ロシアの実業家であるオレグ・デリパスカ(Oleg Deripaska)
が行ったインタビューに関する内容を述べている。

　デリパスカは、中国とロシアは財務インフラストラクチャーの統合を探求し、両国間の通貨決済協力が更に進展できると指摘している。ロシアと中国はルーブルと元の決済を多くのシナリオで実現しており、将来的には両国の企業向けのより良くて便利な融資プラットフォームができる可能性があると述べている。

　デリパスカによれば、今年のロシアと中国の貿易量は初めて2000億ドルを超えると予想されており、この数字は後に倍増して5000億ドルを超える可能性があるとしている。

　自動車製造業などの分野で、中国とロシアは共同ベンチャーを設立し、製造品のシステムを共同で構築し、これらの製品を第三国に輸出する可能性があると述べている。

　デリパスカは、中国が再生可能エネルギー分野で非常に成功しているため、ロシアは再生可能エネルギーに関連する技術を購入する予定であると述べている。また、環境保護とエコロジーの分野において、ロシアと中国は非常に厳格な法律と規制を持っており、これらは常に強化されていると指摘している。

　デリパスカは、BRIが世界経済の中心が長らく西にあり、ほとんどの技術や投資が西洋諸国によって主導されてきたが、西洋の支配と干渉も多くの地域紛争を招いたと述べている。BRIは、この文脈において、グローバル経済発展と多国間主義の発展に大きな影響を与え、世界に新たなバランスを見つけるのに役立っている。デリパスカは、世界のすべての国が経済と貿易の協力を強化し、お互いを助け、同じ船に乗り、協力しなければならないと述べている。

　このインタビューからわかるように、中国とロシアの間で経済的な協力と連携が進展し、双方の経済的な利益と相互依存関係が高まっていることが示唆されている。また、一帯一路イニシアティブは、両国にとって新たな機会とバランスを提供しており、世界経済における多様性と協力を奨励している。

【要点】

ロシアの産業家であるオレグ・デリパスカ氏によると、中国とロシアは金融インフラの統合をさらに進め、中国とロシアの現地通貨決済協力を深めることができるという。両国は経済協力の基盤が良く、相互信頼が深い。

現在、ロシアと中国は多くの場面でルーブルと人民元による決済を実現しており、将来には両国の企業向けの融資のためのより良い、より便利なプラットフォームができるだろう。

今年、ロシアと中国の貿易額は初めて2000億ドルを超える見込みで、この数字は将来2倍以上の5000億ドルを超える可能性がある。

将来、中国とロシアは相互投資の協力も深めることができる。例えば、自動車製造業では、両国は将来合弁事業を立ち上げ、共同で製造品を生産し、第三国に輸出するシステムを構築することができる。

エネルギー協力については、中国は再生可能エネルギーの分野で非常に優れているため、ロシアは再生可能エネルギー関連技術の一部を購入する予定である。また、生態環境保護の分野では、ロシアと中国はどちらも非常に厳格な法律や規制を持っており、不断に強化されている。

中国が提案した一帯一路構想についてデリパスカ氏は、長年世界経済は欧米を中心に展開しており、ほとんどすべての技術や投資は欧米諸国から始まったが、欧米の支配や介入は多くの地域紛争を引き起こしたと述べた。一帯一路構想は、このような状況の中で、世界経済の発展や多国間主義の発展に大きなプラスの効果をもたらし、世界が新しいバランスを見つけるのに役立っている。世界のすべての国は、経済貿易協力を強化し、助け合い、同じボートで協力しなければならないと述べた。

デリパスカ氏は、ロシアの貿易は欧州に過度に依存しており、アジアに焦点を当てた新しいバランスを見つけなければならないと述べた。ロシア・ウクライナ紛争勃発前、ロシア産業の60％以上は欧州の技術や規格に依存していた。現在、ロシアは国家規格を改正し、友好国との産業協力を深化させている。

デリパスカ氏の見解は、中国とロシアの経済協力が深化し、両国が欧米の経済支配から脱却しようとしていることを示している。また、一帯一路構想が世界経済の発展に重要な役割を果たしていることを強調している。

・ロシアの実業家、慈善家、アルミニウム大手ルサールの創設者であるオレグ・デリパスカ氏は、中国とロシアは現地通貨決済協力をさらに拡大し、金融インフラの統合を模索できると信じている。同氏はまた、相互投資、エネルギー、環境保護において協力を深める機会があると見ている。

・デリパスカ氏のコメントは、中国とロシアの経済関係の拡大を考慮すると重要である。2022年の両国間の貿易額は29.3％増の1902億7000万ドルに急増し、2023年には初めて2000億ドルを超えると予想されている。

