ウクライナ支援、NATO安全保障への投資2023年12月16日 11:06

国立国会図書館デジタルコレクション「男達五人揃」を加工して作成
 2023年12月14日にNATO本部で行われた、NATO事務総長ヤンス・ストルテンベルク(Jens Stoltenberg)とスロバキア共和国の首相ロベルト・フィコ(Robert Fico)の会談に関するものである。

 会談の概要

 スロバキアの首相、ロベルト・フィコ氏がNATO本部を訪れ、事務総長のヤンス・ストルテンベルク氏との会談が行われた。

 スロバキアのNATOへの貢献

 ストルテンベルグ氏は、スロバキアがNATOに対するコミットメントを称賛した。スロバキアは多国籍なNATO戦闘群をホストし、ラトビアに部隊を展開しており、国防予算の2%を防衛に投資する計画を立てていることが強調した。

 ウクライナへの支援

 ストルテンベルグ氏は、スロバキアがウクライナの主権と領土の一体性を支持していることを歓迎した。プーチンが平和の準備をしている兆候はなく、代わりにクレムリンは長期かつ緊張感のある戦争に備えていると強調した。スロバキアが人道支援を提供し、NATOがウクライナに対する包括的な支援パッケージに貢献し続けることが確認された。
 ストルテンベルグ氏は、ウクライナとの防衛産業協力や、スロバキアの重要な修理ハブが稼働し続けることに感謝した。彼は「キエフへの軍事支援を停止することは戦争を長引かせ、終結させるのではなく、」と述べ、「プーチンがウクライナで勝利すれば、その侵略はそこで終わらないという現実のリスクがある」と強調した。

 NATOの威嚇と防衛

 ストルテンベルグ氏は、ポーランドに計画されていたアメリカのミサイル防衛基地が2023年12月15日に運用を開始することを発表した。これは「大西洋横断の安全保障にとって重要な一歩」であり、特に中東からの弾道ミサイルの脅威に対抗するために同盟国の能力を向上させる」と述べた。

【要点】

NATO からのこのニュース記事は、2023年12月14日のNATO事務総長イェンス・ストルテンベルグとスロバキアのロベルト・フィコ首相との会談について報じている。

ストルテンベルグ氏は、スロバキアのNATOへの取り組みを称賛し、多国籍戦闘集団の主催、ラトビアへの軍隊の派遣、防衛への投資といったスロバキアの貢献を強調している。

ウクライナへの継続的な支援:両首脳は、主権と欧州の安全保障の両方にとってのウクライナの重要性を強調し、ウクライナへの継続的な支援について協議する。 ストルテンベルグ氏は、戦争が長引く可能性があるため、軍事援助を停止しないよう警告している。

NATOの抑止力と防衛の強化:中東からの脅威に対する大西洋横断安全保障とミサイル防衛にとって重要なステップとみなされる、12月15日にポーランドにある米国のミサイル防衛基地を稼働させることに言及している。

ストルテンベルグ氏は、ロシアから和平努力の兆候が見られないことを認め、クレムリンによる長期的な戦争準備の可能性を警告した。

スロバキアの継続的な人道支援とNATOのウクライナ支援パッケージへの貢献が称賛される。

スロバキアとウクライナの間の防衛産業協力の継続の重要性と、スロバキアにおける修理拠点の重要な役割について言及されている。

ロシアの侵略が続く中、ウクライナへの支援を継続し、NATOの抑止力と防衛能力を強化することの重要性を強調している。スロバキアを同盟の熱心なメンバーとして描写し、集団安全保障の取り組みにおいて重要な役割を果たしている。

