C-17の導入:日本の国益を守る手段となり得るのか2025年03月01日 20:29

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【概要】
 
 2025年2月27日、石破茂首相がトランプ政権に対し先手を打ったと報じられた。日米首脳会談において、石破首相は米製輸送機の購入を検討していることをトランプ大統領に伝えた。この購入対象として考えられているのは、アメリカのBoeing社製のC-17 Globemaster IIIである。C-17は、アフガニスタンからの米軍撤退時にその飛行映像が広く報道され、キューバのグアンタナモ基地への不法移民移送でも知られる機体である。

 C-17は、最大積載量が約77.5トンであり、日本の国産C2輸送機の最大積載量が約30トンであることと比べると、その性能は非常に優れている。C-17は1991年に初飛行し、2015年に生産が終了したが、過去に日本政府はこの機体の導入を検討したものの、巡航速度や離着陸に必要な距離などが性能要求に適合しなかったため、導入は見送られた。

 石破首相は、2023年2月に国会でC-17に関して以下のように述べている。「C2国産輸送機は一〇式戦車が運べない。載るけれども、重過ぎて飛べない。輸送機というのは大きければ大きいほどいい、遠くまで飛べれば飛べる方がいいと思う。なぜ、一〇式戦車が載らない輸送機を造ることが正しいのか。なぜ、C17という米軍の輸送機を中古でもいいから使わないのか」。

 SNS上では、軍事ファンから「石破茂本人の趣味」や「自衛隊が得られるものがなさすぎる」などの批判も出ている。しかし、軍事的な使い勝手に関わらず、この発言が対米外交のカードとして機能する可能性もある。もし、これがトランプ大統領を黙らせることに繋がるのであれば、日本にとっては「安い買い物」となるかもしれない。

【詳細】

 石破茂首相は、2025年2月27日に報じられたように、トランプ政権に対して先手を打つ形で米製輸送機の購入検討を表明した。この背景には、トランプ大統領が同盟国に対して防衛負担の増加を求め、さらにアメリカ製装備品の購入を促す姿勢がある。石破首相が伝えたのは、Boeing社製のC-17 Globemaster IIIという輸送機である。この機体は、アフガニスタンから米軍が撤退する際にその迫力ある飛行シーンが注目され、またキューバのグアンタナモ基地への不法移民の移送にも使用されたことでも知られている。

 C-17の特長と日本の選定基準

 C-17は、最大積載量が約77.5トンという優れた能力を持ち、日本のC2輸送機(最大積載量約30トン)と比較すると、その輸送能力は非常に高い。この大きな積載能力は、戦車や大型機材の輸送において特に重要であり、特に一〇式戦車などの大型兵器を輸送する際に強みを発揮する。C-17は1991年に初飛行し、2015年には生産が終了しているが、今も世界中で使用され続けており、その信頼性と能力が評価されている。

 一方で、日本政府は過去にC-17の導入を検討したが、いくつかの理由から導入を見送っている。具体的には、C-17の巡航速度や離着陸に必要な距離が、日本の使用条件に完全には適合しなかったという問題がある。特に、C-17はその大きさと性能が、使用する飛行場や施設に制約を与える可能性があるため、適用範囲に制限がある。

 石破首相の発言とその意図

 石破首相は、2023年2月に国会でC-17に関して興味深い発言をしている。彼は、C2国産輸送機について、「一〇式戦車が載らない輸送機を造ることが正しいのか」と疑問を呈し、C-17の導入を推奨した。彼の発言には、以下のような意図が込められている。

 輸送機の能力向上:輸送機はその規模と能力が大きければ大きいほど、また遠くまで飛べる能力があればあるほど優れた機能を持つという観点で、C-17のような大型輸送機を採用することが望ましいという立場を取っている。特に、戦車やその他の重機を効率的に運搬できる点が強調されている。

 国産輸送機の限界への指摘:C2輸送機は、一〇式戦車を運搬できるが、戦車の重量が重すぎて飛行が難しいという欠点がある。この点を踏まえて、より重い貨物にも対応できるC-17を使用する方が現実的だという立場を示している。

 アメリカとの協力強化:C-17を米軍から購入することは、単に防衛力強化だけでなく、日米間の協力関係を深めるための一手としても有効と考えている可能性がある。トランプ政権が推進する防衛負担の増加やアメリカ製装備品の購入という要求に応える形で、C-17購入を検討することは、外交的にも有益なカードとなるかもしれない。

 SNSでの反応と議論

 石破首相の発言は、SNS上でも注目を集め、軍事ファンからの批判を呼んだ。「石破茂本人の趣味」や「自衛隊が得られるものがなさすぎる」といった声が上がったが、これは主にC-17の軍事的な使い勝手に対する懸念に基づくものと考えられる。C-17の導入が自衛隊にとってどれだけ実質的な利益をもたらすかについて、慎重な意見が多い。

