「新たな軸」の理論と言うり、常套手段の愚論2024年11月07日 20:14

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【桃源寸評】

 五眼あっても、頭は一つでは処理不能のため、常套手段でしか捌けない。間抜けな国々である。其のうえ世界に向かって悪さばかりしている。決して建設的なことや生産的なことには立ち向かわない、"負算の枢軸"である。

【寸評 完】

【概要】

 オーストラリアの国家情報局長であるアンドリュー・シアラーは、ロシアへの支援を行っている国々の「新たな軸」が出現していると述べ、この軸に中国やイラン、北朝鮮が含まれると指摘した。シアラーは、この動向が「深刻な戦略的課題」であり、西側諸国が対応に遅れを取っていると主張している。

「軸」という表現は五眼(ファイブ・アイズ)連合国であるアメリカなども使ってきた表現であり、米国は以前にも、中国やロシア、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸」として指摘し、中国がウクライナ問題でロシアを支援しているという主張を繰り返してきた。しかし、これらの主張を根拠のないものであるとし、中国がウクライナ危機に関与しておらず、公正な立場で対話と平和を促進してきたと説明している。それに対し、一部の西側諸国は自らの責任を逃れ、対立を助長しているとの見解を示している。

 また、米国やNATO諸国がこの紛争を長引かせるために軍事的および財政的な支援を続けていることを指摘している。オーストラリアもまた、NATO加盟国ではないものの米国の立場に追随し、10月には1億6400万ドル規模の軍事支援を発表し、JDAM-ER(Joint Direct Attack Munition Extended-Range)爆弾などを提供している。こうした西側の武器供給が戦場に増え続けていることで、より広範な不安定化のリスクが高まっていると述べている。

 さらに、中国の社会科学院の専門家であるZhang Jieは、オーストラリアが「軸」の理論を掲げる背景には五眼連合の冷戦思考があり、中国を抑制するための戦略を正当化しようとしているに過ぎないと指摘している。Zhangは、このようなレトリックが誤解を招き、危険であると述べている。

 最終的に、オーストラリアが米国の冷戦的な思考に従い「中国脅威論」を強調し続けることは、オーストラリア自身にとっても利益にはならず、不信と緊張を生み出すと結論している。

【詳細】

 オーストラリアの国家情報局長であるアンドリュー・シアラーが述べた「新たな軸」の理論について詳述している。この「軸」とは、ロシアへの支援を行う国々、特に中国、イラン、北朝鮮を指し、これらの国々が協力しているという見方を示しています。シアラーは、この新たな動向を「深刻な戦略的課題」として捉え、これに西側諸国、特にアメリカが対応するのが遅れていると指摘している。この発言は、オーストラリアが米国と共にウクライナ問題に関与していることを反映しており、世界の安全保障に対する脅威として、ロシアとその支援国の協力関係を強調しているす。

 「軸」の表現とその背景

 「軸」という言葉は、米国をはじめとする五眼(ファイブ・アイズ)諸国が使ってきた表現であり、特に米国は過去に「悪の枢軸(Axis of Evil)」という表現を使い、中国、ロシア、イラン、北朝鮮を指摘し、これらの国々を一つの敵として描いてきました。アメリカは、これらの国々が共謀して国際的な秩序を破壊しようとしているという観点から、これらの国々を敵視し、冷戦的な視点で対立を深めている。

 記事はオーストラリアが同様にこの「軸」の理論を採用することに対して批判的である。中国がロシアに対して軍事支援を行っているという主張は、証拠に基づいていないとして否定されているむ。中国はウクライナ問題については中立的立場を取っており、平和的解決を促進するために努力してきたとしている。特に中国は、ロシアと通常の貿易関係を維持していることが理由で、しばしば西側諸国から不当な非難を受けてきたが、これらは根拠が薄いとしている。

 中国の立場と西側諸国の責任逃れ

 記事では、中国がウクライナ危機に直接的な関与をしていないことを強調している。中国は、この問題の当事者ではなく、冷静かつ公正な立場を維持し、対話と平和的解決の促進に尽力してきたとしている。一方、西側諸国、特にアメリカとその同盟国は、この問題で責任を果たしておらず、むしろ対立を深め、戦争を長引かせていると指摘されている。中国はその立場から、西側諸国が一方的にロシアを敵視し、対話の機会を閉ざしていることを批判している。