このニュースは、ポーランドがミサイル攻撃を受け(註)、地域の緊張とミサイルの脅威に対する懸念が高まった翌日に伝えられた。

ポーランドの米国ミサイル防衛基地の稼働は、NATO内でのミサイル防衛への取り組みの強化を意味する。

スロバキアの貢献と米軍基地の活性化によって強調された、ヨーロッパと大西洋横断の安全保障の相互関連性を強調している。

・ウクライナへの支援は慈善事業ではなく、NATOの安全保障への投資だ。ストルテンベルグ事務総長は、プーチン大統領の侵略を阻止し、これ以上の拡大を防ぐためには、ウクライナへの支援が極めて重要だと強調した。

・NATOに対するスロバキアのコミットメント:ストルテンベルグ事務総長は、NATO戦闘群の受け入れ、ラトビアへの軍隊の派遣、国防費の増額など、スロバキアの貢献を称賛している。
・ウクライナへの支援の継続:両首脳は、スロバキアが人道支援を継続し、NATOの援助パッケージに貢献し、スロバキアの重要な修理拠点を稼働させ続けることで合意している。ストルテンベルグ氏は、軍事支援を止めることは戦争を長引かせることになるとして警告している。
・NATOの抑止力と防衛力の強化:記事は、潜在的な脅威に対するNATOの能力強化に向けた一歩として、15月<>日にポーランドにアメリカ・ミサイル防衛基地を開設したことに言及している。

・ウクライナで進行中の戦争と、ウクライナに対する国際的な支援の重要性を強調している。
・NATOにおけるスロバキアの積極的な役割と集団防衛へのコミットメントを示すものである。
・また、ロシアや他の主体による潜在的な侵略を抑止するための持続的な努力の必要性を強調している。

・多国籍NATO戦闘群のホスト。
・ラトビアに軍隊を派遣する。
・GDPの2%を防衛に投資する計画。

(ストルテンベルグ)
・プーチンは和平の準備をしているのではなく、長期戦の準備をしているのだ。
・ウクライナへの軍事支援をやめれば、戦争は長引く。
・プーチンがウクライナで勝てば、彼の侵略が広がる可能性がある。

(スロバキア)
・ウクライナへの人道支援を継続する。
・NATOの支援パッケージに貢献する。
・ウクライナとの防衛産業協力を維持する。
・スロバキアの修理ハブを稼働させ続ける。

・2023年12月15日に運用開始予定のポーランドの米軍ミサイル防衛基地。
 大西洋を横断する安全保障を強化する。
 特に中東からの弾道ミサイルに対する同盟国の防衛を強化する。

・北大西洋条約機構(NATO)とスロバキアは、ウクライナを支援し、同盟の防衛能力を強化することを約束している。
・ウクライナへの支援を止めることは、戦争を長引かせ、ロシアを勇気づける可能性があるため、実行可能な選択肢ではない。
・防衛と協力への投資は、大西洋を横断する安全保障を確保するために極めて重要である。

【桃源寸評】
 
 ポーランドがミサイル攻撃を受けた件、当時の各種の記事内容を比較すると、“ミサイルを発射したのはウクライナの防空システム”とあるように、ウクライナ側に問題があるとの印象を持った。
 その後の動きを見ても、鎮静化を求めているのも疑点を残す。 
 例えば「ポーランドにミサイル着弾で2人死亡、ウクライナ防空が原因のようとポーランドとNATO(BBC NEWS japan 2022.11.16)」などである

(註)
2022年11月15日、ウクライナとの国境に近いポーランドのプシェボドゥフ村に、ロシア製のミサイルが着弾し、2人が死亡した。この事件は、ロシアによるウクライナ侵攻中にNATO領内にミサイルが着弾・爆発した最初の事件である。

ミサイルは、現地時間の午後3時40分頃、ウクライナ国境から約6キロ離れた農場に着弾した。ミサイルは、ウクライナ軍の防空システムによって撃ち落とされたものの、破片が農家を直撃し、男性1人と女性1人が死亡した。また、住宅数棟が損壊した。