 対米外交カードとしてのC-17

 軍事的な観点からの評価は分かれるものの、C-17の購入を表明することが、対米外交において有効なカードとなり得るという点は見逃せない。トランプ大統領が求める同盟国の防衛負担増加や米製装備品の購入といった要求に対して、日本がC-17購入を検討することで、アメリカの圧力をある程度緩和する可能性がある。この場合、日本にとっては、外交的な観点から見て「安い買い物」となる可能性がある。

 まとめ

 石破首相のC-17購入検討の表明は、単なる軍事的な判断だけでなく、対米外交における戦略的な要素が含まれている。C-17の導入が実際にどれだけ自衛隊にとって有益かは議論の余地があるが、もしこれがトランプ大統領に対する有効な外交手段となるのであれば、日本の国益を守るための重要な選択肢となるかもしれない。

【要点】
 
 1.背景

 ・トランプ政権が同盟国に防衛負担増加と米製装備品購入を求める中、石破茂首相が先手を打ち、米製輸送機C-17 Globemaster IIIの購入検討を表明。
 ・2025年2月、日米首脳会談でトランプ大統領に購入検討を伝えた。

 2.C-17の特徴

 ・最大積載量約77.5トンで、C2輸送機(最大積載量約30トン)より大きな輸送能力を持つ。
 ・1991年に初飛行し、2015年に生産終了。依然として多くの国で使用されている信頼性の高い機体。
 ・アフガニスタン撤退時やキューバへの不法移民移送で注目を集めた。

 3.過去の導入検討

 ・日本政府は過去にC-17の導入を検討したが、巡航速度や離着陸距離が日本の条件に適合せず、採用を見送った。

 4.石破首相の発言

 ・2023年2月、国会でC-17に関して「C2輸送機は一〇式戦車が載らない。C-17を中古でも使わないか」と発言。
 ・輸送機は大きいほど、また遠くまで飛べるほど良いという立場を示した。

 5.SNSでの反応

 ・軍事ファンからは「石破茂本人の趣味」や「自衛隊が得られるものがなさすぎる」と批判が出た。
 ・軍事的な使い勝手に対する懸念が示されている。

 6.外交カードとしてのC-17

 ・C-17購入検討は、対米外交における戦略的なカードになる可能性がある。
トランプ大統領の要求に応えることで、日本にとって外交的に「安い買い物」となる可能性。

 7.まとめ

 ・C-17の導入は、軍事的な判断だけでなく、対米外交戦略としても意味を持つ可能性があり、日本の国益を守る手段となり得る。

【引用・参照・底本】

石破首相はトランプ氏をなだめることができるのか C17の購入検討 sputnik日本 2025.02.27
https://sputniknews.jp/20250227/c17-19611059.html?rcmd_alg=collaboration2

「深刻な外交問題になる前に日本製鉄は荷物をまとめて去るべきだ」2025年03月01日 20:54

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【概要】
 
 米大手鉄鋼メーカー「クリーブランド・クリフス」のゴンカルベスCEOは、日本製鉄によるUSスチールの買収計画に対し、「深刻な外交問題になる前に日本製鉄は荷物をまとめて去るべきだ」と述べ、その計画の断念を求めた。ゴンカルベスCEOは、米国の鉄鋼業界に対するトランプ大統領の方針についても言及し、鉄鋼製品に25%の関税を課す意向を表明したことに対して、関税が外国の競争相手を罰し、国内の生産者を強化するものとして歓迎すると述べた。

 もし日本製鉄がUSスチールの買収計画を断念した場合、クリーブランド・クリフスは他の鉄鋼メーカーと協力し、再度USスチールの買収に乗り出す可能性があるとされている。トランプ大統領は、日本製鉄がUSスチールの株式の過半数を保有することを認めない考えを示しており、日本製鉄の幹部と協議する意向を示している。

【詳細】

 2025年2月26日の報道によると、米国の大手鉄鋼メーカー「クリーブランド・クリフス」のゴンカルベスCEOは、日本製鉄がUSスチールを買収する計画に対し、強い反発を示し、「深刻な外交問題になる前に、日本製鉄は荷物をまとめて去るべきだ」と述べた。この発言は、日本製鉄がUSスチールを買収することが、米国と日本の間で外交的な摩擦を引き起こす可能性があるとの懸念から来ている。

 ゴンカルベスCEOは、USスチールの買収に失敗した背景として、自社の「クリーブランド・クリフス」が日本製鉄に競り負けたことを挙げており、日本製鉄の買収計画が続行されることを不快に感じている様子が窺える。また、トランプ大統領が米国産鉄鋼を保護するために、鉄鋼製品に25%の関税を課す意向を示したことについて、ゴンカルベスCEOは「関税が異なるルールで戦ってきた外国の競争相手を罰し、同時に国内の鉄鋼生産者を強化することになる」と歓迎している。この発言は、関税が米国内の鉄鋼業者にとって有利な状況を生み出し、国内の競争力を高めるとの見解に基づいている。

