべきだと強調し、G7諸国が中国との関係を構築するという声明に対して、冷静で公正な態度を求めた。特にウクライナ問題に関して、中国は積極的に平和交渉を推進しており、戦争の当事者に武器を供給していないと述べた。中国は民生用ドローンであっても軍事利用を反対し、輸出を厳格に管理している。また、中国とロシアとの正常な経済関係や貿易が第三者によって中断されることを容認しないとも語った。

 さらに、中国の過剰生産問題に関するG7の指摘は誤りであり、多くの事実や統計によって否定されているとし、関連する国々に対して公正な競争を追求するよう促した。

 毛報道官は、東シナ海や南シナ海、台湾、新疆、西藏、香港に関連する中国の立場が一貫しており、G7が中国の主権を侵害し、中国の内政に干渉することに対して強く反対することを表明した。また、国連憲章の目的や国際関係の基本的な規範を尊重し、自国の問題に集中するようG7に求めた。

 毛報道官は、現在、世界で未曾有の変化が加速しており、国際的な平和と発展が前例のない挑戦に直面していると述べ、中国は責任ある大国として公正と正義を堅持し、開放性と包摂性を追求し、発展を通じて世界に利益をもたらしていると強調した。そして、G7に対し、地政学的な駆け引きをやめ、狭いゼロサム思考を捨て、国際的な連帯と協力に具体的な貢献をするよう求めた。

【詳細】
 
 2024年11月27日、中国外務省の報道官、毛寧(マオ・ニン)は、G7外相会議の声明に対して、中国の立場を詳述した。G7外相会議は、関係国間で建設的で安定した関係を築き、共同でグローバルな課題に取り組むことを目指すとし、具体的には中国に対し、いくつかの懸念事項に対処するよう求めた。この声明に対し、中国側は強く反発し、毛報道官は以下のような主張を行った。

 G7の中国に対する懸念と中国の反応

 ロシアの防衛産業への支援

 G7は、中国がロシアの防衛産業を支援していることを問題視し、この支援を停止するよう求めた。これに対して毛報道官は、中国はウクライナ問題に関して客観的で公正な立場を取っており、平和的解決に向けた交渉を推進していると反論した。また、中国は一貫して武器供給を行っていないことを強調した。特に、民生用ドローンであっても軍事利用に供することに反対し、これらの輸出に対して厳格な管理を実施していると述べた。

 中国の過剰生産問題

 G7は、中国の過剰生産問題に関する懸念を表明し、これに対する中国の対応を求めた。しかし毛報道官は、過剰生産の問題に関しては多くの事実や統計によってその指摘が誤りであることが証明されていると述べ、G7諸国に対して公正な競争を追求し、オープンな心で問題を考えるよう呼びかけた。

 中国の領土問題(東シナ海、南シナ海、台湾、新疆、西藏、香港)

 G7は、これらの地域に関して中国が過度に主権を主張し、他国の利益や国際法を無視しているとの批判を行った。毛報道官は、中国の立場は一貫しており、これらの地域に関する問題は中国の内政問題であり、G7が中国の主権を侵害し、内政に干渉することを許さないと強調した。また、G7に対して、国際関係における基本的な規範を遵守し、自己の問題に集中するよう促した。

 中国の国際的立場

 毛報道官は、中国が「責任ある大国」としての立場を重視しており、国際社会に対して積極的に貢献していることを強調した。具体的には、中国は公平と正義を掲げ、開放的で包容力のある発展を追求し、世界経済に貢献していると述べた。このような立場を基に、毛報道官は中国が積極的に国際協力を推進し、開放的な国際社会を構築するために努力していることを強調した。

 G7に対する中国の要請

 毛報道官は、G7に対し、いくつかの具体的な提案を行った。まず、地政学的な駆け引きをやめるように求め、狭いゼロサム思考を捨てるべきだと指摘した。ゼロサム思考とは、他国が得をする分、自国が必ず損をするという考え方であり、毛報道官はこのような発想が国際的な協力を妨げていると批判した。さらに、G7が国際的な連帯と協力に実際に貢献するために、具体的な行動を取ることを呼びかけた。

 最後に

 毛報道官は、現在の世界情勢を「未曾有の変化が加速している時代」と表現し、国際的な平和と発展が前例のない挑戦に直面していることを指摘した。こうした中で、中国は自国の発展を通じて、国際社会に貢献し続けるとともに、G7には国際問題への建設的なアプローチを取るよう求めた。

 この発言は、中国が自国の主権や立場を強調し、外部からの干渉を排除しようとする姿勢を示しており、国際社会における対話と協力を促進しようとする中国の意向を反映したものである。
 
【要点】 

 毛寧報道官の発言内容を箇条書きで説明したものである。

 1.G7の声明に対する中国の反応

 ・G7は中国に対し、建設的で安定した関係を求め、グローバルな課題への協力を呼びかけた。
 ・しかし、G7は中国に対してロシアへの防衛支援停止や過剰生産問題への対応、領土問題について不正確な発言を撤回するよう求めた。
 
 2.中国の立場についての反論

 ・ロシアへの支援: 中国はウクライナ問題に関して客観的で公正な立場を取っており、武器供給はしていない。民生用ドローンの軍事転用には反対し、輸出を厳格に管理している。
 ・過剰生産問題: G7の指摘は誤りであり、多くの事実や統計によって否定されている。公正な競争を追求すべきだと述べた。
 ・領土問題(東シナ海、南シナ海、台湾、新疆、西藏、香港): 中国はこれらの問題について一貫した立場を取り、G7の干渉に反対している。

 3.中国の国際的立場

 ・中国は「責任ある大国」として公正と正義を守り、開放的で包容力のある発展を追求している。
 ・中国は世界経済への貢献を強調し、国際協力を積極的に推進している。

 4.G7への要請

 ・地政学的な駆け引きやゼロサム思考を排除し、国際協力に貢献すべきだと訴えた。
 ・G7が国際問題への建設的なアプローチを取るよう求めた。

 5.世界情勢に関する指摘

 ・現在、未曾有の変化が加速しており、国際的な平和と発展が大きな挑戦に直面している。
 ・中国は発展を通じて国際社会に貢献し続ける姿勢を示した。

【引用・参照・底本】

G7 should stop being indulged in geopolitical games, discard narrow zero-sum mindset: Chinese FM GT 2024.11.27
https://www.globaltimes.cn/page/202411/1323885.shtml

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