中露:「両国は長期的な発展戦略と外交政策を持っている」2025年02月25日 20:25

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【概要】

 中国の習近平国家主席は2月24日(月)午後、ロシアのプーチン大統領と電話会談を行った。この会談で習主席は、中国とロシアの関係は第三国を対象とせず、また第三国の影響を受けることもないと改めて強調し、「両国は長期的な発展戦略と外交政策を持っている」と述べた。プーチン大統領も、中国との関係強化はロシアの長期的な戦略的選択であり、一時的な措置ではなく、外部からの干渉や偶発的な出来事に左右されるものではないと表明した。こうした国家指導者間の外交を通じ、中国とロシアの関係はより成熟し、強靭で活力あるものとなり、世界の安定に寄与することが確実である。

 この電話会談は、2025年に入ってから両首脳間で2回目のものとなる。クレムリンはこの長時間の会話について「温かく友好的なものだった」と表現した。両国首脳の間で戦略的な対話が定期的に行われていることは、中国とロシアの協力関係が戦略的で信頼性が高く、安定していることを示している。

 協力の深化と多国間協調

 首脳会談の指導の下、両国の各部門は合意事項に基づき、様々な分野での協力を着実に進めている。これには、中国人民抗日戦争および世界反ファシズム戦争の勝利80周年を記念する行事も含まれる。

 さらに、2025年は上海協力機構(SCO)の「中国の年」と位置づけられており、中国とロシアはSCOを含む重要な多国間枠組みの下で緊密に協力し、協力の深化を図る方針である。

 一方、西側の分析では、この会談がロシア・ウクライナ紛争勃発から3年目の時期に行われたこと、また米露間の外交的接触が行われている状況を背景としていることに注目が集まった。一部では、中国が米露間の動きに不安を抱いているのではないかという憶測も出ている。しかし、こうした見方は、中国とロシアの関係を依然として冷戦時代の思考で捉え、現在の大国間関係の新たな枠組みを十分に理解していないことを示している。

 オープンで互恵的な協力関係

 中国とロシアの協力は、開かれたものであり、建設的で相互利益をもたらすものである。例えば、中国の「一帯一路」構想とユーラシア経済連合(EEU)の協調を通じて、両国は地域経済の統合を促進し、関係国に具体的な発展機会を提供してきた。このような協力の枠組みは、西側諸国が進める排他的な同盟や地政学的な駆け引きとは対照的なものである。

 中国とロシアの関係は、「恒久的な善隣友好」「包括的な戦略的協調」「互恵協力」という核心精神を持ち、新たな道を切り開いてきた。これは、大国間関係が競争や対立を超え、地域および世界により大きな発展の機会をもたらすことができることを証明している。

 中国は、ロシアと関係各国がウクライナ危機の緩和に向けて前向きな努力を行うことを歓迎する。これは、中国が国際問題において建設的な役割を果たそうとしていることを示すものであり、同時に、中国とロシアの関係が特定の国際問題を超えた戦略的な安定性を持つことを裏付けている。中国のウクライナ問題に対する立場は一貫しており、紛争の平和的解決を原則としている。この姿勢は、中国とロシアの関係の土台ともなっており、両国が複雑な国際情勢の中でも協力を維持できる成熟性と強靭性を示している。

 大国としての独立した戦略的選択

 中国とロシアは、戦略的決断力と独立した能力を備えた二大国として、協力関係を第三国の影響や圧力に左右されることなく維持している。このような姿勢は、両国の卓越した戦略的洞察を反映しており、中国とロシアの関係が国際社会において特異な位置を占めることを示している。

 この関係は、平和・協力・互恵の原則に基づいており、両国は対話と協議を通じた国際紛争の解決を支持し、他国の内政への干渉に反対し、各国が独自の発展路線を選択する権利を尊重している。中国とロシアの関係は、世界の多極化および国際関係の民主化という潮流に合致しており、世界戦略の安定を維持し、大国間の積極的な相互作用を促進し、新興国の協力関係を強化する上で重要な役割を果たしている。