 もし日本製鉄がUSスチールの買収計画を断念した場合、ゴンカルベスCEOはクリーブランド・クリフスが別の鉄鋼メーカーと協力し、再度USスチールの買収を目指す可能性があることを示唆している。この場合、クリーブランド・クリフスは日本製鉄に対抗する形で、USスチールを手に入れるチャンスを伺うことになる。

 一方、トランプ大統領は、日本製鉄がUSスチールの株式の過半数を保有することを認めない考えを示している。トランプ大統領は日本製鉄の幹部と協議する意向を持っており、この協議を通じて日本製鉄の買収計画に対して制限を加えることを検討している。過半数を保有することを許可しないという方針は、米国の鉄鋼業を守るための戦略として、外国企業による米国企業の支配を防ぐ狙いがあると考えられる。

 このように、USスチールの買収を巡る争いは、単なる企業間の競争にとどまらず、米国政府の保護主義的政策や外交問題とも絡み合っており、今後の展開に注目が集まっている。

【要点】
 
 1.ゴンカルベスCEOの発言

 ・「日本製鉄は荷物をまとめて去るべき」と述べ、USスチールの買収計画を断念するよう求めた。
 ・発言の背景には、米国と日本間での外交問題の懸念がある。

 2.トランプ大統領の関税政策

 ・トランプ大統領は鉄鋼製品に25%の関税を課す意向を表明。
 ・ゴンカルベスCEOはこの関税政策を歓迎し、外国の競争相手を罰し、国内の鉄鋼生産者を強化すると評価。

 3.日本製鉄による買収計画

 ・日本製鉄はUSスチールの買収を試みたが、クリーブランド・クリフスに競り負けた。
 ・もし日本製鉄が計画を断念した場合、クリーブランド・クリフスは別の鉄鋼メーカーと協力してUSスチールの買収を再度試みる可能性がある。

 4.トランプ大統領の立場

 ・トランプ大統領は日本製鉄に対し、USスチールの株式の過半数を保有することを認めない方針を示している。
 ・日本製鉄の幹部と協議し、この問題に対する制限を加えることを検討中。

 5.米国の鉄鋼業に対する影響

 ・トランプ大統領の関税政策は、米国の鉄鋼業者を保護し、国内生産を強化することを目指している。

【引用・参照・底本】

日本製鉄は荷物をまとめて去れ=米大手鉄鋼CEO sputnik日本 2025.02.26
https://sputniknews.jp/20250226/ceo-19607583.html

トランプ:「静かにしろ、すでに話しすぎだ」2025年03月01日 21:16

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【概要】
 
 2025年3月1日、アンドリュー・コリブコによる記事では、ウクライナのゼレンスキー大統領がトランプ前大統領およびバンス副大統領との対話において、平和交渉を妨害したとされている。ゼレンスキーは、トランプ政権が彼にプーチンとの和平を強要し、さらにレアアース鉱物の取引に基づいて戦争の長期化や拡大をさせないことに気づき、意図的に事態を悪化させたと主張されている。

 ゼレンスキーがホワイトハウスでの会談中にバンス副大統領の穏やかな発言に反応し、激しく反発したことを批判している。ゼレンスキーは、バンスがプーチンとの交渉を優先すべきだと述べた際、これに過剰に反応し、トランプ氏はゼレンスキーに対し口を閉じるよう命じ、ゼレンスキーの態度を非難した。この一連のやり取りが原因で、ゼレンスキーはホワイトハウスを追い出され、彼が期待していたレアアース鉱物の取引も結ばれないままとなったとされている。

 ゼレンスキーの行動は、トランプ政権が彼をプーチンとの和平に導こうとしていることを理解し、それに反発した結果だとされる。ゼレンスキーがその場で行った行動がアメリカとの関係を悪化させ、ウクライナがアメリカの軍事支援なしでは立ち行かなくなることを無視した結果であると指摘している。

 最終的には、ゼレンスキーの行動が和平プロセスを妨害し、アメリカとの関係を破壊する結果となったとし、トランプとバンスがゼレンスキーを非難した一方で、ゼレンスキーがその後どのような対応を取るかが今後の焦点となると述べている。

【詳細】

 アンドリュー・コリブコによる2025年3月1日の記事では、ウクライナのゼレンスキー大統領とトランプ前大統領およびバンス副大統領とのホワイトハウスでの会談について、ゼレンスキーが自らの立場を悪化させた経緯を詳述している。

