ウクライナに欧州の平和維持軍を派遣する案2025年02月27日 18:43

Microsoft Designerで作成
【概要】

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、ウクライナに欧州の平和維持軍を派遣する案について、ロシアにとっては受け入れられないものであると述べた。ラブロフ外相は、ウクライナへの平和維持軍派遣がフランスやイギリスによって推進されているが、これは紛争をさらに激化させ、ウクライナに再び武器を供給するための策略に過ぎないと指摘した。

 また、ドナルド・トランプ米大統領は、ウクライナに平和維持軍を派遣することが必要だと考えているものの、その形式はすべての当事者が受け入れるべきものでなければならないと述べている。ラブロフ外相は、ロシアはウクライナに関する交渉を妨害していないと強調し、紛争解決の最善の方法はその根本的な原因を理解することであると述べた。彼は、ウクライナ政府が欧州に煽られて交渉を拒否しているとし、欧州の政治家が軍事的手段で紛争を解決すべきだと主張していることを批判した。

 さらに、ロシアと米国の高官による会談が、2025年2月27日にイスタンブールで行われることが予定されており、両国の大使館運営に関する問題が議論される見込みである。

【詳細】

 ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は、2025年2月25日にカタール・ドーハで行われた記者会見で、ウクライナに平和維持軍を派遣するという欧州の案について強い反対の立場を示した。ラブロフは、「ロシアはこのような選択肢を検討することはできない」と断言し、特にフランスやイギリスが推進している欧州の平和維持軍案が紛争をさらに悪化させるものだと批判した。彼は、これらの国々がウクライナに武器を供給し続けることで、戦争の長期化を図っていると指摘した。ラブロフは、欧州がウクライナに対して武器を供給し続けることが、ウクライナの状況を改善することに繋がらないとし、この戦争の解決に向けて平和的な道筋を取るべきだと強調した。

 また、米国のドナルド・トランプ前大統領は、ウクライナに平和維持軍を派遣することが必要だと発言したが、その派遣の形式についてはすべての当事者が受け入れるものであるべきだと述べている。ラブロフは、この点についても言及し、ロシアは交渉をブロックしているわけではないと主張した。むしろ、ロシアの立場は、紛争の根本的な原因を理解し、それに基づいて解決策を見出すべきだというものだ。ラブロフは、ロシアがウクライナとの交渉を拒否しているという欧州の主張を否定し、ウクライナ政府が欧州によって煽動されて交渉を拒んでいると反論した。

 さらに、ラブロフは、ウクライナの紛争を解決するためには、軍事的な手段に依存するのではなく、政治的かつ外交的な手段が最も効果的だとし、トランプが最近述べたように、根本的な原因を理解することが解決の第一歩であると強調した。ラブロフは、欧州が紛争解決を軍事的な手段で進めようとしていることに対しても懸念を表明した。

 また、ロシアと米国の高官による会談が2025年2月27日にイスタンブールで開催されることも言及された。この会談では、両国間で累積した問題、特にロシア大使館の運営に関する障害について議論される予定だ。ラブロフは、前任者によってロシア大使館の業務を妨害する不当な措置が取られたことを批判し、それに対抗する形でロシアも米国大使館に不便な条件を課したと述べた。この会談の結果により、両国が今後どのように関係を改善し、迅速かつ効率的に問題を解決できるかが明らかになるだろうと予測している。

 さらに、ラブロフは、イスラエル軍がシリア南部とレバノン南部に駐留していることに対する懸念も表明した。彼は、イスラエルがこれらの地域における軍事的プレゼンスを維持することが、地域の安定を損なう可能性があると指摘した。ロシアは、各国の安全保障と発展の利益を考慮した建設的な解決策を求めているが、他国の安全を侵害するような方法で問題を解決すべきではないと述べた。また、ラブロフは、イスラエル軍がハマスとイスラエルの間の合意に反して行動し、国連安全保障理事会の決議にも矛盾する行動を取っていることに対して、深い懸念を示した。
 
【要点】

 1.ラブロフ外相の発言

 ・ウクライナに欧州の平和維持軍を派遣する案に強く反対。
 ・フランスとイギリスが推進する案は、紛争を激化させ、ウクライナに再び武器を供給するための策略だと批判。

 2.トランプ前大統領の発言

 ・ウクライナに平和維持軍を派遣する必要性を認めるが、その形式はすべての当事者が受け入れられるものでなければならない。

 3.ロシアの立場

 ・ロシアはウクライナに関する交渉を妨害していない。
 ・紛争解決の最善策はその根本原因を理解することだと強調。
 ・ウクライナ政府は欧州に煽動されて交渉を拒否していると主張。

 4.欧州の立場批判

 ・欧州の政治家は軍事的手段で紛争を解決しようとしていると批判。
 ・紛争解決には軍事ではなく政治的・外交的手段が必要だと強調。

 5.ロシア・米国高官会談

 ・2025年2月27日にイスタンブールで開催される。
 ・両国の大使館運営に関する問題、特にロシア大使館の業務妨害について議論される。

 6.イスラエル問題

 ・イスラエル軍のシリア南部とレバノン南部への駐留に懸念。
 ・地域の安定を損なう可能性があるとして、建設的な解決策が必要と主張。
 ・イスラエル軍の行動が国連決議に矛盾していると批判。

【引用・参照・底本】

Lavrov Calls Out Europe’s Peacekeeper Plan for Ukraine As Ploy to Rearm Kiev sputnik international2025.02.26
https://sputnikglobe.com/20250226/europes-desire-to-deploy-peacekeepers-in-ukraine-aimed-to-weaponize-it-again---lavrov-1121601586.htmltrump--1121600554.html

コメント

トラックバック