テキサス州知事アボッfトは中傷の停止を2024年11月30日 22:32

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【概要】

 中国外交部の毛寧報道官は、アメリカ・テキサス州知事のグレッグ・アボット氏が中国による海外「警察サービスステーション」に関する批判を展開していることに対し、「いわゆる中国の海外警察サービスステーションなどは一切存在しない」と述べ、根拠のない非難や中傷をやめるべきであると反論した。毛報道官は11月29日(金)の記者会見で、アボット知事が最近発表した3つの行政命令に関連する質問に対してこれを明らかにした。

 アボット知事は11月18日に行政命令を発表し、中国政府の代理として影響力を行使し、反体制派を中国に送り返そうとする者を対象に、テキサス州公共安全局に逮捕を指示する内容を明記していた。また、この命令では、中国政府が世界各地に「警察サービスステーション」を設置していると主張しているとされる(AP通信の報道による)。

 これに対し毛報道官は、中国の法執行機関は国際法に基づいて厳格に国際的な法執行協力を行い、他国の法制度や司法主権を完全に尊重し、容疑者の合法的な権利や利益を保護していると説明した。

 さらに、毛報道官は、中国とアメリカ間の経済・貿易関係が相互利益をもたらすものであることを強調した。これまでに中国企業の投資は、アメリカ国内の雇用促進や経済成長に重要な貢献を果たしてきたとしている。

 また、貿易や投資の問題を政治化し、安全保障の概念を過度に拡大解釈することは、市場経済の原則や国際貿易規則に反し、アメリカ市場に対する国際的な信頼を損ない、アメリカ経済の成長にも良い影響を与えないと述べた。毛報道官は、アメリカの関係者に対し、中国への中傷や根拠のない非難をやめるよう促し、中国とアメリカ間の協力を促進するためにより多くの努力を行うべきだと呼びかけた。

【詳細】

 中国外交部の毛寧報道官は、テキサス州知事グレッグ・アボット氏が発表した中国に関する行政命令について、いわゆる「海外警察サービスステーション」という概念を全面的に否定した。その上で、アメリカの関係者に対し、根拠のない主張や中傷をやめるよう求めた。この件に関連して、毛報道官が述べた背景と詳細をさらに詳しく説明する。

 テキサス州知事の主張

 アボット知事は11月18日に発表した行政命令において、以下の点を指摘している。

 1.中国政府による影響力工作
中国政府が、自国の反体制派や政治的な dissidents(反対者)を国外から中国へ戻すために、海外で「影響力工作」を行っているとの主張。これには、中国政府が「警察サービスステーション」を設置し、これらの活動を支援しているとする疑いが含まれる。

 2.テキサス州公共安全局への指示

 知事命令は、テキサス州公共安全局(Texas Department of Public Safety)に対し、このような影響力工作に関与している人物を捜査・逮捕するよう指示している。

3.主張の根拠と問題

アボット知事の命令は、AP通信や他の報道機関が過去に指摘した内容を根拠にしている。これらの報道では、中国政府が他国に「非公式な警察組織」を設置しているとされるが、具体的な証拠や事例は明示されていない。

 中国側の反論

 毛寧報道官は、これらの主張に対して次のように反論した。

 1. 「海外警察サービスステーション」の不存在

 毛報道官は「いわゆる海外警察サービスステーションは一切存在しない」と明言し、これらが中国に対する根拠のない中傷であると指摘した。
また、中国の法執行機関は国際法を厳守し、他国の司法主権を尊重していると強調した。この姿勢は、中国が他国の法制度や主権に配慮しながら国際的な協力を行っていることを示すものである。

 2. 経済・貿易関係の重要性

 毛報道官は、中国とアメリカの経済・貿易関係が相互利益にもとづいていることを指摘した。具体的には、以下の点を挙げた。

 ・中国企業の貢献

 中国企業のアメリカへの投資が雇用の創出と経済成長を後押ししてきた。

 ・政治化への懸念

 貿易や投資の問題を安全保障の観点から政治化することは、国際貿易のルールや市場経済の原則に反し、アメリカ市場への信頼を損なうと警告した。

 3. アメリカへの要請

 毛報道官は、アメリカ側に対して次のことを求めた。

 ・中傷の停止

 中国に対する根拠のない中傷や非難を止めるべきである。

 ・協力の促進

 中国とアメリカの間で協力関係を強化し、両国の経済発展や安全保障に資する取り組みを進めるべきである。

 背景と広がる影響

 この問題の背景には、アメリカ国内での中国に対する警戒感の高まりがある。近年、アメリカ政府は中国政府が行うとされる影響力工作やスパイ活動への対策を強化している。これにより、両国間の緊張が経済や外交の分野に波及している。

 一方、中国はこれらの指摘を一貫して否定し、国際法を遵守した協力を強調している。このような相互不信が、両国間の関係改善の障害となっている状況が浮き彫りになっている。

【要点】 

 テキサス州知事の主張

 ・「中国海外警察サービスステーション」の設置

 中国政府が海外に「警察サービスステーション」を設置し、反体制派の送還や影響力工作を行っていると主張。

 ・行政命令の発表

 テキサス州公共安全局に対し、中国政府の代理で活動する者の捜査・逮捕を命令。

 ・根拠としての報道

 AP通信などの報道を基に主張しているが、具体的な証拠は提示されていない。

 中国外交部の反論

 ・「警察サービスステーション」の不存在

 中国政府は海外に「警察サービスステーション」を設置していないと明確に否定。

 ・国際法の遵守

 中国の法執行機関は国際法を厳守し、他国の法制度や司法主権を尊重していると主張。

 ・容疑者の権利保護

 容疑者の合法的な権利を保護しながら国際的な法執行協力を実施していると強調。
経済・貿易に関する指摘

 ・相互利益の強調

 中国とアメリカの経済・貿易関係は双方に利益をもたらしている。

 ・中国企業の貢献

 中国企業のアメリカでの投資が雇用創出や経済成長に寄与している。

 ・政治化の懸念

 貿易や投資を安全保障問題として政治化することは、国際貿易規則に反し、アメリカ市場への信頼を損なう。

 アメリカへの要請

 ・根拠のない中傷の停止

 中国に対する中傷や根拠のない非難をやめるべき。

 ・協力の促進

 両国間の協力を強化し、経済や安全保障に資する取り組みを進めることが必要。

 背景と影響

 ・アメリカ国内の対中警戒感

 中国による影響力工作やスパイ活動への懸念が高まり、両国間の緊張が増大。

 ・国際関係への影響

 両国の相互不信が経済や外交の分野で関係改善を阻害している。

【引用・参照・底本】

Chinese FM dismisses Texas governor's accusation of so-called Chinese overseas police stations GT 2024.11.29
https://www.globaltimes.cn/page/202411/1324036.shtml

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