 まず、ゼレンスキーはアメリカとのレアアース鉱物の取引に関する合意を結ぶためにホワイトハウスを訪れた。トランプ大統領とバンス副大統領は、この取引を通じて、ウクライナとアメリカの関係を改善し、またゼレンスキーをプーチンとの和平交渉に導くことを目指していたとされている。特に、トランプ政権はゼレンスキーが長期的な戦争を継続することなく、早期に和平を結ぶことを期待していた。

 しかし、ゼレンスキーは会談中にバンス副大統領が発言した「プーチンとの外交的解決を優先すべきだ」というコメントに過剰に反応した。ゼレンスキーは、これを自分への攻撃と捉え、バンスに対して激しく反論した。バンスの発言は決して個人的な攻撃ではなく、ウクライナとロシアの間で和平を目指すべきだというものであったにも関わらず、ゼレンスキーはこれに激怒し、反論を展開した。

 その後、ゼレンスキーはバンスに対し「大きな声で話している」と非難し、その結果、トランプはゼレンスキーに対して「静かにしろ、すでに話しすぎだ」と指摘した。トランプはゼレンスキーの行動を厳しく批判し、ゼレンスキーがアメリカからの援助に対して感謝していないと非難した。この一連の出来事は、ホワイトハウスでの非常に異例なシーンを生み出し、ゼレンスキーは最終的にホワイトハウスから追い出される結果となった。

 コリブコは、ゼレンスキーがアメリカ側の意図を誤解したことが事態を悪化させたと述べている。ゼレンスキーは、アメリカがプーチンとの和平を進めるために彼を利用しようとしていることを理解し、これに反発して意図的に会談を台無しにしたとされている。ゼレンスキーがトランプとバンスを挑発することで、アメリカ側が彼に和平を強要する圧力をかけることを避けようとした可能性が指摘されている。しかし、この行動がゼレンスキーにとって非常に不利な結果を招いた。

 また、ゼレンスキーはアメリカがウクライナに対して重要な軍事支援を提供していることを忘れていたとされている。アメリカにとって、ウクライナは必須のパートナーではなく、特にトランプ政権はロシアとの間で新たなレアアース鉱物の取引を進めることを考えているため、ウクライナの資源はそれほど重要ではないと見なされている。逆に、ウクライナはアメリカからの軍事援助に依存しており、この点を無視することはウクライナにとって重大なリスクを伴う。

 さらに、ゼレンスキーの行動によって、アメリカがウクライナへの支援を停止する可能性が浮上した。もしトランプが言う通りにウクライナへの支援を中断するなら、ウクライナはアメリカの軍事支援を失い、ロシアの進攻に対して無力となる可能性がある。この場合、ロシアはウクライナ東部だけでなく、さらに西方への進軍も視野に入れることができる状況となる。

 ゼレンスキーがトランプとバンスとの関係を完全に悪化させた結果、ウクライナとアメリカの間での和平プロセスは困難となり、トランプとプーチンとの間で進められるべき「新しいデタント(緊張緩和)」が進行する可能性が高くなった。この状況において、ゼレンスキーが関与しない形で、アメリカとロシアの間での妥協が進むことになるかもしれない。

 最終的に、ゼレンスキーが平和交渉を台無しにしたというのがコリブコの結論であり、もしゼレンスキーが依然として戦争を継続し、アメリカが支援を撤回するなら、ウクライナはロシアの支配下に置かれる可能性が高まる。それに対して、欧州連合(EU)の反応がどうなるかは不明であるが、ゼレンスキーの今後の決定によって、事態は一層明確になるとされている。

【要点】
 
 ・ゼレンスキーは、アメリカとのレアアース鉱物取引を目的にホワイトハウスを訪れた。
 ・トランプ前大統領とバンス副大統領は、ゼレンスキーに和平交渉を優先するよう促すことを期待していた。
 ・バンス副大統領が「プーチンとの外交的解決を優先すべきだ」と発言したが、ゼレンスキーはこれに過剰に反応し、激しく反論した。
 ・ゼレンスキーの反論に対して、トランプは「静かにしろ、すでに話しすぎだ」と指摘した。
 ・ゼレンスキーの行動により、ホワイトハウスでの会談は非常に異例な展開となり、最終的にゼレンスキーは追い出される結果に。
 ・コリブコはゼレンスキーがアメリカ側の意図を誤解し、意図的に会談を台無しにしたと述べている。
 ・ゼレンスキーがアメリカからの軍事支援に感謝していないことが問題視され、支援停止の可能性が浮上。
 ・ゼレンスキーがアメリカとの関係を悪化させたことにより、ウクライナとアメリカの和平プロセスは困難になった。
 ・トランプとプーチンとの間で新たなデタント(緊張緩和)が進む可能性が高まり、ゼレンスキーが関与しない形で進展する可能性もある。
 ・ゼレンスキーが戦争継続を選択し、アメリカの支援が停止されると、ウクライナはロシアの支配下に置かれる可能性が高くなる。
 ・EUの反応は不明だが、ゼレンスキーの決定が今後の状況を決定づける。