ポーランド政府は、ミサイルはロシア製のS-300防空ミサイルだったと発表した。ロシアは、ミサイルを発射したのはウクライナの防空システムであると主張している。

この事件を受け、NATOは緊急会合を開き、ロシアの行動を強く非難した。NATOのジェンス・ストルテンベルグ事務総長は、「NATO加盟国への攻撃は、NATOに対する攻撃である」と述べ、ロシアへの対応を検討すると表明した。

この事件は、ロシアのウクライナ侵攻がNATOとロシアの対立を激化させていることを示すものとして、国際社会で大きな懸念を呼んだ。

(註はブログ作成者が参考の為に付記した。)

引用・参照・底本

NATO Secretary General with Prime Minister of Slovakia: support to Ukraine is not charity, it is an investment in our security NATO 2023.12.14

中・比そして仁愛礁2023年12月16日 14:46

国立国会図書館デジタルコレクション「拳乃けいこ」を加工して作成
 2023年12月15日に中国国防部が発表した内容に関するものである。

 フィリピン武装部隊の行動に対する非難: 中国国防部は、フィリピン武装部隊の総参謀長らが仁愛礁に違法に「座礁」したとされる軍艦に乗船し、あおり立てる行動をとったことに対して、非難の態度を表明した。

 中国の主張: 中国国防部の報道官である張暁剛は、フィリピンが再三の制止と警告を無視して仁愛礁付近に船舶を派遣し、不法に座礁させた軍艦に建築物資を搬入しようとしたと述べた。また、フィリピンの船舶が中国海警船に衝突し、フィリピン軍が不法座礁した軍艦に乗船してあおり立てる行動をとったと主張した。

 中国の行動の合法性: 張暁剛は、中国海洋警察が法に基づいて必要な措置をとったとし、中国の対応は専門的、自制的、合理的であると述べた。中国は既にフィリピンに厳正な申し入れを行い、強く抗議したとされている。

 中国の主権主張と警告: 中国は南沙諸島とその付近の海域において主権を有しており、フィリピンの挑発的な行動が南海の平和と安定を破壊するものであると主張した。中国は関係国に対し、権利侵害の挑発行為を即時に停止するよう忠告し、引き続き領土主権と海洋権益を守る姿勢を示すとしている。

【要点】

2023年12月15日、中国国防部は、フィリピン武装部隊の総参謀長らが、中国南沙諸島の仁愛礁に違法に「座礁」した軍艦に乗船した上、あおり立てる行動をとったことについて、非難する声明を発表した。

声明によると、フィリピンは10日、中国の再三の制止と警告を顧みず、仁愛礁付近の海域に船舶を派遣し、仁愛礁に不法に「座礁」した軍艦に建築物資を搬入しようと図った。その際、フィリピンの船舶が危険な方法で中国海警船に衝突して損傷を与え、さらに、フィリピン軍の一部がこの軍艦に乗船して、あおり立てる行動をとった。

これに対し、中国海洋警察は法に基づいて必要な措置をとり、現場での対応は専門的、自制的、合理的で、合法であるとしている。

中国は、仁愛礁を含む南沙諸島とその付近の海域に対して争う余地のない主権を有していると強調し、フィリピンの挑発行為は、「南海各方面行動宣言(DOC)」(註)の精神に深刻に背き、南海の平和と安定を深刻に破壊するものであると非難した。

また、関係国は事態のさらなるエスカレートと悪化を避けるために、権利侵害の挑発行為を即時に停止するよう忠告し、引き続き必要な措置をとり、領土主権と海洋権益を断固として守ると表明した。

この発表は、中国とフィリピンの南シナ海における領有権をめぐる緊張が再燃していることを示すものである。

中国は、南シナ海のほぼ全域に主権を主張しており、フィリピンやベトナム、マレーシア、台湾などの国々と領有権を争っている。近年、中国は南シナ海に軍事力を増強しており、フィリピンやアメリカなどの国々は警戒を強めている。