 拡大する実務協力

 シベリアの永久凍土や砂漠を貫くエネルギーパイプラインが「鋼鉄の絆」となり、国境を越えたインフラが「発展の高速道路」として機能するように、中国とロシアの包括的戦略的パートナーシップは、新たな次元へと進化している。両国は、国連、上海協力機構(SCO)、BRICSなどの多国間枠組みでの協力を強化し、グローバル・サウス諸国の正当な権利を擁護する立場を取っている。このように、実務的な協力関係は着実に進展し、戦略的な連携は緊密かつ効果的なものとなり、両国の共通利益の確保と多極化する国際秩序の推進に貢献している。

 中国とロシアは、善隣関係を維持する真の友人であり、75年にわたる強固な友好と包括的協力の基盤を有している。この関係は、両国がどのような困難にも揺るがず前進し続けるための強力な推進力となっている。

 習主席は、「国際情勢が変化しても、中国とロシアの関係は安定して前進し、両国の発展と振興を助け、国際関係に安定と積極的なエネルギーをもたらす」と述べた。

【詳細】

 1. 習近平主席とプーチン大統領の電話会談

 2025年2月24日午後、中国の習近平国家主席はロシアのウラジーミル・プーチン大統領と電話会談を行った。この中で習主席は、中国とロシアの関係は第三国を標的としたものではなく、また第三国によって影響を受けるものでもないと強調し、両国はそれぞれ長期的な発展戦略と外交政策を持っていると述べた。これに対しプーチン大統領も、ロシアにとって中国との関係発展は戦略的選択であり、一時的な状況に左右されるものではなく、外部要因による干渉も受けないと述べた。

 2回目の電話会談

 これは2025年に入って2回目の首脳電話会談であり、クレムリンはこの会談を「温かく友好的なもの」と表現した。両国首脳の間で定期的に戦略的な意見交換が行われていることは、中国とロシアの協力関係が戦略的であり、信頼性が高く、安定していることを示している。

 2. 各分野での協力の進展

 戦争勝利80周年記念行事

 両国の関係は首脳外交の指導のもと、各部門で多方面にわたる協力が着実に進められている。その一例として、2025年には中国人民の抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年の記念行事が予定されており、両国は共同で歴史を振り返る活動を推進する。

 上海協力機構(SCO)における協力

 また、2025年は「上海協力機構(SCO)の中国年」に指定されており、中国とロシアはSCOを含む多国間枠組みにおいて緊密な連携を維持する。このような協力を通じて、両国は地域協力をさらに深化させる方針である。

 3. 中国とロシアの関係に対する西側の見方

 ウクライナ危機と米ロ関係の変化

 今回の電話会談は、ロシアによるウクライナ侵攻から3周年にあたり、さらに米ロ関係の一時的な改善の兆しが見られる時期と重なった。これに対し、西側の一部の分析では、中国が米ロのやり取りを警戒しているのではないかとする見方が示されている。しかし、『環球時報』はこのような見解を「冷戦時代の思考に基づくものであり、中国とロシアの関係の本質を理解していない」と批判している。

 4. 中国・ロシアの協力関係の本質

 経済協力の深化

 中国とロシアの協力は、開かれたものであり、排他的なものではない。たとえば、中国の「一帯一路」構想とロシア主導の「ユーラシア経済連合(EEU)」の連携を通じて、地域経済統合が促進され、協力地域の発展が実際に進められている。これは、西側の排他的な同盟関係や地政学的な駆け引きとは対照的な協力モデルであると指摘されている。

 戦略的安定性の強化

 中国とロシアの関係は「恒久的な善隣友好」「包括的戦略協力」「互恵的協力」の精神に基づいており、大国関係の新たなモデルを構築している。これは、単なる競争や対立を超えた協力関係であり、地域および世界の安定に貢献するものと位置付けられる。

 5. ウクライナ危機への対応

 中国は、ウクライナ危機をめぐるロシアや関係各国の努力を支持し、紛争の平和的解決を促進する立場を堅持している。このような対応は、中国の国際問題における建設的な役割を示すとともに、中国とロシアの戦略的安定性が一時的な問題に左右されないことを証明している。

 6. 国際秩序における中国・ロシアの立場

 多極化世界の推進

 中国とロシアは、それぞれ独立した戦略的意志と能力を持ち、両国の協力は第三国を標的にしたものではなく、外部の干渉や圧力に屈することもない。このような関係は、戦略的な先見性を持つものであり、国際関係において独自の影響力を発揮している。