【引用・参照・底本】

Zelensky Picked His Fight With Trump & Vance After Getting Cold Feet About Making Peace Andrew Korybko's Newsletter 2025.03.01
https://korybko.substack.com/p/zelensky-picked-his-fight-with-his?utm_source=post-email-title&publication_id=835783&post_id=158159348&utm_campaign=email-post-title&isFreemail=true&r=2gkj&triedRedirect=true&utm_medium=email

アメリカのダブルスタンダード2025年03月01日 21:28

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【概要】
 
 2025年2月28日、中国人の不法移民40名がタイから中国に送還され、家族と再会した。彼らは犯罪組織に騙されてタイに不法入国し、10年以上も拘束されていた。この帰国は本来、喜ばしい出来事であるべきだったが、西洋の一部では「人権問題」として取り上げられ、特にアメリカが声高に「強制送還」として非難している。

 アメリカは、この送還された中国人がウイグル人であると誤って主張し、中国の新疆ウイグル自治区に関する誤った情報を再度拡散している。しかし、この送還は法律と国際的慣行に基づき、タイと中国の協力によって行われたものである。送還された者たちは、犯罪組織に利用され、不法に国境を越えてタイに滞在し、タイ当局に拘束されていた。彼らとその家族は多くの苦しみを経験しており、彼らの法的権利は保護され、重病者には医療が提供された。

 タイ政府は、この送還はタイの主権に基づくものであり、国家利益のために行われたと明言している。また、違法移民や人身売買は国際的に認められた犯罪であり、両国はこれに対する法の支配を守るための共同作業を行っている。中国とタイは近年、犯罪捜査において強力に連携し、重要な事件を解決する成果を上げている。

 新疆ウイグル自治区の人権状況については、国際的に多くの支持がある。2024年の国連人権理事会では、キューバを代表とする80カ国以上が中国を支持する声明を発表し、ウイグル問題を政治化することに反対している。

 アメリカをはじめとする一部の西洋諸国は、この送還を「人権危機」として捏造し、タイが中国に屈したと主張しているが、アメリカ自身は移民の拘留において深刻な人権問題を抱えている。アメリカの移民拘留施設では過密状態や劣悪な環境が問題視されており、同様の状況でタイが批判されるのは明らかなダブルスタンダードである。

 中国とタイの法執行協力は、透明で人道的な原則に基づいており、両国の共同作業は、アメリカの一部の批判に左右されることなく、今後も深化していくことが期待される。

【詳細】

 2025年2月28日、中国の不法移民40名がタイから中国に送還され、再び家族と再会するという出来事が報じられた。この送還は、彼らがタイで10年以上も拘束されていた後の帰国であり、家族との再会が叶ったことは本来喜ばしいはずの出来事であった。しかし、西洋諸国、とりわけアメリカはこの出来事に対して反応し、「人権問題」として非難を展開している。アメリカは、この送還された中国人がウイグル人であると誤って主張し、タイが中国に「強制的に送還させられた」として、その行動を強く批判している。このような反応は、あたかも中国の新疆ウイグル自治区における人権問題を再度取り上げるための政治的な駆け引きの一環であると見受けられる。

 送還された中国人の状況と送還の背景

 送還された40名の中国人は、犯罪組織によって騙されてタイに不法に入国した者たちである。彼らは、不法移民として国境を越えた後、タイで拘束され、10年以上にわたり拘束されていた。彼らが送還された背景には、タイ当局による合法的な措置と、それに対する中国政府の協力がある。これらの中国人は、犯罪組織によって人身売買や詐欺に巻き込まれ、タイに不法滞在していたため、法律を犯したことになる。送還された際、タイの政府は「送還はタイの主権のもとで行われた」とし、タイと中国は法的根拠に基づいて協力していることを強調している。

 また、送還された中国人の家族は、何年もタイの拘束施設で過ごす彼らに対して、再会を求めて中国政府に助けを求めていた。中国政府はこれに応じ、法的手続きが適正に行われた上で、送還を実現させた。その過程では、送還された者たちの法的権利は十分に守られており、例えば、病気にかかった者には医療が提供されるなどの配慮もなされていた。

 西洋諸国の反応と中国・タイの立場

 一方、アメリカを中心とする西洋諸国は、この送還に対して強い反発を示している。アメリカは、送還された中国人がウイグル人であると主張し、これを「強制送還」として中国の人権侵害の一環として非難している。しかし、この主張は事実と異なっており、送還された中国人がウイグル人であることを示す証拠はない。実際、これらの中国人は犯罪組織に騙されて不法にタイに渡った者たちであり、その行動は犯罪であった。送還は、あくまでタイと中国の間で合意に基づいて行われた合法的な措置である。