・現地通貨決済協力の拡大は、両国の米ドルへの依存を減らし、貿易と投資の流れをより効率化するだろう。また、中国人民元とロシアルーブルの国際化も促進されるだろう。

・金融インフラへの統合には、新しい決済システムの開発、信用情報の共有、国境を越えた投資機会の拡大などが含まれる可能性がある。これは中国とロシアの経済関係をさらに深化させることにつながるだろう。

・デリパスカ氏はまた、相互投資において協力を深める機会があると考えている。 同氏は、両国が自動車製造業で合弁会社を設立し、第三国に製造品を輸出する体制を共同で構築する可能性を示唆した。

・エネルギー分野では、デリパスカ氏は、中国は再生可能エネルギーで好調であるため、ロシアは中国から再生可能エネルギー関連技術を購入する可能性があると指摘した。 両国には厳しい環境保護法や規制もあるため、この分野で協力する可能性がある。

・デリパスカ氏はまた、一帯一路構想(BRI)が世界経済の発展と多国間主義の発展に多大なプラスの効果をもたらしたと称賛した。彼は、世界のすべての国が経済貿易協力を強化し、互いに助け合い、協力すべきであると信じている。

・デリパスカ氏のコメントは中国とロシアの経済関係の拡大を示している。両国は貿易、投資、エネルギー、環境保護において協力する新たな方法を模索している。現地通貨決済協力の拡大と金融インフラの統合は、両国の経済関係をさらに深化させるだろう。

引用・参照・底本

China-Russia local currency settlement can expand further: Russian industrialist Oleg Deripaska GT 2023.10.27

　中国国家安全部が外国のソフトウェア開発キット(SDK)に関連したデータスパイ活動について警告した内容を示している。具体的には、中国国内の国家安全機関が一部の外国の組織や個人がSDKを通じてユーザーデータと個人情報を収集し、国家安全保障に対する一定のリスクと脅威をもたらす可能性があるとの警告である。

　SDKは、その多様性、利便性、柔軟性から、モバイル供給チェーンにおいて非常に重要なサービスの1つとなっているが、ユーザーデータの過剰な収集などのデータセキュリティの問題も引き起こす可能性があると述べられている。

　具体的に、一部のSDKは、サービス提供に関連のない個人情報を収集したり、不要な権限(例：地理的位置、通話履歴、写真アルバム、写真撮影、録音機能など)へのアクセスを要求したりすることがある。ユーザーカバレッジが一定のレベルに達すると、さまざまなユーザーグループのプロファイル化が行われ、個人の関係や習慣など、有用な情報を分析するための大量のデータが収集される可能性があると述べられている。

　一例として、米国で1日に5万人のアクティブユーザーを持つアプリの開発者は、SDKをアプリに組み込むことで月額1,500ドルを稼ぐことができる。このSDKプロバイダーは、アプリからユーザーの位置データを収集できるという情報も提供されている。

　外国の情報機関はSDKをデータ収集の重要な手段として利用しており、2020年8月にはウォール・ストリート・ジャーナルが、米国の防衛および情報コミュニティとつながりのある小さな米国の企業が、多数のモバイルアプリにソフトウェアを埋め込んで、世界中のモバイル電話を追跡できるようにしたと報じた。

　中国のセキュリティ当局は、2022年12月時点で中国のトップアプリケーションの約10万のサンプルのうち、2万3,000以上のサンプルが外国のSDKを使用していることを公式データに基づいて明らかにし、国内の端末で外国のSDKを使用している端末が約3億8,000万台存在すると述べている。

　潜在的なリスクに対処するため、当該省はアプリケーション開発企業に対して登録および認証されたSDKを使用するようアドバイスし、外国のSDKを導入する前にセキュリティテストとリスク評価を行い、SDKのプライバシーポリシーを理解し、SDKを継続的に監視することで安全な運用を確保するよう勧告している。

　個人に対しては、個人情報保護の意識を高め、安全な方法でアプリケーションをダウンロードおよび使用するよう心がけ、感知権限を無闇に許可しないよう注意するよう推奨している。特に、SDKがアプリケーションの機能とは無関係な権限を要求する場合には特に警戒すべきだとしている。

【要点】

中国の国家安全保障当局は、海外のソフトウェア開発キット(SDK)を介したデータスパイ行為に警戒するよう警告を発した。国家安全保障機関は、海外の特定の組織や個人が悪意を持ってSDKを通じてユーザーデータや個人情報を収集しており、国の国家安全保障に一定のリスクや脅威をもたらしていると指摘している。

SDKは、その多様性、使いやすさ、柔軟性からモバイルサプライチェーンにおいて最も重要なサービスの一つとなっているが、ユーザーデータの過度な収集などのデータセキュリティ上の問題も引き起こしている。