今回の発表は、中国が南シナ海における主権を強硬に主張する姿勢を改めて示したものといえる。

(註)
南海各方面行動宣言(Declaration on the Conduct of Parties in the South China Sea、略称: DOC)は、東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国の間で2002年に採択された協定である。この宣言は、南シナ海における当事者国の間での対話、信頼の醸成、協力の促進を目的としている。主な内容として以下の点が挙げられる。

紛争の平和的解決: 当事者国は南シナ海での紛争を平和的に解決することを確認し、武力行使や脅迫を行わないことを合意している。

信頼醸成と協力: 南シナ海での信頼醸成と協力を進め、当事者国は友好的な関係を築くことを約束している。

自制と行動の標準: 当事者国は、南シナ海での自制と行動の標準を確立し、挑発的な行動を避けるよう努めることを確認している。

国際法の尊重: 当事者国は国際法、特に国際連合海洋法条約(UNCLOS)に基づいて、南シナ海の領土や海洋権益に関する問題を解決することを確認している。

信頼的な対話プロセスの構築: DOCは、南シナ海の問題に対する信頼性のある対話プロセスを確立することを提唱している。

ただし、DOCは法的拘束力を持っていないため、実際の状況や紛争解決に対して直接的な影響を与えることが難しい一方で、当事者国の合意に基づく自主的な行動が求められている。

・中国国防部は、12月10日にフィリピン軍が南沙諸島の仁愛礁に不法に「座礁」した軍艦に建築物資を搬入しようと試み、さらにフィリピン軍の一部が同艦に乗り込んであおり立てる行動をとったことについて、強く非難した。

・中国国防部は、フィリピン側の行動は、中国の再三の制止と警告を顧みず、また、中国海警船に危険な方法で衝突して損傷を与えたこともあって、極めて挑発的で、南海の平和と安定を深刻に破壊するものであると強調した。

・また、中国は仁愛礁を含む南沙諸島とその付近の海域に対して争う余地のない主権を有しており、フィリピンの挑発行為は「南海各方面行動宣言(DOC)」の精神に背き、南シナ海の緊張を高めるものであると指摘した。

・中国国防部は、関係国に対し、権利侵害の挑発行為を即時に停止するよう呼びかけ、引き続き必要な措置をとり、領土主権と海洋権益を断固として守るとの姿勢を示した。

・この問題は、中国とフィリピンの領有権をめぐる対立が再燃していることを示すものである。中国は、南沙諸島のほぼ全域を自国の領土と主張しているが、フィリピンやベトナム、マレーシアなど周辺国もそれぞれ領有権を主張している。

・近年、中国は南沙諸島への軍事拠点化を進めており、周辺国との緊張が高まっている。今後も、中国と周辺国との間で領有権をめぐる対立が激化することが懸念される。

・中国とフィリピンの間で南沙諸島をめぐる緊張が再燃していることを示すものである。中国は、仁愛礁を含む南沙諸島のほぼ全域を自国の領土であると主張しており、フィリピンは西沙諸島を除く南沙諸島の一部を領有権を主張している。両国はこれまでにも、南沙諸島の領有権をめぐって対立を繰り返し、2016年には、国際仲裁裁判所が中国の主張を否定する判決を下したことで、緊張が高まった。

引用・参照・底本

国防部 フィリピン武装部隊総参謀長らの仁愛礁の違法「座礁」軍艦への乗船を非難 CRI 2023.12.15

中国、次世代人工太陽2023年12月16日 15:15

国立国会図書館デジタルコレクション「春興三人生酔 桧熊武成 (春興三人生酔)」を加工して作成
 中国の中核集団(中国核工業集団有限公司)は、中国の最大規模の核融合装置である「中国環流3号」に関する重要な発表を行なった。

 協定締結と開放の発表

 フランスのカダラッシュで、中国の核工業西南物理研究院と国際熱核融合実験炉ITER本部が協定に調印した。
 この協定により、中国は次世代人工太陽である「中国環流3号」を世界に向けて開放することを発表した。