 タイ政府は、この送還をタイの主権に基づく正当な手続きであると説明している。タイは、違法移民や人身売買が国際的に重大な問題であり、これを防ぐために積極的に取り組んでいる。また、タイと中国は国際的な法規範を遵守し、犯罪組織に立ち向かうために協力しており、両国の法執行機関は共同で大規模な犯罪捜査を行ってきた。これらの取り組みは、東南アジア地域の秩序維持に貢献していると認識されている。

 アメリカのダブルスタンダード

 アメリカの批判に対して、中国はアメリカ自身の人権問題に対するダブルスタンダードを指摘している。アメリカは、移民を拘束するために巨大な収容施設を運営しており、その多くは民間企業に委託されている。アメリカの移民収容施設では過密状態が問題となっており、特に子供たちが劣悪な環境で扱われていることが報告されている。また、アメリカが不法移民に対して強硬措置を取る際には、しばしば手錠や足かせを使った拘束が行われている。このような行動に対しては、アメリカ自身が何も言及しないことが多く、逆に中国やタイの法執行措置に対しては厳しく非難している。このようなアメリカのダブルスタンダードは、国際社会での信頼性を損ねる要因となっている。

 まとめ

 この中国とタイの共同送還作業は、両国が法的手続きと国際基準に基づいて行ったものであり、法の支配を守るための重要な取り組みである。一部の西洋諸国がこれを「人権問題」として誤解し、政治的な目的で利用しようとすることは、事実を歪曲する行為である。国際社会は、これらの誤った情報に惑わされることなく、事実を基に冷静に判断する必要がある。また、アメリカは自国の移民政策の問題に向き合い、他国の内政に過度に干渉することを避けるべきである。

【要点】

 1.中国人の送還: 2025年2月28日、タイから中国に送還された40名の中国人が家族と再会した。彼らは不法移民としてタイで10年以上拘束されていた。

 2.送還の背景

 ・送還された人々は犯罪組織に騙され、不法にタイに入国した。
 ・彼らは不法移民として拘束され、10年以上タイに滞在していた。
 ・送還は中国とタイの間で合法的に行われ、送還された者の法的権利も保護された(例: 病人への医療提供)。

 3.西洋諸国の反応

 ・アメリカを中心に、一部の西洋諸国が送還を「強制送還」とし、「人権問題」として批判している。
 ・これらの国々は送還された中国人がウイグル人だと主張し、中国の新疆ウイグル自治区に関する人権問題を再度取り上げている。

 4.タイ政府の立場

 ・タイ政府は、送還は「タイの主権」に基づいて行われた正当な措置だと強調している。
 ・タイは不法移民と人身売買に対処するため、積極的に取り組んでおり、中国と協力して法執行を行っている。

 5.送還の法的根拠

 ・送還は中国とタイが共に法的手続きと国際基準を遵守して行った。
 ・両国は犯罪組織に対する共闘や規範に基づく協力を進めており、これが地域秩序の維持に貢献している。

 6.アメリカのダブルスタンダード

 ・アメリカは自国の移民拘留施設での過密や劣悪な環境、過度な拘束方法に対する批判を避け、他国の法執行に対してのみ批判的な態度を取っている。
 ・アメリカは自国の移民政策の問題に対処するべきだという主張がなされている。

 7.まとめ

 ・中国とタイの共同送還は、法の支配を守るための適正な手続きであり、西洋諸国の誤った情報に対して冷静に判断する必要がある。
 ・アメリカは他国の内政に過度に干渉するのではなく、自国の問題に向き合うべきである。

【引用・参照・底本】

Which nerve of some Westerners has China-Thailand law enforcement cooperation pricked?: Global Times editorial GT 2025.03.01
https://www.globaltimes.cn/page/202503/1329294.shtml

短視的なインドのメディア2025年03月01日 22:45

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【桃源寸評】

 更新されない"愚かなる知識"を繰り出すか。米国だけかと思いきや、インドのメディアもか。

【寸評 完】

【概要】
 
 インドのメディアは、中国のアフリカとの協力に対して戦略的な近視眼的思考を示しているとされている。インド外務大臣スブラマニヤム・ジャイシャンクが日本・インド・アフリカビジネスフォーラムで、「インドは抽出型モデルの関与とは異なり、能力開発、スキル育成、技術移転を重視し、アフリカ諸国が投資から利益を得るだけでなく、自立した成長のエコシステムを築くことを目指している」と述べたと、インドのメディアは報じた。これに対し、インドのメディアは「抽出型モデル」を中国のアフリカでの活動に関連付け、「中国の借金の罠」という誤った理論を再度強調した。