一部のSDKは、サービスの提供に関連しない個人情報を収集したり、地理的位置情報、通話履歴、フォトアルバム、写真撮影や録音機能など、不要なパーミッションを強制的に適用したりしている。ユーザーの数が一定水準に達すると、大量のデータを収集してさまざまなユーザーグループをプロファイルし、個人の関係や習慣などの潜在的に有用な情報を分析することができる。

例えば、米国で1日5万人のアクティブユーザーを持つアプリの開発者は、アプリにSDKを埋め込むことで、毎月1,500ドルを稼ぐことができる。SDKプロバイダーは、アプリからユーザーの位置情報などを収集することができる。

海外の諜報機関は、SDKをデータ収集の重要な手段として利用している。2020年8月、ウォールストリートジャーナルは、米国国防・情報機関と関係のある米国の小さな企業が、自社のソフトウェアを多数のモバイルアプリに埋め込み、世界中の携帯電話を追跡できるようにしていたと報じた。

国家安全保障当局は、公式データに基づいて、2022年12月時点で中国のトップ10万アプリケーションのうち23,000以上のサンプルで海外SDKが使用されており、国内の端末約3億8千万台で海外SDKが使用されていると述べた。

潜在的なリスクに対処するため、国家安全保障当局は、アプリケーション開発企業に対し、登録・認証されたSDKを使用するよう助言した。海外のSDKを導入する前に、企業はセキュリティテストとリスク評価を行い、SDKのプライバシーポリシーを理解し、SDKを継続的に監視して、安全な運用を確保する必要がある。

個人については、個人情報保護と安全な利用スキルに関する意識を高め、安全なチャネルからアプリケーションをダウンロードして使用し、軽率にアプリケーションに機密性の高いパーミッションを許可しないようにする必要がある。特に、SDKがアプリケーションの機能とは関係のないパーミッションを適用する際には、ユーザーは警戒を強める必要がある。

中国の国家安全保障当局は、海外のSDKを介したデータスパイ行為に警戒するよう警告を発した。海外のSDKは、ユーザーデータや個人情報を収集して、国の国家安全保障に一定のリスクや脅威をもたらす可能性がある。企業や個人は、SDKを使用する際には慎重に検討し、安全対策を講じる必要がある。

引用・参照・底本

China’s security authorities warn of data espionage by overseas Software Development Kit GT 2023.10.27

　中東におけるイスラエルとパレスチナの紛争の背後にある歴史的な責任を探求し、さまざまな国々とその歴史的出来事の影響を考察している。

　歴史的背景

　コラムは、中東における現在の紛争や悲劇の背後にある歴史的な出来事に焦点を当てている。特に、ヨーロッパの国々とその歴史的出来事が中東の紛争に影響を与えたことについて言及されている。

　ヨーロッパ諸国の関与

　コラムでは、ヨーロッパの国々、具体的にはイタリア、フランス、英国、ドイツ、そして米国が中東紛争にどのように関与してきたかが述べられている。これらの国々は歴史的にユダヤ人やパレスチナ人に対する様々な役割を果たし、その影響を受けて現在の状況が形成されたとされている。

　ヨーロッパの責任と役割

　コラムは、ヨーロッパの国々が中東紛争における責任を探求し、その歴史的な行動と決定が中東の現在の状況にどのように影響を与えたかを強調している。例として、ヨーロッパにおけるユダヤ人迫害やシオニズム運動の支援が挙げられている。

　現代の課題

　コラムは、現在の中東紛争の状況に対する考察も提供しており、特に米国がイスラエルを支援し、同時にガザ地区のパレスチナ人に人道的支援を行っている状況について触れている。この状況は複雑で困難であるとされながらも、平和的な共存のために取り組むべき時であるとの呼びかけが行われている。

　このコラムは中東の紛争における歴史的な責任とその影響に焦点を当て、過去の出来事が現在の状況にどのように寄与したかを考察している。さらに、平和的な共存のために国際社会が取り組むべき課題にも触れている。

【要点】

イスラエルとパレスチナの紛争の歴史的責任について論じたものである。この紛争の根源は2000年前にまで遡るユダヤ人問題にあると述べ、その問題を作り出し、拡大するのに寄与した国や民族として、イタリア、フランス、英国、ドイツ、米国を挙げている。