 科学者の招待と協力

 中国は世界中の科学者を招待し、彼らと共に「人工太陽」エネルギーに関する難題に取り組むことを意図している。
 この取り組みにおいて、異なる国々の知識や技術を結集し、共同で問題に対処することが期待されている。

 「中国環流3号」の特徴

 「中国環流3号」は、中国で最も優れた設計パラメータを有する最大規模の核融合装置であり、中国の次世代「人工太陽」とも呼ばれている。
 2023年8月には、100万アンペアのプラズマ電流下でのトカマクHモード実現に成功し、中国の核融合技術が国際的な評価を得たことを示している。

 ITERとの関連

 国際熱核融合実験炉ITERは、世界最大の「人工太陽」プロジェクトであり、「中国環流3号」はその一環として位置づけられている。
 中国の核工業西南物理研究院は、長年にわたりITERの重要部品の開発に深く参与しており、共通の実験原理を有することから、中国環流3号の開放はITERとの協力を通じて技術問題に取り組む機会を提供する。

 研究開発と人材育成への影響

 中国の核工業は、ITERとの協力を通じて研究開発能力を向上させ、人材の育成を強化すると期待されている。
 中国は国際的な先進技術を吸収し、最終的には自身の核融合炉を構築するための基盤を築くことが重要とされている。

引用・参照・底本

中国、次世代人工太陽「中国環流3号」を世界に開放 CRI 2023.12.15

稳中求進、以進促稳2023年12月16日 18:18

国立国会図書館デジタルコレクション「伊賀越敵討の図」を加工して作成
 2023年12月14日に発表された中国の中央経済活動会議に焦点を当てた記事の要約である。

 中国の経済政策の注目すべき方針

 中国は、11日と12日に中央経済活動会議を開催し、来年(2024年)の経済に関する方針を明らかにした。
方針は「稳中求進(安定の中で前進を求める)」、「以進促稳(前進により安定を促す)」、「先立後破(先に新しい方式を確立して、後に古い方式を破棄する)」の堅持など、安定的な発展を重視している。

 中国経済の回復と好転

 中国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する対策の変更と経済の回復により、今年は発展と好転を遂げたとされている。
 1-9月期において前年同期比5.2%の成長を達成し、成長率は主要経済国の中でトップを維持している。

 来年の経済方針

 2024年の中国経済関連の取り組みでは、科学技術の革新による現代化産業体系の建設が筆頭に挙げられている。
 新型工業化やデジタル経済の推進、人工知能(AI)の加速などが強調され、外資にとっては中国での発展に新たな機会が生まれるとされている。

 外資との協力

 外資に対しては、電気通信、医療などのサービス業市場への参入の緩和や高い基準の貿易規則への対応が行われるとされている。
 これにより、開放型世界経済の建設を推進し、中国の決意を体現する一連の対外開放の措置が取られている。

 中国への投資価値

 中国経済の状況や今回の中央経済活動会議の方針を踏まえ、文章は「中国に投資する価値」がさらに鮮明になると論じている。
 中国が発展を続け、世界経済において主要なエンジンであるとされ、外資にとっても発展のための「大きな空間」が生まれることが期待されている。
 中国は経済の安定と発展を追求し、科学技術の革新や開放政策を通じて国内外の投資を奨励していると言える。

【要点】

中国の中央経済活動会議は、中国の経済政策を決定する重要な会議である。2023年12月11日と12日に開催された中央経済活動会議では、2024年の中国経済に関する9つの取り組みが示された。

そのうち、特に重要な取り組みは以下の2つである。

1.科学技術の革新によって現代化産業体系の建設をけん引すること


中国は、科学技術の革新を経済発展の基盤と位置づけている。今回の会議では、新型工業化の強力な推進、デジタル経済の発展、人工知能(AI)の発展加速などが示された。これらの取り組みにより、中国の産業構造が高度化し、経済の持続的な成長が期待される。