 インドのメディアは、自国のアフリカとの協力を「能力開発」のモデルとして取り上げている一方で、中国の活動を「抽出型モデル」として非難し、ゼロサムゲーム的な思考を浮き彫りにしている。インドはアフリカの接続性やインフラ開発に12億ドル以上の融資を行っており、同時に中国のアフリカへの融資については、「多くの貧困国が経済的な不安定に直面しており、数百億ドルの外国貸付によって崩壊の危機に瀕している」と論じている。これは明らかな二重基準である。

 「中国が世界最大の政府貸し手である」という主張は根拠がない。国際通貨基金(IMF)のデータによると、アフリカの外部債務において、商業債券と多国間債務は66%を占めており、中国とアフリカ間の二国間債務はわずか11%に過ぎない。中国はアフリカの債務の主な債権者ではない。

 「中国の借金の罠」という理論は繰り返し反証されている。ルワンダのポール・カガメ大統領は、中国のアフリカでの存在は他国とは異なり、「中国はアフリカのどの国にも無理に資金を提供して負債を積み上げさせたわけではない」と指摘している。南アフリカのシリル・ラマポーザ大統領も、中国のアフリカへの投資が「借金の罠」を招いているとは考えておらず、むしろ相互利益に基づく関係の一環であると述べている。

 インドの中国に対するアフリカでの投資批判は、単なるやっかみである。インドはアフリカの4番目の貿易相手国であり、両国間の貿易額は1000億ドルに達しており、安定して成長している。一方、中国はアフリカにおける最大の貿易相手国であり、15年連続でその地位を維持しており、アフリカにとっても最大の投資元の一つである。中国とインドの両国のアフリカへの投資は、アフリカの人々の生活改善に大きく貢献するだろう。しかし、一部のインディアの強硬派は、中国のアフリカへの投資をグローバルサウスにおけるリーダーシップを巡る競争の一環として捉えている。

 上海国際問題研究所南アジア研究センターの劉宗義所長は、インドが中国と南アジア、東南アジア、さらにはアフリカの国々との協力を評価する際に「抽出型」や「借金の罠」といった言葉を使い、意図的に批判的な言辞を用いることについて言及している。こうした言辞は、論理的な根拠が欠けており、アフリカの真の発展ニーズを無視している。

 中国とインドは、世界的な発展の不足に直面しており、アフリカに対してより大きな戦略的先見の明を示すべきである。アフリカは大国間の競争の場ではなく、協力とウィンウィンの成果を生み出すブルーオーシャンであると、清華大学国際戦略研究所の前鋒所長は述べている。もし中国とインディアがアフリカにおける投資分野でのコミュニケーションと調整を強化できれば、アフリカ諸国に歓迎されるだけでなく、すべての関係者に利益をもたらすだろう。

【詳細】

 インドのメディアが中国のアフリカとの協力に対して示している批判は、戦略的な近視眼的思考に基づいているとされている。具体的には、インド外務大臣のスブラマニヤム・ジャイシャンクが、日本・インド・アフリカビジネスフォーラムで述べた「インドは抽出型モデルの関与とは異なり、能力開発、スキル育成、技術移転を重視し、アフリカ諸国が投資から得る利益だけでなく、自立した成長のエコシステムを築くことを目指す」という発言に対し、インドメディアは中国のアフリカでの活動を「抽出型モデル」と位置づけ、「中国の借金の罠」理論を再び強調した。この批判は、インドと中国がアフリカにおいて異なる方法で関与しているという前提に立っているが、その実態は誤った前提に基づいている。

 インドの「能力開発」モデルと中国の「抽出型モデル」

 インドは、自国のアフリカとの協力を「能力開発」や「技術移転」を中心に据えたモデルとして宣伝している。このモデルは、アフリカ諸国がインフラ投資やその他の支援を受けつつ、技術やスキルを蓄積し、自立的に成長することを重視しているとされる。一方で、インドのメディアは、中国がアフリカに対して「抽出型モデル」、つまり資源を採掘し、その利益を自国に持ち帰るだけの利益誘導型のアプローチを採っていると批判している。

 この批判の背景には、インドのゼロサムゲーム的な思考があるとされる。インドのメディアは、中国がアフリカに対して融資や投資を行っていることを「借金の罠」として強調しており、その一方で自国の投資を「持続可能な成長を目指した支援」として位置づけている。しかし、これはあくまでインドにとって有利に見せるための偏った見解であり、実際には中国のアフリカでの投資が必ずしも一方的な利益誘導に結びついているわけではない。