まずイタリアがローマ帝国時代、エルサレムを破壊し、ユダヤ人をディアスポラに追いやったことを指摘する。また、フランスがユダヤ人に対する迫害を繰り返し、黒死病の流行時には集団虐殺を行ったことも挙げている。さらに、英国がシオニズム運動を支援し、パレスチナへのユダヤ人移住を促したことも指摘する。ドイツはナチスによるホロコーストでユダヤ人虐殺を行ったことで、ユダヤ人のパレスチナへの帰還を促す大きな要因となった。そして、米国はイスラエルの建国と存立を支援し、パレスチナ問題の解決を妨げてきたと批判する。

西欧諸国がイスラエルの建国を支援したのは、過去に犯した罪悪に対する補償だとも言えるが、それは「ユダヤ人問題の最終解決」方式であると指摘する。つまり、ユダヤ人を欧州から追い出すことで、欧州におけるユダヤ人問題を解決しようとしたのである。その結果、パレスチナ人は殺され、追い出され、ユダヤ人は被害者から加害者へと変わったと主張する。

このような歴史的経緯を踏まえると、イスラエルとパレスチナの紛争は単なる二国間問題ではなく、欧州諸国を含む国際社会全体の問題であると述べる。また、米国がイスラエルには武器を与え、パレスチナにはパンを与えるという姿勢は、双方の平和的共存を妨げるものであると批判する。

イスラエルとパレスチナの紛争の歴史的責任について、新たな視点を提示するものである。欧州諸国が過去に犯した罪悪を真摯に反省し、双方の平和的共存に向けて積極的に取り組むことが、紛争の解決につながると言える。

まず、指摘されているように、イスラエルとパレスチナの紛争の根源は、ユダヤ人問題にあることは間違いないだろう。ユダヤ人は2000年以上にわたって迫害を受けてきた歴史があり、その結果、パレスチナへの帰還という悲願を持つようになった。この悲願が、イスラエル建国と現在の紛争の引き金となったことは明らかである。

しかし、過度に西欧諸国を批判している点には疑問がある。確かに、西欧諸国はユダヤ人問題の解決に失敗し、その結果、パレスチナ問題を深刻化させた責任はある。しかし、西欧諸国だけが責任を負うべき問題ではなく、パレスチナ側にも責任があることを忘れてはならない。

パレスチナ側は、イスラエル建国を認めず、テロ活動を繰り返すことで、紛争の解決を妨げてきた。また、パレスチナの政治的指導者は、国民の利益を優先するのではなく、自身の権益を優先する姿勢が目立つ。これらの問題がなければ、紛争はもっと早く解決できた可能性もあるだろう。

イスラエルとパレスチナの紛争は、簡単に解決できる問題ではない。しかし、双方が過去の歴史を直視し、真摯に話し合いを続けなければ、紛争はいつまでも続くだろう。

・イスラエルとパレスチナの紛争の歴史的背景に焦点を当て、西欧諸国が紛争の根源に深く関与していることを指摘している。

・コラムによると、西欧諸国は、ユダヤ人に対する迫害と排斥を長年にわたって行ってきた。この迫害によって、ユダヤ人は故郷から追放され、世界中に離散することになった。

・19世紀後半、シオニズム運動が台頭し、ユダヤ人は故郷パレスチナに帰還しようとする動きが活発になった。この運動を支援した西欧諸国は、1917年のバルフォア宣言によって、パレスチナにユダヤ人国家を建設する権利を認めた。

・しかし、この宣言はパレスチナにすでに住んでいたアラブ人の反発を招き、両者の間で紛争が勃発した。その後、イスラエル建国をめぐって1948年の第一次中東戦争、1967年の第三次中東戦争など、数々の戦争が繰り返され、現在も紛争は続いている。

・コラムでは、西欧諸国がイスラエル建国を支援したことを、過去のユダヤ人迫害に対する補償と捉える一方で、ユダヤ人を欧州から追い出すための「人道主義的」解決策だったという見方を示している。

・また、コラムでは、イスラエルの入植地建設やパレスチナ人への弾圧を、西欧諸国が黙認・支援していることを批判している。

・コラムの主張は、西欧諸国がイスラエルとパレスチナの紛争の歴史的背景に深く関与していることを浮き彫りにするものであり、紛争の解決には西欧諸国の積極的な役割が必要であることを示唆している。

・いずれにしても、イスラエルとパレスチナの紛争は、歴史的・政治的・宗教的な複雑な要因が絡み合った紛争であり、その解決には、多角的な視点からの分析と取り組みが必要であると言えるだろう。しかし、コラムの主張には以下のような反論も可能である。

　・西欧諸国は、イスラエル建国を支援しただけでなく、パレスチナ国家の建設にも取り組んできた。
　・イスラエルの入植地建設やパレスチナ人への弾圧は、イスラエル国内の政治的・宗教的な要因も影響している。

引用・参照・底本

［特派員コラム］悲劇を中東に輸出した国々 ハンギョレ 2023.10.28