2.開放型世界経済の建設を推進すること

中国は、世界経済の重要な構成員として、開放型世界経済の建設を推進している。今回の会議では、電気通信、医療などのサービス業市場への参入の緩和、国際的な高い基準の貿易規則への対応、質の高い「一帯一路」共同建設の推進などが示された。これらの取り組みにより、中国市場へのアクセスが拡大し、外国企業の投資意欲が高まると期待される。

これらの取り組みは、中国経済の成長と発展を支えるものであり、中国の投資価値を高めるものと考えられる。

具体的には、以下の点において、中国への投資価値が高まると考えられる。

科学技術の革新による経済成長の持続性

科学技術の革新は、経済の持続的な成長を可能にする重要な要素である。中国は、科学技術の革新を重視しており、今後も積極的に投資を行うことが予想される。これにより、中国経済は、より高い成長率を維持することが期待される。

開放型経済による市場の拡大

中国は、開放型経済の推進を掲げており、外国企業の投資を歓迎している。今回の会議では、外国企業の投資環境の改善に関する措置が示された。これにより、中国市場へのアクセスが拡大し、外国企業の投資意欲が高まると期待される。

中国の経済規模と人口の潜在力

中国は、世界第2位の経済規模と14億人を超える人口を有している。これらの潜在力は、中国経済の成長を支える重要な要素である。

これらのことから、中国への投資価値は、今後も高まっていくと考えられる。

【桃源寸評】

 中国経済で印象に残る一つとして、リーマン・ショック後、中国政府は積極的な財政政策と金融政策を実施し、世界経済の落ち込みを食い止めることに大きく貢献したことである。

 ・4兆元の景気対策

 中国政府は、2008年11月に4兆元(約57兆円)の景気対策を発表した。この対策は、インフラ投資、住宅購入支援、中小企業支援など、幅広い分野にわたるもので、中国国内の需要を喚起し、経済成長を下支えする効果をもたらした。

 ・米国への輸出拡大

 中国は、リーマン・ショック後も米国への輸出を拡大し続けた。これは、米国の需要が低迷する中、中国製品の競争力が高まったことに加え、中国政府が輸出拡大を重視する政策を実施したことによるものである。

 これらの対応により、中国経済はリーマン・ショック後も比較的堅調に推移し、世界経済の落ち込みを食い止めることに貢献した。

 特に、米国にとっては、中国の輸出拡大が大きな救いとなった。米国の輸入はリーマン・ショック後急激に減少したが、中国からの輸入は減少幅が比較的小さく、米国の経済成長を支える役割を果たした。

 また、中国は、世界銀行やIMFなどの国際機関を通じた支援も積極的に実施した。これは、世界経済の安定を図る上で重要な役割を果たした。

 このように、中国の対応はリーマン・ショック後の世界経済の回復に大きく寄与したと言える。

 常に世界経済を考慮する現中国を、西側は寄ってたかって足を引っ張る始末である。

 此れは西側の醜い姿の面を曝け出しているのである。其の様にしては、決して西側は世界経済の牽引車にはなれないのである。

 利己主義の為せる業である。

 悪い考え方では好い結果は期待できない、理の当然なのである。

 中国の発展に“勢”があるのは、真っ当だからである。

 〈恩を仇で返す〉ような仕打ちでは滅びの種は蒔けど、順調な発展は望むべくもない。

【参考】
リーマン・ショックが発生した2008年、中国はその後の世界金融危機への対応において重要な役割を果たし、世界経済全体に対する安定化に一定の寄与をした。以下に、その主な点を挙げる。

内需拡大と経済刺激策

中国は急速に膨張する内需市場を通じて経済成長を促進した。2008年から2009年にかけて、中国政府は大規模な経済刺激策を導入し、インフラ投資や住宅建設などを通じて国内需要を刺激した。

輸出の維持と製造業支援

中国は輸出主導の経済モデルを維持し、製造業を支援する政策を進めた。これにより、中国は需要の低迷する国際市場においても一定の輸出を維持し、自国の雇用と経済成長を維持した。