 中国とアフリカの関係の実態

 中国がアフリカに提供している融資や投資は、インフラ整備や開発支援を通じてアフリカの経済成長に貢献してきたとされる。実際、中国のアフリカへの投資額は非常に大きく、15年連続でアフリカ最大の貿易相手国であり、アフリカ各国との貿易額は増加を続けている。しかし、インドメディアは中国の投資を「借金の罠」として描き、アフリカ諸国が過剰な債務に苦しんでいるというイメージを作り上げている。

 実際には、アフリカの外部債務のうち、中国からの二国間債務は11%に過ぎないというデータがある。アフリカの外部債務の大部分は商業債券や多国間債務が占めており、商業的な融資が主な負担となっている。中国がアフリカ諸国に貸し付けている資金は、アフリカの経済発展にとって重要な役割を果たしているが、それが「借金の罠」だとするインドメディアの主張は事実に基づいていない。

 「中国の借金の罠」の反証

 「中国の借金の罠」理論は、何度も反証されてきた。例えば、ルワンダのカガメ大統領は、中国がアフリカ諸国に対して強制的に借金を積ませたわけではないと述べており、南アフリカのラマポーザ大統領も、中国の投資はアフリカにとって相互利益に基づくものであり、「借金の罠」ではないと強調している。これにより、中国とアフリカの関係は、インドメディアが描くような一方的な搾取的な関係ではないことが明確に示されている。

 インドと中国のアフリカへの関与の違い

 インドと中国は、アフリカにおける貿易や投資の規模において大きな差がある。インドはアフリカの4番目の貿易相手国であり、貿易額は1000億ドルに達しているが、依然として中国の規模には遠く及ばない。中国はアフリカ最大の貿易相手国として、アフリカにおける経済的影響力を強化している。インドと中国の両国がアフリカにおいて投資を行うことは、アフリカの経済発展にとって重要な意味を持つが、インディアの一部のメディアはこれを中国とのリーダーシップ争いとして捉え、対立的な視点で報じている。

 戦略的先見性の欠如

 インディアの中国に対するアフリカでの投資に対する批判は、単なるやっかみに過ぎないとの指摘もある。インディアと中国は、共に最大の発展途上国であり、アフリカに対してより戦略的な先見の明を持ち、協力すべきだという意見もある。アフリカは大国間の競争の場ではなく、協力と相互利益を追求すべき地域である。清華大学の前鋒所長は、中国とインディアがアフリカでの投資分野でコミュニケーションと調整を強化すれば、アフリカ諸国にとって歓迎されるだけでなく、関係するすべての国に利益をもたらすだろうと述べている。

 まとめ

 インディアのメディアによる中国のアフリカにおける活動への批判は、事実に基づかない誤解や偏見に満ちている。アフリカ諸国の発展には、インディアと中国が協力し、競争ではなく協調を重視する戦略が求められる。

【要点】

 ・インディアの批判: インディアのメディアは、中国のアフリカでの活動を「抽出型モデル」とし、インドの協力を「能力開発」や「技術移転」と強調している。しかし、この批判は戦略的な近視眼的思考であるとされる。

 ・インディアの「能力開発」モデル: インディアは、アフリカ諸国に対して「技術移転」や「スキル育成」を通じて自立的な成長を促すモデルを提案。しかし、インディアのメディアは中国のアフリカでの活動を「抽出型モデル」とし、資源を搾取していると批判している。

 ・中国とアフリカの関係: 中国のアフリカへの投資は、インフラや経済発展の支援を行っており、「借金の罠」とされることが多いが、実際には中国の融資はアフリカの発展に貢献しているとされる。

 ・「中国の借金の罠」の誤り: 中国はアフリカ諸国に過剰な負債を押し付けているという主張は誤りで、アフリカの外部債務の大部分は商業債券や多国間債務によるもので、中国はその中で小さい割合を占める。

 ・アフリカにおける中国の投資の実態: ルワンダのカガメ大統領や南アフリカのラマポーザ大統領は、中国の投資を相互利益に基づいたものと見なしており、「借金の罠」という見方には疑問を呈している。

 ・インディアと中国のアフリカにおける影響力の違い: インディアはアフリカの4番目の貿易相手国であり貿易額は増加しているが、中国は15年連続でアフリカ最大の貿易相手国であり、圧倒的な経済的影響力を持つ。

 ・インディアの批判の背景: インディアの一部メディアは、中国とのリーダーシップ争いとしてアフリカでの投資を対立的に捉え、これが批判の根本にある。

 ・協力の必要性: インディアと中国は、アフリカにおける発展のために協力すべきであり、戦略的な先見の明を持ち、競争ではなく協力を重視することが重要とされる。

 ・まとめ: インディアのメディアの批判は事実に基づかないものであり、アフリカにおける両国の協力が必要であると指摘されている。

【引用・参照・底本】

Indian media’s views on China’s cooperation with Africa show strategic short-sightedness GT 2025.02.28
https://www.globaltimes.cn/page/202502/1329235.shtml