 オーストラリアと米国の関係

 オーストラリアはNATO加盟国ではないが、長年にわたり米国の外交政策に追従してきた。特にウクライナ問題に関しては、オーストラリアは積極的に米国と同じ立場を取っており、1億6400万ドルの軍事支援を発表し、これまでの支援額は10億ドルに達している。オーストラリアはまた、JDAM-ER(Joint Direct Attack Munition Extended-Range)爆弾などの高度な武器をウクライナに提供している。このような武器供給が戦場における緊張を一層高め、地域的な不安定化を引き起こしているという指摘がある。

 冷戦的思考とその影響

 Global Timesは、オーストラリアが米国と共に冷戦的な思考を持ち続けていることを問題視している。シアラーが指摘した「新たな軸」は、冷戦時代の二項対立的な世界観を反映しており、現代の国際関係の複雑さを無視していると批判されているす。このような思考が続く限り、オーストラリアは自国の利益を損ねることになると警告している。中国の「脅威論」を強調することは、オーストラリアにとって外交的に有害であり、信頼と協力を築くべき関係に緊張をもたらすだけだとしている。

 五眼連合の影響

 オーストラリアの情報機関が、五眼連合の影響を強く受けていることも指摘されている。五眼連合は、米国、カナダ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの5か国で構成されており、これらの国々は情報共有を通じて密接に連携している。この連携がオーストラリアに対しても影響を与え、米国の外交政策に沿った行動を取るように仕向けているとされている。特に、中国に対する抑制戦略が強調され、こうした姿勢がオーストラリア自身の利益を危うくする可能性があると警告している。

 結論

 Global Timesは、オーストラリアが冷戦的な思考を捨て、より協調的で平和的な外交方針を取るべきだと結論づけている。中国との協力関係を築くことが、オーストラリアにとっても国際的に安定した立場を保つために重要であり、対立を煽るような「脅威論」を強調することは、最終的にはオーストラリア自身の利益を損なうことになると述べている。

【要点】

 ・アンドリュー・シアラーの発言: オーストラリアの国家情報局長アンドリュー・シアラーが、ロシアへの支援を行う中国、イラン、北朝鮮を「新たな軸」として指摘し、これを「深刻な戦略的課題」と述べた。

 ・「軸」の表現の背景: 「軸」の概念は、米国が過去に「悪の枢軸」として中国、ロシア、イラン、北朝鮮を指摘したことに由来。これは冷戦的な二項対立的な思考を反映しており、これらの国々を国際秩序の破壊者として位置づけている。

 ・中国の立場: 中国はウクライナ問題に関して中立的立場を取っており、平和的解決と対話を促進している。西側諸国の主張に対して、中国がロシアを支援しているという証拠はないと反論。

 ・西側諸国の責任逃れ: 西側諸国はウクライナ危機に対して自らの責任を認めず、対立を深める行動を取っており、戦争の長期化を助長している。

 ・オーストラリアの支援: オーストラリアはNATO加盟国ではないが、米国と同じ立場を取っており、ウクライナに1億6400万ドルの軍事支援を行い、JDAM-ER爆弾などを供与した。この支援は戦場の緊張を高める要因となっている。

 ・冷戦的思考への批判: オーストラリアが米国の冷戦的な思考を引きずり、「中国脅威論」を強調することは、オーストラリア自身の利益を損なうと警告。対立を煽るだけで、信頼と協力を築く道を閉ざすことになる。

 ・五眼連合の影響: オーストラリアは五眼連合の一員として、米国の外交政策に従う傾向があり、特に中国に対する抑制戦略が強調されている。このことがオーストラリアの独立した外交方針に影響を与えている。

 ・結論: オーストラリアは冷戦的な思考を捨て、中国との協力関係を築くべきであり、対立を煽るような「脅威論」を強調することは最終的に自国にとって不利益であると指摘。
 
【引用・参照・底本】

Australian spy chief's 'axis' theory is a mark of Western Cold War mentality GT 2024.11.06
https://www.globaltimes.cn/page/202411/1322562.shtml

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