外国為替準備の活用

中国は外国為替準備の一部を使って、国内通貨である人民元の安定を図った。これにより、国際的な金融市場においても一定の安定感がもたらされ、世界経済に対する信頼感が向上した。

国際協力とG20サミット

中国は国際協力の一環としてG20サミットで協力を約束し、共通の金融安定化の目標に向けて他の主要国と協力した。これにより、協調した国際的な対応がなされ、世界経済全体の安定が期待された。

対米国債の購入

中国は、米国債などの外国債券を購入することで、アメリカの財政を一定程度支えた。これにより、アメリカが資金を調達しやすくなり、金融市場の安定に寄与した。
これらの対応により、中国は世界経済の安定化に一定の寄与を果たし、特にアメリカといった他の主要国にとっては、世界的な不況からの回復を促進する一翼を担った。

・4兆元経済刺激計画

2008年11月、中国政府は総額4兆元(当時の為替レートで約5860億ドル)に及ぶ経済刺激計画を発表した。この計画は、インフラ投資、住宅建設、農業、社会保障などに資金を提供し、内需を喚起して経済を est外部からの需経済全体に対する安定化寄与した。

・インフラ投資の拡大

経済刺激策の一環として、中国は交通、エネルギー、通信などのインフラプロジェクトに大規模な投資を行った。高速鉄道網や都市の改造、新しい発電所の建設などが行われた。

・国有銀行の融資拡大

中国政府は国有銀行に融資を拡大するよう指示し、企業への融資をサポートした。これにより、企業が事業を継続し、雇用を維持できるようになった。

・G20サミットでの協力

2009年4月のG20サミットでは、中国は他の主要国とともに金融安定化と経済の持続可能な成長を促進するための協力を約束した。このサミットでの合意は、国際的な連携によって危機への対応を強調した。

・国際機関との連携

中国は世界銀行や国際通貨基金(IMF)とも連携し、危機対応の一環として協力した。IMFは中国に対して、金融政策の透明性向上や金融セクターの改革などを含む一連の政策提言を行った。

・これらの対応により、中国は急速な景気減速を抑制し、経済の安定と成長を促進した。同時に、世界経済全体においても中国の経済刺激が一定の効果を発揮し、不況からの回復に寄与した。

引用・参照・底本

【CRI時評】この会議を読み解けば、「中国に投資する価値」がさらに明確になる CRI 2023.12.14

中越運命共同体の構築2023年12月16日 21:21

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 習近平中国共産党中央委員会総書記・国家主席がベトナムを公式訪問した際の中越関係に焦点を当てている。

 中越運命共同体の構築宣言: 習近平総書記とベトナム共産党のグエン・フー・チョン書記長は、会談で中越運命共同体の構築を宣言した。これは両国が戦略的な意味を備え、長期的な発展を追求する新たな段階を開いたことを示している。

 提案された方針: 習近平総書記は、中越運命共同体の構築について政治的、安全保障、実務的協力、民間投資、国際・地域的問題、海上問題などにわたり、いくつかの提案を行った。これにより、中越関係における長期的な発展の方針が示された。

 政治と安全保障の面での協力: 中国とベトナムは、党と国家統治における経験の交流を通じて相互に学び合い、政治と安全保障の面での協力を強化することを合意した。また、ベトナムが社会の安定と民族の団結を守り、国際的な公平と正義を共同で支持する姿勢も明確にされた。

 経済協力の拡大: 両国は「一帯一路」共同建設、デジタル経済、グリーン発展、交通運輸など30余りの協力協議に合意した。これにより、両国の産業が相互補完され、現代化建設が推進され、中越運命共同体の構築に物質的な基盤が提供されることが期待された。

 人的交流の増加: 今年に入り、中越間の人的往来が急速に回復しており、双方は人と人のつながりを促進する方針に合意している。これが中越関係の発展に世論の基盤を築く一因となるだろう。

