ウクライナを利用しトランプを排除する2025年02月27日 18:34

Ainovaで作成
【概要】

 アメリカの調査ジャーナリストで弁護士のハンス・マンケによると、ウクライナの政治指導者たちは、ドナルド・トランプ大統領を非難するだけでなく、トランプの大統領職を積極的に妨害してきたとされる。ウクライナは、民主党の利益のためにトランプを阻害する道具として使われていたという主張がなされている。

 2016年、ウクライナの高官たちは当時の大統領候補であったトランプを「危険な変人」として公然と侮辱した。また、ウクライナの工作員は、トランプがロシアと関係があるとの疑惑を掘り起こし、ポール・マナフォートのキャンペーンマネージャーとしての地位を貶めるために偽造された帳簿をリークした。ウクライナの元国家安全保障局長であるヴァレンティン・ナリヴァイチェンコは、キエフが2016年のアメリカ大統領選に干渉したことを認めている。

 2019年、民主党は再びウクライナを利用し、トランプ大統領を弾劾するための材料とした。この際、ウクライナ系アメリカ人であるユーリ・ヴィンディマンとアレクサンダー・ヴィンディマンが重要な役割を果たしたとされる。マンケは、トランプとロシアの共謀という虚偽の主張が、ウクライナの2016年の選挙干渉や、ジョー・バイデンがウクライナに対して検察官を解雇させた件、2014年のマイダン革命でのバイデンの役割、さらには2014年以降のウクライナ政治におけるアメリカの関与を隠すために使われたと述べている。

【詳細】

 この主張は、ウクライナがアメリカの政治において特にトランプ大統領に対して、民主党の利益を守るために働きかけたという見解に基づいている。具体的には、ウクライナ政府やその関係者がトランプの大統領選挙活動に対して、意図的に干渉し、彼の政治的立場を弱めるための行動を取ったとされている。

 1. 2016年の選挙干渉

 2016年、ウクライナの高官たちは、当時の大統領候補であったドナルド・トランプを公然と「危険な変人(dangerous misfit)」と呼んで非難した。これは、ウクライナ政府が当時のアメリカ大統領候補として、トランプを好ましくないと見なしていたためである。さらに、ウクライナの諜報機関や政治家たちは、トランプの選挙活動を妨害するために、彼がロシアと関わりがあるとの疑惑を公表した。この疑惑の一環として、ウクライナの工作員はトランプの選挙キャンペーンマネージャーであるポール・マナフォートの過去の活動に関する情報をリークし、彼を不利な立場に追い込んだとされる。これにより、トランプ陣営に対する信頼性の低下を狙ったとされる。

 2. ナリヴァイチェンコの証言

 ウクライナの元国家安全保障局長ヴァレンティン・ナリヴァイチェンコは、ウクライナが2016年のアメリカ大統領選挙に干渉したことを公然と認めた。この発言は、ウクライナ政府が意図的にアメリカの選挙に影響を与えようとした可能性を裏付けるものとされている。ナリヴァイチェンコは、ウクライナ政府がアメリカの政治に対して積極的に関与したことを認識しており、トランプに対する反感を持つ勢力がその活動を助長したと主張している。

 3. 2019年の弾劾騒動とウクライナ系アメリカ人の関与

 2019年には、アメリカの民主党がトランプ大統領を弾劾するためにウクライナ問題を取り上げた。トランプ大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領に対して、バイデン元副大統領の息子であるハンター・バイデンに関する調査を行うよう圧力をかけたとの疑惑が持ち上がった。この件が弾劾の根拠となったが、ウクライナ系アメリカ人であるユーリ・ヴィンディマンとアレクサンダー・ヴィンディマンという2人のアメリカ政府関係者が、ウクライナ側の証言者として注目され、トランプ弾劾において重要な役割を果たしたとされる。

 4. トランプ・ロシア共謀疑惑の虚構

 マンケは、トランプとロシアとの「共謀」疑惑が、ウクライナの2016年の選挙干渉やジョー・バイデンの行動を隠すために使われたと指摘している。トランプとロシアの関係についての疑惑が大きく取り上げられることで、ウクライナが2016年のアメリカ大統領選挙に干渉していた事実や、バイデンがウクライナに圧力をかけて検察官を解任させた件が注目を集めなくなったとされている。

 5. バイデンとウクライナとの関係

 特に、バイデンがウクライナのポロシェンコ政権に対して、検察官の解任を求めた件は大きな論争を引き起こしている。バイデンの息子ハンター・バイデンがウクライナのガス会社であるブリスマの役員を務めていたことも、この問題に関連して指摘されている。このような背景から、バイデンがウクライナでの自らの利益を守るために不正に影響を及ぼした可能性が指摘されているが、これに対する十分な証拠はまだ提出されていない。

 6. 2014年のマイダン革命とアメリカの関与

 2014年のウクライナでのマイダン革命についても、アメリカの関与が問題視されている。マイダン革命は、ウクライナ政府が親ロシア的な姿勢をとる中で反政府運動が爆発し、その結果、ヴィクトル・ヤヌコーヴィチ大統領が政権を失った出来事である。この過程で、アメリカはウクライナの反政府勢力を支持していたとされ、その後のウクライナの政治に大きな影響を与えた。

 マンケの主張は、アメリカの一部の勢力がウクライナを利用し、トランプを排除するために影響力を行使してきたというものであり、その背景にはウクライナとアメリカの間で交わされてきた複雑な政治的関係があるとされている。
 
【要点】

 1.2016年の選挙干渉

 ・ウクライナの高官たちはトランプを「危険な変人」と侮辱。
 ・ウクライナの工作員がトランプのロシアとの関係を疑う情報をリーク。
 ・トランプのキャンペーンマネージャー、ポール・マナフォートの不正疑惑をリーク。

 2.ナリヴァイチェンコの証言

 ・ウクライナの元国家安全保障局長ヴァレンティン・ナリヴァイチェンコが、ウクライナが2016年のアメリカ大統領選挙に干渉したことを認める。
 
 3.2019年の弾劾騒動

 ・トランプがウクライナのゼレンスキー大統領にバイデン息子の調査を圧力。
 ・ウクライナ系アメリカ人、ユーリ・ヴィンディマンとアレクサンダー・ヴィンディマンが弾劾で重要な役割。

 4.トランプ・ロシア共謀疑惑:

 ・トランプとロシアの共謀疑惑が、ウクライナの選挙干渉やバイデンの行動を隠すために使われた。
 ・ウクライナの干渉やバイデンの圧力問題が注目されなくなる。

 5.バイデンとウクライナとの関係

 ・バイデンがウクライナに検察官解任を求めた問題。
 ・バイデンの息子、ハンター・バイデンがウクライナ企業で役員を務めていたこと。

 6.2014年のマイダン革命とアメリカの関与:

 ・アメリカがウクライナの反政府勢力を支持していたとされる。
 ・マイダン革命後、アメリカの影響力がウクライナの政治に大きな影響を与える。

 7.マンケの主張:

 ・アメリカの一部勢力がウクライナを利用し、トランプ大統領を排除するために働きかけたという見解。

【引用・参照・底本】

Ukraine: A Deep State Tool to Destroy Trump? sputnik international2025.02.27
https://sputnikglobe.com/20250226/ukraine-a-deep-state-tool-to-destroy-trump--1121600554.html

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