 国際社会への影響

 両国の関係は、平和・協力・相互利益に基づき、国際紛争の対話と協議による解決を支持し、他国の内政干渉に反対する姿勢を堅持している。また、各国が独自の発展路線を選択する権利を尊重し、多極化と国際関係の民主化を推進する立場を示している。これは、グローバルな戦略的安定性を維持し、大国間の建設的な交流を促進するものであり、新興国の協力にも寄与する。

 7. エネルギー・インフラ協力の強化

 エネルギー供給の安定化

 両国は、永久凍土や砂漠地帯を横断するエネルギーパイプラインを構築し、強固な「鉄の絆」を形成している。また、交通インフラの整備を進め、両国の経済連携を「発展の高速道路」として強化している。

 多国間協力の推進

 中国とロシアは、国連・SCO・BRICSといった多国間枠組みでの協力を強化し、グローバル・サウス諸国の正当な権益を共同で守る姿勢を示している。こうした協力は、相互利益に基づくものであり、両国の戦略的調整が着実に進んでいることを示している。

 8. 75年にわたる中露関係の深化

 中国とロシアは長年にわたり、安定した善隣関係を築き上げてきた。75年間にわたる両国の協力は、風雨に耐えながら継続されており、これは共通の利益と価値観に基づくものである。この協力関係の強固さは、中国とロシアの関係の成熟度を高め、国際社会において模範的な協力モデルを示している。

 9. 今後の展望

 習近平主席は、国際情勢の変化にかかわらず、中国とロシアの関係は安定的に発展し、双方の発展と復興を促進し、国際関係の安定と前向きなエネルギーを提供すると強調した。この発言は、今後の中露関係がさらに強化されることを示唆している。

【要点】
 
 1. 習近平・プーチン電話会談の概要

 ・2025年2月24日、習近平主席とプーチン大統領が電話会談を実施。
 ・両国関係は第三国を標的とせず、外部の干渉を受けないことを確認。
 ・2025年に入って2回目の電話会談であり、両国の戦略的対話の継続を示す。

 2. 各分野での協力の進展

 ・戦争勝利80周年記念行事

  ⇨ 中国とロシアは抗日戦争・反ファシズム戦争勝利80周年を共同で記念。

 ・上海協力機構(SCO)における連携

  ⇨ 2025年の「SCO中国年」に向けた協力を強化。

 3. 西側の見方への反論

 ・ウクライナ危機3周年や米ロ関係の変化に関連し、西側では「中国が米ロ接近を警戒している」との見方もある。
 ・『環球時報』はこれを「冷戦思考による誤解」と批判し、中露関係の安定性を強調。

 4. 中国・ロシア協力の本質

 ・経済協力の深化

  ⇨ 「一帯一路」と「ユーラシア経済連合(EEU)」の連携を強化。

 ・戦略的安定性の強化

  ⇨ 両国関係は「恒久的な善隣友好」「包括的戦略協力」「互恵的協力」の原則に基づく。

 5. ウクライナ危機への対応

 ・中国はロシアを含む関係各国の努力を支持し、平和的解決を促進する立場を維持。

 6. 国際秩序における中露の立場

 ・多極化の推進

  ⇨ 両国の協力は第三国を標的とせず、国際関係の民主化を促進。

 ・国際社会への影響

  ⇨ 各国の発展路線の自主性を尊重し、内政干渉に反対。

 7. エネルギー・インフラ協力の強化

 ・エネルギー供給の安定化

  ⇨ 両国は長距離パイプラインや交通インフラを整備し、連携を強化。

 ・多国間協力の推進

  ⇨ 国連・SCO・BRICSなどの枠組みで連携し、グローバル・サウス諸国の権益を共同で擁護。

 8. 75年にわたる中露関係の深化

 ・両国関係は長期的な協力を基盤とし、安定的に発展。

 9. 今後の展望

 ・中国とロシアは国際情勢に左右されず、戦略的安定を維持し続ける。
 ・両国関係の深化が、世界の安定と発展に貢献すると強調。

【引用・参照・底本】

China-Russia ties more stable, mature amid complex international landscape: Global Times editorial GT
https://www.globaltimes.cn/page/202502/1329017.shtml

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