 新たな発展と共同繁栄: 中越が戦略的な運命共同体を構築することは、両国関係の新たなスタートとなり、両国の人々が共に豊かな生活を送り、アジア太平洋と世界において前向きなエネルギーをもたらすことが期待されている。

【要点】

中国の習近平国家主席がベトナムを公式訪問し、両国は戦略的意義を備えた中越運命共同体の構築を宣言した。これは、両国関係発展の新たな段階を開くものであり、人々の望むものであるという内容である。

政治と安全保障の面では、両国は相互信頼を深め、国際的な公平と正義を守っていくことを呼びかけた。ベトナムは中国の内政に干渉するいかなる勢力にも反対し、中国との関係発展を最優先の戦略的選択とすることを表明した。

実務的協力の面では、両国は「一帯一路」共同建設、デジタル経済、グリーン発展、交通運輸など多方面で協力協議に合意した。これにより両国の産業が相互補完することの優位性が刺激され、それぞれの現代化建設が推進される。

また、両国は人と人のつながりを促進することも合意した。これにより中越関係の新たな発展に強固な世論の基盤が築かれる。

中越運命共同体の構築は、両国の人民が共に豊かな暮らしを送れるようになるだけでなく、アジア太平洋と世界によりいっそうの前向きなエネルギーをもたらすことになるだろう。

中越運命共同体の構築は、両国関係にとって大きな進展であり、アジア太平洋地域の平和と繁栄に貢献するものと言えるだろう。

中越運命共同体の構築は、政治、安全保障、実務的協力、民意に基づく投資、国際・地域的問題、海上問題の6つの分野で協力を深めることを目標としている。

政治と安全保障の分野では、両国は相互信頼を深め、国際的な公平と正義を守っていくことを呼びかけた。また、ベトナムが社会の安定と民族の団結を守ることを中国が断固として支持することも確認された。

実務的協力の分野では、両国は「一帯一路」共同建設、デジタル経済、グリーン発展、交通運輸など多方面にわたる協力協議に合意した。これにより、両国の経済・社会発展が促進されることになる。

民意に基づく投資の分野では、両国は人と人のつながりを促進することについても多くの合意に達した。これにより、両国間の友好関係がさらに深まることになるだろう。

国際・地域的問題の分野では、両国は緊密に協調していくことを確認した。これは、アジア太平洋地域の平和と安定に貢献するという意味でも重要である。

海上問題の分野では、両国は相違点をコントロールしていくことを確認した。これは、両国関係の安定的発展のために不可欠である。

中越運命共同体の構築は、両国人民の福祉とアジア太平洋地域の平和と繁栄に大きな意義を持つ。両国が協力してこの目標を達成していくことが期待される。

・政治と安全保障の面では、両国は相互信頼を深め、国際的な公平と正義を守っていくことを呼びかけた。これは、両国の友好関係をさらに強固なものにし、地域の平和と安定に貢献するものと言える。
・実務的協力の面では、両国は「一帯一路」共同建設、デジタル経済、グリーン発展、交通運輸など多方面で協力協議に合意した。これは、両国の経済発展と相互理解を促進するものと言える。
・また、両国は人と人のつながりを促進することも合意した。これは、両国の人々の交流を深め、友好関係をさらに深めるものと言える。

・中越両国が戦略的意義を備えた運命共同体の構築を宣言したことは、両国関係がこれまで以上に緊密に結びついていることを示している。
・両国は政治、安全保障、実務的協力、民意に基づく投資、国際・地域的問題、海上問題の6つの分野で協力を深めることで合意した。これは、両国関係の幅広い分野での協力を強化する意図を示している。
・中越運命共同体の構築は、アジア太平洋地域の平和と繁栄に貢献するという意味でも重要である。

引用・参照・底本

【CRI時評】中越関係の新たな位置づけは人心の望むもの CRI 2023.12.15